※この作品はR-18です。

大逆転! 大東亜戦争を勝利せよ!!   作:休日ぐーたら暇人

128 / 167
前号で出た再編成された『第二機動艦隊』の朧気な姿がわかります。
本格的な艦隊の姿はまた別の機会に。


次号 ☆修☆羅☆場☆




128 初会合

6月28日 横須賀鎮守府 会議室

 

 

この日、『新第二機動艦隊』の艦隊・戦隊幹部達が集まり、主要首脳陣の顔合わせが行われる事になった。

第四艦隊からは松島宮、滝崎、神中佐、木村少将(第六水雷戦隊)、小園中佐(特設防空航空戦隊)をメインに参加、これに第四航空戦隊並びに第二機動艦隊司令角田中将(24日付けで昇進)とその参謀達、第七戦隊の西村少将とその参謀達…と言う陣容が集まっていた。

 

 

「ここに集まった皆はそれなりに事情を承知だと思うが、第一機動艦隊が先のミッドウェー海戦で当面の作戦行動が不可能となった。よって、再編成を行い、臨時編成であった第二機動艦隊に基幹となる第四艦隊や第七戦隊等を組み込み、制式な常設編成とした『第二機動艦隊』を編成する事になった。いま居る面々はその構成戦隊の代表となるので、各員しっかりと頼む…では、松島宮殿下、殿下の方からもお願いします」

 

そう言って角田中将は松島宮に振る。

 

 

「えっ、あっ、あぁ、わかりました…コホン、知っての通り、先のミッドウェーでの敗戦にも関わらず、アメリカ政府は講和どころか、停戦・休戦の提案すら拒否している。その姿勢に我々よりもアメリカ国民自身が政府や大統領に不満を露わにしているが、頑なに姿勢を崩す素振りは見えない。先の本土空襲作戦の様な博打的な作戦をやる戦力は無いとは言え、政府の姿勢にアメリカ海軍が従わざるをえない以上、この再編成に伴う第二機動艦隊の常設編成化は第一機動艦隊に代わり、アメリカ海軍の反攻的な動きに対応し、敵の戦意と政治姿勢を打破するものと個人的には考えている。様々な苦難困難が立ちはだかるだろうが、あのアメリカが相手である以上、それに対応し、日本の勝利と安寧に寄与してもらいたい。私からは以上だ」

 

予定外の挨拶の振りにも関わらず、とりあえず無難に纏めて挨拶を終える松島宮。

 

 

(まあ、史実の第三艦隊の編成みたいなもんなんだよな…ただ、ミッドウェーの損耗が軽くて、鹵獲を含めた空母戦力が増えたから、『第二機動艦隊』になっただけで)

 

一方、史実も事情も知っている滝崎は聞き耳は立てつつ、配られた『編成表』に視線と思考を向けていた。

 

 

(艶鶴と龍驤の第四航空戦隊、ミッドウェーに参加した隼鷹、姉妹艦の飛鷹の第六航空戦隊、最上型の第七戦隊、ウチの第四艦隊の所属戦隊、宙ぶらりん状態だった九頭竜・嘉瀬を加えて新設された物と、外部から編成した物の新設2個戦隊か…計37隻で約2.5倍増だな)

 

編成表に一通り目を通し、内容を確認する。

 

 

(九頭竜・嘉瀬の戦隊が『第十一戦隊』、外部編成新設が『第七水雷戦隊』か…これ、第三艦隊は編成され無いけど、第十戦隊は編成されるパターンか? まあ、別に構わないけど…兎にも角にも、巡洋艦戦隊と水雷戦隊が2個づつあるのは助かる。何かしらで艦隊を分ける場合、バランス良く分けれるし、給油の件を除けば快速艦艇は幾らあっても困らない。第四艦隊の時は仕方無いとは言え、戦艦戦隊と水雷戦隊との中間存在が無いのは危なかったからな。そう思えば、第二機動艦隊への統合は歓迎すべきだし)

 

そう内心で納得していた滝崎。

 

 

「…と、堀長官と山本総長からは仰られていた。故に当面の我々の主目的は米豪遮断作戦の完遂であるが…アメリカ軍の対応の分析を滝崎大佐、すまないが述べてくれ」

 

集まった諸将に米豪遮断作戦の再開について話していた角田中将が滝崎に話を振った。

 

 

「(マジか…俺にも話を振るか…)お初にお目に掛かります、滝崎正郎大佐です。以後お見知り置きを…さて、我が方の米豪遮断作戦に対するアメリカ軍の対応ですが、アメリカ軍もオーストラリア近辺で戦う事を望んでいます」

 

滝崎の言い切りに一部の面々を除き、場がざわめきだす。

 

 

「我々が『米豪遮断作戦を実行するから戦う』、ではなく、『アメリカもオーストラリアで戦う事を望んでいる』とはどう言う事かね?」

 

西村少将が皆を代表する様に訊いてくる。

 

 

「皆様のご存知の通り、アメリカの主戦力は今までの戦いで壊滅しております。特に空母に関しましては大西洋方面に居るレンジャーを除けば稼働出来る物はありませんし、戦艦も大西洋から回すしかありません。それでも、今の我が方と戦うにはまったく足りていません」

 

これに誰もが頷き、同意を示す。

 

 

「これに対して現在、アメリカ国内では戦時増強計画に従い、海軍戦力の回復に努めておりますが、そう簡単に回復は出来ません。早くとも年末から年明けを待たねば揃わないでしょう。この戦力差で我が方と戦うとなると、持久しながら我々の損耗を強いる必要があります」

 

 

「我々が出て来る事も解っている。故にオーストラリアで戦う方が望ましい、と?」

 

 

「はい。先のMO作戦でアメリカ側も米豪遮断作戦の事は承知でしょう。また、反攻に出るにしても、オーストラリアと言う拠点が存在しますから、トラック諸島をはじめとした南方方面の島々を制圧しながら北上する形をとれば拠点を確保しつつ、我が方の力も削ぐ事が出来ます」

 

西村少将の確認に肯定しつつ、(史実でそうであった事もあり)現実的な観点を述べる滝崎。

 

 

「待ってほしい。確かに持久しながら損耗を強いる、と言うのは解る。主戦力を欠いてる状況ならば、そうするしか手段が無いのも理解する。だが、故に我が方の米豪遮断作戦に付き合う必要も無いのではないか? なんなら、ゲリラ的に戦うならば、天候の問題はあるが、北方方面であるアラスカ・ダッチハーバー方面から攻めるなり、嫌がらせをするなり、方法があるのではないか? 堀長官や山本総長がそれを考えてない筈はないが、それはどうなのかね?」

 

そう声を上げたのは羽黒艦長から昇進と共に新設された第七水雷戦隊司令官に就任した森友一(もりともかつ)少将。

 

 

「確かに手段としてはあり得ます。ですが、北方方面からは天候以外の観点から見ても難しいものがあります。そもそも、逆に北方方面はアメリカ側としては『反理想的』と言えます」

 

そう言って滝崎は手近にあった太平洋の略図を拡げる。

 

 

「アメリカが望む『損耗』には戦力損耗の他に補給能力の低下も含まれています。アメリカ側の読みとしては国力の違いから、遠距離での補給・補充への持続力はアメリカに旗が上がると考えているでしょう。アメリカが米豪遮断作戦を望んでいるのも、『日本本土から遠い』オーストラリア方面の作戦であるからです。逆に北方方面からちょっかいを掛けた場合、日本本土から近い事、更にはアラスカに近い事に問題があります。曲がりなりにもアラスカと言うアメリカ本土領に上陸された場合、間違いなく、アメリカ国内は混乱と海軍・政府への批判と糾弾に曝され、只でさえ戦争継続すら怪しい現状が『詰み』になります」

 

 

「故に、『下手に注目されるのが嫌だから』北方方面からは何もしない、と?」

 

森少将の確認に滝崎は頷く。

 

 

「では、何かね? アメリカ側は米豪遮断作戦の事を除いても、日本本土から遠く、逆に日本の領域に近く、拠点と成り得て、更には政治的に領土が取られても痛くも痒くもないから、『オーストラリア方面で戦う事』を選択したのかね?」

 

第六航空戦隊司令の城島高次(じょうしまたかつぐ)少将が今までの説明に『冗談だろう?』と言いたげに確認する。

 

 

「端的に言えばそうなります。今のところ、『オーストラリア自治政府』が味方なだけで、オーストラリア軍はイギリスの戦時統制下にあり、無いも同然です。よって、今のアメリカ政府にはオーストラリアは『囮』か『壁』、或いは『厄介者』と思っているのでしょう。まあ、別に我々はオーストラリア本土に上陸する必要は無いので、気にしなくても問題はありません」

 

その返答に別の意味で場がざわめき出す。

 

 

「以上、アメリカは将来的な反攻も考えて米豪遮断作戦に対して対応して来るでしょう。それが攻勢的か防御的かは置いとくとしまして、大元のアメリカ軍を叩き出してしまえば、ほぼ米豪遮断作戦は完了したも同然となります。まあ、向こうもそれを解っている上で対応してきますが、そもそも、今のアメリカ軍は大きな『爆弾』を抱えておりますので、冷静に対処すれば問題はないかと」

 

 

「滝崎副…失礼、滝崎大佐、その『爆弾』とは?」

 

滝崎の締めの言葉の『爆弾』と言う言葉に、この度少将昇進に伴い新設の第十一戦隊司令に就任した元山城艦長の小畑長左衛門少将が訊いてきた。

 

 

「先のMO作戦、並びにミッドウェーでもアメリカは我が方の意図・動きを暗号解読にて把握し、先手を取る為に動いてきました。ですが、『暗号解読がバレていて、それが利用されていた』事が解った以上、今後アメリカ側は暗号解読が信用出来ないどころか、罠の可能性すら考えなければなりません。つまり、最大の利点にして、頼りどころを失ったアメリカ側は盲目状態で戦わなければいけない以上、アメリカ側の動きは鈍くなるでしょう」

 

『実際にはそれ以上にヤバい事になってるが、ここで話す必要も無い』と内心で呟きつつ、滝崎は小畑少将の問いに答えた。

 

 

 

……この後、艦艇の集結や訓練の調整等を終えた面々は親睦会となったのだが、松島宮と同じぐらい滝崎が何故か囲まれる事態となるのは別の話である。

また、今回も松島宮が神中佐の実家から取り寄せた物(+イタリア・ドイツの酒類)が『下賜酒』と称して配られたのは…何時もの話である。

 

 

 

次号へ




ご意見ご感想をお待ちしております。

本作品ヒロイン(3人)とのR18シーンの有無

  • 有り
  • 無し
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。