リメイクに伴い、オリジナルとは大分内容が変更されております。
また、一部艦艇は出ていますが、艦隊・艦艇の詳細は別の機会にと思います。
(一部史実ネームドがチラホラしております)
次号 その頃…アメリカは……
7月10日 相模湾 加賀艦橋
「いや〜、壮観な光景ですな」
「うむ、観艦式に引けを取らん光景だ。しかも、これが艦隊行動を取る訳だからな」
勢揃いした第二機動艦隊の艦艇群を見ながら松田艦長と松島宮が話していた。
「飛鷹の配備も多少遅れると聞いていたのだがな…何か聞いていますか?」
「なんでも、第二機動艦隊が制式編成になり、殿下の居られる第四艦隊もその中に居ると聞いて、『参集に遅れるのは武士の恥』と言って奮起した、とか」
「…頑張ってくれるのは良いのが、無茶はせんでほしいのだがな」
松田艦長から理由を聞いて、何とも言えない顔で返した。
第二機動艦隊上空
「にしても、聞くと見るとでは大きく違うな…倍以上に増えたから、余計にそう思えるがな」
艦隊上空で鍾馗を旋回させながら赤松飛曹長はそんな感想を漏らす。
なお、いまの彼はこれから行われる第二機動艦隊単独の演習(全体的練度確認)の上空直衛役(何時も通り)である。
「さて、そろそろ、艶鶴から追加の直衛隊が上がってくる筈なんだが…」
そう呟きながら第二機動艦隊旗艦である艶鶴の方を見ると、4機が上がってくるところだった。
「おっ、来た来た…ん? あれは…鍾馗!?」
上昇してくる機体を見て思わず赤松飛曹長は驚く。
何故なら、今のところ、陸軍以外で鍾馗を運用しているのは神鷹のみの筈だからだ。
そして、上がって来た最初の一機が横に並ぶとパイロットは『顔見知り』だった。
「磯崎か!? 久しぶりだな!」
『やっぱり赤松か! お前の活躍は聞いてるぞ!』
並んだ鍾馗に乗るのは磯崎千利(いそざきちとし)飛曹長。
かつて、龍驤に居た時に出会い、その後も数度同じ部隊に居たパイロットだった。(史実でも10機以上を撃墜し、大戦を生き延びたパイロットでもある)
「お前も鍾馗に乗ってたのか? と言うか、なんで艶鶴に鍾馗が載っているんだ?」
『小園中佐からは声を掛けられいたんだが、俺は補充側に回されたんだよ。で、艶鶴の航空隊が急遽編成された際に零戦が足りなくて、『護衛隊』の零戦と『直衛隊』の鍾馗との混載で話が纏まったんだ。で、あぶれてた補充組の鍾馗隊をごっそり載ったのさ。ちなみに艶鶴の鍾馗隊隊長は望月勇(もちづきいさむ)特務少尉だぞ』
「『ひねりこみ戦法』の望月さんか! しかも、少尉で隊長とはな!」
『俺から赤松の事は話してるから、望月少尉も会ってみたいそうだ。今度の上陸で時間が合えば、小園中佐や神鷹の連中と一緒に飲もうぜ!』
「おう! 帰ったらさっそく中佐に話を付けとくぜ!」
『此方、第二機動艦隊航空参謀。これより演習を開始する。私的な会話は後にする様に。以上』
下にも聞こえていたらしく、互いに苦笑いを浮かべる赤松・磯崎両飛曹長だった。
艶鶴艦橋
「やれやれ…本元が神鷹の鍾馗隊に繋がっている時点で、こうなるとはわかっておりましたが…」
呆れた様に第二機動艦隊航空参謀の奥宮正武(おくみやまさたけ)少佐が呆れ気味にぼやく。
「だが、控えと言え、神鷹の小園中佐が選んだ猛者達だ。隊長の望月少尉を含めて、神鷹に並んで艦隊直衛に心強い面々が揃っているからな」
そのぼやきに同航空先任参謀の小田切政徳(おだぎりまさのり)中佐がフォローを入れる。
「うむ…実際、ミッドウェーの戦訓として、『専用の艦隊直衛機隊の必要性』は出ていたからな。更に言うなら、機体が足りんと我々は妥協したが故の戦闘機隊の2軸編成だが、皮肉な事に上手くいきそうだからな」
苦笑いを浮かべながら角田中将が言う。
実際、他の3空母が『普通』にも関わらず、艶鶴ことエンタープライズの航空隊の編成はある意味『カオス』な状況である。
これはエンタープライズが鹵獲・運用されたが故のある種の『弊害』であり、既に正式編成されていた部隊の『余りの機体』でやり繰りしようとした結果であった。
この為、先に書いた通り、戦闘機は零戦と鍾馗、艦攻は97艦攻(在庫はあった)、艦爆がSBDドーントレス(99艦爆在庫払底の為)、艦偵の星雲、と言う面子であった。
「そう言った意味でありますと、殿下の第四艦隊の鉄壁ぶりは見習わなければなりませんな。実際、神鷹の鍾馗隊と第四艦隊の対空能力があったからこそ、珊瑚海で囮を演じきり、ミッドウェーで第一機動艦隊を助けれた訳ですから」
「山本総長や堀長官が『第四艦隊を骨幹として第二機動艦隊を編成する』と言ったのはそう言った事がありますからね」
そう言って小田切中佐と奥宮少佐は納得しながら言う。
無論、『何故、第四艦隊が居るのか』と言う『裏事情』を角田中将は知ってはいるが『機密の機密』である為、口には出さなかった。
第十一戦隊旗艦 大仙艦橋
「どうかね、古村君? 後ろはちゃんと付いて来てるかね?」
「はい、九頭竜と嘉瀬、更に木津(きづ・元ナッシュビル)は付いて来ています…ただ、あちらはアメリカの物とは言え同型の軽巡洋艦3隻、対して此方は利根型の重巡…どうも互いに引っ張り合ってる様な感触がしまして…」
第十一戦隊司令の小畑長左衛門少将は乗艦で戦隊旗艦である『改利根型重巡洋艦』大仙(だいせん)の艦長である古村啓蔵(ふるむらけいぞう)大佐に声を掛け、古村艦長は『どうもしっくりこない』と言いたげに答える。
「なるほど…まあ、九頭竜と嘉瀬は実戦も経験してるし、練度に問題は無いだろうが、木津は日が浅いからな…それを確認する為の今日の単独演習だ。肩の力を抜いて、何時もの事やってれば問題はあるまい」
古村艦長をフォローするかの様に小畑少将が言う。
「はい…ですが、『現人の戦神』松島宮殿下の手前、更に本艦の『載せ物』の公開も兼ねてますので…何とも…」
「あぁ、あの『竹とんぼ』か…潜水艦に襲われた身からしてみれば、水上機と違って、海上から拾う必要が無いし、対潜哨戒もしてくれるのだから、意義は大きいのだがな…ならば、余計に力を抜き給え。多少の失敗くらいで、殿下は騒ぎはせんよ」
「は、はい…では、これより、『発艦作業』を行います」
一呼吸置いてから、古村艦長は小畑少将に告げた。
第七水雷戦隊旗艦 木曽艦橋
「ほう、あれが『竹とんぼ』か」
大仙から『発艦』する『竹とんぼ』こと『オートジャイロ』を見ながら森友一少将は声を上げた。
「なんでも、陸軍が砲撃観測用に採用したのを『海軍でも何か使えないか』と就役した大仙で試験していたそうです。まあ、噂では殿下の侍従殿が1枚噛んでるとも言われておりますがね」
その声に木曽艦長である川井巌(かわいいわお)大佐が事情を話した。
「滝崎大佐が、か…まあ、彼ならそう言われても不思議と納得が出来るな」
「戦隊司令は滝崎大佐と会合でお会いになったそうですが…如何でした?」
「うむ、一部には悪い意味で『殿下の腰巾着』と言っている者もいるが、彼はそんな器の輩ではないよ。羽黒艦長としてMO作戦に参加していたが、そこからの繋がりと現状、更にはアメリカの動きと取りうる手段の予測まで我流で分析・算出までやっている。あれは相当な『隠し球』かもしれん…艦長ともウマが合うかもしれんな」
「なるほど…直接会う機会があるのを楽しみにしますかな」
そんな事を語りながら、次々に飛び上がるオートジャイロを見ていた。
再び加賀艦橋
「クッシュ…んん、誰かに噂されたか?」
「心当たりが多すぎだな…にしても、日本海軍はオートジャイロを対潜哨戒に使うのか?」
くしゃみをした滝崎にエーディットが苦笑いを浮かべながら訊いてきた。
「あぁ、陸軍が採用した萱場製作所の『カ号観測機』を萱場がカタパルトなどを納品してる伝手で知って試験採用したんだ。まあ、短距離離陸が出来るのはいいけど、ペイロードが無いのが難点でね…とりあえず、ホントに対潜哨戒するくらいしか無いけど、経験構築って事で運用するんだってさ」
自分が半分進言した事を『聞いた風』な口で話す滝崎だった。
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本作品ヒロイン(3人)とのR18シーンの有無
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