※この作品はR-18です。

大逆転! 大東亜戦争を勝利せよ!!   作:休日ぐーたら暇人

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と言う訳で、前半アメリカ太平洋艦隊司令部、後半第二機動艦隊司令部でのお話です。
さてはて、どうなる事やら…。

新年は書き上げれれば元旦に更新予定です。(あくまで予定)


次号 (この世界での)第一次ソロモン海戦!(複数話構成)


138 ガダルカナルへの一手

その日の夕方 ハワイ 真珠湾 太平洋艦隊司令部

 

 

「ラエとポートモレスビーからの攻撃隊は大損害を被りました。投入された新型機のP38ライトニングはゼロが得意なドッグファイトに引き摺り込まれ壊滅、B25ミッチェルなどの爆撃機は対空砲火を正面から浴びる形になりましたので…」

 

 

「それは仕方無い話だ……だが、我が方のF4Uコルセア、陸軍のP38ライトニング…ゼロに対抗する為に新型機を急いで投入したが、初期不良解消、パイロットや整備員の熟成度不足…新型機故の不具合がモロに出たか」

 

ロシュフォート中佐からの報告に昨日以上に苦い表情でニミッツ大将は言った。

実際のところ、P38は陸軍機だから(管轄の違いで)いいとして、F4Uコルセアの『初期不具合』は予想されていた事だった。

何せ、前話で磯崎飛曹長が見た敵機の形状を聞いて気付いた滝崎でさえ、思わず『F4Uコルセア!? えっ、ちょっと早くない!?』と思わず口から出かけた程であった。

何故なら、P38もF4Uコルセアも史実での実戦投入は1942年末(P38は同年8月にアフリカ戦線へ投入)以降の事で、F4Uコルセアに至っては史実通り6月後半に量産型機の初飛行が行わればかりだった。

そんな現場運用での洗い出しすら済んでいない(P38もアフリカ戦線が無かった為にこの洗い出しも中途半端)状態で投入したのだから、ある意味、当然の結果と言ってよかった。

だが、裏を返せばそんな状態にも関わらず、新型機を前線投入しなければならない程、アメリカ陸海軍は切羽詰まっていた。

 

 

「陸軍も陸軍だ。そう言った事情を話してくれれば、我々も協力するし、なんなら、ウォッチタワー作戦を延期する材料になったものを」

 

 

「…それに関連した事が、ニューカレドニアの南太平洋方面司令官から報告が入っています」

 

珍しく陸軍に愚痴ったニミッツ大将に慎重な表情で告げるロシュフォート中佐。

そして、その『報告』の内容を聞いたニミッツ大将は余りの事に目を見開いて驚き、『冗談だろう?』と言いたげな顔で思わずロシュフォート中佐とレイトン中佐の顔を相互に見返す。

が、報告したロシュフォート中佐はもちろん、レイトン中佐も『間違いありません』と言いたげに沈黙していた。

 

 

「…なんて事だ! 大統領に続き、陸軍上層部も腐っていたのか!? 敵国の人間とは言え、彼らは罪人では無いのだぞ!!」

 

怒りの余り拳を事務机に叩き付けながらニミッツ大将が叫ぶ。

そして、一呼吸置いて、冷静になってから訊く。

 

 

「この事を知っているのは?」

 

 

「現地以外なら、我々だけです。ただ、何処で漏れ出すかわかりませんが」

 

 

「いっその事、漏れてくれた方がせいせいするよ…敵艦隊の動きは?」

 

 

「攻撃隊が敵艦隊の北上を確認したのを最後に不明です。徹底的に無線封止しているらしく、影すら見つかりません。それ以外の日本側の動きも不明です」

 

 

「…敵も味方も意図が不明か…味方の方が問題過ぎるがな」

 

うんざりした様にニミッツ大将は言った。

 

 

 

8月28日 ソロモン諸島より北方の海上 艶鶴艦橋

 

 

グリーン諸島より離脱した第二機動艦隊はそのまま北上、給油隊から再度の給油を行い、今度はソロモン諸島へと近付くと、星雲による航空偵察を実施した。

そして、その星雲が艶鶴に帰還すると、写真の現像をしつつ、加賀より滝崎と神中佐(滝崎の進言で同行)を呼び出し、レナータの水観で艶鶴に来ていた。

(レナータは暇なので艦内のアイスクリーム製造機のアイスを堪能中)

 

 

「写真の現像出来ました」

 

 

「うむ、では、偵察結果を見ようか」

 

現像された写真が持ち込まれ、角田中将らの面々は現像・拡大された写真と海図を合わせながら確認し始める。

 

 

「敵艦隊、並びに輸送船団はガダルカナル島周辺に展開しているな」

 

 

「それに、見るからに第二滑走路も完成しつつありますね」

 

写真を見た小田切中佐と奥宮少佐が言った。

 

 

「ふむ、となると、我々は飛行場と敵艦隊、敵輸送船団、この3つを潰さなければならない訳だな」

 

 

「輸送船団は置いとくとして、ガダルカナル島の飛行場は脅威ですね。特に第二滑走路が完成間近なら、最優先で潰さなければ、ミッドウェーの様になりかねません。連続爆撃で滑走路を使用不可能にもっていきさえすれば、敵も折れるでしょう」

 

 

「だが、そう上手くいくか? この輸送船の数を見てみろ、50隻以上は居る。この輸送船の物資や土木機材を使われれば、2日3日あれば修復しながら拡張までしてしまうぞ? それだけの国力はあるからな」

 

奥宮少佐と小田切中佐がそんな会話を交わす中、滝崎は偵察写真を黙って観察していた。

 

 

(状況は変わっている筈だが、史実と同じ、あるいはそれ以上の規模の輸送船団であるなら、アメリカ軍は地上部隊も派遣していると言う事…ならば、まだ、史実の応用はいけるな)

 

内心で頷きながら納得する滝崎。

それを察した角田中将は滝崎に話を振る。

 

「作戦参謀、何か思い付いたかね?」

 

 

「…その『作戦参謀』はお恐れ多いのですが?」

 

 

「山本さん程ではないにしろ、この類は得意そうな気がするがね。それで滝崎大佐、何か案はあるかね?」

 

 

「そうですね…我々の標的はガダルカナル島の飛行場、重巡洋艦を主体とする敵艦隊、輸送船団、この3つです。これらを航空攻撃のみで撃破するのは戦力分散に繋がる為、中途半端になるでしょう。だからと言って、昼間に堂々と第二機動艦隊を突入させても、戦艦や空母が動き辛いと思われます」

 

 

「…その言い方だと、『それから外れた方法』ならいける、と言いたげだな」

 

 

「はい…故に神中佐の同行を進言しました。神中佐、お願いします」

 

 

「へぇ(はい)、容易く言いますと、『おっどん(我々)の十八番』をしやりもす」

 

ニヤリとしながら言う神中佐に角田中将も『何がしたいのか』が解ったらしく、同じくニヤリと笑った。

 

 

 

1時間後

 

 

「すみません、押し付けた形になりました」

 

打ち合わせを終え、一度加賀へ戻る為にレナータが居るであろう食堂へと向かう途中、滝崎は神中佐に謝罪した。

 

 

「いやいや、今まで殿下や滝崎君が矢面に立っちょった訳もすから、そろそろ年長者として良かにせ(いい格好)しませんとな」

 

滝崎の謝罪にニコニコしながら応える神中佐。

だが、次の瞬間、真剣な表情に変わる。

 

「それに、本来ならおいも参加してる戦(いくさ)じゃ。空の脅威があったとは言え、輸送船団を捨て追いた結果、『餓島』と称される一因になった責を果たす絶好の機会もす」

 

 

「…無茶はしないで下さい。史実の件も含めて、多少逃がしたり、ミスをしても全体でカバーすれば何とでもなります。ですが、それに拘って大損害を被れば、それこそ台無しになりますので」

 

 

「…はっはっはっ! 我らが殿下の侍従殿に心配されるとは…いよいよ、無事に帰(けえ)ってこんと、殿下を悲しがせるこっとになりますな」

 

覚悟を察した滝崎の言葉に豪快に笑う神中佐。

 

 

(やめて、それイケオジの死亡フラグ建設のセリフなんよ、神中佐)

 

対して、滝崎の心中は不安とも何とも言えない心配が芽生え出す。

 

 

「あっ、マサロ〜、神中佐〜、艶鶴ってジェラート(アイスクリーム)製造機あるよ〜、一緒に食べよ〜」

 

…そんな滝崎の内心など知らず、探していたレナータが食堂の入り口から2人を呼んだ。

 

 

「(…レナータ、君、両手にアイス持ってるけど、何個食べた? エーディットにまた説教くらうよ)…行きますか」

 

 

「ですな、レナータのおごじょ(嬢・娘さん)を待たすのもやっせん(ダメ)ですからな」

 

にこやかに笑いながら、神中佐は滝崎に返した。

 

 

 

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