そして、なんで、こうなった?
次号 1日目
10月10日…イギリス巡回艦隊、並びに自由フランス艦隊がヌーメアに到着。
日本側が大和、武蔵、加賀、土佐、扶桑、山城の戦艦群を先頭に出迎える中、イギリスは東洋艦隊のプリンス・オブ・ウェールズ、レパルス、追加の巡回艦隊のロドニー、ウォースパイト、ヴァリアント、自由フランス艦隊はリシュリューと日英仏の戦艦が自由フランス領に揃うと言う、何とも不可思議な光景…原因はアメリカなのだが…が生まれた。
出迎えの後、正午に第二機動艦隊は鹵獲艦艇群とアメリカ製物資、捕虜の一部と共に日本へ向けて出発した。
10月20日…第二機動艦隊、トラック諸島に到着。移送していた捕虜の中で負傷していた捕虜を病院へ搬送。艦隊は給油作業へ。
10月22日…第二機動艦隊、トラック諸島より出港。
11月12日…第二機動艦隊、横須賀に到着。鹵獲艦艇は横須賀のドックへ。各艦艇は整備の為、各母港へ向かう。
11月13日 帝都東京 軍令部
滝崎と松島宮は軍令部に来ていた。
「おっ、来たな。聞いていると思うが、オーストラリアが落ちた」
滝崎と松島宮を迎えた山本総長はまるで天気予報の話をするかの様に言って、滝崎が反応した。
「ヌーメアで回収したアメリカ憲兵隊の命令書等の証拠をイギリス巡回艦隊を受け渡し、オーストラリアに寄港した際にトム・フィリップス大将とオーストラリア総督がカーティン首相を改めて詰問した…と」
「あぁ…そして、カーティン首相が『アメリカ側からヌーメアで拘束した日本人・日系人の引き渡しがあった』事を認めた。ラバウルの件で判明した通り、彼らは支那系犯罪者として引き渡され、刑務所に収容されていた…一部では看守達からの暴行された形跡もあった。既に事態を把握したイギリス側が彼らを保護してる。それと東ティモールの件だが、『疑い』は事実だった。あの時、東ティモールを占拠したのも、空爆したのも…アメリカだ。アメリカ海兵隊が占領、レキシントンの搭載機が航空支援。オーストラリア側は白豪主義者の予備役士官数名と『オーストラリア』と言う名義を『貸した』だけだ」
「『貸した』結果が…これですか」
山本総長の答えに松島宮が呆れた。
そう、『貸した』結果はイギリス本国や他のイギリス連邦下の自治領、中立を表明したヨーロッパ諸国を巻き込み、自分達とアメリカの首を絞める結果になった。
「無論、オーストラリア側は謝罪と賠償をする。が、イギリス本国は『イギリスと王室の名誉を汚し、各植民地・自治領の安全を脅かした』として、後始末が終了次第、イギリス王室の名に於いてカーティン首相を弾劾・辞任させる。早くとも年末年始頃の予定だ」
「まあ、それはイギリス内の問題ですからね。我々が口を出すより、イギリスが後始末をするなら、角は立ちませんし」
「それで、山本総長。アメリカの方は…」
松島宮の問いに溜め息を吐いて答える。
「残念ながら、殿下。未だに…此方からの講和関連の接触すら拒否しています。向こうの主張は『日本側は自分達の継戦能力に限界が見えてきたから、早期講和の為に打診している』と」
「…まあ、見方の1つとしてはあってますね。明らかに『自分達に都合の良い解釈』と言う事が透けて見えてますけど」
「だな。アメリカ国民にも『このまま西海岸に侵攻されていいのか!?』と言っているぐらいだしな」
「アメリカ国民からすれば、『言ってる事はあってるが、お前が言うな』でしょうね」
山本総長も滝崎も松島宮も、3人共に呆れていた。
特に滝崎としては『史実は無条件降伏が絶対条件だったお前らに比べたら、天と地ほど違うわ』と言いたいぐらいである。
なお、皮肉なのはロンドンタイムズがこの状況を『拳銃を振り回すマフィア幹部風のルーズベルトが『あれは罠だ!』と騒いで、日本側からの交渉を否定し、周りが呆れている』と言う風刺画で紹介している。構図がまったく間違っていない。
「と言う事でだ…残念ながら、まだ戦争は続く。だが、次の戦いが結節点になるだろう。故に今から準備期間に入る。装備の装換や更新、整備、修理、人員の休息や人事異動…あぁ、そうだ、満州の油田採掘が始まって、重油の余剰分をイタリアに供給したら、ムッソリーニが大使館経由で感謝と共に『義勇軍等の支援が必要なら言ってくれ』と言ってきた」
「はぁ…ムッソリーニ閣下が…イタリアは正式参戦していない為か、なんか余裕ありますね」
「『『ローマ帝国の復活』は何処にいったんだ』と言っていいか?」
山本総長の話に2人は別の意味で呆れた。『呑気な事を言ってるな』と言う意味で。
「まったくだ。が、せっかくだし、暇そうだからな、『パイロットを派遣してくれないか』と言っておいた」
山本総長の言い様に2人は顔を見合わせる。この悪戯小僧の様な笑みが、『その答え』を言っていた。聞く気ないが。
「……まあ、その、お好きな様に…? と言うべき…なのかな、松島宮?」
「そうだな…我々に関係無ければ、だがな」
「そうか…まあ、どちらにしろ、準備期間に入る。2人も久々にゆっくりしてくれ。休暇を出す、6日ほどな」
『休暇』の言葉に困惑する。仕事中毒と言う訳では無いとは言え、2人も突然の『休暇』に先ず『何かあるか?』を探す事から始めなければならないからだ。
2時間後 高松宮邸 居間
「…と言う訳でだ…6日間の休暇が出た」
戻って来て滝崎はさっさと部屋に行った。そして、松島宮はエーディトとレナータに休暇の事を話した。
「休暇…休暇な…休暇…」
「ふ〜ん、で、トクコもマサローも予定あるの?」
困惑気味に呪詛の様に『休暇』を繰り返すエーディト、呑気に予定を確認するレナータ。
「だから、困っている。前々から言われていたら、何か考えていたが…うん…」
「…私もレポート以外にやる事が…いや、先に休暇の事を大使館に…」
「えぇー、2人共、休暇に消極的ね。こう、パァッと楽しもうよ〜」
『そもそも、お前は休暇を取ったのか?』と訊きたくなる程のレナータの反応に困惑する松島宮とエーディト2人。
どちらにしろ、困っていた。貰った松島宮も、確認がこれからのエーディトも…まあ、エーディトの場合、3ヶ月も作戦行動で海の上だったので、取れない訳ではないのだが。
「…じゃあさ、じゃあさ、マサロウも6日間の休暇でしょう? くじ引きで1人2日でマサロウ独り占めなんてどう?」
レナータからの提案に今度は松島宮とエーディトが顔を見合せながら固まった。
「あれ〜? 乗らないの? じゃあ、私が独り占めする〜」
「「乗った!!」」
……レナータに乗せられたと言うべきか、欲望に忠実と言うべきか、判断に迷う反応だった。
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本作品ヒロイン(3人)とのR18シーンの有無
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有り
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無し