英霊の皆様ありがとうございます。今は安らかに…。
では、遅ればせながらになりました更新致します。
次号 艦隊会議
11月20日 午前10時頃 駐日イタリア大使館
「…………居辛い」
駐日イタリア大使館内の待合室、レナータの付き添いでやって来て、『時間掛かるから、中で待ってなよ〜』とレナータに言われてこうして待っている訳だが…それを半ば後悔していた。居辛い、とてつもなく居辛い。何故だか…いや、理由はわかっている。この待合室周辺に居る大使館男性職員達の視線が痛い。まるで親の仇とばかりに視線の包囲網が完成している。そして、その包囲網の対象が言わずもがな、自分であるからだ。
(イタリアやイタリア大使館に何かした覚えはないから……間違いなく、これレナータと一緒に来たからだ)
それしかない。レナータと一緒にイタリア大使館に入った時点でこの視線である。答えは既に出ている。
(只の上官だつーの……いや、身体の関係がある時点で『只の』ではないけどさ……言ったら殺されそうだから、言わないけど)
それからも敵意マシマシな視線を周囲から受けながら我慢して、1時間程した時、レナータが姿を現した。
「ごめん、ごめ〜ん、お待たせ〜」
「いや、別にいいけど…報告書の提出に1時間も必要だったか?」
「あぁ、ちょっと、色々とね〜。帰りながら話すよ〜」
……その色々の間に敵意マシマシな視線を周囲から浴びていた訳だが、それをこのイタリア娘に言っても仕方無い。なので溜め息1つで流す事にした。
「それで、これからどうするの?」
「そうね、ちょうどいい時間帯だから、先ずは昼食ね。それからは…まあ、何でもいいわ。行きましょう」
そう言ってレナータは滝崎の腕を掴み、そのまま大使館から出ていく。無論、更に一段階敵意マシマシな視線を浴びる事になる滝崎だった。
イタリア大使館近く レストラン
曰く『知人が日本に来て始めたレストラン』は確かに洋風なレストランだったが、何でも『気難しいマフィアのボスすら満足させる』程と言うレナータの言葉に間違いは無く美味かった。
まあ、そのマフィア達との間接的な繋がりがあって日本に来るしかなかったのだが…店主のシェフと奥方は流石慣れているらしく、レナータに挨拶すると察して姿を消した。
「…で、『色々な話』って?」
「あ〜、うん、エーディトから、シュトゥーカの後継がスイセイ(彗星)艦爆になるって聞いてるよね?」
「ん、あぁ、星雲艦偵との絡み(146話参照)でな……おい、まさか…」
「そのまさか。あと、イギリスも乗り気。特に海軍の方が」
「待て、待て待て。いきなり話が飛躍してないか?」
思わず止めた。ドイツは…まあ、経緯が経緯故にわかる。が、知らぬところで凄い飛び火が出ていた。
「あぁ、簡単よ。まず、イタリアにはこの類の『前線で航空支援をする機体』がない。3発爆撃機か旧式戦闘機を対地支援に充ててるけど…ハッキリ言って能力不足」
そう、つまりイタリアには『シュトゥーカ』の様な機体がない。史実でドイツのシュトゥーカを使っている時点で純粋な『戦術爆撃機』や『対地支援機』がイタリアにはない。
そして、3発爆撃機は(ある意味)過剰、旧式戦闘機となれば戦間期の複葉機などを引っ張り出す為に能力不足と言う壁にぶち当たる。
「で、『ちょうどいい機体があったから』、と?」
「そうそう…私のレポートとか、独ソ戦の様子とか、バンバカ似た情報が入って来るから、ドーチェ(総帥)が決断したんだって」
まあ、独ソ戦線に義勇兵しか派遣していないイタリアなら、まだその余裕もあるだろう。問題は日本と似ていても、日本より更に劣る国力と乱立している航空機製造企業だが…まあ、それは日本には関係ない。
「で、イギリスは? まあ、一番の理由はアメリカのレンドリース問題だと思うけど」
「そう。しかも、今まで日本海軍との訓練模擬戦をしたレポートが提出されて、『シーハリケーンと同等の艦上爆撃機ってなんだよ!?』『偵察機タイプなら、足の速さと長さで敵わない! しかも、運動性が段違い!』ってヤンヤン言われたらしいわ。現有の艦上攻撃機や艦上爆撃機も形無し…唯一ソードフィッシュが信頼性で軍配上がったけどね」
笑えない話である。この時期のイギリス海軍の攻撃機がソードフィッシュ、アルバコア、バラクーダ、爆撃機がスクア、或いは複座戦闘機のフルマーやファイヤフライを転用しており…まあ、開発時期や用途違いとは言え、星雲・彗星と比べると劣るとしか言いようがない。
「…何とも言えない、笑えん話だ」
だが、史実なら、この時点で連合国はアメリカのレンドリースによって戦力を充実させ、更にアメリカの参戦もあり、アフリカ戦線でドイツ・イタリアに反攻を開始し、更にイタリア半島に狙いを定めていた時期だ。
が、今やそのアメリカが連合国から信頼も信用も失っている…故にイギリス、そして、史実と違うイタリアも違う形での戦力再編に取り組んでいる。余裕があるから、である。曲がりなりにも。
結局、なんだかんだで午後3時頃まで件のレストランにいた。
店主らの顔を察するに…レナータは予約していたのかもしれない。
その夜 滝崎の部屋
「んん……ん?」
浅く寝かけた頃、違和感を感じて起きてみた、すると…。
「あら、起きた?」
レナータが布団の中に潜り込んでいた。
しかも、胸を押し付けてきている。やはり、小悪魔みたいな角と尻尾と羽が見えそうである…いや、サキュバスか?
「ねぇねぇ、やっ〜ぱり、胸が大きい方がいい?」
……訂正、サキュバスだ。
「……訊くか、それを?」
「うふふ…だって、もう『あそこ』は反応してるものね?」
……埋めてますからね、貴女の胸で。
「まぁ、マサローだからいいよ…優しいし」
そう言いながら、豊かな胸でモニモニする…わざとである。
「ふふふ…せっかくわざと最後になったんだから…ねっ? マサロー?」
……やはり、レナータは小悪魔でサキュバスの様である。
……なお、散々に行為した後、レナータは滝崎を抱き枕にし、滝崎はレナータの胸に顔が埋まっていた。
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