※この作品はR-18です。

大逆転! 大東亜戦争を勝利せよ!!   作:休日ぐーたら暇人

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本日は終戦記念日です。
毎年の事ですが、政治的な事は横に置いて。

英霊の皆様、ありがとうございます。
安らかに。



今回、後半は前話で出た『98式騎(兵)銃』の裏話。
大半が文章化してしまい、読み難いかも…。
(そして、要らん豆話付き)


47 戦力強化

12月4日……フィンランド周辺の天候悪化。ソ連軍の航空偵察を含めた偵察活動が停止。対し、フィンランド軍はこれを利用し、フィンランド軍、並びに援軍の日本軍を北部へ移動させる。

 

 

12月5日 トゥルク 空母天城艦内 長官私室

 

 

「予報通り、今日もよく荒れているな」

 

 

「はい。艦隊は今日も開店休業状態ですね」

 

互いに将棋を指しながら窓からを外を見つつ話す小澤中将と滝崎。

天城に呼ばれた滝崎は松島宮と一緒に来艦し、今は一勝負中である。

 

 

「陸さんがスキーを履いて移動しているから、我々も何かしたいが…残念ながら、これでは何かしたくとも出来ないな」

 

 

「ソ連海軍が出てこれば話は別でしょうが……暫く先でしょうね」

 

 

「ふむ、そうだな……では、この手だ」

 

そう言って小澤中将は一手を打つ。

その一手に滝崎は頭を掻く。

 

 

「あ~、ダメだ、こりゃ…いや~、やっぱり小澤中将には敵わないです」

 

 

「はっはっはっ…しかし、君はあっさりと敗けを認めるな」

 

滝崎が素直に敗けを認めると、小澤中将は手元の日本酒に手を伸ばしながら言った。

 

 

「正直者なだけです。それに、名将を前に駄々をこねたところで意味はありませんから」

 

 

「やれやれ…まあ、どちらかと言うと、将棋は山本さんの方が得意なんだがね」

 

そう言って湯飲みで日本酒を飲む。

その時、松島宮が入って来た。

 

 

「ふう~、スッキリした…なんだ、もう勝負がついたのか?」

 

なお、彼女はトイレに行っていた。

 

 

「将棋に関してはド素人なんでね。ルールを知ってるのが関の山さ」

 

 

「まったく…では、小澤中将、一勝負でも?」

 

 

「おぉ、いいぞ…と言いたいのだが、呼び出した案件を先に終わらせようか」

 

 

「ようやく本題ですね。なんですか?」

 

小澤中将の言葉に滝崎は先を促す。

 

 

「うむ、君も気付いているだろうが、先の迎撃戦に参加した戦闘機のパイロット達に色々と訊いたんだが…やはり、96艦戦の火力不足を指摘する声が多い。君はどう思うかね?」

 

 

「確かに、いまの96艦戦の7.7㎜機銃では威力不足です…ですが、現状96艦戦も設計限界まで弄っている以上、追加武装や武装変更は難しいのでは? それこそ、そこを弄れば速度低下、並びに運動性能を含めた格闘性能の低下を招き、本末転倒な結果にしかならないかと」

 

 

「ほう、そう思うかね?」

 

 

「多分ですが、威力不足を指摘する理由の一つがSB高速爆撃機に対して余り効いていない事もあるでしょう。ですが、その為に武装強化に振れば、速度低下を招き、せっかくの武装変更の意味が無くなります。つまり、現状の解決策は…」

 

 

「新型機の配備しかない、と。まあ、確かにそうなるな」

 

滝崎の答えに頷きながら言う小澤中将。

 

 

「だが…その新型機はまだまだ先の話だろう?」

 

 

「まあ、予定上はね。山本次官もそこは何も言ってなかったし」

 

松島宮の言葉に滝崎も肯定的な事を言うしかない。

だが、それを聞いていた小澤中将は密かにニヤリと笑う。

 

 

「いや、すまなかった。訊くまでもない話だったな。では、殿下、一勝負といきますか?」

 

 

「ん、あぁ、もちろんですよ、小澤中将」

 

そして、小澤中将の勝負の誘いにまったく松島宮は先の会話を忘れ、一勝負の方に意識を向けた。

 

 

 

 

同日 日本 海軍省次官室

 

 

 

「そうか、『試供品』は無事到着したか」

 

その報告を聞いた山本次官はニヤリと笑う。

 

 

「はい……ですが、よろしかったのですか? いえ、『そうして』よかったのですか?」

 

その反応に報告しに来た士官は困惑しながら訊いた。

 

 

「ん? 別に問題はない。そもそも、折り込み済みだからな。それより、派遣の陸戦隊の方はどうだ?」

 

 

「そちらも順調です。予定通り、年末頃には到着します」

 

 

「うむ、わかった。とりあえず、今は予定通りに事を進めてくれ」

 

 

「はい。では、失礼します」

 

士官がそう言って退出すると悪戯小僧の様に山本次官は笑う。

 

 

「やれやれ、まさか、興味本位で彼に訊いた事がここまでピタリと填まるとは思わなかったな」

 

何処か面白そうに呟く山本次官だった。

 

 

 

同じ頃 陸軍参謀本部

 

 

「ほう…98式騎銃の評判は中々良い様だな」

 

石原少将から報告を受けた永田参謀次長は顎に手をあてながら言った。

 

 

「はい。騎銃譲りの銃身の短さで取り回しがよく、使用感覚も38式歩兵・騎銃と変わらない為、連続射撃時の射撃反動と跳ね上がりにさえ気を付ければ、装填方法の違いだけを教えれば良いので、将兵からは随分と人気があるそうです」

 

 

「ふむ…滝崎君もこれを聞けば喜ぶかもしれんな」

 

石原将兵の話にうんうんと頷きながら呟く永田参謀次長。

実のところ、『98式騎(兵)銃』の開発には当然の如く滝崎は口を出しているし、そもそもな話をすれば滝崎が口を出さなくても、帝国陸軍は史実においても自動小銃の開発提案・計画を何度も発足させている。

事実、結果的に海軍が大戦末期に『四式自動小銃』を完成させたのだが、それまでに帝国陸軍も自動小銃の開発をしており、対米戦どころか支那事変前、構想と試作ならば日露戦争終結翌年の陸軍演習に試作品が試験運用されていたとする話まで存在する。

つまり、別に帝国陸軍に保有意思がなかった訳ではなく、終戦までに開発出来なかったのは技術的、或いは現実的理由(開発予算・既存銃の量産・弾薬消費量・量産補給体制の確立・現場の使い勝手等々)なのである。

(なお、ドイツやソ連など開発が成功・運用した国々での評判がいまいちな理由もこれである)

対して、アメリカは第一次大戦時の反省(参戦したはいいが、制式小銃のスプリングフィールドM1903を兵士全員に配備出来なかった)と自動車による補給体制を確立していた事などから、その増大するであろう弾薬消費量を補給する目処が立っていたからこそ、M1ガーランドを平気で使えた訳である。

(ちなみにイギリスの装備は日本やドイツとほぼ一緒であり、むしろ日本は当時の標準装備で、別段遅れてはいない。アメリカがチート国家なだけである)

まあ、別な意味でアメリカは銃器関係で失敗してたりするのだが……。

 

 

「にしても、上手い開発文句を考えたものですな。『新しい歩兵銃を開発してるなら、騎兵銃も更新していいじゃないか』とは」

 

 

「確かに…ラ式対戦車砲の件と言い、ユニバーサルキャリアーの件と言い、よくもまあ、ポンポン思い付くものだよ」

 

石原少将の言葉に苦笑いを浮かべる永田参謀次長。

実際、支那事変が発生せず、余裕があった(作った)帝国陸軍だが、だからと言って7.7㎜小銃(99式歩兵銃)の現場要望と開発計画に横槍を入れる形になり、更に開発理由に乏しい(『米軍が使うから』では弱い)自動小銃の開発は難しかった。

そこで滝崎はM1ガーランドの亜種であるM1カービンを持ち出し、『既存騎銃の更新に自動小銃の騎銃を組み入れる』と言う案を提案した。

こうすれば99式歩兵銃の開発の邪魔にもならず、『騎兵銃の更新』と言う名分も立ち、更に改変・廃止で不遇気味な騎兵科にも対応出来たからだ。

また、騎兵銃やM1カービンがそうである様に『騎兵科以外にも自衛火器として採用・使用されている』関係上、使用データが取れる上に、『そもそも、騎兵同士の撃ち合いなら、互いが馬に乗っている関係上、速射出来た方が良いのではないか』と言う滝崎の意見に『確かに』と納得されたからだ。

(なお、銃剣は44式騎銃のスパイクバヨネット式でなく、38式騎銃の装着式になった。理由は第一次大戦以降騎兵同士の白兵戦なんて事例が少ないから)

この様な経緯で開発(と言っても装填装置含めた機関部を弄る以外は既存銃なので短期間。更にこの際に部品共通規格化にも着手)し、満州での実地試験(耐環境試験等)、張鼓峰での試験運用(試作品の実戦使用)後に昭和13年12月制式採用。(試験結果洗い出し・改良改善・製造工程の確立等で期間が必要だった。更に『99式』になると99式歩兵銃と混同され、補給等で混乱する為、意図的に避けた)

そこから、ノモンハン事件で初期生産型を実戦使用し、問題がなかった事から、フィンランド派遣部隊に『量産型』が配備されたのである。

 

 

「まあ、こうして自動小銃開発の糸口を掴んだ…ここから改良すれば、米軍に撃ち負ける可能性は低くなるだろう」

 

 

「しかし、この好評ぶりですと、99式より98式を選ぶ部隊も増えるでしょうな…そちらに関しては?」

 

 

「ふむ、実はだ……滝崎君もそこで悩んでいた。確かに99式実包の対応も考えているそうなんだが、38式実包と違い、実包自体に手を加える必要がある。そうなると、開発したばかりの実包の調整に時間が掛かる上に、それに対応した機関部が必要だ。だが、ドイツが将来的に本格的な自動小銃を開発する上に、『小口径高速弾』の存在もあるからな…まあ、本人は『後々の事を考えたら、手を出しておく必要はある』と言っていたがね」

 

 

「なるほど……まあ、それに気を留めておく必要はありますが、まだまだ始まったばかり、まずは運用してみて、その結果次第としましょう」

 

 

「…そうだな、下手に悩んでも、この類いはハッキリしてからでも遅くもないしな」

 

 

 

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