※この作品はR-18です。

大逆転! 大東亜戦争を勝利せよ!!   作:休日ぐーたら暇人

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何の伝説かは作中にて。



51 伝説の始まり

12月28日……小畑英良少将率いる陸軍航空隊、大田実大佐率いる呉鎮守府第6特別陸戦隊(兵力約2000名)がフィンランドに到着。

 

昭和15(1940)年

 

1月4日……戦車連隊への増援2個中隊(97式中戦車(改)・99式機動山砲 計20輌)、並びに第23歩兵旅団(旅団長 佐藤幸徳少将)がフィンランドに到着。

 

1月8日……『スオムッサルミの戦い』がフィンランド軍勝利で終結。

 

 

 

 

1月9日 フィンランド ヘルシンキ近辺上空

 

 

この日、天候が一時回復した事もあり、ソ連軍はフィンランドの首都ヘルシンキへの空爆を実施する事とした。

無論、これはフィンランド湾海戦を含めたソ連側の敗北に対する『報復』であったのだが……。

 

 

 

「な、なんだ! あいつは!?」

 

ポリカリポフI 16に乗るソ連軍パイロットはそう絶叫した。

ヘルシンキへ向かう途中で『敵の迎撃を受けた』。

これは当然と言えば当然だった……が、それは迎撃隊と接触した時だった。

正面に固定脚単翼機の集団が現れ、それを迎え討とうとした瞬間、上空から銃撃を受け、戦闘機・爆撃機が一気に10機以上、翼を折られるか、爆発四散し、撃墜された。

後は混乱の乱戦に突入し……彼の様に危機的状況だった。

 

 

「敵に新型があるなんて聞いてないぞ!! と言うか、何処から現れた!?」

 

いま、自分の後ろにいる『敵の新型機』は単翼『引き込み脚』機であり、寸胴な愛機より洗練されたデザインな機体。

もし、この場でなければ、その新型機に見惚れ、『操縦してみたい』と願望が涌き出ていただろうが、現状その機体は『美しい死神』であり、その『鎌』で刈り取られない様にするので手一杯だった。

 

 

「しかも、なんなんだよ! あのスピードと身軽さと火力は!?」

 

高速が売りな筈の護衛対象であるSB4爆撃機が爆弾を積んでいる状態とは言え、簡単に追い付かれ、銃撃を受けてあっという間に火を吹く。

友軍戦闘機はどれだけ逃げても、或いは躱しても、直ぐに追従され、数発の銃撃で落ちていく程だ。

例えそれから逃げれても、敵の既存機がハイエナの様に狙っており、気を抜く暇もない。

 

 

「くそ! 新型は30もいない筈なのに…ぐちゃぐちゃにされて、一方的に押されてる!!」

 

もう友軍機を助けるどころか、自分を守るだけで精一杯な状況で、彼は何時もの文句を割り増しで口にした。

 

 

「あの政治将校め! 何が『敵空軍は弱体化しつつある』だ! 魔女婆さんの釜にぶちこまれて、そのままスープの具にされちまえ、クソタレ!!」

 

そう言った直後、敵新型機の銃撃が翼に大穴を複数開け、最後を悟ったこのパイロットは一か八かに賭け、敵地に不時着を決めた。

 

 

 

同日 昼頃 トゥルク 日本海軍臨時司令部

 

 

 

「損失0、被弾機少数、敵損害多数……いやー、やってくれましたね」

 

驚嘆より呆れを多分に含んだ滝崎の呟きが部屋に響く。

 

 

「まあ、史実の初陣を考えれば、この結果は当然ではないのか?」

 

 

「いや、そうはそうなんだよ。だけど、色々とぶっこんできたなー、って………小澤少将、知ってましたね?」

 

松島宮の言葉に滝崎は『まあ、予想は出来た』と言いつつ、多分、当事者であろう小澤少将に視線を向ける。

 

 

「ん? いや、儂や山口君、大西君も知っていたぞ?」

 

 

「………あー、もう、いいです、はい」

 

『お手上げ』と言わんばかりに両手を広げ、ソファに背を預ける滝崎。

そんな相棒をとりあえず放置し、松島宮は小澤少将と話を続ける。

 

 

「それにしても、『零戦』の開発は完了していたんですね?」

 

そう、今回出てきた『新型単翼引き込み脚機』は『零戦』、正式名称『零式艦上戦闘機(11型)』であり、今日がこの世界での『零戦』の初陣だった。

 

 

「実は派遣艦隊編時に開発完了の目処は立っていたんだ。だが、それを待っていては冬戦争開始に間に合わん、となり、零戦部隊だけ別枠として送られる事になったんだ。今頃、第一航空部隊に配備される部隊も整備・調整を受けている頃だろう」

 

 

「ですが、今日迎撃に出た零戦部隊は何処から来たんですか? フィンランド国内に居たら、嫌にでも、我々の耳にも届いた筈では?」

 

 

「ふむ、そうだな。それについては、そこでやる気を放り投げている相棒が関わっている」

 

 

「自分は零戦派遣に関して、何も知りませんが?」

 

話を振られた滝崎が投げやり気味に答える。

 

 

「はっはっは、実はだね、『史実ではスウェーデンが零戦を買う計画があった』と言う話を聞いた山本さんが『試供品』と言う事でスウェーデンに派遣していたのさ。もちろん、スウェーデンは零戦を買う事を承諾し、いまある『試供品』とは違う『実物』を送る予定さ」

 

 

「…………うわ~、騙された~」

 

それを聞いた滝崎は余計にやる気をなくし、ソファでふて寝する事にした。

 

 

「ちなみに、搭載予定の20㎜機銃の動作問題は解決したんですか? 聞いてる話では冷却機能の問題だった、と滝崎から聞いていますが?」

 

 

「さすが、殿下、勉強されておりますな。実は今回の派遣部隊がスウェーデンに行った理由の一つとして、対環境耐久試験も兼ねておりまして、更に言うなら、今回の派遣部隊の零戦は20㎜の搭載はせず、殿下が乗艦されております朝顔に載せたM2 12.7㎜機銃を航空機銃への採用も兼ねて代わりに載せているんですよ」

 

 

「なるほどな。だそうだ、滝崎。どうやら、制空権の心配はせんでもよさそうだ」

 

 

「うーん、確かにそうなんだけど…零戦に陸軍航空隊、歩兵旅団、陸戦隊の増援だけじゃあ、とても足りないよ。そもそも、フィンランドの戦力増強も欧米諸国の支援が届かないと、たかが知れてるしね」

 

ふて寝からそう言いながら起き上がる滝崎。

 

 

「だが、それがドイツの圧力で届かないのだろう? そちらはどうなんだ?」

 

 

「この類いは本国の仕事だからね。まあ、この状況でドイツが日本との通商条約を切るなんてしないと思うが…こればかりは政府に頑張ってもらうしかないね」

 

松島宮の言葉に滝崎が答える。

 

 

「だが、今のところ、情勢は我々の味方の様だ。そして、それを成すため動く者を評価する者も居る訳だ」

 

2人の会話に入るかの様に小澤少将が言った。

 

 

「はあ…評価ですか」

 

 

「うむ、山本次官から連絡があってな、朝顔と乗組員に感状を出す事になったそうだ」

 

 

その言葉に滝崎と松島宮は顔を見合わせる、

 

 

「………感状な」

 

 

「………感状ね」

 

 

 

 

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