※この作品はR-18です。

大逆転! 大東亜戦争を勝利せよ!!   作:休日ぐーたら暇人

68 / 167
……現段階最長(約4300字)です。
メインは輸送改善です。(筆者の体験込み)

次号はビザと観艦式の予定。
(上手く纏まれば)


68 国外情勢推移(1)と輸送改善

冬戦争後の時系列推移(前号以前の巻き戻しもあり)

 

4月9日 ドイツ、ノルウェー・デンマークに侵攻。

デンマーク、同日中に降伏。

 

5月10日 ドイツ、フランス・ベルギー・オランダ・ルクセンブルクの4ヶ国に侵攻開始。

 

5月14日 オランダ降伏。

 

5月24日 ダイナモ作戦(ダンケルク撤退戦)開始。

 

5月28日 ベルギー降伏。翌日ベルギー軍武装解除。

 

6月4日 ダイナモ作戦(ダンケルク撤退戦)終了。

連合軍約38万(内フランス軍10万)がイギリス本土へ撤退。

 

6月10日 ノルウェー降伏。

なお、ノルウェー王室・政府は日本大使館の保護もあり、史実同様6月7日に国外へ脱出。

保護に関するドイツ政府からの抗議も『クーデター紛いな上に王室を消そうとするなど、言語道断。デンマークの件も含めて逆抗議する』と日本政府は返答した。

 

同日 フランス政府、パリの無防備都市を宣言。同政府は都市ボルドーへ移動。

 

 

 

同日 イタリア王国 首都ローマ 統領府

 

 

 

「……フランス国境に変化は見られない、と?」

 

 

「はい。また、我が陸軍の再編成は完了しておりません。ソ連のフィンランド侵攻の様になる可能性も…」

 

 

「……わかった。ドイツの様に日本から抗議されれば、色々と不味い。今回の侵攻は取り止め、大人しくしていよう」

 

陸軍から報告を受けたムッソリーニはそう言って苦渋に満ちた顔で決断を下す。

こうして、『史実』と違い、『イタリアによるフランス侵攻』は発生しなかった。

 

 

更に同日 イギリス政府、チェンバレン首相からチャーチル首相に交代。

 

 

6月14日 ドイツ軍、パリ入城。

 

6月22日 フランス降伏。

 

 

 

7月1日 呉軍港 加賀艦内 会議室

 

 

この日、堀長官から呼び出しを受けた滝崎と松島宮は加賀へとやって来た。

そして、呼び出された理由の『来訪者』と会った。

 

 

「お久し振りです、御二方」

 

 

「お久し振りです、小畑大佐」

 

会議室で堀長官と共に居たのは小畑信良大佐だった。

 

 

「帰国してから近衛師団の輜重連隊長に就任したとお聞きしましたが…何故、此方に?」

 

 

「あはは、さすがお耳に入っておりましたか。はい、帰国直後に通知を受けました。ですが、連隊長の仕事より、参謀本部より任された、輜重兵站改善の方でてんてこ舞いしていますがね」

 

苦笑いを含んだ笑みの小畑大佐に滝崎も松島宮も同情する。

 

 

「さて、小畑大佐がこうして来た理由なのだが、まあ、察しの通り、輜重兵站の話だ。まあ、あの2人は居ないとは言え、朝顔で話すと言うのも少々怪しいからな。こうして、2人を呼び出す形になった」

 

ちなみに、エーディトは何時も通りに改装ドックに入り浸り、レナータは前号の件もあり、準テストパイロットの形で岩国飛行場で各種機体を飛ばしていて、朝顔には居ない。

 

 

「そう言えば、御二人も出向武官と研修武官を預かっておりましたね。此方にも噂は流れておりますよ」

 

 

「研修武官は問題ないのだが、出向武官の方がな…まあ、生真面目は良いが、探りの本元が目の前に居るにもかかわらず、気付いておらんから、心配はしていません。ですが、念のために、と言う事で」

 

松島宮の返答に『なるほど』と言った様子で頷く小畑大佐。

 

 

「えーと、そろそろ本題の方に…」

 

 

「あぁ、すまない。愉快な事は久々だったからね。さて、本題なんだが、いま陸軍では対米戦に備え、張鼓峰とノモンハン、先のフィンランド戦役での戦訓の洗い出しが行われている。まあ、大半は改善、又は不十分ながら改善の兆候あり、と言う事で良好な結果が出ているが…問題は輜重兵站部門だ」

 

滝崎の振りに小畑大佐は本題に入る。

そして、その内容に松島宮が疑問を呈した。

 

 

「ですが、おかしくありませんか? 私が知る限り、前線の武器弾薬食糧の補給が滞った、と言う話は聞いていませんが?」

 

 

「いや、多分、小畑大佐が言ってるのは前線後方から前線への戦術的兵站でなく、本土から前線後方への戦略的兵站の話だ。俺も前線での補給は気にしてたから、少なくとも前線の話ではないよ」

 

 

「察しが良くて助かるよ。あぁ、その通りだ。張鼓峰やノモンハンの様に自勢力圏内での迎撃でなく、本邦初の欧州派兵と言う事で、多量の物資を日本本土からフィンランドに輸送したわけだが…この輸送に問題が生じた」

 

 

「輸送船舶が足りない…な訳はないでしょうから…具体的には?」

 

 

「うむ、その問題と言うのが物資の積み換え作業だ。工場や倉庫から車輌への積み換えは仕方ないにしても、車輌から鉄道貨車、鉄道貨車から船舶へ…この積み換え作業が多量の物資輸送に伴い雪だるま式に増えた事が問題視された。積み換え物資の管理もそうだが、積み換え作業回数増加により、1人辺りの作業量が増え、労務災害が頻発してしまったんだ」

 

そう言って小畑大佐はあるリストを3人に見せた。

 

 

「ふむ…手を滑らせての脚への怪我、躓いての転倒骨折、固定不足による物品落下による負傷、激務と休息不足による体調不良…いやはや、普段聞くものばかりたが、この数は多いな」

 

そのリスト、主要な労務災害案件と発生件数が書かれた物を見た堀長官も思わず唸る。

 

 

「…目に見える件数でこれです。失態の類いや、指詰めや擦過傷と言った、軽微なものは更に多いのでは?」

 

 

「あぁ、それこそ無数だ。と言う事で、これは駄目と改善する事になったのだが…何か知恵は有るかね?」

 

小畑大佐の問いに滝崎は額に手をあてる。

 

 

「と言いましてもね…人員を交代制にして回す、或いは機械化を推し進めるぐらいしかないかと…この類いは一挙に解決する方法なんて中々ありませんからね」

 

 

「うむ…やはり、滝崎君と言えど、難しいか」

 

滝崎と小畑大佐のぼやきに、話が完結していて、蚊帳の外な事にムッとしながら松島宮は先程のリストを見ながら言った。

 

 

「にしても、よくもまあ、ここまで細かく調べ出せましたね」

 

 

「ん、あぁ、まあ、確かに。この類いの案件は余り表に出さない事が多いからね」

 

 

 

「あぁ、殿下も滝崎君も知らなかったか。フィンランド派兵での陸軍の補給と輸送の管理は東条中将が責任者だったんだ」

 

 

「「……えっ!?」」

 

堀長官の言葉に驚く2人。

 

 

「はい。『国益が絡むと言え、義と情が伴う今回の派兵は必ず成功させなければならない。特に今までと違い、遠いフィンランドの地で戦う以上、補給とそれに伴う輜重兵站が疎かになれば、現地の兵達はもちろん、陛下にも申し訳が立たない』と、自ら談判して就任なされました。なお、今回の戦訓改善の長も東条閣下です」

 

小畑大佐からの言葉に、特に滝崎が何とも言えず驚くだけだった。

 

 

「歴史が変わったから…と言う事だけではないな」

 

 

「東条さんは忠義者だからね。まあ、性格からして、適任と言えば適任なんだよね……しまった、話の本筋から離れてた」

 

 

「だが、未来知識のある君でも解決が難しいとなると、我々の知恵で解決は相当難題な話だろう?」

 

堀長官の言葉に松島宮が何かを思い付いた様に発言した。

 

 

「小畑大佐、いっそのこと、貨物貨車丸ごと船に載せた方が良いのではないですか? それなら、積み換えの手間は省けそうですが?」

 

 

「確かにそうなんだが、鉄道規格や貨車の固定、それに伴う船の準備となると難しいんだ。まあ、鉄道の規格は満州での運用経験も有るから解決出来るが、特に船となると、それ専用に作る必要があり、手間と資材、資金、更に『特化し過ぎている』と言う事で、その案は早々に消えてしまったんだ」

 

 

「……ですよね」

 

小畑大佐の返答に松島宮が残念そうに呟く。

だが、滝崎がそれに反応して思案顔になり、それに気付いた堀長官が声をかける。

 

 

「どうしたんだい、滝崎君? 何か思い付いたのか?」

 

 

「………………くそ、そうだ、そうだった! このアホ間抜け! なんで今まで忘れてたんだ、ちくしょうめ!!」

 

声をかけられても暫く思案し、何かを思い出した様にハッとすると、いきなり自虐的な罵詈雑言を吐く滝崎。

 

 

「滝崎、どうどうどう…何か思い出したのか?」

 

 

「あぁ、すまない…と言うか、積載方法の違いを今の今まで忘れてた、くそ」

 

松島宮の諌めに冷静さを取り戻し、直ぐに滝崎は小畑大佐に顔を向ける。

 

 

「小畑大佐、今の輸送における積載は『ばら積み』でしたよね? 故に積み換えに時間と人員を含めた手間が必要なんですよね?」

 

 

「あぁ、そうだ。無論、物品を分けて纏めたりしたりするが、一度積載の為に降ろしてから、起重機(クレーン)で上げるが…それがどうしたのかね?」

 

 

「はい、松島宮の『貨車ごと載せる』で思い出したのですが、戦後直ぐの50年代に『コンテナ輸送』と言うものが実現し、20世紀後半の海上輸送を含めた輸送方式の主軸になっています」

 

 

「滝崎、『コンテナ』ってなんだ?」

 

 

「和訳とするなら、『容器』なんだけど、あえて分けるなら、『金属貨物箱』と言うべきかな? これは規格さえ大丈夫なら、この箱一つで人力以外の輸送が可能なんだ」

 

 

「……なるほど、その『貨物箱』を積み換えるだけでなら、いちいちばら積みの荷物を積み直すより手間は掛からない! しかも、箱だから、既存の船でも載せられるし、中の輸送物品の形状関係なく、積み上げも出来る!」

 

滝崎の言葉にその意義を察した小畑大佐は自ら肘を叩く。

 

 

「ふむ、なら、防水さえしっかりしているなら、緊急時に海に降ろして、浜まで引っ張ってもらう事も可能か。しかも、それなら、降ろした後に臨時の倉庫としても使える…我々海軍にも関係ある話になってきたな」

 

ニヤリと笑いながら堀長官が呟く。

 

 

「それに、ばら積みの必要もありません。機械力を使えるならパレット方式…和訳とするなら、『荷役盤』ですかね? 簀の子を大きくして、荷物の集積載を行える様にした物があれば、更に便利かと思いますが…」

 

 

「なるほど、なるほど。際限なく無謀に積むよりは効率的だな」

 

メモ帳を取り出し、先程のコンテナ方式とあわせて熱心にメモする小畑大佐。

 

 

「……なあ、滝崎。コンテナの件は置いとくとして、なんでお前は…その…パレット?の事を知ってるんだ?」

 

 

「あー、いや…実は…俺、元の世界で高校生の頃、母親と別配置で物流倉庫で短時間労働してて…その時に商品の補充とかで触ってた事があって…ね」

 

気恥ずかしさもあり、苦笑い気味に答える滝崎。

 

 

「…まあ、未来の雇用形態が今と変わっているのはわかったが…お前も中々色々と体験してるんだな」

 

 

「ふむ、だが、その体験からの意見は参考になったのではないかな?」

 

堀長官の言葉に小畑大佐が頷く。

 

 

「はい、このコンテナ方式とパレット方式、何れも今までの手間を考えれば随分と改善出来ます。まあ、コンテナは鉄資源との相談になりますが…さっそく、この方式を試してみましょう」

 

 

「なら、我々もコンテナの船舶輸送を試してみましょう。さっそく、五十六の奴に話を付けて協力させますよ」

 

 

 

次号へ




ご意見ご感想をお待ちしております。

本作品ヒロイン(3人)とのR18シーンの有無

  • 有り
  • 無し
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。