甘いのかエロいのかの判断はお任せしますが、ブラックコーヒー準備で。
次号 開戦。
11月27日 日本政府、アメリカの『要望』を最後通牒と判断。
同日中にアメリカに対し『満州からの撤兵はともかく、過分な干渉に遺憾の意を述べる』と『抗議』した。
これにより、日本側は交渉を続けつつ、開戦への最終準備に入った。
なお、『要望』の中の関係国(ソ連を除く)からは軒並み抗議を受ける。
特にイギリスはチャーチル卿自身が定期記者会見で『アメリカにイギリスの面子を潰す趣味があったとは初めて知った』と『目が笑っていない笑顔』で発言していた。
11月28日 午後6時頃 トラック諸島 夏島 料亭小松(トラック・パイン) とある一室
この日、夏島の本部で最後の打ち合わせを終えた松島宮と滝崎はかの有名な料亭小松のトラック支店の一室を借りていた。
「いや~、まさか山本総長が早めに手を回してトラック・パインを開店させていたとはね」
「確か、本来なら来年の開店だからな…我ら二人が色々とするからと、山本総長が小松本店に直談判したそうだ」
「で、こうして僕らが泊まれる、と。まあ、打ち合わせが長引きそうだったから、今夜だけの処置だけどさ」
「ただ、私の名前で予約した為か、どうも仰々しかったがな…まあ、故にこうして2人で静かに話せる訳だが」
「あはは、そうだね。さてさて、せっかくの料理だし、早く食べよう」
そう言って滝崎はテーブルの料理に箸を伸ばす。
「そうだな……にしても、アメリカは、と言うよりルーズベルトは盛大に自爆したな」
「ふがーない(仕方ない)…んぐ、今まで頻繁に交渉への定例会見を開いてはいたが、交渉内容や提案を公表しなかった。しかも、此方が甲案・乙案を出した時もその素振りすら隠した。だから、向こうは『ハル・ノートを出しても日本側は積極的に公表しない』と思い込んでいたんだろう」
松島宮の言葉に滝崎は口の中の物を飲み込みながら答える。
「だが、それは此方が『ハル・ノートが出される』事を見越して、効果的な公表の時を狙っていただけ……そうは思わなかった、と」
「まあ、暗号解読で此方の『動き』は掴んでいたからの行動だろうしね。故に『事前に口頭で指示されていた』場合は暗号解読の内容にはなかっただろうから、予想外で驚愕的な動きだっただろうけどね。にしても、ハル・ノートは強欲な物だったね」
「満州どころか、まさか『支那からも撤兵しろ』とはな…しかも、ドイツや満州、支那国民党との条約や協定、現状を無視し、挙げ句は国民党との仲介をしたイギリスとの日英同盟に言及する…イギリスは二重の意味で面子を潰されたのだ。チャーチル卿の表現なんて、まだ大人しい方だな」
「多分、ルーズベルトとその周辺は焦ってるんだよ。米国世論の反応もそうだが、今のままだと、イギリスと言う強大な後ろ楯が居ては『弱小な日本』を潰せないし、ソ連の助けにもならない事にね」
「焦り故の暴走か…史実の我々でもないのに、大国な癖に精神的余裕が無いとは情けない。もし私なら、甲案が出た時点でそれに乗っかるがな」
そう言って松島宮は味噌汁に口をつける。
なお、この世界の『甲案』は…
1 満州からの全撤兵の代わりに日米満三ヶ国安全保障条約を締結する
2 撤兵の確認後に経済制裁を解除する
更にこの世界の『乙案』は…
1 満州より戦力の3分の2を先に撤収し、経済制裁解除後に残存戦力を即刻早急に撤収する
2 その後、日米満の三ヶ国で安全保障協議を行い、今後を決定する
…となっている。
「アメリカは過去でも未来でも『圧倒的な利益専有』を求め過ぎなんだよ。イギリスなら、何処かで退いて『少しのプラス』で妥協するが…アメリカは相手や他人の利益すら独占しようとするから、変なところで失敗するんだよ」
「そう言った諸々の積み重ねが、お前の世界の混沌の一因か…何とも言えんな」
滝崎の言葉に松島宮は溜め息を吐くと、何かを思い出して横に置いていた陶器製の酒瓶をテーブルに置く。
「どうしたの、それ?」
「あぁ、ほら、神中佐がレナータの実家に焼酎を送っているだろう? それで外国人や女性が飲める新しい焼酎を造ろうと言う事になって、これはその試作品だ」
「なるほど、新規開拓の新商品ね。ご賞味に与ってもよろしいかな?」
「流石に1人では多すぎだ。試飲に付き合って貰うぞ」
そう言って松島宮は滝崎の御猪口に注ぐ。
「ふむ…鹿児島だから、薩摩芋だよな? 仄かに薩摩芋の香りがするが、強くもないし、甘口だね」
「うーむ…確かにな。ワインに対抗して、香りや風味を重視したか? やはり、レナータにも飲んでもらった方がいいな」
「ちなみに、その酒瓶だけ?」
「あぁ、いや、流石にあと数本ある。この類いは多数の人間、特に外国人に飲んでほしいそうだから、多めに造ってあるそうだ」
「なら、少し多めに飲んでも大丈夫、と」
「まったく…まあ、中途半端に残すのも悪いしな」
……こうして2人は試作品の焼酎を料理と共に楽しんだ。
夜半
「すー…ふがっ…うーん……んん? なんだ…??」
酒のアルコールもあってか、すっかり熟睡モードで敷かれた布団で寝ていた滝崎。
だが、何か体の上に乗っているような感じがした為に、意識が半場覚醒する。
しかし、まだ寝たいのもあり、目を閉じたまま、右手で何が乗っているかを探ろうと振り上げた瞬間……
「キャッ…」
声を抑えた小さな悲鳴と共に柔らかい感触を右手に感じた。
「…えっ? んー…フグっー!?」
流石に目を開けると目の前には松島宮が居て、声を上げようとした瞬間、松島宮は自分の右手を滝崎の口にあて、左手で『シー』のポーズをとる。
(な、何をしてるんだよ、松島宮!?)
寝転んだ状態で声を抑えて、小声で問う滝崎。
(よ、酔った勢いで…そ、その、よ、夜伽に来たとかではないぞ…あ、いや、違くは…ない…のか?)
顔を真っ赤にし、今にも蒸気でも出しそうになりながら、何とも微妙な事を言う松島宮。
その間に滝崎は周囲(自分周り)を確認する。
ふと見ると、自分の浴衣ははだけてるし、そもそも、松島宮の浴衣もはだけて、普段はサラシで巻かれてる胸がしっかり主張している。
(…あー、徳子さん、これは酔っ払いが『私は酔っ払ってない』って言う案件でして…)
(え、あ、そう…か…? てっ、違う! お、お前こそ、この手はなんだ!?)
(いや、胸なら解るが、右手は君が乗ってるからで…これ、下手したら、君が襲ってる形なんだが…?)
(わ、私が襲ってる…? な、な、わ、私はそんな淫らな…い、いや、乗っかった上に自分とお前の浴衣を乱した時点でその定義に…)
某ゲームみたいに『◯◯は混乱している』の表示と目を回す顔の描写が適合する事になっている松島宮。
(…で、何をしたいわけ? まさか、『戦場出るのに初めてがまだは嫌』とかは止めてね。それはそれで身体の事を考えてほしいし)
反対に一周回って冷静な滝崎。
(…それを女子(おなご)に言わせるか? 好いた者に抱かれたい、愛した男に初めてを…と言うのは間違いか?)
そう言いながら未だに上気して赤く染まった頬に添えられた滝崎の右手を掴んで離さず、逆に愛おしそうに頬擦りする松島宮。
しかも、前が開かれた浴衣は何時の間にか肩からも脱げ落ち、より一層色っぽさをかもし出す。
そして、この瞬間、その色っぽさに冷静だった筈の滝崎の理性が切れた。
頬の右手を首筋に回すとそのまま自分の身体に引き寄せ、更に素早く一回転し、上下を逆転させる。
余りの素早い一瞬の出来事に松島宮は布団に押し付けられてから、漸く今おきた事を理解する程だった。
「へっ? はっ? えっ?」
「…知ってる歌の歌詞に『男は狼』って謳い文句があるんだが、そう言ったんだから、後でギャーギャー後悔するの無しな」
そう言って滝崎は松島宮の返答も聞く事もなく、コトを始めた。
「…っぅ、ちょ、そ、そ…汚い…」
今や敷物と化した脱げた浴衣の上ですっかり上気した身体を悶えさせつつ、松島宮は滝崎を止めようと、か細い言葉を告げる。
「あぁ、ごめん、ごめん。ちょっとやりすぎた」
松島宮の反応を見て顔を上げる滝崎。
「はぁ……はぁ……はぁ…な、なあ…なんでそんなに…その、上手いの?」
「え? 転生前に見たエロ漫画みたいにやっただけなんだけど?」
「……はぁ!? え、じゃあ、正義も初めて…」
「うん、モテた事も恋人出来た事もないし」
「っぅ~…」
滝崎の返答に声にならない悲鳴を上げる松島宮。
その間に滝崎は避妊具を取り出す。
「あっ、ちょ、ちょっと待って」
「ん? 気分変わった?」
「ち、違うわよ…なんか、私だけ心内話して…不公平じゃないの…」
そう松島宮が言った直後、滝崎は松島宮を抱き締める。
「こんな事を言うのもなんだけど、君に手を出したら、君より高松宮殿下や他の人達が殺しにくるんだけど?」
「あっ…って、馬鹿、場の空気を壊すな」
「ごめん、ごめん。でもね、そのリスクも背負っても止めないからね」
「……初めてだから、優しくしてね?」
「僕も初めてだからね。出来る限りはするけど」
そう言って滝崎は松島宮を押し倒した。
……その後、朝までイチャイチャしていたのは言うまでもない。
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本作品ヒロイン(3人)とのR18シーンの有無
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