※この作品はR-18です。

大逆転! 大東亜戦争を勝利せよ!!   作:休日ぐーたら暇人

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日米の本格的なドンパチ。
結果は如何に?
(前後で纏めようと思ったけど、無理だったので3話構成になりました)

次号 決着。


87 ウェーク島沖海戦 中

加賀艦橋

 

 

「敵の砲撃、着弾します!」

 

その報告にあわせるかの様に加賀の右舷側に水柱が次々と乱立する。

 

 

「やっぱい(やはり)、本艦や土佐がねろわる(狙われ)ますな」

 

 

「現状日本でも世界でも最強格の戦艦ですからね。色んな意味で狙ってくるでしょう。まあ、それも想定済みの予想通りなんですが」

 

神中佐の言葉に滝崎が答える。

実際、対峙するアメリカ戦艦8隻全てが加賀と土佐に向かって集中射撃をしていた。

それが故に水柱が乱立し、アメリカ側の射撃観測が上手くいかず、いまいち精度に欠けている。

 

 

「敵さん、こちらがジグザグ航行をやりながら砲撃してるのに気付いておりませんな」

 

 

「うむ…まあ、我々もこれを想定して日々訓練した訳だが、上空から着弾観測をされたら解るだろう…そう言えば、レナータの方はどうした?」

 

松田艦長の言葉に松島宮は答えながら訊く。

 

 

「あ、いや…レナータ以外の…つまり、他の3隻の観測機は既に配置に就いて観測しているのだが…」

 

その問いにエーディットは答え難そうに答えた。

 

 

 

 

 

ウェストバージニア艦橋

 

 

 

「何故だ!? 何故あれだけ撃って、挟叉どころか、近弾が出ないんだ!!」

 

参謀の1人が現状に嫌気がさしたのか怒鳴る。

無論、そんな事をしても現状は変わらないのだが。

 

 

「落ち着きたまえ。そもそも、速度は向こうが速い上に、あれだけ水柱が多くては艦艇からの判別・観測も容易ではなかろう」

 

そんな参謀に対してキンメル大将は比較的落ち着いた口調で注意する。

実際、日本側は加賀型は26ノット、『扶桑型』が22ノットに対して、アメリカ側は21ノットに統一されている。

この時点でアメリカ側は不利なのだが、それを隻数の有利で潰そうとしているので、観測の不利を承知でアメリカはここまで無茶をやっている。

が、ここでアメリカ側は更に不利になる。

 

 

「た、大変です! 我が方の観測機が全て落とされました!」

 

その報告にキンメル大将や参謀達が空を見上げる。

そこには黒い筋を出しながら落ちていく観測機、脱出したパイロットと観測員のパラシュートが見えていた。

 

 

 

加賀艦橋

 

 

 

「レナータから、『排除完了。観測開始』だってさ」

 

届けられた電文を滝崎が読むと皆が苦笑いをうかべる。

 

 

「まったく…排除に専念し過ぎだ」

 

 

「まあまあ、レナータが引き受けてたから、他の観測機が仕事出来た訳だし」

 

呆れた様に呟くエーディットに滝崎が諌める。

 

 

「さて、松田艦長。いよいよ頼むぞ」

 

 

「はい。お任せ下さい」

 

松島宮の言葉にニヤリと笑いながら松田艦長は答えた。

そして、そこにある報告が入る。

 

 

「山城、敵八番艦に命中弾!」

 

その報告に艦橋内で歓声があがった。

 

 

 

ウェストバージニア艦橋

 

 

 

「オクラホマ被弾!!」

 

日米戦艦の撃ち合いは日本側が先手を取った形になる。

上空の観測機からの着弾観測により、その修正に正確さが増したからだ。

更に山城はこの中で扶桑に並ぶ古参であり、『鬼の山城』と呼ばれる程シゴキがキツいが故の技量を見せつけた結果であった。

 

 

「……快速部隊の現状は?」

 

そんな中でもキンメル大将はまだ冷静だった。

確かに今のところ、『戦艦同士』はやや互角か多少不利かであったが、『それ以外』の駆逐艦や巡洋艦の快速部隊は話が違う。

何故なら、『性能と数』が覆せる訳がないのだ。

だが……

 

「か、快速部隊苦戦中! 此方への援護は不可能です!!」

 

 

「なんだと!?」

 

流石の返答にキンメル大将も驚くしかなかった。

 

 

 

夕張艦橋

 

 

「やれやれ、我らを小勢の雑兵とでも思っておったのかな?」

 

何時もの如く自慢のカイゼル髭を弄りながら木村少将は言った。

実際、アメリカ側の行動とはそう思えるもので、夕張を先頭に進む第六水雷戦隊に対し、戦力を二分した。

第六水雷戦隊の抑えに第9巡洋艦戦隊の軽巡フェニックス、セントルイス、第1駆逐艦戦隊の軽巡ローリー以下駆逐艦10隻。

一方で第二戦隊を襲撃する為に第6巡洋艦戦隊の重巡ニューオーリンズ、サンフランシスコ、第2駆逐艦戦隊の軽巡デトロイト以下10隻。

確かに夕張にはオマハ型軽巡洋艦ローリーだけでも苦戦するが、更に最上型(軽巡)を意識して作られたブルックリン型やセントルイス型まで持ち出された時点でほぼ打つ手無し状態である。

が、木村少将はその状態でも退く気は無かったし…そもそも、これも『想定の内』だった。

第六水雷戦隊は下手に突っ込む事はせずに応射しながら煙幕を展開し追従、抑えと襲撃隊が重なる様に射角を調整すると次々に魚雷を発射する。

だが、夕張以下第六水雷戦隊所属艦に酸素魚雷搭載艦はなく、53.3~61㎝の空気魚雷であるため、雷跡(らいせき)によって容易に発見され、アメリカ側は回避の為に舵を回す。

が、その魚雷を避けたと思われた瞬間、快速部隊で次々と被雷を示す水柱が左右あちこちで立ち上がる。

更に追い討ちをかけるかの如く、上空から99式艦爆の編隊が襲い掛かる。

 

 

「さて、囮役もここまでだ…敵戦列は乱れた! 掛かれ!!」

 

木村少将の指示に第六水雷戦隊は戦果拡大の為に突撃を開始した。

 

 

 

加賀艦橋

 

 

 

「第四航空戦隊の龍驤航空隊、第六水雷戦隊の援護に入ります!」

 

 

 

「…ふむ、時間通り、と言ったところか?」

 

士官からの報告にエーディットが腕時計で時間を確認しながら言った。

 

 

「あぁ…で、時間通りなら…そろそろ此方も動き出す筈なんだけど」

 

 

「松田艦長、敵巡洋艦と水雷戦隊の脅威はなくなった。段取りは変わらず…だが、攻められる機会があれば攻めよ」

 

 

「はい。そろそろ此方も決着をつけましょうか」

 

 

 

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