※この作品はR-18です。

大逆転! 大東亜戦争を勝利せよ!!   作:休日ぐーたら暇人

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と言う訳で、総合的な後始末。

にしても、あれ~? 何で4000字越えたし??



次号 場面は移り、フィリピン・南シナ海へ


89 太平洋艦隊壊滅・ウェーク島陥落

午後5時頃 雷艦橋

 

 

「…これは大変だな」

 

駆逐艦雷艦長である工藤俊作少佐は目の前の光景にそう呟いた。

乗艦雷の同型艦の暁、響、電らで構成された第六駆逐隊はウェーク島近海で待機していた第一機動艦隊の先行警戒隊であったが、第四艦隊の応援要請を受けて先行・到着したばかりだった。

そして、目の前には損傷しながらも堂々と浮かぶ味方の第二戦隊と様々な形で戦闘不能となったアメリカ戦艦群…そして、そのアメリカ戦艦群から脱出した多くのアメリカ海軍将兵と救助活動を行う第二戦隊と味方潜水艦達だった。

 

 

「加賀の松島宮司令からです。『勝敗ハ決シタリ。全力ヲモッテ、勇敢ナル、アメリカ海軍将兵ヲ救助セヨ』です」

 

意外そうな顔で報告する士官に工藤艦長は『応援要請』の意味を理解し、頷きながら指示を出した。

 

 

「総員救助活動! 既に第二戦隊や味方潜水艦も救助を始めている! 1人でも多く救い出すのだ! それが殿下のご意思である!」

 

その指示に乗組員達は弾かれた様に慌ただしく動き始める。

艦内が慌ただしくなる中、工藤艦長は後ろにいる人物に声を掛けた。

 

「すまないね、中尉。東洋艦隊からの観戦武官にも関わらず、戦闘から離れた警戒隊の駆逐艦では観るべき事も無いだろう」

 

 

「いいえ、工藤艦長。私も驅逐艦に乗っていましたので慣れていますが、他国の駆逐艦に乗ると言うのは中々無い事、逆に互いの違いを見れて、新鮮な気持ちです」

 

『観戦武官』の形でイギリス東洋艦隊から派遣されたサムエル・フォール中尉はそう答えると同時にある『お願い』を申し出た。

 

 

「工藤艦長、私も救助活動に参加してもよろしいでしょうか?」

 

 

「…現状、人手は幾らでも必要な為、申し出は有り難いが、大丈夫かね? 観戦武官は『中立』であるのだが?」

 

 

「戦闘中ならそうですが、戦闘後の救助活動なら『敵味方』は関係ありません。それに訛りがあるとは言え、同じ英語圏の人間がいるなら、救助も捗るでしょう」

 

その答えに工藤艦長は納得した様に頷くと頭を下げる。

それを肯定と受け取ったフォール中尉は敬礼をすると、艦橋から出て行った。

 

 

 

ウェストバージニア艦橋

 

 

「………」

 

現状をキンメル大将は沈黙しながら見ていた。

『予定外』はあったものの、快速部隊が離脱したのを確認してから、残存する艦艇に戦闘停止命令(並びに被害の大きい艦への総員退艦命令)を下し、ウェストバージニアは白旗を掲げた。

それを受けて、第四艦隊は戦闘を停止すると共に、各艦艇は素早く『救助作業中』の国際信号旗を掲げて救助作業に入っていた。

 

 

「…第9巡洋艦戦隊の方は?」

 

「敵快速部隊とその増援部隊が対応している様です。なお、今のところ、トラブルは発生していないとの事」

 

 

「…そうか…」

 

苦笑いを浮かべながらキンメル大将は頷いた。

『予定外』こと、本来なら他の快速部隊と共に撤退している筈だったフェニックス、セントルイスの第9巡洋艦戦隊はキンメル大将の撤退命令を無視、白旗を掲げた後に加賀から、『其方の巡洋艦2隻が残存しているが、これ如何に?』との問い合わせに確認したところ、『被雷損傷で速度が出ない為、快速部隊の殿になった』と返答していた。

但し、『速度が出ない』は嘘らしく、第六水雷戦隊からは『撤退予想進路に先回りし、牽制砲撃をして快速部隊を逃がしていた』と加賀を経由して報告が入っていた。

そんな2隻の対応にキンメル大将は呆れながらも、戦闘停止と日本側の指示に従う様に命じていた。

なお、当初は夕張が2隻の対応をしていたのだが、第四航空戦隊(+神鷹)を護衛していた第六戦隊(青葉・衣笠・古鷹・加古)と後藤有友少将に引継ぎを行うと、夕張は救助活動とその指揮を執っていた。

 

 

「……増援の速さといい、これ程の手際の良さだ。日本側は最初から勝つつもりで、しかも、その後の救助作業も考えていた訳だ…ふっ、これでは勝てない訳だ」

 

自虐的な呟きに誰も答える事は出来なかった。

 

 

 

 

午後6時頃 加賀艦橋

 

 

 

「救助活動の方は?」

 

 

「角田さんや小澤さんの来援で順調じゃっ(です)。なお、鹵獲艦の曳航もかせし(手伝って)くれるそうじゃっ」

 

松島宮の問いに神中佐が答える。

実際、窓の外では第六駆逐隊の後に到着した第一機動艦隊の艦艇が救助活動中の信号旗を掲げて救助活動を行っていた。

 

 

「『アメリカ側が空母を連れて来た場合の備え』だった第一機動艦隊は空振りに終わった…と言うのは嫌味に聞こえるか?」

 

 

「まあ、救助活動を含めて見ると、来てくれた意味はあったよ。実際、この数は第四艦隊だけでは捌けないし」

 

エーディットの言葉に滝崎は苦笑いを浮かべながら答える。

何故なら、カルフォルニア以外のアメリカ戦艦はその損傷により、総員退艦が告げられていた。

アリゾナやオクラホマの火災は小爆発を繰り返しながら炎上中、ネバダは扶桑に散々に撃たれて廃艦寸前、テネシー、ペンシルベニアは魚雷による浸水で転覆しつつあり、加賀・土佐と撃ち合っていたウェストバージニア、メリーランドは艦首から沈みつつあった。

そして、これら7隻の戦艦の乗組員の合計総数が約6000人、更に撃沈したアメリカ側の快速艦艇や鹵獲艦の乗組員を足せば7000人に届くのである。(無論、戦死者がいるであろうから、額面通りではない)

ちなみに、かの日本海海戦で日本側はロシア兵捕虜約6100人を収容しているので、どう頑張っても第四艦隊だけでは対応は無理だった。

 

 

 

「にしても、デカイ土産が出来てしまった。戦艦カルフォルニアに軽巡時代の最上型とほぼ同等な巡洋艦2隻……ウェーク島と捕虜だけで帰るつもりだったが、予定外の代物を持って帰る事になってしまった」

 

 

「贅沢するつもりはなかったんだけどね……まあ、棄てる訳にもいかないさ、ここは大人しく持って帰るしかないよ」

 

松島宮も滝崎も苦笑いを浮かべる。

 

 

「殿下、テネシーとペンシルベニア、沈みます」

 

救助作業を見守っていた松田艦長が声を掛ける。

遂に限界となった2隻が転覆しながら沈んでいく様子を、松島宮以下、エーディットを含めた艦橋に居た全員が敬礼で見送る。

また、この時、付近の艦艇の乗組員、並びにアメリカ海軍将兵らも敬礼で見送っていた。

 

 

 

午後9時頃 加賀艦内 会議室

 

 

「お初にお目に掛かります。日本帝国海軍少将、松島宮徳正王です」

 

 

「ハズバンド・エドワード・キンメルだ。アドミラル・プリンス・マツシマノミヤ、貴方の事は有名過ぎて紹介すら要らぬ程だ。特に敗戦の将はね」

 

救助作業が一段落した頃、遅い時間ながらも松島宮と滝崎、神中佐はキンメル大将と同行した幕僚数名と会っていた。

 

 

「…負かした私が言うのもなんですが、それは過度な自虐かと…状況的には、交戦は必至でありましたので」

 

 

「だが、負けた事は事実だ。故に私はこの場に居る…そして、こうして、貴方が私と会っているのはウェーク島の事では?」

 

 

「はい…本来の救援である太平洋艦隊は敗北し、撤退した。そして、ウェーク島の未来は2つしかない」

 

その言葉にキンメル大将は目を瞑る。

この状況ではウェーク島の未来は『降伏するか、無駄な抵抗を続けるか』しかないのだ。

 

 

「……本来、軍人なら『諦めずに抵抗せよ』と言うのが正解でしょう。ですが、私は戦力優位に関わらず敗北した。しかも、『大敗北』と言っていい損害だ。故に私は帰国すれば『これ』でしょう」

 

 

そう言って利き手で首を斬られる真似をするキンメル大将。

無論、アメリカの場合、余程の事がない限り、敗北したから死刑はないので、比喩表現として『更迭(クビ)になる』と言う意味だ。

 

 

「そうである以上、私の今の役目は…最高責任者として、1人でも多くのアメリカ合衆国国民をアメリカへ還す事だ……それが、捕虜になった指揮官が出来る名一杯の事でしょう」

 

その返答に松島宮と滝崎、神中佐は頭を下げる。

それはある意味、屈辱だろう。

しかし、それが『責任者』の仕事…いや、責務であるのだ。

 

 

 

 

翌18日 ウェーク島

 

 

 

「此方に艦艇接近!!」

 

 

「味方の太平洋艦隊か!?」

 

開戦直後の艦砲射撃と連日の空爆で飛行場近くに臨時司令部を構えていたウェーク島守備隊指揮官のウィンフィールド・カニンガム中佐と守備隊主力の海兵隊指揮官ジェームズ・デベル少佐はその報告に顔を上げて問う。

が、それは直ぐに裏切られた。

 

 

「ち、違います! あれは日本の戦艦です!! しかも、後ろから続々と……な、なんだよ、あの数!! 奴ら、この島を消し飛ばす気かよ!!」

 

もう報告とかではなく、絶望な心情を語っているとしか言い様がないが、それは仕方ない事である。

第四艦隊+第一機動艦隊+第六戦隊・第四航空戦隊と言う、開戦初日の艦砲射撃をしてきた艦艇数を余裕で上回る数の艦艇が展開されたら、そう言いたくもなる。

 

 

「……救援の太平洋艦隊は敗れた、と言う事か…」

 

絶句するカニンガム中佐に代わり、デベル少佐が苦しそうに呟く。

 

 

 

「て、敵戦艦より発灯信号! 『太平洋艦隊は敗北した。これ以上の抵抗は無駄である。降伏せよ』…です」

 

この報告に臨時司令部はお通夜状態になる。

そして、そこにトドメが来た。

 

 

「て、敵機だ!!」

 

複葉の水上機(レナータの零式水観)が現れ、目敏く臨時司令部を見付けると、小さい落下傘付き通信筒を投げ落とす。

通信筒は臨時司令部の前に落ち、回収され、開封される。

そこにはキンメル大将直筆で書かれた状況説明と『全責任を負うので降伏せよ』と書かれ、自筆署名で締められた降伏を促す文章。

これにカニンガム中佐とデベル少佐は互いに顔を見合わせる。

何故なら、海軍と海兵隊は本来指揮統制上は別々であり、カニンガム中佐はいいとして、主力戦力の海兵隊が従わなければ降伏は出来ない。

が、既に抵抗する為の重火器を軒並み失っている上に、初日の艦砲射撃からの連日の空爆、更に太平洋艦隊の敗北の報せと展開する大艦隊は充分に効いていた。

デベル少佐が頷くとカニンガム中佐は絞り出す様に言った。

 

 

 

「……降伏する。白旗を飛行場の滑走路に敷き、並びに目立つところに出来るだけ掲げてくれ…」

 

 

……こうして、ウェーク島は陥落した。

 

 

 

 

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