~ほんとはただ寝たいだけ~18禁部分抜き取り版 作:真暇 日間
こんなの18禁じゃないと言う人も出るかもしれない。しかし、そのあたりは勘弁してほしい。あまり甘ったるいのを書いていると、死にたくなってくるので。
しかし、次の作品はかなりちゃんとしたエロが入る予定。
ここはエルトリア。闇の欠片から生まれ、紫天の書を中心として甦り、そして気付けば世界征服の意思をどこかの理不尽なる大魔王にへし折られた紫天の王を初めとする紫天一家と意志を持ったギアーズ達、そして我等が大魔王様が毎日をのんびりと暮していた。
エルトリアには最近まで毒の海が広がり、星その物が死へと向かって一直線に進んでいた。しかし、それも今となっては昔のこと。時を超えてやってきた紫天一家の努力と
大魔王様のちょっとした暇つぶしによって、その状況はまさに劇的と言ってもいいほどに改善されていた。
毒の水を吐き出し続けていた間欠泉は大魔王様のちょっとした実験(星その物を一つの生命として見立てた上で魔力の大きな流れと循環部を経絡として針治療を行い、流れを
正常なものにする実験)によって見事に治療され、表面の毒素は大魔王様が「魔法は結合を魔力の波で緩ませて分解できるけど、物質でもできるか試してみるから」という言葉のすぐ後にほぼ全てが綺麗に分解され、破壊されつくした自然は大魔王様の家庭菜園(適当に思いついた野菜や穀物の名前を言うと大体ある)によってなぜか再生する。流石に動物まではどうにもできなかったが、元々このエルトリアにいた動物は毒素さえなければ少しずつ元の姿へと戻っていくだろうことが予想されている。
それらのことを知ったディアーチェが「我らいらなかったろう。どう考えても我らただここに連れてこられただけだろう。おのれ我が天敵め、いつか目に物見せてやるわ……」と呟いていたり、ユーリとレヴィが「なのはさんは本当にすごいですねぇ……」「ボクらには真似できないねっ!さっすが魔王様っ」と囃し立てていたり、シュテルが我関せずとなのはの作ったミルフィーユをぱくついていたりしたが、今日この時もエルトリアはおおよそ平和であった。
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今の時間は夜。普段ならば誰もが眠りについているだろう真夜中。太陽……ではないが、エルトリアを照らす恒星は地平線の向こうにその身を沈め、闇が支配する中でも最も闇が濃くなる時間に、二つの影が動いていた。その影はどちらも人間としては背が小さい方で、どちらも年齢が二桁に入ったかどうかという程度の少女の姿をしていたが、その二つの影はこの闇の中でもすべてが見通せているかのように自在に動き回っていた。
「……さて、準備はこれで完了したわけだが……」
そう呟いたのは銀色の髪を持つ方の少女、ロード・ディアーチェ。闇統べる王と呼ばれることもあった彼女は、今まさに完了したベッドメイキングの出来を確認していた。これで今彼女にできる時間稼ぎの手段はすべて使い切ってしまっていたが、それでも稼いだ時間とそれによって変わった状況は……少なくとも彼女から見ればの話ではあるが、彼女が払った労力に見合うものだった。
できるだけ美しく整えられたベッドやシーツから目を離して背後に振り返る。するとそこには金色の長い髪を持つ少女がもじもじと恥ずかしそうに座っていた。
「あ、あの……ディアーチェ……終わり、ました……か?」
金髪の彼女の名はユーリ・エーベルヴァイン。闇の書の闇の結晶体であり、闇の書の闇の最も濃厚で悪辣で救いようのない部分を統括し、魔力の無限連環機構を体内に保有する、まさに生きたロストロギア。無限に等しい魔力と、その魔力を自在に操る技量、そして全てをぶっ壊したい病と呼ばれた事もあった破壊の意思を持っていた……今ではただの恋する少女のようなものである。
なにしろユーリの傍にはディアーチェがおり、彼女の傍にいれば体内のエグザミアが暴走することもなく普通の少女として生活ができ、そしてたとえ暴走したとしても暴走しきった彼女を平然とぶん殴って蹴り転がして斜め45度からのチョップで暴走を止めることができるような大魔王がいるのだ。その事を思えばエグザミアも闇の書の闇であるという事実も、大したことではないと言いきれてしまう程度のものでしかない。
つまり、ユーリ・エーベルヴァインと言う少女はエルトリアにおいて間違いなくただの少女であった。
そんな普通の少女であるユーリだが、今は暗い部屋の中で窓からわずかに入って来る月の光に照らされたディアーチェに見とれていた。正確にはここは地球ではなくエルトリアという全く違う世界であるため月光とは言えないのだが、衛星光と言うのも風情が無いのでここからは恒星は『太陽』、衛星は『月』として表わさせてもらうことにするが……とにかく、ユーリは月光に照らされたディアーチェの横顔に見入ってしまっていた。
白と言うよりは銀と言った方が正確であろう肩口まで伸ばされた髪が月光を反射し、きらきらと輝く。アメジストのように美しい紫の瞳はユーリの全てを覗き込んでいるかのように透き通り、非常に蠱惑的な色気を発しているように感じられ……ユーリの心臓は早鐘のように加速していく。
どくどくと心臓が五月蠅いほどに激しく血液を送り出すが、ユーリにはまるでそうして出て行った全ての血液が顔に集まってきているかのように感じられた。頬は熱を持ち、あまりに美しい物を見続けたせいか呼吸すら止まりかけていた。
しかし、それもディアーチェが動き始めるまでのこと。ベッドメイキングを終えたディアーチェはベッドに背を向けて、ユーリに手を差し伸べた。
「……ほれ、来るがいい」
「ぁ……は、はぃ……」
ユーリはディアーチェに導かれるままにその手を取った。その姿に似合わず力強くユーリの手を引き、ユーリを自分に引き寄せた。
しかし、ディアーチェに引き寄せられたユーリはただ立ち上がるだけで止まることができず、ユーリはディアーチェに倒れ込んでしまう。ディアーチェはそのユーリの身体を正面から受け止め、けして揺るがない。その在り方はまさに王のそれであり、ユーリはディアーチェの腕の中にあると言う事実に頬を染めた。
「……ふむ、少し力を入れすぎたか。すまんな、ユーリ」
「い、いえっ!私こそ、その……」
ユーリにとっては予想外だったディアーチェとの急接近に、ユーリの心臓はばくばくと跳ねる。あまりの緊張に上手く舌が回らず、ぱくぱくと口を開け閉めするだけの人形に成り果てていたユーリの視界はただ一つの存在、ディアーチェの顔で埋め尽くされていた。
そうしてユーリが何をしていいのかわからないまま慌てていると、ディアーチェはユーリを抱き締めたまま優しく頭を撫でた。
「……怖いならば、今日は共に眠るだけにしておくか?」
ディアーチェの問いは、この数日で何度も繰り返されたもの。その問いについ頷きたくなってしまうが、今日こそはと意志を固めていたユーリは静かに首を横に振った。
「いえ、今回は……今日こそは、頑張ります」
「そうか」
ユーリの耳元でそう呟いたディアーチェは一度身体を離し、そしてユーリの額に軽く口付けた。
「……へ? ……ふぁ、ディアー、チェ……?」
ユーリの言葉に答える事無く、ディアーチェはユーリと身体の位置を入れ替えてゆっくりとベッドに横たえた。ディアーチェはユーリの上に覆い被さるようにベッドに手をつき、ユーリの顔を正面から見つめている。
顔を真っ赤にしながらもディアーチェを受け入れようとするユーリと、これからユーリを美味しく頂こうとしているディアーチェ。互いの立場は対極にあったが、それでも二人の思いは同じ。
「ディアーチェ……大好きです」
ユーリはそう言うとすぐに恥ずかしがって顔を隠してしまったが、ディアーチェはそんなユーリにくすりと笑いかけてもう一度隠れていない額に唇を落とす。
「我もだ、ユーリ。……お前の全てを貰い受けよう」
ディアーチェはそう言うと、するっとユーリの顔を隠す両手を退ける。顔の横に両手を固定されて隠すことができなくなったユーリは、ディアーチェにたった一言懇願した。
「あ、あの、ディアーチェ……わたし、その、初めてですから…………えっと……や、優しくして、ください、ね……?」
「うむ、善処するとしよう」
ユーリの言葉に一瞬意識を飛ばしかけたディアーチェだったが、なんとか意識を呼び戻してもう一度笑みを浮かべ直す。そしてもう一度、今度は唇同士を合わせる位置でゆっくりと顔を近づけていった。
」■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
……………………………………………………と、なのはがここまで読みあげた時点で話を聞いていたユーリは顔を真っ赤にして縮こまってしまっていた。腕よりもだいぶ長い袖で顔を隠し、真っ赤になっている耳を塞ぐことも考えられないほどにテンパっていた。
しかしその隣で同じ話を聞いていたはずのレヴィは平然としており、今も腹を抱えて大笑いしている。
「あっはっはっはっはっはっはっは!ひー、だめ、もうだめ、王様かっこよすぎ……っぷふぅ!」
「……しかし、こんな状況になっても恐らく初めの所からずっとなのはが読み上げていたことに気付いていた方はあまり多くないのではないでしょうか?」
シュテルはメタな発言をしているがそれを一切気にせずになのはは台本の次のページをめくる。ディアーチェの台詞はディアーチェの声で、ユーリの声はユーリの声で、ナレーションのような地の文はなのは本人の声で読み上げられていたのは、いわゆる官能小説の冒頭部分であった。しかも、ユーリにとっては自分と自分の大切な相手が結ばれるという内容の、である。顔を真っ赤にしながらも耳を塞ごうとしていなかったのは、もしかしたらユーリ自身もそうなることを望んでいたからなのかもしれない。
さて、そんなちょっとエロい子ユーリだったが、彼女は天然であると同時にとても純粋な子供でもあった。なにしろなのはの言う言葉を信じてディアーチェに処女をもらってもらうためにはいったいどうすればいいかをなのは本人に聞きに来るほどに純粋なのだから。
そしてそんな純粋で天然な娘に平然と嘘を教え、そしてその嘘をどんどんと拡大発展させていくなのはは傍から見ていれば間違いなく悪い大人であったが、生憎とそれを指摘できるような常識的な存在はこの場には存在していないし、指摘できるだけの知識を持っていたはずのシュテルも当り前のようにユーリをディアーチェにけしかけさせようとしていた。
しかし、肝心のユーリ本人はと言うと……。
「あ、あわ、あわわわわわわぁ……」
希少な声を上げながら長い袖で顔を隠し、しかし真っ赤になった耳が袖からはみ出ていることには気づかずにあわあわとうろたえ続けていた。
されどそんな状態であろうともユーリは紫天の盟主であり、性格を考えない実力だけの話ならば間違いなくマテリアル最強の力を持つ彼女は動かない。ただ顔を隠すだけで耳は絶対に塞ごうとしない。それは逃げないと言う意志によるものか、紫天の盟主としての誇りによるものか、はたまた恋する少女としての好奇心によるものか……なんにしろ、そうしている間にもなのはが語る話はどんどんと進んでいくのだった。
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■「
初めての唇同士でのキスは、とても甘いものであるとユーリは感じていた。ディアーチェの唇はとても甘く、濃厚でありながらもくどくなく、一度唇を離してしまえばすぐにでも消えてしまうだろうということが本能的にわかってしまう。それを感じたユーリはディアーチェの頭を抱き締めて唇を合わせ続け、絶対に離れまいとした。
しかし、その思いはあっという間に断ち切られてしまう。ずっと合わせ続けていたディアーチェの唇からなにか熱い物がユーリの口の中に侵攻し、そしてぬるりとユーリの舌に絡みついた。
それに驚愕したユーリはびくりと身体を震わせて唇を離してしまうが、すぐにディアーチェの方からもう一度口付けてきた。
「……ユーリ、目は閉じぬか?」
「へ? ……あ!」
軽いキスを終えて眼を開いてみれば、そこには大きく開かれたままのユーリの瞳があった。そのことを本人に伝えてみれば、ようやく今までずっと目を見開いていたことに気付いたらしいユーリは慌てて眼を閉じる。必要以上に力を入れて眼を瞑っているその姿はまるで小動物のようで、ディアーチェはくすりと笑った。
そして目を閉じたユーリに、もう一度キスをする。同時にディアーチェの右手がユーリの着るパジャマに入り込み、ゆっくりと肌に触れた。
その感触にユーリは身を震わせるが、その感触から逃げようとはしていない。このような行為が初めてだと言うユーリのために、ディアーチェは初めから激しく責めるような真似はせず、ただ優しく、ゆっくりとした指使いでユーリの身体を撫でる。触れていることはしっかりと分かる程度の強さで、しかしけして痛みを与える事は無くユーリの肌に触れるディアーチェの態度から見てもディアーチェがこういったことに多少という範囲では無く慣れていることを想像させて、ユーリは少し不機嫌になった。
「……ディアーチェは、なんだかこういうことに慣れている気がします」
拗ねたように呟くユーリへの返答代わりに、ディアーチェの指はどうやっているのか内側からユーリのパジャマのボタンを外しにかかる。ぷつり、ぷつりと着実に外されていくボタンの音をかき消すようにディアーチェはその口を開いた。
「あまり無粋なことを言うでないわ、馬鹿者め」
ディアーチェの唇がユーリの頬へと落ちる。なお、ディアーチェ自身にはこういった事の経験自体は殆ど無いと言ってもいい。ディアーチェ自身は生まれて間もない程度の年齢でしかないし、実体を持つよりも前ではこのような事をすることなど考えることすらなかったので当然の事ではあるが、それでもこうしてユーリを抱く時のためにエルトリアに現存する中で唯一の経験者であるなのはに頭を下げてまで教えを請うた結果、今のように少なくとも外見だけは落ち着いたままユーリと事に及ぶ事が出来ているわけだ。
恐らくこれが本当になんの知識も無い状態での事だったらディアーチェは内心どころか総身でテンパっていることを表す事しか出来ていなかっただろうし、ユーリも多少の痛みを受けていたはずなのでディアーチェの行為はけして無駄ではないのだが、その余裕が原因でユーリに身に覚えのない嫌疑をかけられるとは夢にも思っていなかっただろう。
しかしディアーチェは上手く切り返し、ユーリの不機嫌な空気を軽く払って見せた。ディアーチェが男であったならばまず間違いなく紐として生きていけるだろうと思ってしまうほどのジゴロっぷりだったが、ディアーチェ本人もそれを受けていた本人であるユーリにもそういった思いは無く、ただ二人の間に甘ったるい空気が広がるだけに止まった。
はらりとはだけたパジャマから、真っ白い中に二か所だけ桜色をしたアクセントのあるユーリの肌が露わになった。ディアーチェの手は空気にさらされることとなった下腹部をゆっくりと撫でまわし、その手はじりじりと少しずつ――――――
」■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
「なぁぁぁにをやっとるかこのエロパティシエがっっっ!!!?」
「おっと、危ない」
凄まじい勢いで飛んできたのはこの場にいなかった紫天一家の最後の一人、その名をロード・ディアーチェ。顔を真っ赤にして飛行魔法を使いながらなのはに飛び蹴りを打ち込もうとするが、なのははそれを察知して平然と避けてしまう。
「エロパティシエって……なかなか言うね?」
「事実であろうが!シュテルとレヴィだけならばともかく、ユーリにまでそんな話を聞かせるとは一体どんな神経をしておるのだ!?」
「え、神経見たいの? なんで? もしかしてディアーチェって神経を引きずり出して興奮するタチ? 悪いけどちょっとその趣味には賛同できないかなぁ……」
「そんな趣味など無いわっ!我を貴様と同じ変態の枠に入れようとするでない!」
「やだなぁ、私は苛めて楽しむのもできない事もないけどどちらかと言うと本当に心の底から愛した人には振り回してもらいたいタイプだけど?」
「貴様の性癖になど興味無いわこのドS!」
「あっはっは、性癖って言うよりはただの好みの問題なんだけどね。私、好きな人には尽くすタイプだよ? 信じてもらえた事一度もないけど」
「ドSは否定せんのだな」
「事実だからね」
「…………」
堂々と自分の性癖をばらしてしまうなのはにディアーチェが呆れていると、不意にディアーチェの袖がだれかに引っ張られた。袖の引っ張られた方を見てみれば、そこにいたのはなぜか顔を真っ赤にしたユーリがいる。
そこはかとなく嫌な予感に襲われながらもユーリを無視することなどできないディアーチェはユーリとしっかり目を合わせ――――――
「どうsむぐっ!?」
――――――何かを言う前に先手必勝とばかりに唇を奪われた。それも触れるだけの生易しい物ではなく、舌と舌とを深く絡ませ合うような濃厚な物を。
相手がユーリと言うこともあって手荒に引きはがす事が出来ないディアーチェの口の中に、ユーリがなのはからもらってさっそく使うことにした媚薬が流し込まれる。その大半はディアーチェがユーリの唾液と一緒に飲みほしてしまったが、一部はユーリの喉へと消えていった。
「んむ……ちゅる……はぅ……」
ちゅぽんっ、と言う擬音とともにユーリとディアーチェの唇が離れる。僅かに離れたその唇の間には、銀色に光る唾液の橋が出来上がっていた。
「な……なな……なぁっ…………!!?」
「ん……えへへ。……ディアーチェと、きす、しちゃいました……♪」
顔を真っ赤にさせながらもはにかむユーリの表情はまぎれもなく笑顔であった。ディアーチェがどう頑張ってみせてもそれが笑顔以外の何物にも見えないほどに。
ディアーチェがわたわたと慌てている事に気付いていないかのように、ユーリは額をディアーチェの胸元に押しつける。恥ずかしげな態度に反する大胆な行動に、ディアーチェは顔を真っ赤にしてすぐそばにいるはずのなのはに助けを求めて振り向いた。
「はーい、それじゃあ私たちは邪魔しないように向こうの方に行くからねー。みんなちゃんと付いてくるんだよー?」
「えー!見てちゃだめなのー?」
「だーめっ!さ、あっちに行くよー」
「おいこら待たんかぁぁぁぁっ!?」
ディアーチェは自分を見捨ててさっさといなくなろうとしているなのはを怒鳴りつけるが、なのははそれをさらりと受け流してレヴィとシュテルの二人を部屋の外まで追い出した。それからなのははしっかりと部屋の扉に鍵をかけ、まだしっかりとディアーチェに抱きついているユーリに視線を向けた。
「……応援してるよ!」
ぐっ!と親指を立てた手がユーリの前に突きだされる。ユーリのそのサインの意味は習っていたため、同じようにサムズアップで返す。
「任せてください!ディアーチェは絶対に落として見せます!」
「ユーーーーーリっ!?」
それだけ言い残し、なのははどうやったのか扉を透過するように消えていく。その場に残ったのは媚薬を盛られたディアーチェと、盛った相手であるユーリの二人きり。そしてユーリは現在、ディアーチェに対して圧倒的に有利な立場にあった。
ディアーチェの身体をベッドに押し倒し、そしてディアーチェに逆らう間も与えぬように唇を奪う。相手が状況を完全に理解していないうちに先制し、主導権を握る事に成功する。そしてその勢いを維持したまま相手を押し倒し、体勢的に有利な形に持っていく。さらに事前知識が僅かなりともあるかないかによっても条件は変わっていくが、それまで何度もなのはの創作話ややや改竄された実体験の話を聞かされていたユーリはそこでも有利な条件を得る。
そこまで念入りに自分が有利な形を作りあげ、ようやくユーリの唇がディアーチェのそれから離れる。
「っあ……」
唇が離れた途端にディアーチェから漏れた声にユーリが目を丸くすると、ディアーチェは自分がどんな声を上げたのか理解して両手で口を抑えようとする。
その隙にユーリはディアーチェの服のボタンを外していく。慌てたディアーチェがそれを妨害してくればユーリは空いた唇を狙い、手が口に戻れば一つ一つとボタンを外していく。
「ふふふ……♪ ディアーチェ……大好きですよ」
しっとりとした艶を含んだ笑みを浮かべたユーリの視線に、ディアーチェは背筋にぞわりと期待感のような何かが走り抜けたのを自覚した。