※この作品はR-18です。

ブレイブストーリーでエロパロ   作:PEOK

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ノクターンノベルからの作品を移転したものです。
原作途中からのストーリー展開ですご了承ください。
人間と獣人のR-18ですのでご注意下さい。

最低限に絞った補足説明です

登場人物↓

三谷亘[ワタル]
  主人公の少年。両親の離婚に翻弄
ほんろう
され。要御扉
かなめのみとびら
を開く。試験結果により、勇者見習いとなって幻界に降り立った。

ミーナ
  身長135.5cmの幼いネ族の女の子。灰炭
ブルーグレイ
色の瞳に、長い尾、白地に茶色のネコ顔には銀色な髭がある(自作文では「白地に茶色」の表記を「純白の体毛」に変え、表現しています。)
過去に両親を失っており親戚に引き取られるが、拉致された可能性が強いことから、巡業サーカスの団員となりその傍
かたわ
らで情報を探していた。
両親を知っているという子供に誘われ、団を抜け出しガサラに行き着いたが、脅された後、犯罪の片棒を担がされてしまう。この事件でワタルと接触後、仲間となる。


キ・キーマ
  大柄でうろこ状の皮膚の、トカゲのような外見の水人族。運送業ダルババ屋で、現在ワタルと旅を共にしている。

芦川美鶴[ミツル]
  三谷亘と同学年の転校生。一家惨殺の過去を変える為、魔法使いとして幻界へ降り立った。ワタルとの戦力差はチート並に高い。
―――――――――――――――――――――――――

主な種族や職業↓

アンカ族
  現世では人間と呼ばれている種族。なので旅人もアンカ族に分類されてる。

水人族
  トカゲに似た姿の種族。水辺が適所である為、水産業が盛んなサーカワに拠点を置く。
背が高くガタイが良いため。運搬業にも向いており、内陸への交易にも力を入れている。キキーマがここの出身。

獣人
  虎や猫や犬、山羊等を連想させる顔立ちであり、尾があり、全身が体毛に覆われている人々の事を総称して獣人と呼ぶ。獣人の中でも種族が分かれており、ミーナは獣人のネ族という分類のヒト。

ネ族 
  猫顔の人種。獣人の中ではとりわけ小さい部類故に潜在的に身が軽い。
先祖が北大陸の移民であり、現在は南大陸 ボグ国のランカと言う町に数が少ない民族として農業を主とし、ひっそりと暮らしている。ミーナがここの出身だ。

カルラ族
  鳥に似た種族。長距離を飛べる事を生かし、郵便の職に付くものが多い。文中ではトウゴウトウさんという名前のヒトがこの種族。

※上記のように種族が混在してる為か原作は「人」をカタカナで「ヒト」と表記している。

星読み
  空の星を読んで、風向きや風の強さを予想する職業。

ハイランダー
  南の大陸の自警団。主要都市にブランチという職場を設けて治安行動などを行っている職業。
目印に腕輪をしている。文中ではカッツ、トローンがガサラの管轄、ひょんなことからワタル達も一員に加わってる。

シュテンゲル騎士団 
  治安維持に努める役人。ロンメルさんがこの職業。

その他の生物
  ネジオオカミ 狼の胴にドリル型の頭部を持つ野性の生き物。群れを成し生活している。攻撃体制に入ると口は大きく十字に割れてクリオネの捕食時のようになる。

  ダルババ 象のように大きな胴体で全身体毛に覆われた長距離移動動物。力があり一匹で大型荷車を牽引できる為、運送業のよき相棒。

  ウダイ 現世では子馬ぐらいの動物。小さい体を生かしてパトロールなどに使われる。ヒトになつき易く、ワタルはトローンに乗り方を教えてもらった。
―――――――――――――――――――――――――

用語とか↓

現世[うつしよ]
  現実世界、地球のこと。

幻界[ヴィジョン]
  現世
うつしよ
の人々の想いが形となって創りあげられた世界。

旅人[たびびと]
  要御扉を通ることが許された、現世から幻界に入って旅をする人。

要御扉[かなめのみとびら]
  現世と幻界を行き来できるおおきな門。10年に一度開かれる。

運命の塔
  旅人が目指す最終目的地。宝玉を5つ集めたら現れる?ここに女神がいると信じられている。

真実の鏡
  条件がそろうと要御扉のように現世と幻界を行き来できる、古来より旅人と繋がりがある物。ミーナがいつも首にかけてるペンダントもその一つだった。

北の大陸
  帝国がある、あまりいい噂はない。

南の大陸
  この話の舞台です

と、大まかに書き連ねてみました。


ガサラの長い一日

*****第一章・ガサラの長い一日********

 

 

ミーナのお世話になっていたスペクタクルマシン団を探す前に、 ワタル達はガサラの街で下準備をしながらハイランダーとしての仕事をはじめていた。

 

今日の仕事場へ到着。 ここはガサラの町の象徴的ともいえる、立派な門の下だ。

その先にはウダイ、ダルババといった門外に並ぶ行商の列が、許可証を待つ為にズラリと並んでいる。

 

「結構多いですね……これが毎日ガサラに送られてくる物資なんですか?」

「ああそうさ、ここはヴィジョンいちの交易の町だかんねぇ。 このくらいの量はしょっちゅうなんだよ」

 

そう、僕は今から積荷検査という、ごく有り触れた仕事をする。

 

きっと僕なんかの新米ハイランダーにとって、丁度いい訓練になるからだろうけど……

 

「なんで今日はカッツさんと二人でなんですか? 荷物の上げ下げとかするのだったら、トローンさんとか、男手が必要なんじゃないですか?」

 

トローンさんとは、カッツさんと同じ管轄のハイランダーに属している大柄な獣人で、見た目からして力がありそうなヒトだ。 

今朝もブランチで顔を合わせたんだけど、今日は溜まっている事務処理をしなくてはと渋い顔をしていた。

 

「ワタル、あんたも男だろぅ。 シャキっとしなよ」

 

カッツさんがちょっとメンドそうに僕を横目に見ると続けて、

 

「まぁ、そうだねぇ~こういうのは普段、トローンが専属なんだけどさ……

 今日はちょっと特殊な代物もくるらしいからね。 あんたもブランチで今日の帳簿、確認したかい?」

 

「ええ……」

 

(え~っと、なにがあったっけ?)と持ってきたその紙を開き、再確認する。

 

「これって、け~、けしょうひんって読むんですよね」

まだ覚えきれてないヴィジョンの文字表記をたどたどしく見て、再びカッツさんに目を移すと

 

「そっ、ってことは?」 と回答を促された。

 

「え? う~んと……あっ匂いですか!」

 

今日の積荷の一つに高級化粧品20ケースと記載されており、おそらくはその匂いがきついということかな? それ以外は思い当たらないし。

 

「正解。 そうさ、大量のカートンだとどうも具合悪くなる体質なんだよ、私らと違ってね。 だから今日のメンツは、ほらね」

 

周りを良く見なとクイッと顎を動かすのにつられ、見渡してみると確かに今日の検閲官や受け取り業者のその多くがアンカ族の様だった。

 

なるほど、これだけあからさまだとトローンさんみたいな獣人には、ちょっとした避難命令が出てるんだろうなぁ、なんて事を考えていたら

 

「お~ぃ、早く始めてくれ~!」と列を成す行商人の声に急かされ

 

「さぁ、あまり待たせるわけにはいかないよ」

と言うカッツさんと共に持ち場に着いて、早速作業に取り掛かった。

 

********************************

 

「高級化粧品だかんね、落としたら承知しないよ」

と冗談交じりに変なプレッシャーを掛けてくるカッツさんと、次々運ばれてくる木箱の中身チェックをしている僕。

 

四隅の釘を外し、その箱を開けると(うあ、自分もちょっと)ってくらいの甘く、強い匂いが鼻を通り抜けてきて、これは納得せざるをえないって感じだ。

 

それにしても数が多いとホントにすごいな~

箱にびっしり整然と入ってるそれを見て、そういえばミーナだってネ族っていう獣人の部類の子なんだから、今日仕事が済んだらミーナに会う前にちゃんとお風呂入らないとなぁ、なんて思うのだった。

 

 

作業のコツを掴み、さて7箱目っと。

再び木箱に蓋をし、許可証を貼り付けようとした時、

 

『ぅうわぁっ!! あぶないっ そこのヒト~!』

 

「……へ?」

顔を上げると荷物を台車で運んでいた作業員のひとりが、足を滑らせたらしく、その三段組の、一番上段に乗っかっている物資の一箱が僕めがけて落ちてきそうだった!

 

「うあッ!」

とっさにそれを押し返そうと判断し手を上にやってはみたものの、僕みたいな子供の背では下端に届かすのが精一杯で、ぐわんと更に傾くそれを押し戻すことが出来なかった。

 

「――まずいっ!」

 

「ワタルッ。 もういいから、よけなっ!」

とカッツさんが言うのと同時に僕は後ろへ思いっきり避けた!

 

――グワシャァァア!

 

僕の目の前で、舗装されてる地面とその木箱の角が激しく追突し、中身のガラス製品が割れる音がその木箱の中で反響している。

 

そのとき思った、

 

あっ、真横に避ければよかった――と。

 

締まりが甘い木箱の蓋がそのまま僕の方へ弾け飛び、尻餅をつく僕の頭上をかすめた。

 

「うわっ」

冷や汗をかく間もなく、箱の中身からその内容物であろう物がモワリと立ち込め、視界は瞬く間に真っ白になっていった。

 

 

 

「すみません、だっ大丈夫ですか!?」

 

「……けほっえほっ。 えほっ、だいじょ……ぶ。 けふっ、です!」

 

咳き込みながらも僕はよたりと立ち上がり、大丈夫と両手を開いてみせた。

 

「ありゃ」見ると全身が粉まみれになっていて、僕は降り掛かっているそれを確認しようと袖に鼻をやる。

 

かかっている粉は特に匂いが強いわけでもなかった。 手触りは薄力粉みたいな、白い粉……なんだろうこれ。

 

 

地面にも目をやると、その物資はどうやらガラスの小瓶に小分けされてあったらしく、真っ白な粉に混じってキラキラとしたガラスの破片が目に付いた。

 

 

パンに使う材料としては、妙に丁寧な梱包だし、もっと違う用途の粉なのかもしれないな。

 

「ワタル、大丈夫かい――――これはっ……!」

 

近づこうとしたカッツさんが何故か直前で足を止め、半歩後ずさりする。

 

そして足元に転がる原形をとどめていたビンをおもむろに手に取って言った。

 

「ワタル……念のために、一旦戻って粉を落としてきな、しっかりとね。」

 

カッツさんの目がいつも以上に鋭い。

 

「カッツさん、これ……何?」

 

何だか只ならぬ雰囲気に、僕はおっかなびっくりで動けず、尋ねると

 

「いや、何だかはまだ分からないけど……なんだか、いやな予感がするんだ。 後のことは任せな。」

 

『みんなもこの物資に近づくんじゃないよっ! あと、清掃班呼んでちょうだい!』

カッツさんは素早く統制を図る。

 

僕は着てる衣服をその場ではたくだけはたいた後、

「寄り道せずに一直線に宿泊施設に戻るんだよ」と念を押され、言われるがままに手早く門外へと出されたのだった。

 

 

*************************

 

 

――とにかく、僕は自分の個室に戻ってきた。

 

城門を出る前にだいぶ払い落としたが、無論完全ではない。

よく見れば、粉は服の繊維に入り込んでいるから水洗いしないと落ちなさそうだし。

 

「でもこの粉、なにかまずいのかな?」

 

再び確認のため袖に鼻をやったけど今のところ別に体調とか何も悪く無いし、まぁ一安心なんかな?

 

う~ん、とりあえずシャワーでも浴びて、その後は「何事も無かったです」ってカッツさんに報告だな。

 

そう思って、さっそく着替えを出そうと僕専用にとキキーマがくれた使い込まれてるカバンケースに手を伸ばしたその時

 

――コンコンッ!

 

ノックがした、誰か来たみたいだ。

 

「は、はい!」

 

その音に返事をすると、

 

「ワタル? 何かあったの~?」

 

と聞きなれたミーナの声がする。

あ、そうか、今日は獣人さんの待機うんぬんのお達しがあったんだっけ。 非番で宿に居たみたいだ。

 

「うん! でも大丈夫だったから!」

 

とドアの外に聞こえるように声を上げた。

 

「そうなの? つい心配になって来ちゃったよ~。

 じゃぁ、入っちゃっても大丈夫?」

 

「うん、いい……とおもう」

 

今入れたらマズいんじゃないか? なんて事はもう思えなかった。

 

だって体調も何も変わらない。 きっとカッツさんの取り越し苦労だったのだと僕はその時判断したんだ。

 

 

かちゃり、部屋のドアが開く。

 

「昼過ぎまで仕事してるって言ってたのにワタルが必死に走って戻ってきたのを見かけたから、何事かって、本当にびっくりしちゃった!」

 

僕の顔を見てやっと安心したという風に胸を撫でおろし、

「よかった、何も無くって~」と笑顔で答えるミーナに、事の成り行きを説明した。

 

「うん、え~っとね、さっき働いてる時に変な粉かぶっちゃって、カッツさんそれを心配してくれてさ。

 粉をしっかり落としてくるようにって言われたんだよ。

 だからまぁ、念の為に今からお風呂に入ろうかな~ってね

 ん?……どうしたのミーナ?」

 

ミーナの頭が不自然に揺れている。

 

「ミーナ、ねむいの?」

 

顔の前で「お~い」と手を振っても、とろんと眠そうな顔をしたまま、僕の顔のどこか一点を見つめていた。

 

……明らかにミーナの様子がおかしい。

 

「な~にワぁ……タッ ありぇ?」

 

かなり遅れ気味の返答を僕に返すが、自身の舌がもつれている事に「はっ」となって、とっさに自身の口を塞ぐ。

 

「大丈夫!?」

 

眠たいから? ちがう! さっきまであんなに元気だったのに!

 

 

……考えられる事はひとつだけだった。

 

そんな、もしかして 粉の!

 

「うぅっ……」ミーナは朦朧《もうろう》としながらも一歩足を後方に踏みしめていて、本能的に危険から遠ざかろうとしているのが見て取れる。

 

でも後ずさりしたその脚には力が入っていなくて、そのままぐわんと頭が後ろへと落ち込みそうになっていた!

 

「あぶないっ!」

 

――僕はミーナの体を受け止めていた。

 

「……んゃぁ?」

 

もう、完全に僕へと体を預けているらしく腕にはグッタリとした重さが掛かっていた。 

でも僕自身が原因だとすれば、すぐに離れなきゃ!

 

――と思ったその時、抱きかかえている状態の僕の体にミーナはいきなり抱き付いてきた!

 

それは、抱き締めてると言ってもいいくらいに本格的なもので、僕の着衣に顔をうずめている。

 

「んん~……」

「ミーナどうしたのっ!?」

 

はぁ.,はぁ.はぁ……僕の耳元で苦しそうなミーナの呼吸がハッキリと聞こえる。

 

「ダメ!粉吸い込んじゃうよ」と慌てた僕がミーナから腕を解こうとするが、ミーナの抱きしめ方が異様に強くって、離れられないし、離そうとしてくれない。

 

さっきから呼吸が苦しそうで、ミーナ自身だって、離れておきたいんじゃないのだろうか?

 

なんだか、これじゃあまるで……

 

 

――まるで、なんだ?

 

 

……そうだ、マタタビを嗅いだ猫みたいだ!

 

「ミーナごめんねっ ゴメンねっ おねがい離れッ……てっ!」

 

僕はミーナの両肩を掴んで再び引き離そうと頑張ったが、急に足元のバランスが崩れる。

ミーナの方からギシリと床面に足を踏ん張って僕を押してきてるからだ!

 

「ちょっ! 一体なにをっ」

 

「うんんん―――― ぁやぁ!」

 

「……へ?」

 

――――二人の体が床から離れていた。

 

 

ミーナがあの教会の陥没からワタルを抱えて跳んだ時を思い出させる力強いジャンプで、僕は背中からベッドの上へ。

 

「ちょっとミーナ!? んぁっ」

 

言う間もなくいきなり、下から上へ首筋を滑らかなものが伝う感触に思わず上ずった声を出してしまう。

 

「んぁ~ ぺろっ」

 

 

ぺちょぺちょ……静かな空間に音が漏れて、首の下を淡々と舐められてる事にようやく状況の理解が及んでくる。

 

冷静になればなる程、ミーナの舌が何度も伝う感触に身体が震えてしまう。 その感触はヒトのそれと変わらない

 

「やっミーナッ!」

 

(もっ、もしかして首に付着した粉を舐めているんじゃないか?)その事に気付き、ミーナを何とかして引き離そうと手でミーナを持ち上げる。

 

むにゅぅ! ――慌てて付き出した手に柔らかい物が触れて……

 

 

――って、ミーナの胸だっ!

 

「うああっ!ごっごっごめん!」

 

テンパって手を引っ込めるとミーナはスキあらばって感じに更に僕の上に体重を掛け直す。

 

 

……だっ、だめだ。 触ってしまったその手の感触が頭から離れない、そんな場合じゃないのにっ。

 

意識してしまう。 今も乗っかられてるから、服越しでもその柔らかさが感じられる。

 

って自分はなんてやらしい事を考えているんだ!

 

 

僕はようやく危機を感じはじめる。

 

これから旅を共にする仲間にこんな事っ……

 

「んぁう~」

 

抱きついてるミーナが思い立ったかのように体を上げ、脚元をモゾモゾと動かしている。

お腹のあたりに体毛が撫でる感触がして首を起こすと、ミーナは僕のズボンに足先と、後ろ側で漂わせていた尻尾を器用に引っ掛けていて……

 

「みっミーナ! ちょっ……」

 

そして一気に下着ごとずりおろされた。

 

シャワーを浴びようとしてた為、ほとんどラフな格好だった僕の服は、あまりにも簡単に脱げてしまい、慌てて、その膝まで下ろされてしまったパンツを戻そうと僕は半分起き上がったが、ミーナの膝がズボンを強く押さえ込んでしまっており、

 

『ワタル――ちぅッ!』

 

近づいた僕をキスで制した。

 

「んちゅ、んんっ ふぅっ!」

 

ファーストキスをミーナに、しかもミーナの方から奪ってきた!

なんて考える暇は無くその反動でまた押し倒され、次第に熱を帯びるミーナのキス……。

 

「んくぅ!?」僕が、塞がれた声を上げると、間髪入れずに薄く開いた口の隙間から「にゅっ」と温かいものが入り込んできた。

 

(うわぁあ! これって……舌!?)

 

必死に探るように、僕の中でうごめくそれに「こっ……こふッ!」と咳き込んでしまい僕の方からも舐めつけてしまう。

 

「ミーむゃあぁ、 やぁめっむぐッ――」

 

次々に大胆な行為をするミーナに、精神的にも逃げ場が失われてゆく中、膝下までずらされていたパンツはいつの間にか最後まで脱がされていて、ベッドの脇に落とされていた。

 

そんな僕の下半身に…… ふさふさしたものが滑り込む。

 

(しっぽ、しっぽだっ!)隠せなくって露になってるそこに、やわらかくて、あたたかい感触がする。

 

ミーナの体温が尻尾の先まで行き届いているのが分かる程に、その愛撫に似た絡みつきが僕の性器をクルリと囲いながら撫でてゆく……。

 

「んぅ ……あうっ」

 

僕の性器はふわふわのミーナの毛並みの中に閉じ込められながら、絡んだ尻尾と一緒にせり上がってくる感覚に心臓がドキドキと激しく打ち付ける。

 

ジンジンとしてきていて「ぐにゅっ」とミーナの体の一部に硬く押し当たってしまっているそれは、下半身を確認するまでも無く、起き上がって大きくなっているんだ。

それを知るともう、焦りしか出てこない。 イヤダ! 女の子の前でそんな様子を見せられない!

 

「ううん!んんむ!」隠したくて必死に両脚をジタバタさせる僕に、キスを続けていたミーナがその様子に気付いてしまった。

 

艶やかな笑みを浮かべるとようやく腕を放し、動揺している僕の上で膝立ちになり、自分のおへその辺りの服の裾を掴むと

 

そのまま、――ガバッ!! 

 

勢いよく上半身裸になった。

 

『○×!!!――――』

 

僕は心臓が破裂しそうな程に驚き、目がそこに釘付けになる!

 

世間に隠されている女の子の恥ずかしいところが今、自分の目の前で露《あらわ》になって既にパニック状態だ!

 

ミーナの裸体はふわふわな真っ白い毛がみっしりと詰まっていて、おなかの淡い部分からは地肌が見えている。

高揚してることが分かる程、綺麗な桃色だ。

 

そして露になっている、まだ幼いけど女の子のそれと分かる膨らみが荒い呼吸でゆったりと上下していた。

 

 

気づくとそれだけに留まらず、そのまま下半身にも手をかけている。

 

ミーナがいつも着ている、ゆったりとしたズボンは紐を解くとあっさり落ちてゆき、ミーナと体と同じ色の真っ白で清潔そうなパンツが現れた。

それも躊躇いなく下ろそうとしているミーナの手を僕はぎゅうっと握り何とか止めようとする。

 

「ミーッ ナッ! だめっ……だめだよそこはっ!」

 

何とか必死に説得する僕にミーナはニコリと口の両端を上げている。

 

「う、わあっ」ブレーキの壊れた車のように脱ぐのをやめない、抑えきれず、ミーナのパンツは下へ下へとズリ下げられてゆき、

 

くちゅり……股の間とその部分に当たる下着が粘液でベッタリと糸を引きながら音をたて、張り付いたその布地が遂にペロンと完全に露になってしまった。

 

僕に跨ったままの状態でその全身をさらけ出すミーナは、まるで僕がこの場に居ないみたいに淡々とこなしていて、その、ただ更衣室で着替えをしてるかの様な状態に僕は、モニター越しに見ているんじゃないかと錯覚する程、既に現実感を伴わっていない……

 

はぁ、はぁ、はぁッ――

 

「ワタルぅ~、ほらぁ――――みてっ!」

 

シュンッ!――――と、瞬間にミーナがベットの上で軽い曲芸の動作で反転した!

 

「ぅああっ!」僕の目の前にいきなり、尻尾の付け根の丁度反対側、多分オシッコを出す所、その部分が今目の前にきている!

 

はっきりと見てしまった! 恥ずかしい所っ!

 

周りはぷっくりとしていて白い毛がみっしりふわふわで、真ん中がピンク色の一筋の割れ目になっていて、そこから湧き出てるみたいに、ねとっとした液体が周辺の毛も濡らしてテカテカとしていた。

 

そして自分の下半身にはミーナの熱い息がかかり、性器が見つめられているのを感じる……

お互いの秘所を見て、見られて…… 恥ずかしさに叫び出しそうだ。

 

「ワ、タぁ~りゅぅ~……」

 

ろれつの回ってない、どこか色の含んだ声で僕の名前を言いながら、匂いに誘われるように顔を下げはじめるミーナ。

 

「ふ~ッ――ふはぁ~」

 

ミーナの荒い息が近づくと、僕の性器がそれを受け入れようとするかの反射的にピクンと反応しだす。

 

そして、口から漏れる息に包みこまれる、まだ幼いが、アンカ族より発達したその八重歯が、触れぬように、いたわりながら中へ、口内へ!

 

「――んぅっ! ぁぅ……ぁあああ!」

 

今まで味わった事のない刺激が全身へ伝わり、呼吸が乱れ、抑え難いそれが喉元で喘ぎに変換される。

 

んっ、んっ とミーナは乳飲み子の様に喉を鳴らしながら、尻尾をワタルの後頭部へと回りこませ、手拭いを下げているような形で固定させると、そのままミーナの腰が落ちてゆく。

 

おんなじことして……と言う様に、発情したミーナの性器が口元へ!

 

「んぁあ!.,ぅっむぎゅ!」

 

「わひゃりゅ……~むちゅ.,むちゅぅ!」

 

ミーナはじゃれあってるみたいに舌の平で僕の性器を追いかけ、撫で回し続ける。

 

僕はその切なさに喘《あえ》いで……喘ぐたびに口中にミーナの液が入り込んで何度も舌で舐めてしまう。

 

ミーナの性器に残るおしっこの味…… 動物の汗みたいなしょっぱさが混ざった味。

 

くちゅ.,くちゅ,…… 次第にしょっぱさが消えてゆき、ねっとりと粘っこい感触のものへと変わってゆくそれが僕の舌の平にぐちゅぐちゅと纏《まと》わり付いていった。

 

(……ううッ、苦しいっ)

口が塞がっているということにやっと認識を持った僕は、慌てて鼻で空気を求めたが、呼吸器官はミーナの濃く重い性の匂いで満ちて、頭がクラクラする…… 思考が虚ろになってゆく……

 

 

ミーナは苦しくなったのか途端に「んはっ」と息継ぎをするように顔を離すと、先端にそっとキスをしていた。

 

そのすぼめた唇のままぐいぐいと再び性器を飲み込もうとして、性器の皮が、徐々に張り詰めてきた。

 

ミチミチとずり下ろされる感覚、ぴりぴりした痛みがミーナの唾液のぬめりけで、緩和されてゆきながら……

 

――ズッ……チュクン!

 

「うあっなにして! ……やめっ ――ぁあああッ!」

 

ぐりゅん!そのまま一気に皮がむける感覚、そのまま唇がそのふくらみを通過し、唾液に満ちた口中へ再び放り込まれていった。

 

 

『――――!!』

 

もうこれ以上の刺激に信じられず、もがく僕は、叫び声をあげているのかさえ分からない!

 

うあっ! 心臓がキュゥウっとなって、僕の性器がビクリとはねる様に痙攣したと同時に、

 

「――んぱぁ! ~あっうぅぅ……」

 

ミーナはじゅぷりと口から性器を引き抜くと、僕の口に当てがっているソコがぷるぷると尿意を催したときに似た震えを起こしていた。

 

自身のその感覚に驚いているのか、慌てた様子で勢いよく腰を浮かすミーナ。

 

腰を上げたまま静止しているミーナの割れ目を見ると、まだ苦しそうにヒクヒクと痙攣していて、そこからポタリポタリと重さをもった粘液が僕の首筋にあたたかい感触を残してゆく。

 

 

僕もぼ~っと、さっきの感覚を頭の中でリピートしていて、それでも、お互いのそれが何なのかを、理解できずにいる……

 

 

その押しとどめたその感覚を秘めたまま、僕の上で四つん這い状態のミーナは、緩慢な動作で身体を移動させると再び僕と顔を向き合わせる形になった。

 

その焦点の合ってない瞳で見詰めてきて、お互い、口の周りは愛液と自身の唾液で濡れてしまっているのに、拭おうともせず、愛でる様なその目に僕自身がきれいに映り込んでいるのをただ見ていた。

 

 

ミー、ナ…… 虚ろな目で呟き返す僕の、腰にきていたミーナの手は残った上半身の衣服にそっと手をかけていた。

 

 

力が出ない、なんだか クラクラして…… きもちいい……

 

 

だから、自分の服、脱げやすいようにって、ミーナを手伝うように体を少し持ち上げて僕は補助した……

 

 

ミーナの“ふわふわ”を感じる範囲が増す……

 

 

その、やわらかい毛並み…… 幸せな気持ちになった。 恥ずかしくなかった……

 

 

ただ流れに、ミーナの流れに身を任せてしまいたい。

 

そのままシャツを脇の下辺りまで捲くられ、僕は両腕をばんざいの格好にする。 ミーナがそれを確認すると荒い息のまま、嬉しそうに僕の両脇から服を引っ張り上げ、スルリと全部、はずし終えた。

 

 

ファサッ。 ベッドの床に落ちる服の音と同時に、再び僕の腰に手を差し入れると、そのままグッタリと僕に折り重なってゆくミーナ。

 

 

時折、寝言のような呟きで「ワぁ、タぁルぅ~」と、甘え声を発していて、それが子守唄のように僕の耳に響いてくる……

 

 

ベットの上には、生まれた時の姿の2人だけになって、意識が完全に外界から切り離れていた……

 

 

2人だけの世界って、本当にそう思えた。 このまま眠ったらどんなに気持ちがいいだろうか。

 

ミーナが2つを1つにまとめたいとばかりに、腕も、脚も、尻尾もキュッとけなげに僕にくっつけてて、2人の間の空気すら拒むかのようだった。

 

僕も、腰に手をまわした。 ふわふわな体毛が、指の隙間から溢れんばかりにみっしりとしてて気持ちがよくて、その手で輪郭をなぞると奥に隠れている、サーカスで鍛え上げられたしなやかで締まった身体を感じることが出来た。

 

華奢《きゃしゃ》な見た目では知る事のない、その内に秘められてる完璧さ、それを今、存分に抱き締めて、味わう事が出来るんだ……。

 

 

ミーナの心臓の鼓動が聴こえる…… 口から漏れる呼吸音が、耳元をくすぐる……

 

僕の鼻先に、ミーナの銀色のくちひげが触れていて、僕はこんなにも近くで、ミーナの……女の子の匂いを感じている……

 

瞼《まぶた》が、重くなってきた。

 

 

ねむたくって、 きもちいい……

 

 

しばらくしてミーナが身体をくっつけたまま、マーキングをするように体をすり合わはじめる。

「ふッ んッ。ふっ……」という薄い息を耳元で吐きながら、それに合わせるかの様にゆらゆら宙を漂っている尻尾を僕はただただ、夢見心地のままの意識で見ていた。

 

「んんっ。」 

しばらくしてミーナが気《け》だるそうに体を持ち上げて、ふわりと二人の間に空間ができる。

 

汗ばんだ僕の体の表面を涼しい空気が通り過ぎて行った所で僕は我に返った。

 

「あっ、ミーナ!?」

 

ミーナの顔を見ると、 真剣そうな顔で下の方を向いている。

 

ふと、僕は先端に何か暖かい感覚を覚えた……

 

自分の下半身の方に目を向けると、さっきまで自分の顔にあてがってたミーナの大事なところが、今は僕の性器の先に当たっている。

 

途端になぜか「取り返しの付かない」という怖さに似た不安と、その反面何かを準備するように鼓動が自分でも驚くほど早く打ちはじめてきた。

 

ふぅ…… はぁ…… 意思を感じる目はその一点を見つめたままで、呼吸を整えているような息遣いだけがミーナの口から漏れて、聴こえてくる。

 

 

(……なにするの? ダメっ ……コレって ミーナ……――)

 

言葉を発したかも分からない言葉がよぎる。

 

それに反して何かを求める自分が。

 

 

――――ここまでの思考は一瞬だった。

 

お互いが同じ所を見ていることに気付いたミーナは、僕に小さく笑いかける。

 

目を細めてて、やさしい笑顔だった――――

 

「ワ、タルぅ…… いく……ねッ!!」

 

「えっ……」

何が?と聞こうとした直後、

 

ズッ――じゅぐ!

 

とてつもない快感が突風のように僕に襲い掛かった!

僕の剥けきった性器の先端が、ミーナの体内に躊躇《ためら》いもなく飲み込まれていく。

 

 

「うわっ! あぅっ――んぅッ!」

 

くちゅ……ぷちん、ぷちんッミーナのおなかの中にズルズルと入っていく感覚に、その体内の、やわらかい繊維質のようなものが弾けはじめる音が伝わり、僕はミーナの下でもがき逃れようとした。

 

「やっだぁ……  まっ……だぁッ!」

とミーナが声を上げ、逃れようとしてる僕の腰の側面に脚と尻尾をぎゅうぅぅっと押さえつけて、抜けそうになってる性器を無理やり入れ込もうと力を込めてくる!

 

――怖いッ、怖いんだ。こわい、もうもどれない。

 

やだっやだっ!きもちがっ へんにッ――――うああっッッ ミーナああぁぁ!

 

想像を絶する程の快感が、僕の頭では既に理解を越えて、処理しきれていない。

 

ぬちゅ.,ぬちゅっぷち.,ぷち.ぷちっ.,ズッ― ちゅくぅぅ――――

 

「ああぁぁぁんんぅぅ――――!」

 

ずちゅ!!

 

ミーナの呻き声と共に性器が完全に入り込んだ。

 

 

っ――――!! 

 

 

僕は凄まじい包容力に胸がキュンと締め付けられたように切なくなる。

 

……この行為が何かすら分からなかった。心の準備すら出来ていなかった。

 

バクバクと鼓動が激しくなり動物の本能が目の前の行為を受け止めようとしている。

 

求めているのに、拒絶もしている。

 

痛い訳でも、呼吸が出来ない訳でもないのに

 

切ない……苦しいよぉ、ミーナぁ…… ぅう……。

 

 

確認を促すように一呼吸おいていたミーナが、ゆっくりと引き抜き、ゆっくりと押し込む。

 

 

「ううあぁっ やっめて……ミーナぁっ ま、って……」

 

 

何も理解できない、目の前の現実に、じわりと視界が滲む。

 

「ミーナっ……ぼく、切ないよぉ……お願い、や、めて……」

 

必死に、細く絞り出す声をミーナに向かって発し、僕は震えるその両手を突き出した。

 

「はぁっ……んぅっ!ハァッ……ンッ!ワ、タ、ルっ!」

 

 

止まらないミーナも、今にも泣き出しそうな瞳を僕に向けながらじっくりと上下運動を繰り返し、揺れ動く尻尾がフサリ フサリと無造作に僕のひざに当たっていた。

 

ミーナが近づいたり遠のいたりする度ふわふわな体毛やその中の膨らみのある胸も

触れては離れ、触れては離れ、熱い息をかき混ぜていた。

 

次第に、心地良さが切なさを追い越しはじめ、快感は別の生き物のように心を掻き乱しながら体を駆け巡ってゆく

 

限界という得体の知れないものを引っ張り出してきて、迫る。

 

……迫ってくる!

 

「あぅ、なんかっ……でちゃう ミーナ……うぅ!」

 

接合部から漏れる水音が聴覚から遠のいてゆく感覚を覚え、それとは別のふつふつと込み上がって来る何か……

 

怖い、いやだっ

 

 

「やめっ、て!」

 

鼓動の速さに意識が追い付かないまま僕は必死に声を絞った。 

もう後がない心境に、藁をも掴む思いでミーナを抱きしめていた。 動きを止めて欲しかったからだろうか、それともただ本能的にそうしてしまったのだろうか分からず、気付けば目尻に溜まった涙がこめかみに伝い流れ落ちてゆく。

 

 

ふと僕の頭を撫ぜるように抱え込み、上半身お互いの胸をくっつけミーナの動作が和らいだ。

 

そしてミーナも僕を強く抱きしめ返す。

僕のしている拒絶の意味での抱き付き方ではなく、僕の怯えた体を包容してくれているような腕だった。

 

――怖くないよ。

 

 

 

そう言われているようだった。

 

「くっ…… はぁっはぁっミーナ、僕はもうっ」

 

また徐々に動きを付けはじめるミーナに僕は覚悟した。

 

諦めとかそういうものではなく、怖いけど、今ミーナがそうであるように、僕も最後まで受け入れるべきだと。

 

「――ぁん! あん!ぁん! ぁあうっ!」

 

無駄のない身体に育まれた括約筋が僕の性器を奥へ奥へと求め続けて、ミーナの中の無防備な肉壁が、粘膜が、受け止める。

 

「っ……ワタルっ、ワタルぅっ!」

 

クチュ!クチュ! ぷチュ! プチャぁッ!

 

覆いかぶさり本能的に動き続けるミーナに僕の身体は硬直し、喉元の動脈がドクドクと激しく打つ、それはミーナの鼓動かもしれない、解らない、ぐちゅぐちゅという接合音、ミーナの声、全てが、遠くに、もうだめだ、全身が、ミーナに、溶けて――――

 

『!』

 

トクン。

 

なにこれっなんだっ  な…… ん

 

「だっ――――うぁ んああああぁっ!」

 

腰が反れ、高層ビルから落ちる夢をみたときの様にビックリしてミーナにしがみついた!

 

苦しさも快感も、全てを吐き出す様に、そのすべてを、吸い取られてゆくように。

 

僕のお腹の中でドクドクと響いてくる感覚が、ミーナの体内に入り込んでいるソレに伝わってゆく。

 

 

何かを……流し込んでしまった。

 

それに答えるようにミーナもキュッと抱き寄せ、 薄い声を漏らしていた……

 

********************************

 

はぁ はぁ……

 

僕らは、果ててしまった後もそのままくっついていて、まだ働かない思考の中で、何とか状況を把握しようとしている。

 

……生まれて始めての性交。

 

その事、その意味が、頭の中で ぐるぐるとループしては、解けない自問、自答を繰り返してい中、強く抱き締めていたミーナの腕の力が、徐々に抜けてゆくのを感じてミーナの顔を見ると、目の奥の色が少しづついつものミーナへと戻っていって、正気を取り戻しつつある事を感じた。

 

そして終始焦点の合っていなかったミーナの瞳がやっとクッキリした意思を表しはじめると

 

『!』――――突然、目をまるくしてミーナの瞳孔が細まるミーナ!

 

『キャッ!』と、とたんに引き剥がす様な凄いジャンプ力で僕から離れた!

 

その反動で、お互いの間に出来ていた混じり合う体液が、栓が抜けたようにベットに散る。

 

斑《まだら》に 白、赤、無色……

 

 

「……」

 

しばらく二人は黙って、でも大急ぎで脱ぎ散らかした服を着直し、ミーナはそのまま部屋の隅っこでうずくまってしまっていた。

 

僕もベットに座って、ただうなだれている……

 

さっきまでしてた事はもう、二人とも理解していたから、お互い目を合わせる事、いや、その場を動く事すら出来なくて、二人の間に見えない圧迫感が漂っていた……

 

 

……

 

『『……あのッ!』』

お互いが同時に言葉を発し、同時に口をつぐむ。

 

 

「えっと  なに……?」

 

「その……」

 

……。

 

 

再びの沈黙が漂うが、すぐにミーナが口を開いた。

 

「ごめんなさい、ワタル。 私がいきなり変になっちゃったから、こんなことになって……」

 

ミーナはうつむき、沈んだ声で僕にあやまる。

 

「そんなんじゃないんだ! 僕が変な粉被ったままだったんだっ……

 こんな危険な粉だったなんて、知らなくてッ! それなのに僕、ちょっと周囲に異常が無いってだけで勝手に危険じゃないって判断しちゃったんだっ!

 100%僕が悪いんだ。 本当にごめん、ミーナ……謝っても許してもらえる事じゃないけど、ごめんね本当にっ!」

 

ミーナが謝る事ではなく、僕は慌てて否定し、ひたすら謝った。

 

 

僕のせいでミーナが、女の子としての大事なものを……失くしたのではないかという恐怖感が、今になって込み上げてくるのだ。

 

 

「……その粉ってたぶん、獣人に対する強力な興奮剤みたいなものだと思う。 前に訊いた話でね、そういうものが香水の原料とかに使われてた時代があったって……」

 

「そうなんだ…………ごめん。」

 

僕……やはり謝ることしかできない。

 

 

「「……。」」

 

 

「でも……そのっ、 きっ……キモチ、よかった……」

 

ミーナが更にうつむいて、沈黙の中、そう小さく呟く。

それは、さっきの落胆してる様子とは違い、ちょっとはにかんだ表情を僕から隠すようなうつむき方だった。

 

「えっ?」

 

「ぅん。 気持ちいいだけじゃなくってね、なんだか嬉しかったの。

 いけないことだって思うけど そのっ、すごく 満たされたっていうか……

 ワタルでよかった…って。

 ……だから、ゴメンだなんてそんな事、言わなくっていいからっ!」

 

 

「ミーナ……」

 

いつの間にかお互い、顔を上げてしっかりと見つめ合っていた。

そして、良く見たら僕らは着てる服が全て裏表逆なのに気付き、それが可笑しくってちょっと笑いあってしまった。

 

「そういえば僕、早くお風呂でこの危ないものを流さなきゃ」

 

「私も、ベトベトしちゃって、何だかきもちわるいから……戻って入ろっかな?」

じゃあね、とミーナは自分の部屋へ行こうと立ち上がり、ドアへ……あれれ、フラついている。

 

「だいじょうぶ?――――ってオット!」

 

僕が言うと同時にドアに突っ込みそうになったミーナをしっかりと抱きとめた。

疲れと、粉の余韻からか、もう歩くのが辛そうだ。

 

「……えへへ。 このままじゃちょっと無理、かも」

尻尾がただの飾りみたいに「くてっ」と重力に忠実に従っていて、床を見てないと踏んづけてしまいそうだ。

 

今のミーナは意識がハッキリしているのに反して、足取りが酷い酔っ払いみたいになっていて、一人で行かせたらいつ怪我するかわからない。

 

体を洗うどころか、このままじゃ自分の部屋までいけるわけが無く、しばらくはここで休んでてもいいけど……

 

と思ったが、この独特な匂いって時間が経つと残っちゃうんじゃないだろうか?

 

鼻の利く種族がいて、どうしても後ろめたいこの行為を感づかれるのは、女の子であるミーナには特に気の毒じゃないかと、そう思っているとミーナが

 

「あのっ、体洗うの手伝って欲しいの。 だから……」

 

一緒に入ってもいい?と遠慮がちにそうお願いされ、恥ずかしいだろうけども確かに、それが一番安全だろうなって僕も思えた。

 

「ぅん、なるべく見ないようにするから」

 

僕はミーナの片腕を肩に掛け抱えるようにしてあげると、一緒に浴室へ向かって歩いていく。

 

途中、ミーナのパンツが落ちてるのが見えた

 

……はき忘れ、かな。

 

(――っていけない、いけない!)

 

僕はとにかくそういった物には目をそらす事に専念しなければ再び心に誓って、頭を振るのだった。

 

 

**********翌朝***********

 

 

……僕はいつもの様にブランチへと向かっている。

 

昨日 粉を被った後、戻って来れなかった事を何って言えばいいんだ……

 

こんな場合でも正直に話すのがハイランダーなのか。

 

……いや無理だ、言えるわけ無いよ~

などと散々悩みながら、ブランチへ入っていった。

 

部屋の中では既にカッツさん、トローンさんが事務作業をこなしている。

 

「おはようございます! カッツさんあのっ昨日はすみません! 戻って来れなくて、その……」

 

真っ先に謝ってテンパっている僕に、カッツさんが

 

「悪かったねワタル。 色々調べた結果、ありゃ相当な代物だったんだよ。」

と素直に、謝ってくれていた。

 

2人の話によるとあの粉は“スラ”と呼ばれる木から成る実を精製して出来る物で、“感情増幅剤”という分類がなされているという事が判明したのだという。

 

そのような効果から勿論、現在違法として取り締まっている物の一つで、闇の需要として知られてる所によるとドーピングや、媚薬などとして高値で取引されているらしい……

 

ちなみに、スラの木自体、あまり実を付けない植物で、ましてやそれを精製し、あの粉末にする技術も一般には知られておらず、希少性からして日常で出会うことはまずない、との事だ。

 

「でもほんと無事で良かったよアンタ。 あたしゃてっきりトローンに殺されたのかと思ったよ」

 

くくくっとまたいつもの調子で、冗談に聞こえない冗談を言ってるカッツさんに

 

「そりゃねーだろカッツ。 オレはワタルを嫌ってね~って…… まぁ、例の粉は感情を強烈に増幅させる代物らしいからな、どっちの感情に振り切れるかは“なってみてのお楽しみ”って奴だなぁ」

 

と、トローンさんまでも意地悪そうにチラリと鋭い牙を見せながら僕に目をやっている。

 

 

「あの、ほんと……かんべんしてください」

 

その効果の程を、昨日は文字通り「真近で実感」してしまった僕にしてみれば、そんな冗談に対して素直に笑えない……ギブアップです、とそこで白旗を揚げた。

 

 

「――と、冗談はさておき。 その昔な、獣人族同士の争いのとき、戦闘直前にそれを摂ることで闘志を高めていた なんて記録があるんだよ。 ホント危なっかしいよな。

 あんなもん、持ち込むなんてマジでテロみたいなもんだからなぁ、ワタルもそういう物が存在することを今からでも知っといた方がいいぞ。」

 

と真剣な顔になって僕にアドバイス。

 

(危なっかしい……)その言葉にまた、ミーナの事が心配になってきた。

 

あの後、しっかり洗ってあげて、ミーナもなんとか(といってもフラフラだったが)自分の部屋へ戻っていったんだけど、今朝ノックしても居る気配が無いし……

 

「あの~、キキーマとミーナはまだ来てないですか?」

 

特にミーナの所存が、と思いながら尋ねた時に丁度

「おはよう!」「おはようございまーす!」

 

と本人達の明るい声が聞こえてきた。

 

「どうしたぁ~ワタル。 そわそわしてー」

 

とキキーマは言っていたが特に気に止める事もなく、その横からヒョコっと出て来たミーナも、いつもの飛び跳ねそうな活発さを見せていた……よかったぁ。

 

ということで早速僕たち旅仲間3人は、カッツさんと打ち合わせを始めた。

 

 

ん? なんか作業してるトローンさんがさっきからチラチラ見てる。

 

確実に僕と、あとは他3人のうちの……

 

 

 

えっ……ミーナをみてる?

 

と思った途端、内心の後ろめたさと焦りが舞い戻って来てしまった!

それをなんとか何食わぬ顔で隠していたが、カッツさんに「ちゃんと聞け」と小突かれる僕。

 

それを見ていたミーナは僕に向けてチラッとはにかんだ笑顔を見せていた。

 

――――ミーナが一段と綺麗で、可愛くみえたっ

 

(って!いけない、いけない仕事中だ!)

 

 

気を入れなおして打ち合わせも終わり、三人の退席に続き僕も持ち場へ向かおうとしたその時、

「ぽん!」と肩を軽くたたかれ、振り向くと、トローンさんだった。

 

トローンさんは含み笑いのまま、誰にも聞こえないように耳元で僕にぼそっと囁いた。

 

「なんだおまえら~……そうだったのか、お幸せにな」

 

 

『!……』

 

やっぱり獣人さん達の鼻って鋭いんだ……

 

僕は何も反論が出来ずに、倒れちゃうんじゃないか自分って思うくらい顔が熱くなってしまって、トローンさんが「まぁ、落ち着けって」とそんな僕の肩に手を置くと、コッソリと何かを取り出す。

 

「ミーナにこれ渡してあげな」

 

僕にくれたそれは、現世ではアロマテラピーなんかで使われてそうなサイズの、小さな瓶だ。

 

そのビンの中の詰め物からは、少しハーブの様な香りがしていた……




改善点など、ご教示頂けたら嬉しいです。
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