※この作品はR-18です。

ブレイブストーリーでエロパロ   作:PEOK

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ガサラの長い一日 後編

****第二章****

 

その小瓶を手に、ミーナの元へ駆け寄る。

今日の仕事はミーナと一緒だし、渡しやすくて助かった。

 

トローンさんがくれた理由は言わずもがな“消臭”である。

 

あんな事を言われたけど、単に冷やかしてるだけじゃないのは分かっている。

僕らを気遣ってのことだろう。

 

異種族同士の行き過ぎた付き合いですら、あまり良い目で見られないし、背徳だと敵意を示すヒトもいると聞いたからだ。

 

だから、昨日の行為が恥だからとかそんな事を気にするよりも、この国の風潮がそうであること言う事を気にすべきなんだ、と。

 

以前、僕のような“旅人”と呼ばれるヒトは老神教信者にとっての敵と教えてもらった。

 

 

それと同じようにミーナに何かあったら恐い……

その為にも傍に付いていてあげなきゃ。

 

「ミーナ。 これ、トローンさんがくれたんだ、ミーナにって」

「えっ、なに ……何それっ! いい香り~ 貰ってもいいの?」

 

と鼻をピクピク動かしてるミーナは、とりあえず貰《もら》っていいか訊いているけれど絶対に頂戴! という瞳の輝きだ。

 

“いい香り”には目がない様で、渡した小瓶を手にはしゃいでる様子を見て、本当にミーナは純真な性格だな~なんて見ているこっちまで何だか幸せな気分になる。

 

さっきの不安もフワリとどこかへ飛んで行ってしまいそうだ。

 

 

きっと旅の途中にお花畑があってもこんな風に喜ぶんだろうなーなんて想像を膨らます僕は、トローンさんに気付かれてしまったなんて胸の内に収めておこうとそのとき思ったのだった。

 

これ以上、ミーナに恥ずかしい思いをさせたくないしね。

 

 

今回の任務はワタルが最初の宝玉を手にしたあの場所、陥没した教会周辺の道の安全確認の調査と、その道脇に立入禁止を知らせるロープを取り付けることだ。

 

僕達が選ばれた理由はまぁ、敵がいない安全性と軽作業だからだろう。

現世だったら「子供をそんな危険な所で働かせるなんて!」とブランチが訴えられそうだが……

 

「あ、ワタル。 カッツさんが受付のヒトにね、これ見せなって」

 

ミーナはそう言って手に持っている木製の札を顔の前に差し出す。

それは現地へ赴く前に僕らが向かう先、ウダイという動物を借りに行く許可証のようなものだ。 ミーナが覚えていて助かる、うっかり忘れてた。

 

そしてブランチ管轄のその管理所へ着くと受付番のヒトに“発行元ブランチ”と表記されたその使用許諾書を見せ、小屋の中に入れてもらった。

 

新しく敷き替えた藁を踏む音にミーナの耳がビクッと反応している。 不慣れなのかなぁ?

 

「ミーナ? どうしたの?」

「あ、えへへ……見たことあるけど乗るのは初めてだから」

 

ということで、ウダイを一頭だけ借りることにした。

 

僕とミーナと積荷を合わせても重量的には大人1人分と考えてもいいので、そんなに負担にならない様だし、まぁ、ミーナが初めてなら後ろでコツをつかんで貰って、それから代わりばんこで行こうかということに決めた。 

 

って事で、陥没した元教会へ出発。 

 

道が開けるまでは自分達も徒歩で手綱を引いて、開けた場所から僕が先に宇内に跨ってミーナの手を取ってあげた。

 

「じゃあ、歩かせるね」

「う、うん」

 

 

手綱を握っている後ろで、未だウダイの動きを覚えられないミーナが必要以上にギュッと僕の背中にしがみついてくる。

 

「大丈夫だってミーナ、苦しい苦しい!」

 

と僕は言ってはいたが正直な話、本当は背中に触れる胸が気になって、気になって、きのう目に焼き付けてしまったミーナの裸姿を浮かべてしまい手元が狂いそうだったから少し間を空けて欲しかったのだけれど。

 

 

あとは僕が初めて乗った時と同じくミーナもすぐに慣れたみたいで、ウダイの操作を教えてあげると「変わって!変わって!」と楽しげに手綱《たづな》をねだる。

 

それならとミーナと前後交代したのは良かったのだが……

 

「ねぇねぇ、ワタル! いっくよー」

「へ?」

 

のんびり歩かせてた僕とは違い、ミーナは楽しさに目の色を変えて手綱をバチンと鳴らした。

 

ウダイが号令に反応する。 こんなに速く走れるのかってくらい凄いスピードで。

 

 

「ちょっ―― 待って! 速過ぎっ――うげっ」

 

 

ミーナはスピード狂か……

 

 

********************

 

 

つ……着いた。

 

はしゃぐミーナ以外はもう、グッタリとうなだれている。

 

ウダイは体力的に、僕は精神的に……

 

うん、おかげで速く来れたよ。 吐きそ……

 

 

 

気を取り直して調査開始だ。

 

教会自体、人里離れた孤立している場所だった為、大陥没でも道には影響なく大丈夫そうで一安心だった。

 

 

「じゃぁ、あとは道の脇にコレ取り付けて終わりだね。」

 

とミーナが、ウダイの背に括り付けていたロープを手にした。

 

現世で言う黄と黒が交互に入って「DANGER」なんて書いてありそうなあれ、警告色の強いロープだ。

でも革製の丈夫なつくりで、ピンと張っていればガードレールみたいに防ぐことも出来るものらしい、なかなか考えられてるな。

 

それを点在している手ごろな木に括り付けてゆくのだ。

ワタルが束なったロープを持って、結ぶのが上手いミーナがそれを得意げに次々と括り付ける。

 

そのサーカス仕込みのロープの扱いは、まさにこの現場で僕を崖からダイビングキャッチした時に実証されているからほどける事はまず無いだろう。

と横に目をやると、そこにはあの直径1kmも在りそうな大陥没。 今立っている地面が切り立っている様に感じられ足がすくんじゃう位だ。

 

そして目測で約3mの絶壁。 こんな崖みたいな所から間一髪助かったなんて、ゾッとするよ本当に……

 

 

そんなこんなで順調に作業し、あと4本先のあの木まででいいんじゃないかな? なんて話し合いながら、次の木にロープを周そうと歩いていたその時、

 

『!』

 

ミーナが急に立ち止まって、銀色のヒゲを何か探しているように反応させている。

 

「……どうしたの?」

「しーっ 何かいるわ」

 

そう言ったので僕も見渡す……周りには人の胴周りより細めの木しかないし、隠れてはいない。

 

……いないと思うけど。

 

『――まさか!』顔を見合わせ、急いでその“崖下”を覗いた。

 

 

――ヒトだっ!

 

地面には背負っていたであろう荷物が散乱していて、そのヒトは重力に貼り付けられているような格好をしており、明らかに「落ちてしまった後」である事を伝えていた。

 

急いで作業途中の余ったロープを下に垂らすと、僕が先に降りる。

 

アンカ族だ。 ――僕は恐る恐る、その息を確かめる。

 

 

「ミーナッ!生きてる。 このヒト生きてるよ! 引き上げなきゃ!」

 

しかし、歳は青年くらいだろうか、わりと体が大きくミーナ一人では当然引き上げられないと思い、その人の腰に、しっかりロープを繋ぐと再び上に這い上がった僕は、ミーナと一緒に綱引きの要領でロープを引っぱった。

 

「「せーのっ!!」」

 

 

****************

 

 

はぁ、はぁ、はぁ……

 

何とか、引き上げたっ。

2人とも汗だくだけど、休んではいられないのだ。

 

「街へっ 運ばなきゃ!」

 

とりあえず青年をウダイに乗せると、余ったロープを僕の剣で適度な長さに切り、それを使って落ちないようにヒトをしっかり固定させるが…… ウダイは一匹。

それに、この人はかなり危険な状態だ。

 

「ミーナ! さっきの乗りこなしなら君の方が速いから、この人をガサラまでお願い!

僕は怪我人がまだ居ないか見てまわるからっ!」

 

ミーナが心配そうに瞳をただよわせた後、うなずく。

「ワタル、まだ気配がするの……気をつけて」

 

「うん、まだ人が残っているかもしれない、僕はここで周辺をしらべてるから」

 

 

そうして2人を乗せたウダイが走り出すのを僕は見送った……

 

 

静けさが戻る。

 

『誰か いますかー!』

と僕はとりあえず崖に向かって叫ぶが、返事はそのまま沈黙に吸い込まれていくだけだった……

 

 

ふと疑問がよぎった、そういえばあの人は何故落ちたのだろうか?

いくら夜道だったとしても、あれだけしっかりした道があるのならば、道を外れることは無いと思う。

 

 

まるで、何かに追われて、落ちた様――。

 

『!?』背後に誰かがと振り返り……愕然とする!

 

「なっ!」

 

「誰」ではなかった。 僕の呼び声が引き金となってか、6、いや8頭ものネジオオカミが僕へめがけて走ってきている。

 

もう先頭との距離は5mもないっ!

 

僕はとっさに剣を抜き一歩先の二匹に向かって、詰まりながらも剣の能力を借りて的確に、その十字に割れた口元を薙《な》ぎ斬った。

 

「グギャ!」という甲高い声と共にワタルの横にそれ、崖下へと遠吠えが落ちてゆく。

 

それで気づく。 ……自分には後がない事を。

 

次々迫ってくるッ!ダメだ払いきれないっ。

 

「――!」 腕が、死角から噛み付かれた!

 

ひるんだ瞬間に後方にいた二匹が追いつき、続けざまに十字に割れたその口で突っ込んでくる!

 

メキリと胸当てに牙が食い込み、衝撃で息が出来ない、口の端から肺に残っていた空気が漏れてゆく。

 

「――く、はっ!」

 

体が……傾く、後ろへ、崖へ!

 

 

足元から地面が消えた。

 

三匹と共にきりもみになりながら天地がひっくり返り、胸当てから離れたネジオオカミの、そのばっくり開いた禍々しい口をスローモーションの映像の様にただ、見ていた……

 

………………

 

 

 

****************

 

 

 

―――――!? 痛いッ。

 

 

――痛いという事は 僕は……生きているのだろうか。

 

 

白い天井、見たことのあるここは…… そうだ、ミーナのお見舞いにと訪れたあの部屋の造りに良く似ている。

 

自身の胸に手をなぞらせると、胸当ての防具があった場所が今は包帯でグルグルと巻かれていて、その痛む体に我慢しながらも上体を起こすと、慌てて周囲を見渡す。 やっぱりここは、病院?

 

「気が付いたかね」

 

と呼びかけられ振り向くと、多分お医者さんだろう。 マスクと手袋を着けているそのヒトがカチャリと医療道具らしきものを片付けている所だった。

 

ハッ!と聴きたい事が甦ってベッドから立とうと体を動かす。

 

「!痛つっ」

「まだ動かん方がいいよ、傷はそんなに深くはないがね。

 しかし、その程度の傷で済んだのは奇跡だよ。 ロープに引っ掛かって助かったそうじゃないか。 地面に叩き付けられなかったし、ネジオオカミの餌食も免《まぬが》れたんだよ、君は」

 

「あの、先に運ばれてきたヒトは?」

 

「……手遅れだった、すまない」と医者は罪悪感を背負うように目を伏せ、そしてたて続けの患者である僕に、疲れたような眼差しを向け、そして

 

「でも、気に病むなよ。君は“きっと”助かるから。」

 

なんだろう、引っ掛かる言葉を投げかけられた。

 

 

医者の話によると、ネジオオカミは近頃、死に至る感染症を持つものがいるという。それによって討伐で病院に運ばれる者には神経を尖らせているのだという。 街中にある病院だから、尚更そうせざるおえないだろう。

 

検査しないと分からないが、その疑いが晴れるまでは外部との接触は禁止だという。

 

 

だから一人部屋なのか……そして厳重そうなマスクと手袋。

 

感染が無くとも傷のこともあるし10日程の安静を、との事だ。 ……不安だ。

 

 

********病院にて**************

 

 

3日目位からなんか外が騒がしかった。なにか病院でトラブルが起きているのだろうか?

 

……ここで何してるんだ自分はっ。

早く良くならないと。 みんなが待ってるんだから――。

 

 

7日目、入院してみて分かった事だが、ガサラの病院は夕暮れに閉まる。 医者もみんな帰る……って容態が変わったらどうするんだよ!

 

一応、夜中には見回りの人が来ているらしく定期的に足音が聞こえてくるけど……案の定、検査中の自分には回って来ない。

 

……やっぱり容態が変わったらどうするんだよっ!

 

なんというか、この国の病院のシステムがいまいち分からない。

 

何故気を張っているのかというと、昨日の夜、誰かが病院への侵入を試みたらしい噂があったからだ。

 

ミーナを脅し、僕に濡れ衣を着せた、あのアンカ族の2人を思い出してしまい、なんだか身震いをしてしまう…… 早くここから出たいよ。

 

 

9日目、今朝検査の結果が来た。感染の疑いが無くってホントよかった!

 

同時に怪我も治ってきていて、言われてた通り明日には退院できそうだ。

昨日も病院付近で騒動があったらしいから、見回りしないとな! とつい意気込でしまう僕がいる。

 

感染の疑いが晴れると共に、もちろん外の人とも会えた。 早朝、真っ先に来たのはキキーマだ。

「ワタル~!良かった、良かった!」と泣き過ぎってくらい無事を喜んでくれて僕もちょっと涙腺がゆるくなっちゃった。

 

 

カッツさんとトローンさんも来てくれた。 まぁ、いつもの調子で「さっさと戻ってきなよ~。 アンタが休もうが世の中動いてんだから、仕事が溜まってんだよ。 旅はそれ片付けてからだよ!」とか色々茶化して仕事へ戻って行ったんだけど。

 

トローンさんが帰り際、「ミーナの様子が変なんだ」と言付《ことず》けを僕に残したけど…… 何かあったのだろうか?

 

「まぁ、ちょっと一騒動あってな…… きっとお前を心配してんだろうなぁ

 じきに来るだろうから、そん時は心配かけた分やさしくしてやりな。」

 

 

「うん。 わかった」

 

そっか、そんなに心配してくれてたんだ……。

 

 

*****************************

 

 

そのミーナに会ったのは夕暮れ時、病院が閉まる頃だった。

 

「――あっ。ミーナ、こっちこっち!」

ベットに腰掛け、夕暮れ時の冷え込みに布団を羽織っていた僕はミーナに気付いて手を振る。

 

扉を開けたミーナはしばらくその場に立ち尽くすしていた。

 

こんな夕暮れの、病院の閉め時になってからだけど、まぁ事情も事情だからって、特別に入れてもらったのだろう。

 

「10日も会わないと久しぶり、かな? ……ブランチの仕事大丈夫だった?

今はどういう風に動いてるのかなぁ、ミーナ、教えてくれる?」

 

 

あれっ……ミーナ?

 

「うっ、うっ、えう~…… ぐすん ワタル~……」

 

急に泣きじゃくりながら布団ごと僕に抱きついた。

 

「み、ミーナ……」 そんなに心配してくれるミーナに僕は心から嬉しくってこみ上げてくるものを感じる。

 

そうだった、先に謝らないといけないのに、僕ったら……

 

「もうすっかり良くなったよ、ミーナ……心配かけて、ごめんね。」

 

ひっくひっくと涙をこぼすミーナの背中をさすりながら、何かお返しにプレゼント考えておこうと僕は思うのだった……

 

 

 

 

 

****10日前*****

 

 

ミーナは怪我人を速く、でも慎重にガサラの病院まで運んだ。

 

そして、まとわり付く嫌な予感に、すぐにワタルを残したあの場所まで戻ると

 

 

…………。

 

誰もいなかった。何処を探しても。

 

 

そしてふと、崖下を見た。

 

「――きゃあぁぁっ!」

 

血の付いたロープが垂れ下がっていて…

 

その下には…… 落ちた数匹のネジオオカミが群れ動いている。

 

途端に、目をそむけても襲ってくる最悪の事態が頭の中を駆け巡り

 

そ、そんな……嫌っ……いやああぁぁ!

 

ミーナは両手で口を塞ぐと力なくその場にへたり込んだ……

 

 

 

「まだっ…… 決まったわけじゃ、ないんだっ!」

 

長い時間をかけて、その震える身体をようやく地面から引き剥がすと、途方もない絶望感と共に、涙でウダイの首元をぐしゃぐしゃに濡らしながらもと来た道を戻っていった……

 

 

ガサラに戻ったらワタルの無事を知る。 ミーナが怪我人を運んで、ワタルを迎えに走ったときに、すれ違いに運ばれていたようなのだ。

 

――運ばれた? ってことはワタルも ……病院!?

 

 

「ごめんなさい…ワタル」と安堵と不安でまた視界を潤ませながら、さっきの病院まで走ってゆくと

 

 

……追い返された。

 

感染の検査……ワタルが? まさか……そんな。

 

 

 

…舞い戻る絶望。

 

1日。

 

2日。

 

3日目まで無気力だったミーナは再び病院に押しかける。

 

感染!?感染がなによっ!

会わせて!死なないで!ワタル~!

 

 

 

6日目、夜中に忍び込もうとしたミーナにムチが巻き付く。

 

カッツさん!!放してぇ!会わせてぇ!~

ズルズル……

 

 

 

8日目、再び病院を強襲。"幼いバーサーカー"状態のミーナ…

 

危うく、ハイランダー剥奪になりそうだった。

 

 

もし感染してたら死んじゃうんでしょ。そんなのイヤっ!

 

だったらうつってでも、会って死んだ方がマシ……

 

切ない……会いたいよぉ……

 

 

会うだけで満足なのに……そばにいるだけで解消できていたその欲求。

 

それなのに「会う」が欠落した事でミーナの心はこの数日の間に不満として変な形で溜まりに溜まっていった。

 

自覚していなかったが、いわば「欲求不満」だった。

完全にワタルを愛していた……

 

会いたいという欲求は時が増すにつれて、悶えるような切なさへと変化してゆき

それを、いっぺんに解消できる方法を、求めはじめた。

 

 

丁度、最近知ってしまったこと……

 

 

あの粉がきっかけで幼いミーナが経験してしまったあのこと。

 

 

もういっかい、ワタルと、したい。

 

 

したいッ…… したいっ!

 

スキスキって、いっぱいにされたいッ。

 

 

2日っ―― あと2日経てばワタルに会える!

 

 

思いが募る…… ワタル……

 

 

 

 

 

*****再び、病院にて******

 

プレゼントの事なんかを考えていた僕だったが、ミーナの様子が変だ。

 

布団ごと僕に抱きついてるミーナは会えた喜びからか、ずっと震え続けている。

 

「大丈夫?ミーナ」

 

「もうっ 限界なの……ワタルッ」

「何、どうしたの?」

「せッ……セックスしたいッ!!」

 

 

 

 

「……は?」

同意なんか求めていなかった。「しよう」じゃない「したい」のだと。

欲の暴発をついに防ぎきれなくなったミーナは、「ハ」の発音の口で開いたままの僕の前で、泣きながら凄い速さで全裸になってゆく!

 

「ちょっ……待って! 落ち着いてっ」

 

ミーナはそのままの勢いで間髪入れずに僕の包《くる》まっている布団に潜り込もうとしてきてるから僕は慌ててミーナの両肩を掴んで何とか落ち着かせようとした。

 

無論その状態では裸のミーナがまともに目に入ってしまっているから、また心臓が破裂しそうにバクバク鳴ってる自分に耐えながら

 

「ミーナ、大丈夫!? またあの粉嗅いだの!?」

 

と訊くと、ミーナはぶんぶんと大きく首を振って、涙の雫を僕の羽織ってる毛布にいっぱい落としている。

 

「ワタルぅ辛かったんだよぉ……嫌わないでぇ!」

 

僕は焦ってはいたものの、ミーナを心配できる心のスペースをつくれた。

 

必死に懇願《こんがん》するミーナを見て、僕は今朝トローンさんが言っていた「ミーナの所業」の事を思い返す。 あの時は「大袈裟だなぁ~ミーナは」と笑っちゃってたけど、今思えばどんなに心配してくれて、こんなになるまで待っていたんだろう。

 

思うにミーナは僕の事を心配し過ぎて、何かの拍子にそれが逆転してしまい、今は自分の事しか考えられなくなっているのだろう……

 

結果、そうやって覚えたての性交で愛情表現をとろうとするミーナがとてもかわいそうで、胸が締め付けられる思いだ。

 

「心配かけて、ごめんね。ミーナ」

 

 

ミーナの涙を拭ってあげて、僕もしっかりと抱きしめてあげた……

 

そういえば今までミーナをこうやって抱きしめた事ってあっただろうか?

 

教会からの脱出に助けられた時だって、はじめて交わった時だって、いつもミーナに守られる様に抱きかかえられていたのだ。

 

僕はずっと、気付かないでいたんだ。 いつも正面から愛してくれていた事に……

 

泣いているミーナの震えが腕に伝わる。胸がキュンとなる…ふと手に何か触れた。

 

ミーナの背中のまんなか辺り、そこだけ皮膚がファスナー状の凹凸が連なっていた。

 

 

過去に、僕を助けるためにと自身の尾でナイフを握り締め、引き裂いたその時の傷の、縫い跡……

 

普段はその白い体毛に隠れているそれは、僕の為にと思いっきり裂いたあとなのだ。

 

他人を助ける為にここまでするなんて普通じゃない。

 

 

……こんな綺麗な体に消えない傷を残した。

 

これも、僕のせいなんだ。

 

 

目の前がぼやける……涙が出ていた。

 

 

「……どうしたの、ワタル」

 

今度はミーナの方から逆に、心配そうに僕を覗いていた。

 

「僕は、僕のせいで仲間が傷付くのが、辛い……ミーナの背中にも、こんなにっ」

 

 

言葉が続かない。涙が言葉を塞いで、止まらなかった。

これからも傷付いていくのだろうか……

 

失ってゆくのだろうか

 

僕はそんなの、嫌だ……

 

 

 

ミーナが小さく微笑む。 そして僕の頭にそっと手を添えていた。

 

 

「違うよ、ワタルは悪くない。 それ以上にみんなを助けてきたじゃない……ワタルは幸運さん、なんだよ?」

 

 

「みんなに幸せを蒔いてくれてるんだよ」と、寝かし付けるようになだめてくれた。

 

 

僕の両頬に柔らかい手が添えられて、ミーナの、唇が重なる。

 

 

そこから命を吹き込んでいる様に暖かくてやさしい感触……

 

 

 

「ワタル、好きだよ」

 

「僕も……」

 

 

暖かさに導かれるようにミーナの想いと重なっていった。

 

ミーナの手によって、一枚一枚、ゆったりと着衣がほどける。

 

布団の中で、僕らは同じ姿になった。 あの時みたいに。

 

 

お互いの裸を見るのはまだ恥じらいがあったけど、慣れない手つきでそっとお互いの肌を確かめあった。

ミーナの尻尾を先端から付け根にかけて撫でてあげたら「ん……」とくすぐったそうに身をよじらせていて、僕はそのまま尻尾伝いにスッと秘所へ手を伸ばす。

 

ぷにっとした今まで触ったことの無いような弾力。そこを指で少し撫でてあげて、暖かい割れ目の所に中指を、つめの深さまで入れ込んでみた。

 

「うっ……んぁぁ、ワタルの指、冷たい」

 

そのまま隙間に沿って指の腹でじっくりと撫でてあげる。

 

「あっ…あッ…… そのまま……」

そう言って、ミーナの手も自然と僕のソコへと伸びていく……

 

 

お互いの性器と同じ位置、でも形の違う男の子のソレを、自分のされている気持ち良さを僕にも感じて欲しいという様な手つきで包んで、揺らしたり、揉んでみたりしている。

 

その手は温かくて、繊細だった。

 

あの、はじめて手をつないだ時の感触、それが自分の性器をふわっと包んでいる。

 

心地よさに自分の血液が性器を起き上がらせるのを感じた。 そしてミーナの手にぴったり収まるくらいの大きさになってゆく。

 

 

気持ちいいって伝えている様なその性器を見ながらミーナは

「ワタルのってわかりやすい」と顔を赤らめながら呟きかける。

 

僕の手も、さすってあげているミーナの性器が次第に水々しくなってきて、熱を持ちはじめるのを感じ、少し速度を速めてあげると

「あっ、ああっ…だめッ」

 

感じている自分を恥じるように腰を引いた。 僕の中指がチュルっと外れ、ミーナも僕の性器から手を離す。

 

 

 

「「 ……… 」」

 

一度は経験した僕らだけど…… 急に、何をどうしていいか分からず黙ってしまう。

 

 

 

狂おしく攻めてきたあの時とは違う。

 

今はもう、何にも頼らず、自分の意思で僕らは行為をしてるんだ。

 

だから、今日は自分からミーナに、してあげよう……

 

「ミーナ。 あの、この前した時みたいに、そのっ、いい?」

 

恥ずかしくって曖昧《あいまい》になってしまった問いに、ミーナはゆっくり頷いていて、その肩越しに見える尻尾がクルッっとねじれている様子が「いいよ○」みたいなサインに見えてすごくかわいい。

 

 

僕は悟られないような深呼吸をして、ベットの中へ潜っていった……

 

首筋、ふっくらした胸、おへそ……病室の薄い毛布越しに月明かりがふわふわな体毛の全身をぼんやり写し込んでいるそれを見ながら下腹部の辺りまで移動し、ミーナを手で誘導したら、従うようにころんっと仰向けになってそれと一緒にかぶせてた毛布もはだける。

 

何も纏っていないので、まるでオシメをはかせてくれるのを待ってる赤ちゃんみたいにみえる。

そしてその格好のまま不安そうな瞳で、僕の方をじっと見ていた。

 

 

「……脚、開いていい?」

 

「 ……ぅん 」

 

ぴったり閉じた脚を手でゆっくり開かせる、といってもミーナの方から足が動いていた。

1人では恥ずかしい格好になれないから手伝ってという感じだ。

脚を半分くらい開《ひら》かせるとピクッと体をこわばらせ、尻尾がミーナ自身の股の間にスルリと入り込み、その大事な部分を隠した。

「大丈夫。 大丈夫だよミーナ」

 

ミーナの両膝に手を置いた僕は、今度は本当に僕の方の力で、ゆっくりと体重をかけ、脚を開かせた。

体の柔らかいミーナはそのまま、ほぼ180度脚を広げる。

ミーナをびっくりさせない様に、秘所を隠してた尻尾を手でそっと横に寄せると、迎えるように鮮やかなピンク色の秘所が見え、指でそっと触れる。

 

 

ミーナが「ひゃう」っと声を上げるのと連動するように軽く開いていた秘所もキュッと閉じては、すぐに元に戻る。

 

「……いくね」僕は秘所にキスをする。

 

「んんっ!…あっ!」身をよじらせながらミーナの尻尾がちょっとだけ暴れて、恐る恐るといった感じでワタルの首の上に乗っかっていった。

 

あの時のミーナのキスみたいに、自然と熱を帯びる僕は「はぁ、はぁ」というミーナの深い呼吸を聞きながら、ゆっくりとその柔らかな割れ目の中に舌を入れた。

 

探るようにミーナの中に入り込んでかき混ぜるように動かす。

 

「あぅ、っぁああぁ。んん!」

 

頭上からは苦しみとも喜びともとれる喘ぎが聞こえ、その涙のように溢れてくる愛液を僕は懸命に舌でぬぐい続けた。

 

次第に腰が浮いてきて、尻尾が体に巻きついてくる。

「ふぁあああんんっ!!」

 

ミーナが甘えるような遠吠えを発し、そのふわふわな体を一回り大きくさせている……全身の毛を逆立たせているんだ。

 

「キャァァ!ワタルゥあっ、アッあああ!」

 

「!んぱっ」叫び声に近づくミーナに僕は驚いてとっさに口を離してしまった。

 

「ミーナごめん! 痛い?大丈夫?」

 

「イク」というサインを知らない僕は心配して、ミーナの頭を撫でながら訊いた。

途中で止められて秘所をひくつかせながら朦朧としているミーナは、さっきの行為がいとおしと言う様にワタルの首に腕を回して「痛くない」と首を横に振っている。

 

 

「気持ちよかった……」もっとして欲しいという懇願が表情に出ているから、僕は最後までしてあげたくって、ミーナのソコにまた手を伸ばそうとしたその時、ミーナの手は僕を遮って、顔を上げる僕の前でミーナは何か言いたそうにモジモジと目を泳がせていた。

 

 

「ワタル…… あのっ 

 ワタルのも、してあげよっか?」

 

その問いの意味を意識したとたん、僕は耳たぶまで熱くなるのをおさえきれない。

 

 

「ええっ! 僕はいいって!」

 

「恥ずかしいからいい」というのもあったけど、ミーナを、汚させたくないと思うから。

だってそれは、女の子の性器と違って、口の中に入り込ませてしまう、咥えさせるということなんだし……なんというか、僕はそんな事をあまり、させたくはない。

 

 

 

『ワタル……大好きッ!』

 

ミーナの元気な声に、僕の思考は打ち切られる。 ミーナは乗っかってる僕の体を押し退けるようにしてクルッと入れ替わってミーナが上位になると、すぐに下半身まで身をよじらせる。

「あ、ミーナ!」

 

僕は自分の性器を手で隠そうとしたが、その手を握られ、ちょうど両手で握手してるような形で制すミーナ。

 

「ワタル…… そんな心配しないで。 だって私、させてあげたいんだもん」

 

そう言い、おもむろに口を開くミーナ。

 

“あ~ん”と恋人にスプーンで食べさせてもらうような仕草で、

 

カプッ!  先端の少し膨らんでいる部分までを咥えた。 

もちろん八重歯に気を付けながら。

 

「うあっああ!」

 

突然の快感に思わず太腿がミーナを挟む。

 

ぺちゃぺちゃと口内で舌を動かす音がする。ミーナの口中で性器の皮が脱げ、口の中で何をされているのか分かるくらい敏感になった。

 

くちゅくちゅと吸われたり、甘噛みされて、そこから漏れる息遣いがする。

 

「ぐっ」っとミーナが声を鳴らした瞬間、ジュクン!

ミーナの唇が、僕の根元にまで達し、性器が喉の奥にまで当たる感触。

 

僕の性器を口いっぱいに咥え込んでいた。

 

「ふうっ、くふぅ~……」

 

ゆっくりと鼻で呼吸するミーナの、喉元が苦しそうにキュンキュンと締まっては緩みを繰り返し、その感覚に僕の胸はキュウぅっと締め付けられる。

 

ジクン、ジクンとせり上がってくる快感で急に頭が鈍い熱を持つようにボ~っとしてきて、

 

ミーナはそんな僕の表情を上目にみながら恥ずかしそうに目を細め、ゆっくりと口から引き抜いたかと思えば、 じゅぷっ――と、再び僕のものを喉の奥にまで当てがい、その動作を繰り返しはじめる。

 

……チャ、クチャ!、じゅぷ、チュ、クチャ!

 

「ん…んんッ……んぁ! わひゃりゅ! いひゃくにゃい?」

 

「――ぅあっ、アッ、うあああぅぅ……! でッ――ちゃう!!」

んああぁぁ!! 僕は一気に絶頂してしまい、

 

 

そして気付くのが遅れた!

 

(ああっ! ミーナの口に出しちゃう!)と急いで性器を引き抜くが、間に合わなかった!

 

一波はドッっと口に放ってしまい、チュルンと口から外れるのと同時に、二波目が抑えきれず脈打ち、ミーナの額にぺちゃりとかかってしまって、それはミーナの白くてふさふさした毛と同化する。

 

「ああ、ごめん!ミーナッ!」

 

と、僕はミーナの額を慌てて拭く。

 

 

 

ミーナは口元をにゅむにゅむと動かし

 

間をおいて、

 

…………コクン。と喉を鳴らすと

 

 

「……呑んじゃった」と照れ笑いを僕に向けていた。

 

 

明るくて、かわいくって、僕の罪悪感を吹っ飛ばすくらい強烈なその仕草が、

 

ミーナが欲しい、抱きしめたい!と僕に全てを求めさせた。

「ミーナッ――――ミーナ! ぼくっ!」

溢れ返る感情、僕は理性を失うようにミーナに抱きついて、ミーナのお尻や尻尾を撫でたり、ふかふかな体毛の中の発育途中の胸を揉んだり、口付けして

 

単なる女の子への興味を通り越して“ミーナ”という1人を感じたくて、まさぐるように触れる。

 

その度にくすぐったそうに、楽しげに、ミーナは身をよじらせた。

 

布団の中、そうやって二匹のネコがじゃれあうみたいに行為を楽しみ続け、

 

しばらくして尻尾の先っちょを僕の性器に撫で付けながら、ミーナが

 

「ワタルぅ、あのね……あれしたい。」

 

そう青炭色の瞳を僕に向ける……

 

ミーナの伝えたいことはもう、すぐに理解できた。

 

そっとミーナから離れ、体勢を変える。

 

……。

 

 

何かのドキュメント番組で見た事のある、赤ちゃんを産むときみたいな、その格好でミーナは待っていた。

 

僕はその脚の間に入り込み、ミーナの脇の下辺りに腕を突っぱねて体同士が向き合うようにして位置につく。

 

 

何かの儀式のような沈黙……

 

ドキン、ドキンと鼓動がせり上がってくる。

 

 

「……して」

 

“イク”という感覚的なその単語をまだ知らないミーナは、さっきワタルの口でギリギリ逃したそれを、早く感じたくて、ねだるように僕に決心を促している。

 

「……いれるね」

 

ゆっくりと腰を下ろす。性器がキスし合い、滑らかにめり込む……飲み込む。

 

 

「あんっ…… あぁ……」

 

性器が頭の部分まで入り込んで、気持ちよさに2人でその感覚に声を出し合う。

 

「ううっ――くっ」

僕はその本能に急かされるまま、グチグチと体重をかけてゆくと

 

「アッ!ッ―― ワ、タルつっ!」

ミーナが少し痛そうな声を出した。

 

「だっ大丈夫?」

 

僕は気持ちよさに突き上がる衝動を何とか抑えて呼びかける。

 

前のときは粉の作用だったのだろうか、痛がるそぶりも見せずそのまま果てるまで交わってしまったのだけど、

交わった後あの時、ベットと性器に血がいっぱい付いていたんだ。

 

僕のでは無かった。 ……その血は、紛れも無くミーナのほうだったのだ。

 

今、辛そうに呻くミーナを見て……

 

……僕はまた背中の傷跡を思い出した。

自分のせいで痛い思いをさせてる……血を流す。

 

また辛くなるだけじゃないのかと、僕は戸惑いの目をミーナに向けた。

 

……

 

差し込んでいたものを引き抜こうとした、そのとき

 

涙を浮かべてるミーナが「ガバッ」っと腰を押さえ込むようにして僕を止めた。

 

 

「違う、違うのワタル。 大丈夫…心配しないで!」

 

切なそうな声でいう。

 

僕自身はどうしていいか分からず、その姿勢のまま止まってしまって、ただ挿入感にじっと耐え続けていた。

 

しばらくしてミーナのしかめていた表情が緩み、反対に呼吸が大きく、荒くなってゆく。

 

 

その真直ぐな瞳に僕は見詰められ、

差し伸べてきた指先が僕の頬に触れる……

 

 

そして、ちゅっとキスされた。

僕の目の前のミーナはもう、喜びに満ちていて、この瞬間を、かみ締めているような、そんな表情だった。

 

 

「ワタルッ――」ミーナは大きく息を吸い込むと、ギュウゥっと目を瞑った!

 

『!んはぁあああんんっー!!』

 

ズッ――じゅぐじゅぐじゅぐッ!突然下にいるミーナの方が腰を突き上げてきて、グチュッと一気に根元深くまで結合された。

 

 

「ああっ!」

快感が付き抜け、中途半端に挿入していた時との落差に腰の力が入らなくなり、崩れるようにミーナの上へ乗っかってしまった。

 

「んうっ!あっ!あんっ! あんっ!」

 

被さったままの僕が、その凄まじい快感に体を強張らせていても、ミーナは2人の腰がぴったり付いたその状態で、なする様に体を上下させ、ぐちゃくちゃと性交を繰り返した!

 

「ミーナぁっ!ぅうあ、ああっ」

 

白くて柔らかいミーナの体毛に全身を撫で回されながらの性器の熱い交わりに喘ぐ。

 

ミーナのお腹の中まで突いている僕の先端は、体の密着によって圧迫された柔らかいミーナの肉壁に激しく包み込まれて、とろけるような粘液にしごかれていた。

 

ミーナの方も圧迫されたその摩擦で一気に絶頂へと駆け上がっていく。

 

 

頭の中が真っ白になって、その白紙に快感がぐちゃぐちゃに書き殴られる何度も何度も何度も…

 

「あぅん!ワタルぅ、好きっ、あん!あああんっ!」

 

「ミーナ!うぁっ、ミーナァっ、 んああ!」

 

『キャアッッ!!』

 

――ミーナが短い嬌声を発し、腰を突き上げた!

 

ぶちゃっ! という水音と共に、僕の体も少し浮き上がる。

 

「ッはぐぅッ!――」

今まで以上に深々と、行き止まりまで性器がはまりこんだのが刺激の限界で、ミーナの肩を強く掴みながら、僕は声を絞る。

 

ミーナのっ なかにっ――――

 

「――ッッっあああぁ!」 僕は凄まじい感覚に腰を反らす!

 

精液はミーナの中を満たし尽くし許容範囲を超え、僕自身の性器をもドロッとした感触で包みながらじくじくと外へ溢れさせた。

 

 

 

う…… はぁっ……

 

 

「ぅあっ。はぁ、はぁ、はぁ」

 

 

「ぁん。 ハァー……ハァ…… ワタルぅ~」

 

 

 

 

お互いの性器の血の巡りを感じたまましばらく抱き締め合った……

 

次第に僕の性器が小さく戻って行く感覚に、二人のそのヌルヌルした粘液に追い出されるようにツルンッと自然と抜けた……。

 

 

「ハァ、ハァ、…… ワタル」

 

 

しばらくいとおしそうに僕を見詰めていたミーナは、とたんに「ピン!」と耳を立たせた。

 

 

小動物のように耳をピクピク動かしてるミーナを疑問に思いながら、僕もつられて耳を澄ませていると……次第に聴こえる。

 

……足音?

 

『!』 あっ! そういえばここは病院だっ!

 

見回りの人が来たんだ!

 

 

感染の疑いが晴れたんだからきっとこの部屋にも来ちゃう!

 

ミーナは急いで布団を跳ね除けると、慌てて服を着なおした!

 

 

(焦ってるから、また裏表逆だよミーナ!)

 

 

「急いでッミーナ!」と、扉に目をやると、

すりガラスの向こうにぼんやり人影が現れて……

 

 

ガバッ―― 僕は布団にくるまり寝ているふりをし、ミーナは

 

「許可頂いてたんです。今帰りますから」

 

……って言えばいいのに、

 

 

何を思ったのかベットの下の隙間へ、ヘッドスライディングっ!

 

 

 

 

「…お、ワタルの所か」と聞き慣れた声。

 

 

今日の見回りがトローンさんだった……

 

がららと扉が開く音がし、

 

 

「寝てるな。 よし異常な…… あ?」

 

 

「「……。」」

 

 

 

(あれ?…… 何か異常が?)

 

 

 

寝てるフリをしつつ少しだけ毛布を持ち上げた僕は、トローンさんの視線の先、その床面に目を落とすと……

 

 

くて~っと床面に伸びてる白っぽいモノ。

 

 

……ミーナの尻尾が、おもいっきりはみ出ていた。

 

 

 

……沈黙が痛い。

 

 

空気を読んだトローンさんが、あきれた声で、

 

 

「はぁぁ~…… お前らなぁ~……

大目に見てやるけど程々にしろ」

 

 

そう言って、若干静かめに戸を閉めるトローンさんは、ノシノシと見回りに戻ってゆく。

 

そんなトローンさんの背中が、すりガラスの向こうへ消えるのを ひょっこり顔を出して確認したミーナは、すねた様な口調で言った。

 

 

「別に悪いことしてる訳じゃないじゃない。“病院でするな”なんて法律もないし ……ねぇワタル。」

 

……(汗)

 

 

まぁ確かに無いけど……っていうかトローンさんはそういう意味で言ったんじゃないと思うよ……

 

 

ミーナがベッド下から這い出てきて、あと一回だけ触れさせてって感じに僕の頬に軽くキスしてくれると

 

「おやすみなさい ……また、あしたねっ!」

 

そう言って、尾っぽをしなやかに揺らしながら小走りに部屋を出て行った。

 

 

「おやすみ、ミーナ……」

僕はその背中に呼びかける。

 

只のお休みの挨拶の筈なのに、ミーナの「またあした」というフレーズにちょっとドキドキしてしまった。

 

 

恥ずかしくなって布団で顔を覆う。

 

小さな部屋のなか、他には誰もいないというのに。

 

「~……」

 

 

 

 

今夜は……眠れそうに無いや。

 

 ― ガサラ編 完―




移転ついでにざっと直しながら投稿。 いくらでも粗が出てくる(泣)
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