――――うっ。
『ミーナアアァぁ!!』
白い布を払いのけ僕はとっさに剣を握ろうとした。
が手に当たった感触は鱗状のゴツゴツしたものだった。
硬く、どっしりとして、見慣れたその背中。
「あ、れっ……キキーマ?」
「はっ、ワタル!」
僕の声にガバッっと振り返るその目は、涙からか赤く充血している。
その後方には、もう一つのベッドが見え、茶色の混じったフサフサの耳が布団からちょこんと覗いていた。
ああそうだった、ここって2人部屋だ。
今日は僕と、ミーナと2人で……
うまく思考の集約が出来ず、飛び飛びに記憶を辿る先は、今日は久々に温かいベッドで眠れるって楽しみにしている事だった。
あれ、何故僕は、飛び起きたんだ?
――痛い、体をどこかでぶつけた!
そうだ、夢じゃない!
「ミーナ!――痛っ」
「ワタル、大丈夫だ。 ミーナは気ィ失っているだけだからっ、グスッ
ワダルぅ、ずまねぇ俺は、なんてことを……」
自分も泣きそうになって必死に首を横に振った。
「キキーマは悪くないんだ、悪いのは僕なんだ!」
『オレが行がぜだのが悪がっだんだぐおおおぉぉ!』
泣き崩れるように膝を突いたキキーマの、ドスンと大きな振動が室内の小物をカタカタいわせた。
そのとき、
「――もうっ キキーマったら 寝言がっ ……うるさい」
「ねごと…… うるさい、から……」
えっ!っと驚いてキキーマが振り返ると
「すぅーすぅー」と穏やかな呼吸に戻っていった……
物凄く滑舌の良い寝言。
今のボロボロの姿に不釣合いな、楽しげな寝顔に僕らは思わず顔を見合わせる。
泣いているのに笑ってしまい、お互い変な表情になってしまった。
「ミーナ、強いね」
「ああ、本当になぁ」
「ワタルとっ……ムニャ ムニャ」
****************************
……朝日が目に眩しい。
目を開けたらミーナの顔が目の前にあった。
僕はあの後、自分の寝床に付かずにミーナのベットの隅に突っ伏して、そのまま寝てたらしい。
銀色のヒゲが時たまピクピクと動いていて、耳を澄ませると「スゥ~ スゥ~」と穏やかな寝息が聴こえる。
そこでやっと、僕もミーナも助かったんだという実感を持つ事が出来て、溜め息に似た深呼吸を一回。 自分の中に留まっている緊張を抜いた。
ここには医者が居ないらしく、安静にするか、無理してでもココを速やかに発つべきかを判断する為にキキーマが、意識を失ってるミーナに申し訳なさそうにそっと身体の状態を確認していて、結果、特に目立った外傷は無く、安静にしておこうと判断したのだった。
……。
起こさない様にそっと、クシャクシャになった毛並を整えてあげると乾いた土ぼこりが静かに白いシーツに落ちた。
僕はスヤスヤ眠ってるミーナを見つめながら昨日の事を思い返していた。
僕が獣人の男に向かっていったあたりから全く思い出せない。 キキーマが宿まで運んでくれたんだろうというのは、昨晩までここで看ていてくれたから分かったけれど。
僕は何をやれたんだろう、あの時。
きっと、あの惨事から守れたのはミーナ自身の力だったんだろうな。
不幸中の幸いというか……シッポは拘束されてなく、その隙を突いたミーナの気転は本当にすごいものだった。
尻尾を使う事を同じ体のつくりな獣人ならば、容易に想定できるように思えたが、まさかと思ったのかもしれない。
確かに「予想外」って様子だったし、きっと尻尾というのは僕の思う以上に、特殊な訓練をしないと自在に扱えるものじゃなくってきっとサーカスでの訓練の賜物なんだなって思う。
だとしたら、ガサラでミーナがした自傷行為も他の人からすればそうとは考えられなかったんだろうな。
だってあの時、ミーナがサーカス団員なんて知る余地が無かったんだから。
ウィジョンに来たばっかりで何も知識を持たない僕だったからこそ、そんな突拍子も無い事を考えれたんだと思うと、本当に偶然が重なったんだなって今になって思う。
あの時の巡り合いが無かったらって考えると何だか不思議な気持ちになる。
ミーナの両手が布団からちょこんと覗いていて、無意識にか胸の前に手を置いている。
軽く握ってるそれは、いつも大事に首に下げているペンダント。
それは“真実の鏡”と呼ばれている素材であしらわれていて、僕のような異世界からきた者と深い関わりがあるという。
その力なのだろう。 淡い光に導かれて、ミーナを探し出す事が出来た。
「ミーナ、昨日も君に導かれたんだよ」僕はミーナの額に手を添えたままやさしく呟いた。
「んっ、うぅ……」
ミーナの耳が僕の手に反応し、ピクリと動く。
握ってた手がペンダントから離れ、まぶしそうに片目をこすりながら、薄目を開けるミーナ。
ちょっと汚れたままのを除けば、いつもと変わらない寝起きで、少し安心した。
「おはよ。ミーナ」
「んぁ、ワ…タル?」
不思議そうに見詰められてずっと撫でてるのに気付いて手を引っ込める。
「泣いてるの?」
「え?」 いけない、いつの間に泣いてたんだろう。
「……ごめんね」 慌てて拭う。
「ぁううっ――私っ。
ゴメンなさい!
ワタルっ…ゴメンなさい!」
僕の「ごめん」が引き金になって、ミーナに怖い思いを蘇らせてしまった。
ぎゅっと硬く耳を伏せ、怯えの色が表情に出ていて、こんなになるまで、助けが来るまで持ち堪えていたんだと。
胸にせり上がってくる言葉が声にならなくて、たまらなくなって僕は布団ごと抱き寄せた。
――それもまずかった。
「ィヤダッ!――イヤッ!!」
と、目の前にいるのが僕だと分かっている筈なのに、昨日の状況とごっちゃになっているのか、小さな手が見えない恐怖に逃れようと必死に僕を押し退けようと引っ掻き回す。
「僕だ! 僕だよ!」
ヒトに抱きつかれる事が襲われた時の恐怖をフラッシュバックさせているらしい。
でも、今腕を解いたら、暴れるミーナ自身がどこかにぶつかって怪我をする可能性もある程、混乱しているミーナを無闇に離せないでいて、落ち着いてくれるまでの間、僕の存在を伝え続けるしかなかった。
ミーナ、ミーナって呼びかけて、懸命に背中をさすってあげる。
僕が、いつだったか現世で怖い夢を見たとき、母がそうしてくれたように。
「あうぅぅっ……」
ミーナは表情をクシャクシャにして、布団の端をギュッと噛んで堪え、この状況を把握しようとしている。
「――ワタルぅ……こわかった。
怖かったんだよぅ」
もがいてたミーナが糸が切れた様に僕に身を預け、泣きじゃくった。
ぬぐってもぬぐっても止まない涙に、もう大丈夫なんだよと背中をさすっていた僕もまた、目頭が熱くなってきてしまうから、自身を落ち着かせる為にもずっとそうしていた。
****************************
「大丈夫? ミーナ、落ち着いた?」
何分経ったろうか、ようやく落ち付きを取り戻す。
あんな思いをさせてしまったんだ、無理も無い。
「ぐすっ」
ミーナは鼻を鳴らして、ゴシゴシと涙を拭うと頬の毛の濡れ土がそこに濃く跡を残す。
「……っくしゅん!」
土埃を吸ってか、寒いのか、大きくクシャミをするミーナに、慌てて外れた布団を掛けてあげる。
抵抗してはだけた衣服は胸の位置まで落ち、肩にほつれた糸が引っ掛かかっている事で、辛うじて“衣服”としての体裁を保っている状態だ。 襲われた時の状況が分かるから苦しくて、目を背けたくもなる。
「この服、着れなくなっちゃった」
シュンと耳を伏せてそう呟くミーナにやるせない気持ちになった。
こんな時、どうしてあげられるだろうか……
「ミーナ。 そこに着替えがあるからね」
なんとか重く口を開いて、枕元にたたんで置いてあるそれを指差す。
今日目が覚めると置いてあったそれはキキーマが用意してくれた様だ。
ベッドに横になってる時に変えてあげたくても、外傷は無いとは言え、無理に身体を動かす事は危険だったし。
「あ、でも体洗ったほうがいいよね。
部屋ごとに浴室があるから、着替える前にさ」
茶色も似合うけどやっぱ白いミーナの方がかわいいよって無理して笑みを作って僕は言う。
「うん……」
とミーナは気の無い返事を返すと何をするともなく尻尾をゆらゆらさせていて、自分の言った事がまずかったのかなと思ってしまう……
ミーナを困らせているのかもしれない、多分僕が気付いてあげられてないんだ。
「ごめん、どこか痛む? この町病院とか無いんだって。
だから、すぐにここを出なきゃ」
首を横に振って「ううん、違う」と否定するミーナは更にうつむいて何か言いたそうにしていた。
「何、ミーナ。 僕に出来る事あったら言って」
「あの、入ろ」
ミーナは視線を横にそらし、顔を赤らめる。
……え。
“入る”じゃなく“入ろ”。
それは一緒にって意味であって……。
自分も顔が熱くなってしまう。 きっと今のミーナみたいになってる。
「あのっ、ワタルだって埃っぽいよ……それに、その方が順番待たないしっ、そのっ前にも1回、オフロ手伝ってもらっちゃったし、だからっ……」
しどろもどろに付け足して催促するミーナにドキドキしながら、
「うん、じゃあ入ろっか」と僕はその場を立って手を差し伸べた。
「ミーナ、立てる?」
「うん、でもちょっと、つかまりたいかも」
差し出した僕の手に、その白くて可愛い手が触れる。
二三歩抱えるようにして先導してあげたが、すぐに足取りがしっかりしてきて手を放すと、ミーナは「まだ抱えててっ!」と腕にすがってきた。
その時点でもう胸が苦しい。さっきの辛い気持ちでは無く、別の意味で。
***************
そのまま脱衣所へ着くと、ミーナはそっと脱ぎはじめる。
ズボンは汚れてるだけと棚へ置いて、上のを脱いでみたらただの布切れになってしまった。
ミーナはそれを勿体無《もったいな》さそうに両手で抱えて見つめ、しばらくして僕の方へ向くと、シッポで大事な所をぎりぎり隠してるだけで歩いてきて、自分のすぐ横にあったゴミ箱へと捨てにきた。
ふと目が合ってしまいミーナは尻尾の先をキュンと縮こませる。
その仕草に僕は慌てて視線を引き剥がすと、その俯いたまま足音が遠ざかるまで立ちすくんでいた。
「ねぇ、先入ってるね」
その声に目線だけを上に持ってゆくと、振り向き様にはにかんだ表情をして入っていくミーナが引き戸を閉めた。
そんな仕草をされてドキドキしない方がおかしい、だから自分のがおっきくなってしまっているのを見られるのが嫌だから、しばらく間を置いて入ったのだった……。
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浴室、と言ってもヴィジョンのそれは基本的に掛け湯のみだ。
お湯は井戸水の汲み取り器のようなもののレバーを上下させることで出る仕組みだし、もう慣れたけど、でも大変だ。
「ひねれば出る」ってそれが当たり前だった現世がどれだけ便利か、こういう場面でよく気付かされてる。
ミーナとのこんな状況をそらす為にそんな事を考えながら、各自浴室の椅子に座って背中合わせで洗っていた。
でも暫くしてから、気になって振り向くと、後ろにいるミーナが備え付けの頭皮マッサージブラシみたいな物でゴシゴシ全身を洗っていた。
そっか、あれって獣人用だったんだ。
全身毛だらけだもんなぁ、大変そう……
なんて見てたら耳を立ててミーナが振り返る。
「わ、ワタル何?」
照れた様に笑うミーナになぜか焦ってしまう。
「あっゴメン、その~大変そうだなぁって思って」
「んっとね、頼んじゃっていいかなぁ」
「ぅん、いいよ」
「じゃぁ、背中洗ってもらちゃってもいい?」
「うん。」
ミーナの背中に石鹸をなじませて、ブラシを借りた僕は毛並みにそって動かすようにして洗ってあげた。
自分で背中洗うときってこのマッサージブラシみたいのじゃ一苦労だろうなぁ、なんて考えながらゴシゴシ洗う。
石鹸は体毛には泡立ちが良過ぎる位で、すぐに2周り分くらいのモコモコが出来上がって、そんな中、洗ってる最中に、前に出来た傷の事が気になってそっとなぞってみたが、あった所が今はもう分からなくなっていた。
「……どう?」
ミーナがそれに気付いてたずねた。
「うん、分からなくなってる。 治るの早いんだね」
「そうかな? あっ、でも聞いたことあるよ」
とサーカスの話題になった。
「団員の大半はね、私も含めて獣人さん達なんだよ。 でね、同じ位のケガを比べたら確かに私達の種族の方が目に見えて早いんだって分かったよ。」
「やっぱり身体能力の違いで向き不向きがあるんだね」
「うん、自分でやっちゃった事でなんなんだけど、ここまでひどいケガは今まで無かったの。
空中ブランコで失敗してよく落っこっちゃった時もアザぐらいで結構平気だったし」
「まぁ、安全マットとかあるからだよね」
「えっないよ」
「え!?」
「命綱無しが売りなんだもん」
「へー……」
「ブランコの訓練はじめる前ねブブホ団長が着地の練習手伝ってくれてね。 そのお陰なんだけどまぁ、ネ族は潜在的に得意なんだよっていってた」
「着地の練習って、あんな高いところから!?」
たしかにアンカ族じゃ無理だなぁ、受身の練習じゃあるまいし。
「だんだん高くしてくの。 背丈から始まって、最終的にあの高さ……ワタルも習ってみる?」
「無理無理、死んじゃうって!」
「じゃぁやめとく。 ワタルが死んじゃ困るもん!」
なんてふざけあってるうちに背中を洗い終わった。
ふわふわと足の指先がくすぐったくて、ふと下を見るとリズムを取るようにヒョコヒョコシッポを動かしてた。
ついでに洗ってあげよっかな。
手の平にそっと乗っけてみると後方を見なくても感覚で把握しているのだろう。
器用に、手首から腕にかけて一周くるって巻きついてきた。
手に泡を付けて、僕はそのシッポに撫でるように泡をのばす。
自分に無い体の部位だし加減が分からないから、ブラシとか使わず手の平に乗っけた状態でなるべく優しく泡をなじませる。
すぐに砂汚れが泡とともに落ち、水気でテカテカしてる真っ白なシッポになると、なんか白いウナギって感じに手からスルスルと逃げられてしまった。
「ゴメン。 くすぐったかった?」と僕が訊くと
「ううん、ふざけてただけ」と恥ずかしそうに言う。
そうやってミーナを洗っている時、赤黒い血の跡を見つけた。
また嫌な事を思い出してしまうから、ミーナに気付かせないように自分もわざとふざけてる風にコショコショとさせて指で揉み消した。
シッポを洗ってる間、すごく気持ち良さそうにしてくれてて、こういうことでリラックスしてくれるのだったら喜んでしてあげたいと思う。
シッポの先から無意識に付け根付近までゴシゴシしてるのに気付いて、
オシリに近いし、何だかあれかな……とか思ってしまうけど、別に変に意識しなくていいかなと考え直し、背骨に続くように伸びているそこを軽く握るようにして泡を馴染ませてあげていたら
「ワタル、きもちいい」と呟く。
それはなんか、さっぱりして気持ちいいという言い方じゃなくて触られて気持ちいいという感じだった。
床屋さんで頭を洗われてる感じに近いのかも? 分かんないけど。
「ミーナ、きもちいい?」
「んっ……うん。 はぁ、はぁ、はぁ」
あれ?なんでだろう、心なしかミーナの息がちょっと荒くなっている。
「ミーナ大丈夫? 熱でもあるんじゃない?」
くしゃみしてたし。
「はやくあがろっか?」
そう言ってお湯を汲もうと椅子から立ち上がったとき、ギュッと腕をつかまれてそれを支えにミーナもよろめきながら立った。
「あっ、どうしたの」 と振り返る。
ミーナが顔を真っ赤にしてクラクラと頭を揺らしていた。
「ミーナ!?」
僕は熱がないか確かめようと、深くうつむいてるミーナの頭を上げさせた。
そしたら、ミーナの青炭色の瞳がまるで高熱を出した時みたいに充血していて潤んでいる。
心配させない様にしているのか、荒い息を押し殺しているミーナの吐息が僕にかかる。
「あっ」
僕にふらふらと寄りかかってきた。
さっきまでの和気藹々とした雰囲気が嘘みたいに切なそうだ。
真正面から急にこられて、泡でいっぱいのミーナの身体が、ムニムニと密着して、心配すべきなのに、どこに目をやればいいのか、どこに手をやればいいのかとオドオドしてしまう。
「ワタル、なんで、なんで避けるのっ?」
「ミーナ……」
「カゼじゃないもん……私、もう、つらいのイヤだ、イヤだよ……」
知っている、ここに来る前、あの野営の時からそうだった事を。
ミーナ自身も言ってた通り、喜怒哀楽が激しくなっているのだ。
生理的な事とは言え、切なそうなその様子が見て辛かったし、だからといって何もしてあげられてなかった僕。
しまいに、あんなに怖い思いもさせてしまった事は発情期というのも事態を招いた一因だったのだから。
その柔らかな手に力がこもり「なんとかして欲しい」ってそう懇願している。
「おねがい、つらいよぅ……」
ぎゅっと目をつむるミーナ。 涙が目尻に溜まっていた。
……してあげなきゃ。
何を?
僕はどうしてあげたら……いや、すべき事なんてもう、知ってる。
分かっている。 分かってるけど。
やっぱり恐いんだ。 ミーナが壊れちゃいそうで……
それに自分の心の準備だって出来てなくて、苦しい程に胸が高鳴っている。
ミーナは求めているんだ。
女の子から求めるのがどれだけ勇気がいるものか。
そして、そうまでして直接的に求めている今は、もう、限界なんだ……理性を保っていられないんだ。
「ミーナ……」
僕は、そっとミーナを受け止めてあげた。
「ミーナ、どうすればいい?」
ミーナの背中を、僕はさする。
ぽかぽかしてる、体がすごく火照ってる。
「ごめんね、ワタルは、そのままでいいから……」
グッと握られた腕がミーナの体の前に引き込まれて、ミーナを抱き込むような体制になった。
「あ、ごめっ」謝ろうとするのを遮り
「ううん、そうして欲しいの、なるべく私の方から動くっ」
そうやり取りをしている中、押し付けられた指先に温かい感触がして、思わず指を動かした。
「あっ……」
目で自分の腕をたどる、ミーナの下腹部へ回り込んでる。
僕の手は紛れもなくミーナの大事なところへ触れていて、ミーナが懸命に僕の指に手を添えて、擦り付けていた。
「はぁはぁ、ワタルっ、やっぱごめんっ。 出来れば、動かしてっ」
と、僕の腕を小さく揺する
「その、あの時みたいに?」
「うん」と小さく頷くミーナに、その指先で答えた。
くちゅぅぅ。
「――ッ。 はっ、はあぅ もっとっ」
ミーナは掴んでた手を離して僕の背の、浴室の壁に手を付いた。
ぷに。ちゅむ、にゅむ。
柔らかくて、温かい。 自分の耳たぶが熱くなる。
入り口は泡と愛液が混じり合って、にゅるにゅる滑って、侵入しようとする指の腹を、そのぷにゅっとした弾力で押し出す様にそり返らせている。
「ぁうう、んっ!」 ミーナは緊張して固く閉じていた腿の力を次第に抜き、僕に重心を寄せ、指の挿入を促した。
「痛かったら、いってね」
意を決して中指に少し力を加える。
くっ……ぷちゅ。
第一関節まで。
熱い位に感じた。 発情しっぱなしで我慢してたミーナの膣の温もりが自分の冷えた指との温度差でそう感じさせているんだろう。
はぁ、はぁ。
空気も重い。 指先だけなのに自分の呼吸が荒くなっている。
ミーナの中でつくられるトロトロとした愛液がその隙間から熱く染み出して指を伝う。
ジットリと指先が温められてきて、気持ち良さが広がる。
手が、震えてしまう。
どんな理由だったとしても、どこか心の片隅にいま自分のしている事への背徳感でなのか。
指先から感じる気持ちよさのあまりになのか、分からなくなる。
それでもゆっくりと性器の形づくっているラインに沿って馴染ませる様に繰り返す。
何度も、何度も擦り付けては指先がとろけそうになる感触を与えられる。
くちゅ、くちゅ、という音が浴室に反響して 大きく聴こえはじめ、まるでありありと晒されてるようなその音にミーナの押し殺してる嬌声が響く。
「んっ、んはぁっ! あんっワタルぅ。もっとっ!」
力を加える度に尻尾が弾む。
ミーナの声に誘われるまま僕の心も、次第にせり上がる感情を抑えきれなくなっていき、膣壁を確かめながら進入させていく。
「あぅ。 アッ、んっ」
第二間接まであっさりと入り、ぷるぷると少しだけ拒絶の様な膣壁の収縮をさせると
指の動き全てを受け入れるように動きに沿って粘液を絡めながら包み込んでいく。
ミーナの中を泳いでいる。 そんな錯覚。
指を入れているそれだけなのにあまりに心地よくて、指で掻き混ぜては膣壁のその空間を感じたくていっぱい動かした。
ちゅ、くちゅっ、くちゅっ、ぷちゅ!
響く浴室に艶かしい性の匂いと湯気が混じり、キュン キュンと僕の気持ちも強くなってきて、胸が切ない。
そんな自分の性器がジンジンと反り上がるのを感じた。
「あっ、うぅ んっ! んっ!」
じれったそうにからだを揺らしはじめるミーナは、それとは逆に体の力が入らず、脚をガクガクと震わせて、ついには脚の踏ん張りが利かず、がくっ!と思い切り腰を下げてしまうミーナ。
――ズぶちゃっ!!
「うあっ」僕の腕に一気に重さが加わって挿れ込んでる中指を付け根いっぱいにミーナの膣が呑み込んでいて、体重が掛かってるから指を引き抜くこともできず濃密な膣壁が絡み付きながら、ぼくの指先がミーナの奥のすぼまりを突いてしまっている。
「んんっああああぁっ!!」
ミーナは快感に胸を反らし天井に声を響かせる!
ヌルヌルした粘液の中、僕の指先に触れる行き止まりの部分は、そこだけ小さく突起してぷにゅぷにゅとした不思議な感触だった。
その膨らみの中心がなだらかに凹んでいるのが感じられる。
それが他の空洞へと続いてる感じがする、ここって……子宮口だ!
「んあっ、ううっ!」
ジタバタと狂おしく呻きながらミーナが浴室の壁に爪を押し付ける様に立てると、
喘ぎと吐息を混じらせた不安定な呼吸を続けている。
僕の方も息を整えてから
「ミーナ、痛くない?」と訊いた。 デリケートな所なのに、こんな事をして本当にいいのだろうか心配でしょうがなかった。
「ま、っだ……もっと」
最後までと、そう催促され、再び奥を指先で撫でたり軽く押し込んでみたりした。
自分の爪が伸びてないかと一瞬心配になったがそんな思考も掻き消されていく……きもちいぃ。
ぷちゅ。ぷちゅっ。ぷちゅ。
ミーナの熱くて柔らかい世界が指いっぱいに広がって、動かすたびに、指全体に襞のようなものが吸い付き膣内の愛液と空気がうごめいて音を立てる。
「んあっ、あん。 ワタル……んぁ!」
尻尾を垂直に伸ばし、僕の胸に押し付けてきて、辛そうにも気持ちよさそうにも聴き取れるミーナの喘ぎ声が浴室全体に響き渡っている。
その声がすごく心地良くって、辛い事も、気持ちよさも全て、はき出して欲しいって僕は思った。
「ミーナ、ミーナ!」
ぐっちゅ、ぐっちゃッ。
「ああっ、あッ――キャウッ、ああぁん!」
体を反らして求めるようにお尻を突き出し、下半身に密着させるミーナは幼い顔に不釣合いな艶かしい嬌声をあげ続け、僕の気持ちを否応が無しに高ぶらせる。
指を激しく動かし、掻き混ぜる。やめられなくって、何度も何度も何度も子宮口を円を描くように擦り続ける僕の手は、同時に膣口を手の平でなすり上げはじめてミーナの股上が愛液でぐちゃぐちゃになってゆく!
「ああぁっ! っんはぁぁん!」
指を咥え込んだ性器が何かを吐き出す準備をしてるみたいにくっ、くっ、くくッ!と締め付けては緩みを激しく繰り返し、
「いゃああああっ!!」
――ばちゅ。ばちゅ!
ミーナが隣の部屋にまで聞こえそうな程、狭い浴室に嬌声を響き渡らせた。
尿意の時のような、抑えきれない不規則な痙攣が僕の中指に最後を迎えたられた事を伝えていた。
はっとして股から指を抜くと、ちゅるんと何の抵抗も無く外れ、少し血の混じる愛液がねっとりと糸を引き、指の後を追う様に、絞り出すミーナの股の間から綺麗で透明な粘液がトパトパと溢れ、こぼれ落ちていく。
「んっ、んぁっ、ああっ」
――ビチャッ、ピチャッ!
浴室の床に落ちて音を立てたり、自分の太ももを伝い、体毛に纏いついた愛液に虚ろな視線を落とすミーナ。
頭の中に、ただただ空白を浮かべてる様な表情で、呼吸を乱したままのミーナを僕は腕をお腹に回した状態でじっと支えてあげていた。
はぁ、はっ、はあっ はぁ、はぁ。
呼吸を頑張って整えはじめ、しゃがみたそうにしているから、腕を放すとその場にゆっくりとへたり込んだ。
「ミーナ、だいじょうぶ?」
はぁ、はぁ、ん、はぁ……
激しく攻められて、ジンジンと疼く性器の余韻にミーナは浸っているようだ。
ミーナは、さっきまであった指の挿入感を失った事がいとおしいというように自分の陰部を押さえては、焦点が合っていない、寝起きみたいな瞳で見上げていた。
でもする前とは違って、その目には喜びが満ちているようだった。
「ミーナ、その……どうだった?」
「ぅん、なんだか、すっきりしたよ……」
血色のいい顔がしだいにほころんでるのを見て僕も安堵して、微笑みかえした。
「……――クシュッ!」
あれ、クシャミしてる。
「ミーナやっぱり風邪っぽそうだよ?」
二の腕をさすってあげながら、汲んだお湯をかけてあげた。
「きれいになったし、そろそろ出よっか、ミーナ」
***********************************
体を洗い流し、浴室から出た。
薄地のタオルでひとしきり体を拭き終わった僕はミーナの方を手伝ってあげる。
毛の水含みが良すぎてタオルを何度も絞らなきゃいけないからだ。
お手入れが大変そうだな~。
ドライヤー ……なんて無いよなぁ。
体毛が濡れ束となって体に撫で付いているから、引き締まった体のラインが姿を現していた。
だからよく見ると、普段ふかふかしてる胸部の純白の毛も張り付いちゃってて、普段はそんな体毛で目立たなくなってる柔らかそうな胸のふくらみもクッキリと見えてる。
きっと発情期を過ごし、発育を早めたのだろう、この前よりふっくらしてる感じがする。
僕の視線を感じたのかピクッと耳を立たせ、恥ずかしそうに急いでシッポで隠す仕草がホントかわいい。
……全然隠れてないけどね。
って何見てるんだ自分っ!
見とれていた視線を無理に引き剥がして、
「ごめん、寒いよね。 服取ってくるからちょっと待っててよ」
そう言って枕元に置きっぱなしの服を取りに向かった。
僕の分、ミーナの分っと…… ん?
服を手に取り振り返ると、上目づかいで 猫背になりながら モジモジ と僕に寄って来ていた。
……近づくにつれ、なんか面白い動作をしている。
ヒゲを前方に差し出して、いかにも距離を詰める様な動きに変わっていて
僕は「?」と思いながらも、
「待ってても良かったのに、はいコレ」
とミーナに服を渡そうとした瞬間。
「――えっ?」 ガバッと服を跳ね除けてネコがネズミを捕らえるみたいに 跳びかかってくる!
「ぅぅあっ!」
狩猟本能を丸出しにしたミーナが僕をベットに押し倒す!
危うくベットの木縁に頭をぶつけそうになった。
「ミーナ、危ないって!」
「はぁ、はぁ、はぁはぁ」
そんな事を気にする余裕の無い表情で、まっすぐ僕を見るミーナの瞳はもう、女の子のそれになっていた。
そしてゆっくりワタルの耳元に顔を近づけると
「ふたりっきりだよ? ハァ、ハァ、 寒いからさ、ほら。 ここで温まろうよ」
甘える声で囁く。
いま、当然お互い裸だ。 なのに真正面からキュッと抱きしめられ、裸で抱き合ってるという現実がまた僕のををおっきくさせ、ミーナの股のあたり、まだ熱く疼くその入口にちょこんと触れてしまっている。
「あっ……」ミーナがそれを見て、嬉しそうにずれ落ちた布団を引っ張り上げ、自分と共に被いかぶせた。
ふとんの中、真っ暗闇。
二人だけの空間。 視覚以外が敏感に反応して、肌が擦れ合う音、柔らかな息がかかってその距離が分かるほど近い……
しだいに布団の中には洗いたての石鹸の香りが満ちていった。
上位にいたミーナがトサッと横に寝転ぶと、シングルベッドだから、尻尾が布団の外にはみ出ちゃって床に垂らしたまま、僕に体を密着して二人が納まった。
まだ湿ってる体毛がヒンヤリとしたがすぐ自分の体温と同じになる。
「あったかいね」
そうささやく声がくすぐったい。
「手でされるだけじゃ、ダメみたいなの」
暗がりの中、ちょっと強引に僕の両頬に手を添えられ、吐息と共に柔らかなものが触れた。
「んっ、ちゅっ」
場所を確認するように探る唇の感触。
「ミーナ……んぅっ」
お互いの口が合わさったらすぐ(開けて 開けて)と言う様にミーナの舌がチロチロとつついてた。
キスの時、誰に教わるでもなくミーナはすぐ舌を入れたがるけど多分、猫顔で口元までフカフカなミーナは唇の感触とかって感じにくいんだろうな。
でもそんな仕草が余計カワイイ。 僕は口を開いて招き入れる。
「んふぅっ――んむぅ」
直ぐに舌を口に含ませようと人工呼吸法のような角度でピッタリ合わせにゅむにゅむとミーナは求める。
温かい唾液を共有し、互いが好きじゃなきゃ絶対触れることのない部位の一つであろうそれを絡ませあうと、艶かしい舌の侵入が心地よく思考を占領する。
コツッと軽く当たり合う歯を舌先でなぞってみた。
小粒な歯が綺麗に並んでいる中、笑った時にチロッと覗くのが印象的な八重歯が一対になって長く鋭利に伸びていた。
「ちぅ。 ちぅ、くちゅ。」
再びミーナの舌に捕らえられて、じゃれ合い、しだいに熱を帯びる。
強く迫れば迫るほど、チュルンと舌が逃げちゃうやりとりに「んふっ クスッ」と時たま楽しそうに鼻で笑っているミーナの声がする。
「んっ、んっ……ふはぁ、ハァハァ、ワタル。」
ひとしきり愉しんだ後 口を離し、ちょっとはみ出ちゃった唾液を拭い合うと、ミーナはその柔らかな頬を僕に擦り付ける。
僕も腰に腕をまわし、ギュッと引き寄せてあげたら、ミーナの胸がムニュっとたわんできてきもちいい。
女の子のこれってなんでこんなに柔らかいんだろう。
触ってみたい。 そんな欲求が湧き上がる感触だ。
ミーナも上から抱いて、今にもゴロゴロと喉を鳴らしそうな仕草をしながら、さらに股の間に膝からスルリと太腿をいれ込むと、しきりに体毛で僕の体中を撫で回してきた。
自分だけのワタル。 誰にも渡さないんだって……そんな本能的なマーキング行為にも見える。
過去の産物、でもそれは言いようも無い程の満足感を生んでくれていた。
「ぁぁっ くふっ、ミーナちょっ。 ははは」
裸でミッシリの毛に撫でられるのはゾワゾワとして笑っちゃうくらいくすぐったい、特に股の間に入り込んでいる太腿が移動するのには堪えきれなくて思わず股を閉じて制止する。
僕の反応に嬉しくなってるのか、ミーナはえへへと調子に乗ってスリスリと絡みつくように動く。
僕も探る様にミーナのお尻に手を伸ばし、シッポをみつけると付け根をいじったり、そこから外に向かって撫でてあげる。
「あぅ、はぁぁ…… チカラがぬけちゃうよぉ」
「そっか、尻尾洗ってた時そんな気分にさせちゃってたんだね」
「うん、だから我慢できなくなっちゃったのっ……」
「じゃぁ、もっとしてあげるね」
僕は尻尾を掴むと、その付け根をモミモミとマッサージしてあげたら、
「ぁんっ! も~やめてっ」
って言ってたけど、クスクス笑っててキモチよさそうだった。
でも、試しにわざと手を引っ込めると
「あの、うそだからっ、つづけて、つづけて」
ってせがむミーナが可愛い。
そんな感じにいじっていると、ミーナは顔を赤くしてもぞもぞしだしていた。
ミーナの脚を挟みこんでたままだったから僕の太腿辺りにはミーナの股の変化がジトッとした温もりで伝わってきた。
「ワタル、また……でてきちゃった」
おもらししちゃったみたいに恥ずかしそうに言う。
「発情期だから、だね。 でも健康だって証拠だよ」
生理的な事が自然と起こってくるのは体調が良いって事なんだから僕は安心した。
それは昨日の事とかの怖い思いもする危険があるにしろ、神聖で大切なものなんだから、そんな申し訳なさそうにする必要もないし、喜ぶべき事なんだって僕は思うんだ。
そして、その意味は準備が出来たってこと。
精通の、準備が。
暗がりの中、目が暗さに慣れてきてて、青灰色の瞳が鮮やかに浮かんでいる、普段縦型の瞳孔が闇の中をくっきりと捉えようと大きく開ききっていて、アンカ族の瞳のように真丸だった。
「ワタルぅ、したいよ」
と、切なそうに見据えるその表情に、ドキッとなる僕に、ミーナは「あつくなってきちゃった」と言ってガバッと布団を跳ね除けた。
床に落ちる布団と共に、薄いカーテン越しの朝日が目にいたく注がれた。
そうだ、お互いが裸で横になっているんだった。
秘め事のような布団の中からの延長は当たり前だけど今も続いている訳で、全身の隅々まで日光にさらされて、現実に戻される感覚に恥ずかしさを隠せない。
僕のオドオドしてる様子にミーナはチュっとキスしながら下半身に手を差し入れ、僕の性器をつかむ。
久しぶりに触られる手の感触に全身をビクッとさせてしまう。
手にぴったり収まってる僕のを確かめるように握り直し
「ワタルも、したくなった?」と訊くミーナ。
……したくなるもなにも、女の子に全裸で抱き付かれれば誰だって大きくなると思うんだけど。
「ワタルちょっと、向き変えたいな…… ねぇ、ちょっと起きててね」
ベッドの上でそうミーナに誘導され僕はベットの足元で膝立ちになると、ミーナはいそいそと交わる為の体勢へと体を動かしていて僕はそれを、見入っていた。
ミーナが白く眩しい。 まるで純白の体が自ら光を出している様に幻想的で、しばらくこのままでいたらきっとお日様の匂いがするだろなって思う。
柔軟な着地が出来るガッシリとした脚、そして柔らかそうな足の裏をこちらに向けて、それから両手、両膝を付いてミーナは恥ずかしそうに顔だけ振り返り、僕を見た。
シッポは垂直に持ち上げていて、表情とは違い恥ずかしげも無く性器やお尻の穴を露出させている。
獣人とは本来そうであるかのように、まるでネコが甘える時にシッポを上げて肛門を見せる仕草そのものに見えるそんな格好で、僕を誘ってくれている。
「ミーナ。 いいの」
「ぅん……してっ」
バクバクと鳴ってる自分を落ち着かせて、脚の間に入り込み、少し低位置にあるそれに合わせて腰を下げながら性器同士をキスさせる。
血色の良くて赤に近いピンク色の性器は、じっとりと湧き続ける愛液が光を集めてキラキラしてて
真っ白な体毛との対比でさらに鮮やかにみえる。
……綺麗だった。
そこに僕の先端を少しだけ咥え込ませる。
「う、あっ」
ぷちゅっ という音と共に温もりが先端から伝わる。
「ひゃうっ……きッ、てッ」
ミーナが四つん這いの状態のまま、頭《こうべ》を垂れ「焦らさないで」と言うかのように尻尾を僕の背中へと擦り付けて、促している。
僕は意を決して、手を添えながら押し込む!
「んっ……ぅうあ」
じわぁっと感じる範囲が広がってくる。
愛液が多い為、先端が入った途端に力を加えなくてもにゅむにゅむと進みはじめて、自分のがミーナに入っていく過程をはじめてまじまじと見た。
朝日に鮮明に映されてるそれは、呑み込まれていく強烈な快感とリンクしない。
入っていくっ!――ミーナの、おなかの、内側の世界。
「あっ、んんぅ! あっ」
自分の性器が見えなくなるにしたがって声を上げ反応するミーナ。
お尻の穴がキュウッとすぼんで、膣口が必死に締まろうとしているのが分かる。
体が進入物を拒絶する動きを見せているんだ。 それでもどんどん僕を呑み込んでいく。
くちゅん!――「うぁっ、ぁあ!」
下腹部がお尻に当たり、挿入感に思わず呻いてしまう。
ミーナの体温はやはりいつもより高いみたいで、僕の性器にジトッと絡み熱を与え続けていて、
あまりに気持ち良過ぎて、そうしているだけでもう限界が近づいてしまいそだった。
だからそうなる前に、すぐにでもいっぱいに動かしてあげたくなったけれども、ミーナは耐えるように顔をしかめていて辛そうに見えた。
(はじめは、やっぱり痛いのかな)そう思って、包み込まれている現実に僕はじっと我慢する。
「うう。 はぅう~」
ミーナがもぞもぞ微動する度に、その中で性器がクニュクニュと軽く揉まれる。
僕はそれにすら我慢出来なくて、ちびった時の感覚に尿意を省いた様なジトッと漏れ出てくる違和感を覚えながら、頭の後ろ辺りがボーっと熱くなってきた。
――――あっ、もうダメかも。
意に反して自分の性器がかるく痙攣する。
気持ちイイからもう、吐き出してしまいたいっ!
と感じはじめた時、背中に周ってるシッポが踊り、ワサワサと撫でられていて、ミーナは太腿をぷるると震わせた。
『ワタルっ。 ワタルーっ!』
ミーナは声を上げると、自らのお尻を動かしはじめた!
ぷちょ。 ぷちょっ、ぱちゅ!
「ワタルもっ――ぁあん!――してっ!」
そう言いながらもズンズンと勢いを増していく。
「うぁ、だめっ!」
(無理!自分が動くなんてっ …もう、でちゃいそうだ)
「はっ、はっ、はっ、んわぁ!」
ぷちょっ、ぱちゅっ、ぱちゅ、ぷちゅぷちゅ。
ミーナは小刻みに息を吐いて、まるで遊具で遊んでいるような楽しげな声を上げ、体をいっぱいに揺らす!
僕は快感に力が抜け、腰を動かす事も出来ず、四つん這いになっているミーナを上から抱きかかえてしまう。
(これじゃ、まるでっ、交尾、みたいっ!)
「ぅあっ、あぁっ!」
思う余地も無くぱちゅぱちゅと接合音が鳴り続ける感触にしがみ付く!
交尾の体勢によって抱きついた腕に、揺れてるオッパイが触れて、ぷにゅぷにゅの感触が心地いい。
「あっ、あっ、アッ、あああんっ!」
高揚したミーナがキモチ良さそうに声を上げながら、接合部が抜けないようにと尻尾を更に僕の胸囲に巻き付かせる。
僕が乗っかっているその下で力強く、鍛え上げられたしなやかな身体をユッサユッサと動かして、そんなミーナが力を込めてるせいで人一倍発達してる括約筋がギュッ。ギュッと強く、強く僕のを締め付ける!
膣壁を余すことなく、ぐちゅぐちゅと全てを擦りあげさせる!
「ううあぁっ、や……まって! ミーナ、ああぁ、でちゃうッ!」
お腹の底からドッ、ドッ!と脈動を感じ、どうする事も出来ない波に息が漏れる。
「はっ、はぁはぁ――っんぁぁ!」
――――絶頂。
既に達しそうだった自分が耐えられるはずが無くて、ばちゅ!ばちゅ!と動き止まない膣に放つ。
まだ抜き差しの動作を繰り返す中、押し込み、引き抜く動きと共に愛液と一緒になって白濁した液が二、三回排出されボタボタッとシーツの上に落ちていく。
「うっ、っはぁん! ミーナっもう、で、ちゃった、止めっ、ぁぐっ!」
「ハァッ…ンッ! アンッ! やだぁ!」
僕が腕でぎゅっと固定しているのも関係なく、その強くしなやかな身体はしっかりと接合部の摩擦を続けてきて、
もう出し切って、まだ性交を続けている僕は、快感を通り越して急に恐くなってしまい、慌ててミーナのシッポをほどいて性器を引き抜いた。
「ハァッ。 ハァー。 ハァ、ハァ」
開放されて息を荒くしている僕を見て、四つん這いをやめ、ベットに座りなおすミーナ。
(ワタルぅ。まだしてたいよぉ。)ってそんな感じの凄く物足りなさそうな顔で見詰めながら、自身の愛液が出てくるところをまるで止血してる様に押さえてじっとしてる。
待ってるよって、そういう意思表示だろう。
でも僕の性器は小さく果てて、その周辺に付いたぬるぬるを見られてすごく恥ずかしい。
どうしようとただオロオロするばかりだった。
「……ねぇ手伝ってあげるよ」
「え、なにを?」
「うん、おっきくするの!」
言ってるそばからへたり込んでいる僕に向かって「伏せ」の姿勢になった。
おなかにミーナの両耳が触れてくすぐったい。
気付くと、役目を終えてる僕の性器にチロッと舌を出した状態で鼻面を近づけていた。
ペロッ。
ぺろっ。
口付けのとき絡み合ってたあの舌が、薄っすらと白と透明をマーブル状に絡ませているそれを舐め取っていた。
舌の平のジトッ とした動きに震えてしまい、ミーナの両肩をがっしり掴む。
ちゃんと舐め取ってあげるね と見せ付けてる様に湿り気が下から先っちょに向かい撫で上げる。
五、六回舐めた後、小さく縮んでいるそれに「かわいい。」と囁きかけて
かぷっ。 口に含ませた。
小さくなってて咥えやすいよと言いたげに口をすぼめたりして笑う。
ぷにぷにと舌先でつついてみたり、片側に寄せて柔らかな内頬に擦り付けるミーナの楽しげな表情を見ながら再び僕のが熱を持ってきだしていた。
こぷっ。と音を鳴らしいったん口を離すと再び咥え直す。
今度は口を大きく開けて ぷちゅぷちゅ と。
「んはっ……こぺっ」
ジュルっと口から引き抜かれたそれは、苦しそうに、気持ち良さそうに大きくはねてミーナの目の前に反り立ってしまっていて、同じくそれを見ていたミーナは顔を上げて「見て見て!おっきくなったよ!」って感じの明るい表情をみせた。
「しよっ!つづき!」
そして元気良く飛びかかる!
って、うわっ!
隅でへたり込んでたから、後ろ、ベットが、無い。
そのままミーナと一緒に転がるように「べたっ」と背中かから落下した。
(ひゃ!床が冷たい)
――というか派手に落ちたけど痛くなかった。
なんか自然と受身が取れてて、体育の授業マジメにやってて良かったー なんて思う間もなく、
「よいしょっ♪」とミーナが腰下で馬乗りになってて、その手前に自分の性器が起き上がってるのが見える。
照れたように腰をちょっと浮かせ、
「ワタルは、痛くないよね。」
って訊かれ また訳が解からず尋ねようとする矢先、くちゅ。っと性器をめり込ませる。
あ、いきなり押し込んでも大丈夫かってこ……
『―――ぁあああんッ!』
じゅぶじゅぶっ! 搾り出すような嬌声と共に再び快楽へと放り込まれた。
「っぁああっ! ダッ そんなっ、いきなりっ!」
「はぁ,はぁ,はぁ,えへへっ。 だって、待てないんだもん」
いくねと、ミーナは膣口をひくつかせながらお構いなしに小ぶりな胸をゆさゆさ させて交わり合う。
「ああっ、ああう。 んぁあ!」
酸素を求めるように天を仰いで喘いでるその姿が艶かしくて、とても大人びていた。
腰を捻って位置をずらしたり下腹部に力を込めて出し入れしてきたりして「もっともっと」と一生懸命に快感をまさぐっていて性器がもう、揉みくちゃだ。
「ワタルぅ んぁ、あぅんっ キモチいっ!」
膣口がキュンッと締まったかと思えば、一気に引き上げられ、その瞬間吸い上げられそうになって
あまりの気持ちよさに腰が浮き上がる感覚が走り、背筋が震え、堪えきれないものが押し寄せてくる。
「うぁあっミーナっ、ミーナァ!」
膣壁の粘膜が摩擦と共に じゅぶじゅぶ と気泡になりながら滲み出続ける愛液に押し流され生暖かいそれがおなかの上にドクドクと垂れてくる。
「んはぁ、アアッ! アァァーン!モッ――トぉ!」
苦しそうに体重を掛けてミーナは押し込む!
グぷちゅ。
「「あぁっ!」」 同時に腰を反らし喘いだ僕の上で、完全に乗っかった状態でへたり込んでミーナは止まった……。
ゴツリと恥骨同士がぶつかっていて、しだいにさっきの激しい摩擦によってジンジンしてる感覚が体を温めはじめている。
ミーナのおなかにすっぽりと納まった僕の性器は、行き止まりに出会っていて、ちょっと窮屈そうにミーナのソコの奥の行き止まりを押し付け静止している。
これって、子宮口という所だろうか。
さっきお風呂でしてあげた時に指先で触っちゃったあの部分が今は、自分の性器がむにゅりとキスしてるんだって感じられた。
なだらかに突起していて、ぷにゅぷにゅと暖かなその場所は、他人が触れる事の出来る一番深い場所なんだと知る。
臓器の蠢きを感じられる程に、ミーナの発情期の体温の高さが直に伝わってきて、長くはもたないと思った。
「ワタルッ!」
「アッ、ミーナ駄目っ! うごいちゃ……」
ミーナが身をくねらす刺激に性器がビクッと反応して僕は慌ててミーナを抱きしめる。
お互い、呼吸が震えていた、今激しく動いたら二人ともすぐ果ててしまいそうなんだ。
刺激させないようにとミーナも恐る恐る僕の方へ身を預けようとして、スルリと脇から背中へ腕をまわし抱き込んだら、身体が完全に密着して、呼吸する度にお腹がぬるぬると滑った。
ジンジン……接合部からは血の巡りを感じる。
「あぅ、はぁぁ。……きもちぃね」
ミーナの耳が衝動に駆られているのかピクピクとせわしなく動いていて、僕はそれを抑えようと強く抱きしめたまま絶頂の予兆が一時的にでも静まるのを待った。
「ハァ…… んんっ」
いつまでもこうしてたいな。 と望む反面、身体が強烈に欲情を求めブルッと震える。
ミーナもきっとこの感覚に耐えているんだと知って、僕はミーナから腕を放してあげると、ミーナは半身を起こして、僕の両側に腕を突いて声を震わせる。
「わ、ワタル、うごいても……いいよね」
「ミーナ、ぼくもう、でちゃいそう」
「いいよ、もう、最後までしようよ。 もう、ガマンしなくっていいように……いくね!」
「―――んぁんっ。 んんぅ!」
地面へ押し付けるように、グリグリと腰を動かしはじめる。
僕の性器全身がミーナの中で緩やかに掻き混ぜられ、その奥のなだらかな突起にすりつけられる。
奥をかき混ぜる快感が熱いものがいっぱい満ちて「こぷこぷ」と音を立てて溢れ返る。
「ワタル、ワタルッ! んちゅ! んふゅう~」
興奮した声で僕の唇を奪うミーナは口を塞いだまま、円運動が病み付きになっていき、どんどん激しく動かす!
「んっ、んむっ、んんっ、んっ! んん!! んっ!」
びちゅ!ぐちっ、びちゅ!
ぶるっと一回身震いさせるとジワジワ愛液が漏れ出し、その重々しい粘液が「ねちゅねちゅ」とおしっこみたいに伝い、流れてはさらに僕達の隙間をうめて、熱くて、汗がにじむ!
「んっ、んぁ!――んぱぁっ」
絶頂を感じた始めた!
僕は空気を求めたくて、ミーナから慌てて口を離す!
「んぁっ、あぁんダメッ! くるっ――ぁん、あん、ぁん!」
ミーナは目をギュウっと瞑って、激しく体を揺する!
――――絶頂が! 絶頂がっ!
びゅちっ ばちゅ!ばちゅ!
粘液の濡れ束だらけのミーナのお腹が僕のお腹に大きく打ち付けては音を鳴らす。
「あっ、あっあっアアッ! あっ、ワタルっワタッ! キャ――ッ!!」
ミーナは絶頂を迎えた。 限界に達した身体が全身で僕に訴える!
フルフルと腰を痙攣させ、膣肉が複雑に蠢き締め付け、本能が僕を一生懸命快感の先へ持っていこうと頑張っている。
「ああぁっ、ミーナぁ! もうっだめっ!
――――んぅ! うわっ ああああっッ」
折り重なった状態でミーナがジェットコースターの落下に恐がるみたく強く、強く、抱き締めてきた。
膣肉に握り揉まれるような圧迫が、僕の胸を締め付ける。
の中が快感だけに埋め尽され抑えきれない。
体が火照って、訳がわからなくなって
腰の筋肉が収縮する、身体が反って少しだけミーナの身体を持ち上げる!
「んん――っっぁあ! ぁああっ!ミーナァ!」
限界っ!――――性器がドクドクと一気に送り込む。
瞬間、ビュクビュクと体の内側から自分しか解らない音が響いていった。
射精 ……した。
ドクッ、ドクッ、脈動は続く。 射精しているのに、自身の性器に逆流する感触は殆んど感じなかった。
ぐちゅっと子宮口の中心に性器がしっかりとあてがわれていて、その小さな穴に吸い付いてるみたいになってる。
みっちりと吸い付くような膣壁に包まれている中、別の空間に出している感覚。 ミーナもそれに反応するように天井に顔を向け、腰を反らした。
なんだろう、本当に注ぎ込んでる感じ……
不思議な感覚だった。 震えるほどに、きもちいい。
ぅう…… はぁ、はぁ。
ぴったりと腰を密着させた状態で僕の性器がミーナの中にきれいに収まったまま、それぞれの余韻を感じていた。
……
射精後の放熱感。
それは「いつまでも交わり続けては外敵に襲われてしまうから」という、ヒトが野生だった時に備えた鎮まりなのだろう。
肉体的な快楽が意識の後ろへと、ゆっくりと流れ、遠のいていくのを、頭の片隅で(いつまでも続けば良いのに)なんて思ったり……
そんなどこか心惜しい想いに駆られると同時に、
胸がキュンとくる程、二人でいられる幸せを感じた……
―――キュッ、とミーナを抱き寄せる。
そう、二人でこうしていたいんだ。 ずっと、ずっと。
「ミーナ。 スキだよ」
自然と口に出たそんなセリフ、すごく恥ずかしいと思ってたのに、こぼれる様に自然と。
ミーナは目を細め、僕の額に滲んだ汗をそっとシッポで撫で取ってくれて
「うん」という頷きを返してくれた。
潤んだ瞳は半分涙目に変わりながら、一回のまばたきに雫となって僕の体にポタリと落ちていった……
何でこんなに満たされるんだろう。
アイシテルってこんな気持ちをいうのかな。
しばらく背中をさすってミーナのぬくもりに愛おしさを感じながら、
そっとミーナの腰に手を当てて、乗っかってる体を離そうと押し上げたら
床面に足爪を立て、踏ん張ってイヤイヤする。
「ミーナ。 もう支度しなきゃ」
……というか、もう。 無理なんだ。
それでもミーナは首を横に振り、「離したくない」と踏ん張ってた脚を絡ませてくる。
鼻先がくっつきそうな距離で
「はぁはぁ。 もう いっかい。」
そうおねだりな感じに甘く囁かれ、そんな仕草された事無かったからドキドキしてしまう。
「いやちょっと、僕は もう」と突然、「あぁん、あっ、あっ!」と腰を小刻みに上下しはじめたのでビックリする!
「うぁぁっミーナ? ちょっ、あんっ やめっ……てっ!」
「ふぅ、はぁ……えへっ。」
果てようとしてる性器を無理にしごかれて拒絶反応をしてしまう僕に、可愛らしく小悪魔みたいな笑みを投げかけるミーナ。
「だったら今、しちゃうもん!」
意地悪そうにしてるミーナの背後に漂う尻尾を見て僕は小悪魔なイメージでよく描かれる「槍状なシッポ」を思い浮かべていた。
「ねっ、だいじょうぶ。 待っててあげるからっ!」
――トン!トン!
えっ……ドアのノック音?
「ワタル~ ミーナ~。 大丈夫そうだもんで部屋戻ったが、起きてっかー?」
あっ、キキーマだ……って!
しまったっ鍵掛けてない!
どうしよう、こんなとこ見られちゃったらキキーマに顔向けできないよ!
冷静になれば色々返答が言える筈なのにあぐあぐと口を開け閉めするだけで言葉が出なかった。
「おーぃ……大丈夫か!?」
マズイまずいって!
ミーナちょっと 離れようよ! あぁ、どうしよう!
と、その時ミーナがドアの方へ毅然とした顔で向くと、
「キキーマごめんね、今ねっ、ワタルとしてる最中なの、ちょっと時間ちょうだ~い!」
『xoxo!!』 うわっ、ミーナ!? ストレート過ぎるって!!
「そっか~、んじゃぁ支度してっからなー」 そう言ってドシドシ足音が遠のいてゆく……
ってエエェ! キキーマ……そんだけ!?
しばらく(゜Д゜) ←こんな顔になって唖然としてる僕にムギュっと抱き付いて
「待っててくれるって。 良かったね!」 と嬉しそうに銀色のヒゲのあるその柔らかな頬をスリスリさせていた。
「あっ、おっきくなってきたね。 続き、しよっか!」
あんっ、あんっ♪
――っあう!
……
「ワタル、あと一回だけ!」
あんっ! にゃうんっ♪
……
「はぁ,はぁ,まって、……もういっかい!」
……全身ぐちゃぐちゃ。
1回が2回になって、搾り出すような微量の精液しか出さなくなっても性器はビクンビクンとミーナに快楽を伝えてしまう。
「ぁあっ、ぁ…ん、にゃうぁ……あん!」
喘ぐ声が心地いい。
苦しいのに、気持ち良くって、一生懸命に交わってるミーナに頭がクラクラしてくる。
「あぁっ、あっ、ワタルっきもちぃ――んあっ!」
あぅう~ごめん、ミーナもうっ……
だめ……かも。
「――あッ! ぅぅ…。」ミーナが最後に短い声を発して、徐々に動きを緩《ゆる》めると、挿入したまま静かにへたり込んだ。
トクンッ トク.,トク.,トク
「はぁ、はぁ、はぁ、ミーナ」
僕のが挿入されてる中から、しだいに膣壁からのかすかな脈動を感じ、そのネトつく愛液の間を伝って、温かくサラサラとした液体の流動を感じはじめた。
「んっ、んぅ、何だか、ジンジンするよぅ」 そう言うと恐る恐るといった感じにミーナは腰を浮かせ、引き抜いたソコに目をやった。
「ミーナ大丈夫!? 血が出てるよ!」
ポタ、ポタ、と引き抜いた後の膣口から滴っっている鮮血が、僕のお腹の上にも赤の斑点をつくりだした。
「ぅん 痛くないよ、だいじょうぶ」
……でもそれは「終わり」を示していた。
「ワタル、ありがと」 と言いながら、そっと僕の頭を抱えるようにして撫でてくれて、ミーナの胸が乗っかり、顔がそこにうずまる。
女の子に包まれる安らぎ。
目の前のオッパイにやさしく触る。
ふんわりしてて先端がピンクに色付いてた。
ぬくもりがキモチイイ……こうしてると手の平にかすかに心臓の鼓動も伝わってくるんだね。
トク、トク、トク… 血の通う、生きてる音…
一回深呼吸すると、女の子特有のいい匂いが鼻腔をくすぐる。
ほんとに、幸せ……
***********************************
僕らは、体を離した。
ぬちゃっ。 という音が、おなか周辺にべったりと付いた体液で鳴ってしまい、思わず、お互いのカラダをまじまじと見てしまっていた。
なんか、すごいことになってる……。
二人が作り出した液の、あまりの量に、恥かしさでいっぱいになる。
「もう一回、入らないとね」
「ぅん、入ろっか。 ワタル」
「立てる?」と僕が手を伸べると
ミーナは血が床に垂れないように陰部を軽く押さえながら
ゆっくり歩き出した。
************************************
愛液でいっぱい濡れた体を洗いっこした。
浴室から出るまでは良かったのに、なんだか疲れちゃって
体が、重たいんだ。 重たいけど 身支度をしないといけない。
「ワタル~! 手伝ってあげよっか!」
気だるそうな僕とは真逆に、テキパキと身支度を済まして既に準備万端なミーナは、まるでスポーツをした後みたいに清々しい表情を向けていた。
ミーナ。 何でそんなに元気なんだろ。
「ありがとう。 じゃぁ そこに置いてあるのをバッグに詰めて」と言おうと顔をあげたとき気付いた。
「あれ? ミーナ、それは?」
ミーナの着替え終わった服は、淡いチェック柄でフリフリの付いたスカートと、それとワンセットな感じの同系のブラウスだった。
「あっ……この格好?」
恥ずかしそうにスカートの端をちょこっと持ち上げる。
「へぇ~、ミーナってそういう服もあったんだね」と訊くと
「ううん、ワタシ、サーカス以外はズボンしかはかないから。」と首を横に振る。
って事はキキーマなのか、なんか意外だった。 「実用第一!」ってイメージがあるから。
でも物流関係でいろんな物を見てる筈だから、女の子の好みなんかも分かってたのだろう。
「じゃぁ、キキーマが買ってくれたっぽいね。 すごい似合ってるよ!」
「エヘッ そう?」
スカートのフリルの下からチロッとのぞいてる尻尾がすごく可愛らしくって、いつの間にか僕の鼓動は速くなってしまっていた。
そういう可愛い服着たときに鏡の前とかでスカートをひるがえす、あの女の子お決まりの「クルッと横に一回転」をしそうだ。 というかそれを期待する自分がいる。
「よっと!」
ヒュンッ!!――― ストッ!!
ってそれ、縦回転……
「う~ん、ちょっと動きにくい、かな?」
え~そっち!? ミーナの方がよほど実用性重視なんだなぁ……。
ってそんな事してる場合じゃなかったよミーナ!
準備、準備っと。
********ロビーにて********************
かなり、待たせちゃったかな。
「ミーナ。 平気か? どこも悪くねぇか?」
僕が「待たせてゴメン」と言うより先に軽く涙声になってるキキーマが問いかける。
「心配してくれてありがと。もう平気だよ!」
むしろいつも以上に元気なその様子にキキーマも大きく安堵していて、そんなやりとりを見て、あの時キキーマに対して(知られちゃう!)なんて疚(やま)しい考えしか無かった自分が情けなくなった。
そうだ、キキーマは心配で堪らなかったはずなのに。
今思えば「してる」ってどうとでもとれる言い方だったなって思うし、一緒に行きの準備してるって解釈して、支度出来るくらいなら元気だなって、ホッとしたことだろう、ごめんねキキーマ。
「どうしたワタルの方が元気ないなぁ。……まぁ昨日あんな事になっちゃったからな。
でもさ、ミーナも元気になったんだし、ワタルが落ち込んでてもダメだろ? ほれ、元気だしていこー!」
そうだけど、ごめん。 今はちょっと、単に疲れてるだけかもしれない。
昨日のあんな事というか、今日のあんな事というかさ。
……あぁ、キキーマ、僕は君に隠しごとをしてるんだ。
「ほらワタル!元気出してッ!」
突然どんっとミーナに腰を叩かれてよろめく。
……なんかミーナに元気取られちゃったみたい。
そんな事を思うと急に可笑しくなっちゃった。
*********************************
ここを発つ前に、宿主さんにお礼を言いに行かなきゃ。
キキーマに訊いて今知ったんだけど、宿主さんが「ネ族の娘さんに」って服をくれたんだという。
確かに、旅で着ていくというよりは、なんだか「街に行く為におめかしした」って感じの服だったし納得だ。
「あっ、おはようございます!」
宿主さんを見つけ、ミーナがぴょこんとお辞儀をして挨拶した。
「あの、この服ありがとうございます。 でも、本当にいいんですか?」
「いいんだよ、礼なんて。 それに、忠告も遅れて済まない事をしたしさ」
と逆に謝られたから更に申し訳ない気持になってしまう。
「サイズが合ってよかったよ。私も丁度そのぐらいの子がおったからな」
「えっ!そんな。 大事なものじゃないですか」
「嫌でなければ使ってやってくださらんか。 私には思い出と呼べる物が、増えすぎているから」
……その言葉の様子から、もういない人なんだろうと知った……。
「物は誰かの役に立ってこそさ。 使ってくれるのならそれが本望だよ」
そういって目を細めている宿主さんは、きっとその子の事を思い出してるのだろう。
「そうですか、ありがとうございます。 大事に使わせて頂きます」
そうミーナは深々と頭を下げたのだった。
「本当に色々お世話になりました。」
そして僕たちは、再び歩みを進めた。
********再び、リリスへ向けて***********
キキーマが手綱を取ってくれて、その隣に僕、ミーナの順に荷台の縁に腰掛けている。
そんな、いつの間にか出来た定位置で、再びダルババ車の車輪に揺られる。
暫くしてコツン、コツン。と規則的に肩が当たってきて、ふと隣を向くと、ミーナが風にヒゲを揺らしウトウトしはじめていた。
荷台から脚をブラブラさせてて危ないから、奥まで抱えて横にしてあげるとすぐに寝息に変わっていくミーナ。
……あんな朝だったから、やっぱり疲れたんだろうな。
「ミーナ、寝たんか?」
「ぅん」
「そっか、やっぱり疲れたんだろうな」
……。
「互いが、互いに守っていかなくちゃな。 辛い事もあるけど、それ以上に幸せもいっぱい見つかるさ。」
キキーマは回想するように、独り言のようにそう呟いた。
そうだね。 親切にされたり、愛されたり……
幸せもまた、多くの人に貰っているのだから。
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夜が来て、今日は星の下。
もう、ミーナが寝ぼけて抱きつく事も無くなって、穏やかな寝息が自然の風に掻き消される。
安心したような、少し残念なような……何だか複雑な気分だ。
今朝の事さえ、なんだか遠くに感じるなぁ。
薄手の毛布に半分顔を隠しながら、そんな今日の事を思い返し、広大なヴィジョンを眺めていた。
満天の星に紛れて、行く先の遠景の片隅に小さく、灯火が光っていた。
あれがリリス、かな?
そう、旅は始まったばかりだ。
******はじめての発情期 完**********
話を続けて書く力がなく、次章も話が飛んでしまいます。 御了承を。