※この作品はR-18です。

ブレイブストーリーでエロパロ   作:PEOK

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サーカワの宴《うたげ》 後編

「ミーナッ!」 僕は再びミーナを布団の上へ押し倒していた。

 

 

 

 

**********************************

 

でいる手をていた。

僕のを掴んでいる手が、人差し指の付け根と親指の間で根元部分を固定するように位置を直し軽く揉んでいる。

 

それが「いいよ」ってサインだった。

 

「ミーナ、大丈夫だからね」

 

僕も自分の冷静を保ちたくてミーナにささやきかけるとその震える手で、人差し指と中指を押し当てグイッとチョキの様な形にし、膣口を押し開けた。

 

くぱっと開いた膣口から塞き止められてた愛液が、その解放を喜んでいるようにトパトパとその指に流れ、溢れては滲んでくる。

 

互いが相手のモノを受け入れやすいように、そうやって固定させた指をゆっくりと近づける。

 

くいっ、くいっ。 優しく誘導され、僕は探る様に腰を下ろしていった。

 

――ミーナの手に従って、引き込む方へと誘われてゆく。

 

ぴちゅッ!――フニュうっ!

 

 

「あッ」 先端が辿り着き、すぼまる膣口に押し付けられる。

 

「んっにゃぁっ」 大きな吐息と共に声を漏らすミーナ。

 

「みっ、ミーナッ!」

 

僕は我慢出来ない!

 

――ちゅるん!

 

でもヌルヌルし過ぎるその割れ目からはすぐにそれてしまっていて、まどろっこしくて

 

いれたい、いれたいと激しくせかす鼓動で僕は息苦しさを感じた。

 

「うッ――はぁ!」

 

にゅぶっ!――やっと捉えた割れ目の中心の感触。 そして沈み込ませる僕の体。

 

耐え切れなくなった膣口、押しひらけたソコヘ、ミチミチと性器がうずまってゆく。

 

「んッ――んにゃぁうぅ;!」

 

僕の背に周っているミーナの尻尾が沈む腰にピクピクッ,ピクピクッ,と反応してくれているのが背中から伝わってきて、僕は嬉しくなる!

 

もう我慢なんてしたくない!

 

「はぁっはぁッ……ミーナっ! もうっ、いれるッよっ――――んっ んんっッ!!」

 

――――ズッ

 

―――…ぐちっ!!

「きゃぅワっ…タルっ!」

 

僕の指、ミーナの指。

互いの性器に添えられていた指が触れ合って、さわり合う。

 

「ぜんぶっ、入った」 

 

ヌルヌルを絡ませ合いながら接合部分を確かめるようにお互いの指先を沿わせあうと、ミーナは潤んだ瞳で、嬉しそうに呼びかけた。

 

「んッ、あッ僕のっ、はっ入ってる」

 

僕の性器が深々と膣内にうずまっているのがはっきりと感じられるここちよさ。

 

「うんっ、はいっちゃってる、よ」

 

確認するように何度もささやき合って、そして一緒になって膣口と付け根との隙間をなぞり、共有した。

 

僕らはそうやって粘液で濡れそぼった指を絡ませる。

 

手の平までヌルヌルを広げては、お互いの手はそのままシーツの上へと退けて、ギュッと手を握った。

 

「んんッ。 ふぅ、ハァ~」

 

深い挿入感に何とか心を乱さない様にと、深呼吸をしているミーナのおなかが緩やかに上下していて、それが僕の性器にも僅かに押しては返す流れとして感じられる。

 

 

ミーナの息と合せて ふにゅん、ふにゅんとうごめいている膣内。

 

呼吸、鼓動、ミーナの生きるリズム。

 

気持ちのいい揺らめき。

 

 

僕がほとんど組み伏せているような状態にしているけど、ミーナはそんな僕を、何の抵抗も無くし、ただ僕だけを見つめ全てを受け入れてくれていた。

 

その表情をいとおしく思う。このまま挿入感だけをミーナにあげて、ずっと二人まどろみの中に居たいとさえ感じる。

 

でも種を残そうとする本能なのか、お互いが次第に湧き上がってくる、激しい交わりの妄想の様なものが心を、留まらせてはくれない。

 

あと少しだけ激しい衝動を抑えて……眠そうな子供にオヤスミを言うように、僕はそっとミーナの穏やかに伏せているその耳に呼びかける。

 

「もう、 動く、ねっ!」 

 

囁きかけられて小さく身震いさせるミーナが組み合わせたその手を力いっぱい握り返していた。

 

 

僕もその手を強く握り返して合図し、思い切って僕は動く。

 

「ミーナぁッ! んぁぁっ、 ぁぁッ ぁッ、ぁッ!」

 

グリュッ!――ちゅぷッ、クチュ!

 

 

クチュン., くちゅ.,クチュ!

 

少し硬い敷布団の、その下の木張りの床がギッギッ、ギッと小さく軋み、僕は心地よさに大きく震えてしまう。

僕の意思で動かす腰に合せ何倍にもなって快楽が帰ってくるっ

 

僕が動く度に快感がふくらんで、ふくらんで、抱擁されてっ

 

 

『 んにゃぁぁ――いぁっっんッ! んんッ。 んッんぁ、ぁあぅ!』

 

ミーナが心地よく喘ぎながら、久しく感じていなかった刺激に行き場を失なっているような両脚が、僕の両側でジタバタと空を掻いていた。

 

「んんッ! ッタルぅッ!わたるぅ~」

 

まっすぐに見つめる潤んだ青灰《ブルーグレイ》色の瞳が窓越しの月明かりを綺麗に反射していて、その目じりには小さな水玉が浮かんでいる。

 

そんなミーナを組み伏せたまま、僕はただ必死に見つめ、身体を浮かせては沈める。

 

 

『ワタルぅッ! きもちぃっ――あんッ! んああっ にゃうん』

 

ファサッと太腿にシッポが擦り寄ってくる肌触りを感じ、すぐにポスンッとシーツの上へバウンドする音が聴こえる。

 

「んッ、んあっ……ミーナッ!」

 

動かしながら僕は下半身へ目を下ろす。

 

捲り上げたスカートで遮られ、見えないその接合部の凄まじい感触が、粘液の混じりあう音と共に僕に伝わり続ける。

 

――ぐりゅっ! グリュっ! 

 

何度も何度も繰り返されるその快感をミーナにも与えたいとばかりに、僕は腰をいっぱいに埋めたまま撫で付け、撫で上げてあげた!

 

 

「ワタッ――るうッ、んにゃぁぁうううっ~」

耐えるような呻《うめ》き声と共に ミーナはギュッと目をつむって僕から必死に顔を逸らすと、グニグニッと腰を突き出す。

 

ミーナの小刻みの呼吸がそのしなやかに動く身体の限界を知らせて、自身の快感に吸い込まれるように身体を浮かせては僕のおなかに密着する。

 

グチグチッ、反り上げた腰が恥骨同士を擦り合わせ、ミーナの胸の中で射精した時の僕の尿道に残っていた僅かな精液が、突き出した膣内の、一番奥のほうから吸い上げられるようにミーナの中に解け込んでゆく。

 

じゅぐっグチッ、じゅぐっ、グチグチュッ

 

次第に激しくなるミーナとの引き抜きと押し上げにどちらか分からない白っぽい体液となって溢れてゆく。

 

僕のおなかを伝い、そしてミーナの下腹部のふわふわの毛をぐっちょりとこすり上げる!

 

『 もうッ、ダッ――――! んゃぁぁぁあああッッ! んにゃぁぁアぁッ!!』

 

最後に大きく腰を反り上げるミーナ。

 

その反動でミーナの目じりに溜まっていた滴はこめかみ辺りの白い体毛に弾かれてシーツの染みへと変わってゆく。 

 

「ぅあっ!」

 

僕の体が持ち上がり接合部の震えを感じるとすぐに膣壁がキュゥぅっとすぼまって、複雑な痙攣へと変わっていく。

 

「ぅぁ……ミーナぁッ、ミーナぁぁっ!」

 

激しい震えに揉みくちゃにされながら、僕は声になっているか分からない声を発していた。

 

「早くだして」と言わんばかりに膣の内壁をぐちゅぐちゅと必死に締め上げるその奥へ、もっと奥までっ

 

――ジュルンッ!! 

 

限界まで入れて 引き抜く!

 

引き抜いた音がなる直後に押し入れるっ、大きく、激しくッ!

 

じゅっぐっ.,じゅっぐっ.,子宮口にフニュリと押し付ける感触、引き抜く、押し上げる!

 

ジュッパっッ! じゅっぱっッ――――!

 

 

『キャぁああッ! ワタルッ――わたしもうッ、いやぁぁっんッああああっ!!』

 

僕に責め続けられて、逃れられない快感に必死に首を横に振っている。

 

 

ミーナはもう限界なんだろう、でも僕はまだ止められなかった

 

もう少しっ

 

もう少しだからっ、ミーナッ!

 

 

『ワタルッ――――――!』

 

最後の力を搾り出しているみたいに背筋を収縮させるミーナに、グチグチュと腰を持ち上げられ

 

『ミーナッ―― あッ、僕もッ  ――ん ぁああ!』

 

 

浮遊感――頭の中に快感が張り付いたまま、立ちくらみの様に一瞬目の前が見えなくなった。

 

きゅんとなってるミーナの膣壁の圧迫と抱擁を味わいながら、意識の中では唯一、射精の心地よさだけが頭に響く。

 

 

――ドッ!  トッ、トクッ、トッ……

 

 

「んぁッ! ――くぅっ!」

 

ミー…ナ……僕はしなやかな体に折り重なる。

 

そんな僕の腰とお尻を両手でしっかり引き寄せ支えてくれてるミーナ。

 

 

 

「――はぁ、はっ、んはぁ~ 

 ワタルぅ……おなかの奥、プクプクってしてるよ、あったかいよ」

 

 

子宮に注がれた感覚に、夢見心地な顔で呼びかけるミーナ。

 

だけど僕は、まだ頭がボーっとしていて、何か呼び掛けたいけど言葉が出ず、ミーナのしなやかな身体にキュッとしがみ付いたままとにかく呼吸をしていた。

 

ミーナの上気してる吐息と重なり、ミーナの吐く息をそのまま呼吸に使っている様な少し重く、甘い空気が立ち込めている。

 

力が出ずお互いを抱く手、ミーナの濡れそぼっている手の平が僕の背中をじんわりと暖めていた。

 

例えようの無い、ふわふわとした達成感に僕らの意識は漂っていた……。

 

 

 

*******************************

 

 

何分経っただろう、そんな姿勢のまま僕らは静かに、二人でいる時間を味わった。

 

 

暗闇な時間だけが過ぎていく。

 

何を待つともなく、ずっとこうしていたくて。

 

射精後の気だるさが安心感を生んでて、二人の吐息が、繰り返す波の音に溶け込む、心地いい。

 

 

次第に五感が帰ってきて、潮の香りが風に乗って鼻腔をくすぐり、ようやく

(乗っかったままじゃミーナがキツイよね)って気遣う思いがよぎって体を持ち上げると

 

「ぃやっ!」

 

ガバっとミーナの両腕が僕を引き止められた。

 

トサリ……

 

僕らは密着したままでまた横になり、はじめに抱いた時と同じ姿勢になっていた。

 

「まだッ、離さないで……」

 

切なそうにミーナが呟く。

 

それは僕に言うでもなく、もう離れるのはヤダって事を祈っている様な感じに聴こえた。

 

 

だから僕はミーナの耳もとを撫でてあげながら「好きだよ」って投げかけてあげた。 

 

僕だって同じなんだよって、伝えたかったから。

 

 

「……ウンッ」

 

僕がようやく呼び掛けた言葉に、ミーナは「きもちよかったね」と切ない感情をすぐに隠して、そう返事をした。

 

 

……。

 

 

「ワタル、サーカワって平和でいい所だねっ」

 

「えっうん、そうだね」

「ここだったらさ、種族なんて気にしなくってもいいんだよ。 ワタルとさ、人前で手を繋げるし、キスだって」

 

そう言って、チュッとミーナが軽いキスをしてくれる。

 

「……ミーナ」

 

 

 

 

「ねぇ。 旅が終わったらさ ……ここに住もっか」

 

 

「!……」

 

飛び込んできたその言葉に、何と言っていいのか、僕は言葉に詰まってしまった。

 

 

ミーナ。 僕らは、いつか…… 

 

 

……。

 

 

「なーんてね、冗談だよ?……もう、そんな顔しないでワタル」

 

 

いずれ別れが来るって事、それも、今ではとても近いように感じられるその事実は、いつしか禁句みたいになって僕らの心の奥底でひずんでいるんだ。

 

お互い分かり切っている事なんだ。

 

僕も、冗談としてでも返してあげれば良かったのだろうか……

 

 

「ごめんね、ミーナ」

 

 

「ううん、ごめんなさい。 変な事言って」

 

……。

 

 

「ワタル、オヤスミ……」 

 

 

ミーナはそれ以上踏み込まず静かに瞼《まぶた》を閉じた……

 

 

スヤスヤ……

 

宴会で疲れていたんだろう。 すぐに寝息へと変わっていったミーナの寝顔を見つめる。

 

 

僕に向かって微笑みかけたままの、穏やかな寝顔だった。

 

 

そっとミーナの頬の毛並みを指先で整えながら僕は、しばらく見なかったその表情に、悲しさが込み上げてしまった。

 

 

さっきのやり取りが、重く心に引っ掛かってしまっているからだろうか……

 

 

「……おやすみ。 ミーナ」

 

風引をかないようにと、肩まで毛布をかぶせてあげると、僕は気持ちを紛らす為、窓枠からのぞく、そこだけ切り取られたように見える星空の断片を、見詰めた。

 

ロンメルさんが教えてくれた様に、そのもやもやを洗い流してしまいたいと。

 

 

僕は、今まで何をしてあげられたっていうんだろう?

 

 

ミーナが同行してくれた目的は両親に会う為でもあるのに、なのにいつの間にか僕の為だけになってしまっているじゃないか。

 

本来、会う必要のない危険にまで晒してしまって、それでいて本当に巡り会えるのだろうか?

 

 

 

こんな調子で旅を続けて、本当にいいのだろうか。

 

 

ミーナは心の支えを求めているんだ。

 

もし今、それが僕なのだったら、いつか来る別れに 何が残るって言うんだろう。

 

 

ミーナに、失う悲しみなんて、もう増やさせたくないんだ……

 

 

 

そう、会わせてあげなきゃ、両親に。

 

出会えて、そこで別々になるのなら、どんなにか寂しい気持でも心は痛まないお別れだと思う。

 

 

 

 

……僕は、心に決めた。

 

 

****************************************************

 

 

むにゃ……。

 

ムニャムニャ、シュキっ……むにゃ。

 

 

「んっ」耳元でささやくミーナの寝言に目が覚めた。

 

起こさない様にそっとミーナの腕を解いて起き上がる。

 

窓枠からの日差しが、布団からはみ出して寝床に転がるようにのびてるミーナの尻尾を四角く照らしている。

 

もう、こんなにも日が高い。

 

 

「あっ!」

 

しまった!……二人、裸のまま眠ってしまってたんだと気付き、とりあえずはクシャクシャに捲れたスカートを淫らな感じに見えないように整えてあげてから、

 

「えっと、服は~」

 

と板張りの床に脱ぎ散らかしちゃってる酒気の漂う服を見て「これは着せられないよな~」と呟く。

 

眠っているし、今の内に替えを持ってきてあげなきゃねと思いながら、寝返りであさっての方へ退けられてる毛布を再びかぶせてあげると、すぐに毛布を「きゅっ!」と抱き寄せるミーナがとても可愛い。

 

「ぅ……んっ。 ワタル、のめにゃぃ……むにゃむにゃ」

 

 

一体どんな夢を見てるんだろうか。

 

 

「ちょっと待っててね」

 

僕は寝言に返事を返すと服を着なおし、外へ出た。

 

サラリとした地面に足を置くと、どこまでも広がる白い砂浜が一層まぶしさを引き立たせいて僕の目を細めさせる。

 

そうだ、衣服は多分いつもの感じで荷台にまとめてあるんじゃないかな。

 

あ、とは言ってもダルババの荷台の場所、教えてもらってなかった。

 

 

じゃぁ、キキーマ探さないと。 今どこに泊まってるかなぁ。

 

 

砂丘の上の感触を感じつつ、僕は歩く。

 

潮風が一段と涼しく吹きつけ、海から浜に向かっての細かい波模様を浮かびあげている足元から顔を上げ横に広がる海を見渡すと、日の昇っているその真下に照り返しが直線状に揺らめいていてとても眩しい。

 

 

行く船か戻る船か、所々に浮かぶ船影が浜に対して縦向きになって漂っていて、この水平線の先に渡航者を阻むといわれている針の霧があるなんて想像も出来ない位、穏やかな光景だなとただ眺めていた。

 

「平和でいい所、か……」

 

僕はしだいに、眠る前にミーナと交わした会話を頭の中で反芻させる。

(ねぇ。 旅が終わったらさ ……ここに住もっか)

 

(なーんてね、冗談だよ?……もう、そんな顔しないでワタル)

 

 

ミーナ……。

 

 

 

「おうっ! おはよう、ワタル」

 

呼び掛けられるまで気付かなかった。丁度キキーマの小屋の前にいたようだ。

 

「……どした? 真剣な顔して?」

 

出入り口の簾を開けて、そこへ腰掛けている。キキーマが、心配そうな顔つきになって訊く。

どうやら僕が難しい顔をしていたみたいだ。

 

「ねぇ、キキーマのお父さんやお母さんは どこにいるの?」

 

僕はとっさにそんな事を訊いた。

 

「ん? ああ そういやぁ、そうだったな。 今、建設中の資材運びで三月ばかり出てるんだよ。

 え~っと、パースって所だっけかな? ワタルに会わせられんで残念だなぁ」

 

そう言って大きく伸びをしながら、どうしたんだい突然、そんな事訊くなんてと返される。

 

 

「ううん、別に……何でもないんだ」 

 

このモヤモヤをどう言っていいか分からず、突っぱねた返答となってしまった。

キキーマの目には不機嫌そうに写ってしまったかもしれない。

 

「もしかして お父さんとお母さんの夢をみたのかい? それでちょっと寂しくなったとか」

 

 

(そうじゃないんだよ、僕は――)

 

 

「……キキーマ、お願いがあるんだ。 僕、ランカへ行きたいんだ!」

 

 

「ミーナの故郷、だな。」

 

僕が言うより先にキキーマが補足するように言う。

 

僕がこれからしたい事、昨日考えていた事を、キキーマはきっと大体どんなものか予想できているのだろう。

 

「ぅん。 行って手掛かりを、探してあげたいんだ。」

 

分かっている、既に何年も前の事だし、何も残ってないかも知れないのは。

 

それに、行ったところで ただ悲しませるだけなんじゃないかって…

 

だから、正しい道じゃないのかもしれない。

 

でも今進むべき道だって、そう思うんだ。 キキーマはどう思うだろうか?

 

 

 

「……そっか、うん、そうだな。俺は賛成だよ。――――でも初耳だが、ミーナには伝えたのかい?」

 

キキーマは少しだけ考え込むように目を伏せた後、僕を見て答える。

 

「ううん。 今はまだ、寝てるから」

 

 

「そっか、でもなワタル、そこへ行くのは本人が辛いのかも知れないし、ランカの土地だってとうに調べ尽くして、ミーナはそれで見切りを付けて旅に出たのかもしれないだろ?

 だからさ、一番はミーナが決めることなんだ。」

 

「考えさせてあげるんだ――よっと!」勢い良く浜辺に着地したキキーマは僕の肩を軽く叩くとダルババ小屋へとのしのし歩く。

 

 

――――そうだね、キキーマのいう通りだ。

 

「……――あっ キキーマ!」

 

その背中を見ながら はっと思い出す。 僕も用事があるんだった!

 

「あのっ。 ミーナの服って、どこにしまってあるかな?」

 

「ん? あぁ丁度 俺っちのダルババ車へ向かうから、そこに全部あるよ」

 

ついでだし、一緒に行こうか とキキーマ。

 

 

キキーマは平然としていて普通の受け答えなのに、僕は今言った事を思い返すと 急に恥ずかしくなってしまって、

 

「あッ! 違うよッ別にっただミーナの服、お酒でっ……汚れたからっその」

 

と訊かれてもないのにテンパってしまい余計不自然な感じになっている僕に、さすがにキキーマもニタッとした笑みがはみ出ていた。

 

「ワタル、昨日はよく眠れたかい?」 と、イタズラっぽく会話を合わせはじめるキキーマ。

 

 

それは僕のとこに偶然ミーナがっ……って何で 知ってるの?

 

 

昨晩ミーナが僕の借りてる所に来ちゃったのって、もしかして、キキーマ……。

 

 

「えっと、あのっ……」

 

「ハハハッ、ごめんごめん。 別に茶化してるわけじゃないよ。 でもさ ワタル、ミーナが起きる時はちゃんと傍《そば》にいてやんなきゃだめだよ」

 

 

ふと真面目な顔でそう言って キキーマはワタルの用事の為、少し足を速めた。

 

「うん」

 

僕も一緒に小走りになって ダルババ小屋への方へと向かっていった。

 

 

 

ざくざくざく……

 

……。

 

会話が途切れ、二人の、砂浜をたどる音だけが聞こえる。

 

 

 

 

「あのっ!キキーマ、ごめん黙ってて……」

 

僕は堰《せき》を切ったように話した。 それはもちろん「ミーナと僕の件」についてだ。

 

 

僕がいろんな意味でいけない事をしていると言う事、信頼している筈《はず》のキキーマに伝えられなかった、いや隠し、騙していたんだ。

 

「僕のせいなんだ。ミーナとの事は、それに危険だって、悪いことだって判っていながら、隠していたんだ。本当にゴメン」

 

 

「ワタルはミーナを悲しませたのかい?」

 

「えっ、分からない。 けれど」

 

僕の見るミーナの姿は、現状は幸せかどうかは解らないけど、でも出会う前より嬉しそうで、自惚れかも知れないけど、僕はそれを感じて安心してるんだ……

 

 

「……俺は、いいと思うぞ。背徳だなんて言っている奴を蹴飛ばしてやりたい位さ」

 

 

「キキーマは、いやじゃない? 僕達、旅仲間なのに、なのに僕はそういう関係を裏切ってしまったんだ。 

 僕とミーナはもうこんな関係で……」

 

 

「一線を越えた」ということ、それは「旅仲間の三人」という関係を崩壊させるに十分な要素であるのは僕にだって分かる。

 

 

「あぁ、気づいてたよ。二人がガサラで町外れの崖の処理に行ってたあたりかな。俺ら水人は嗅覚とかは別に良くねぇけど、それでも何か"感じ"で分かっちゃうからなぁ。 わりぃ、俺も気ぃ使わせるつもりは無かったんだが、 話すにしろ情けないがどう話すべきか迷っちまってさ……。

 二人は~……その~俺から見ればまだ幼いんだから」

 

さすがに恥ずかしくなってか言葉を濁し「まぁ何だ。多少はうらやましい、がなっ」と無理付けで結論を言いいながら空を仰いでポリポリと頭を掻いて少し考えていた。

 

 

「でも俺は思うんだ、こうして同じ言葉を交わせて、同じ生活が出来ているのにだ。

 やつら子孫が残せないから背徳って言っている訳じゃないんだぜ? もっと幼稚な偏見さ、共に居るだけで血がけがれてしまうとかって話を平気でしやがるんだ。

 まぁ、でもそんなに老信教寄りでなくとも子孫が残せない点においては非難は多いのも事実だ。 だから、事をおこした後に感づかれるのはまずいのは、分かるよな?」

 

「うん」

 

「そうさ、だから、ワタルも自分の事、それとミーナを守ってあげる責任がある。 まぁ、それは俺が二人を見てきて互いにそうしてきてたから、もう安心してるけどなっ。 これからも気を付ける事だけ、俺が言いたいのはそれだけさ」

 

突っ込んだ話をして悪かった とキキーマは話し終えると、僕は、今まで(自分が恥ずかしい)という重いだけで隠していた事に対して、情けない気持ちでいっぱいになる。

 

 

「キキーマ、ごめんね」 こんなにも、他人の事を考え、気遣ってくれるキキーマには本当に、感謝してもしきれないと思った。

 

「いいっていいって、オッ!あれだよワタル。」

 

急にそう言うキキーマが指差す方を僕も見た。

 

テレビで田舎にレポーターが取材をしているときによく映っていた牛舎をおもわせる造りの建物がある。

 

でもそれは、さっきまで小屋だと思っていたサイズじゃなかった。

ざっと見、僕の通う学校の体育館の天井を低くしたくらいの規模のものが軒を連ねていたから驚かされる。

 

それは牛と違い「ダルババサイズ」だったという事もあるだろうが、きっとここは交易の盛んだという事もあり、この土地ならではの共同ダルババ舎なのだろう。

 

きっとキキーマのようにサーカワの配達人さんが何人もいるのだろうここは、そんなみんなの出発ゲート、そして里帰りの到着ゲートなのだ。

 

牛舎ならぬダルババ舎にひしめくダルババに気圧されながら、それを横目にしばらく通路を歩くとヴィジョンの文字で「荷台」と大きく描かれたその別棟に着いた。

 

「えーっと16、17。 あったあった、ワタルここだよ。」

キキーマが17を示すヴィジョンの文字のある 引き戸状の扉の鍵をいそいそと開けると、そこには造りがほぼ同じのダルババ車の荷台があった。

 

「へへっ、ワタルが来たらすぐ出発できるようになっ!」

 

そう、はぐれるキッカケとなった、僕ら3人が罠にかかってしまったあの時をを思いかえす。

 

リリスまでは無事だった荷台もダルババも、魔病院を中心としたミツルの放つ嵐に巻き込まれてしまったのだから。

 

きっと何年もの旅路を経た相棒だったに違いない。そう思うとぼくは、ただただ申し訳なくて言葉に詰まる。

 

「漁業に仕事を移す奴が丁度居てな。 まぁ、見慣れた荷台じゃないが前より座り心地はいいぞ」

 

僕がシュンとなっていたのを感じてか、くしゃくしゃと僕の頭を撫でながらそう明るく言ってくれる。

 

「ワタル、皆も無事だなんだし、そんな顔すんなって。」

 

と、そうは言われてもやはり、こんな僕の為に… 生活を投げ打ってまで僕に、価値があるとは思えないから。

 

気負いすぎだと思われるかも知れないけど、でも僕以外の為に何か出来なければ自分の心が軽くなりそうもなかった。

 

 

「ちょっと待ってなよ」

 

キキーマは、僕の用だったそれを荷台の奥まったところに設置されている簡易棚から取り出す。

 

「あったあった、ほれ。早く持ってってやんな」

ミーナの服を受け取った。 サラリと、まだ新しめの布の手触りがしてるからきっと最近新調した服なのだろう。

でもこの方が見慣れた感じの、動きやすそうな服だ。

 

ふと思い出したようにキキーマは手を打って

 

「おっとそうだオレ、ワタルらが準備済ます間に、長老へ挨拶してくらぁ」

 

と、目的地の提案をした僕に合せてだろう、慌ただしく身なりを整えている。

 

「ごめんね色々と、それに急がせちゃって」

 

「へへっ、善い事は急げって、現世にもそんな感じの格言ないかい?」

 

扉の前で僕にそう言い残すと、小走りに今居るダルババ舎を後にした。

 

「僕も、待たせちゃいけないな」 

 

ミーナ、起きちゃってて、待ってるかもしれないし。

 

 

**************************************

 

 

「あ、待ってた?」

 

ミーナを起こさないようにとそっと入り口の暖簾《のれん》を開けたが、日も高くなってるし、やっぱり既に起きて待ってたみたいだ。

 

「うん……」

 

半分起き上がって鼻面まで毛布で包まっているミーナがくぐもった声で答える。

 

とりあえず羽織るものが毛布しかなくって、鼻の利くミーナの事だからその毛布に残る「交わった痕跡」を思い起こしてしまったんだろう。

 

ピンと立てた耳をそわそわと動かしながらチラチラと僕の方を見るものだから、普段どおりの態度で接してる僕まで顔が熱くなってしまう。

 

「替えの服、ここに置いておくね」

 

酒の染みたシャツを籠に移すと、新しい服一式をそばに置いて「じゃ、外で待ってるから」とぎこちなく場から外れようとしたら、ミーナの手に握られた。

 

 

「……どうしたの?」

 

「うれしいの。 だって昨日はワタルから、そのっ……求めてくれたから!」

 

フサリと毛布が落ちる。 純白の綿毛みたいな体毛がミーナの輪郭をあいまいに浮かび上がらせていて

 

僕は飛び込んできたその「ふわふわ」を抱きとめていた。

 

 

暖かいお日様の匂いがする。

 

 

それに 女の子のやわらかい匂い……

 

 

僕の鼻先には安心そうに伏せているミーナの耳がふんわりと被さりそんな平和な香りを運ぶ。

 

 

こんな日が永遠に続けばいいのに

 

 

安直な感情だったとしても、そうであって欲しいと願った。 そう思わずにいられなかった。

 

 

だからだろう、僕がこれから伝えたい事なんて後回しにしたくって目を閉じてミーナを寄せる。

 

 

……僕らはただ、窓辺の日差しに照らされるまま、しばらくそうしていた。

 

 

 

*****************************************************

 

 

「えっランカに?」

 

身支度を済ませたミーナに僕の考えをひとしきり話した後、その提案する場所をミーナが聞き返す。

ランカ…ミーナの口から久しく聞く事の無かった故郷の名。

 

「うん、キキーマには話したんだけど。 ミーナはやっぱり行くの辛い、よね」

 

「全然平気!……ていうと嘘になっちゃうかな。」

 

布団を畳みながら、えへへと困ったような顔でミーナが続ける。

 

「それにワタルの言う通り残ってない可能性のほうが高いでしょうし……ワタルの気持ち、嬉いけどね」

 

「ごめん。 浅い考えしかできなくって、僕にできる事ってこの位しか思いつかなくってさ」

 

「違うっ! ワタルが居てくれれば、そうよワタルが居てくれればそれだけでワタシ……

 !――ごめんなさい」

 

その堂々巡りにミーナも、力なく耳を伏せてしまい、寂しそうに黙り込んでしまった。

 

僕は宥めるように肩に手を置くと、

 

「実を言うとさ、僕も今は宝玉の手掛かりが無いんだよ。 だからミーナの持っている鏡みたいに不思議な力が宿る話がミーナの故郷に行ったら有るかも知れないって思うんだけど、それだったらミーナ付いて来てくれないかな?」

 

また僕の為って感じになっちゃったけど、それでもいいかなと説得すると

 

「ううん。 そっちの方が全然いいよ、だって私、ワタルに付いてくって決めたんだもん」

 

と少し眉をひそめ笑いかけるミーナに

 

「ミーナの家を襲った集団が鏡を探しているのだとしたら宝玉が関係ないわけ無いだろうしさ」

 

って、とても強引だけどそう言って話をまとめたのだった。

 

 

「でも、ランカへ行って悲しくなっちゃったら、ワタル、なぐさめてね」

 

「うん、僕はちゃんとそばにいるから。

 それに、ミーナを守るってきめたから、危険な目になんか遭わせないよ!」

 

「んふふっ。 その台詞ワタルにはまだ早いんじゃない」

 

危険な目なんて慣れっこ!まだまだ私が守ってあげるんだからねとそのまま頬擦りしてくるミーナの、ピンと立ったひげにくすぐられつつ、「そりゃ…そうかもね」なんて照れ隠しをした僕は、じゃれ合いをするミーナの明るさにささやかに安堵していた。

 

 

 

******************************

 

 

舎内へ戻ると荷造りを丁度済ませたところだったキキーマに、ミーナの件を話した。

 

「おうそうか、じゃぁ決まりだな!」

 

意気込むキキーマが、そのガッツポーズのような拳の位置を保ったまま僕の背後を見渡す。

 

「そういやぁ、ミーナは?」

 

「あれ? ここまで一緒に来たんだけど」

 

 

ふと扉の方へ目をやると庫内のやり取りを、警戒している子猫の様な格好でその扉から片側の猫耳をはみ出させて、恥ずかしそうに、そしてばつの悪そうに覗き込んでいた。

 

「あのっ、ごっ、ごめんなさいッ」

 

まさに僕と同じように隠しきれていなかった隠し事を恥らいながら、ぴょこんと頭を下げて謝っていた。

 

「ハハハッ! いいってことよ。 でもな、ワタルにも言ったが、お互いの危険になる事だってあるんだ。

 だから自分の事、大切にするんだよ。」 

 

キキーマは僕に言ってくれた事と同じく、省略してそう言う。

 

「さぁ、話が一段落ついたところで、支度《したく》だ支度っ!」

 

と僕にたずなを任せ、キキーマはその後ろに回り、ダルババと荷車の連結作業をおこなった。

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