仮)好色平凡な中年オヤジがガンダムワールドを行く 作:触手スライム
そのぶん次話が増加しているので、期待してください。
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2016.12.3 ご指摘頂いた誤記を修正しました。
傍聴→防諜
タズサが目を覚ますと、そこは昨晩と同じ、ゲームとは思えない精巧な佇まいを見せる天井だった。
「夢じゃなかったか」
舌打ちの後にそう呟くと、部屋に昨日買った衣類等か入った大きなキャリーバッグを見る。
その中には、ゲームであれば必要にならない、下着に部屋着、作業服仕舞いには生活雑貨迄揃っている。
(ちくしょうめ、目を覚ますと夢でしたー。
なんてのを、期待していたんだがな)
軽いため息の後、ベッドから上半身を起こし枕の下から拳銃と、PDAを取り出した。
(しかたねぇが、せめて誰か返事くれているかなっと)
PDAを操作し、プレイヤー専用掲示板を見れば、自分が掲示板に掲載する際には、募集に関する内容は数件だったものが、1,000を超える見出しが表示された。
(なんだ、他の連中も色々やってるみたいだな。
ZIONIC社への入社に、パトロール艦募集に、MS教導団への入団、疎開し隊、名前変え隊・・・・・・、こいつらにゃ冥福を祈るか。
んで、俺の板は4人からの応答ありか、返事を出してジャンク屋に行く前に会うことするかな。
あん?メールも来ているのか)
タズサが掲示板に出していた「PMC会社社員募集」は、閲覧数こそ1,000人を超えていたが、反応は冷やかしや誹謗、中傷であり、更に一端希望したもののその後、取消されたものを除くと残りは4人であった。
(ブリシアから?
どこで俺の連絡先を調べたのか、って聞くまでもないか)
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送信者:ブリシア・エメリー
件 名:連絡
こんばんわ、教官。
いえ、今はタズサ社長と呼んだ方が良いのでしょうか?
今日は、お買い物で終えられた様ですが、ホテルはもう少し防諜に注意できる所が宜しいですわ。
お食事も、きちんと採りませんと健康を損ないますわ。
睡眠も遅めでしたし、どなたかとやりとりでもされているのでしょうか?
本題ですけれど、今日の契約書が受理されましたので、機関から資金援助が決まりました。
また、秘密の会話でしたら今日の喫茶店を利用して頂けると防諜対策になるので助かります。
利用前に連絡を頂ければ、直ぐ対応させます。
それでは、お休みなさいませ。
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(こわっ!
何、俺監視されてるのか?
・・・・・・と、とりあえず面談にちょうど良いから喫茶店を利用させて貰うか)
メールを読み終え部屋を見渡すが、何処から覗かれているのかわからず恐怖にかられた。
暫[しばらく]くして、振り込まれていた資金300,000Cを確認し、全員にジャンク屋の件も含めて返事のメールを送ると、朝食も採らずに着替え部屋を後にした。
タズサが指定したのは、ブリシアからのメールにもあった前日の洒落[しゃれ]た喫茶店だ。
事前に、ブリシアを通して連絡を入れておいたこともあり、時間は昼にさし掛かっていたが、喫茶店には人気がなく、奥の席に微[かす]かな人影が見えた。
そして、其所[そこ]には既に座っている事が伺[うかが]えた。
喫茶店へと入ると、前日のマスターがこちらに顔を向けた。
「お連れ様が、お待ちです。
飲み物は、コーヒーでよろしいですかな?」
タズサはその言葉に頷き、続けた。
「彼女は、何か言っていたか?」
「いいえ。
なにも用件は伺っておりませんが、朝食にサンドイッチはいかがですか?」
マスターが、首を振りつつそう答えた。
「・・・ありがとうよ」
そう言うと、背筋に寒気を感じながらタズサは店の奥へと進んで行った。
そこに集まっていたのは、全て女性で互いに情報交換をしていたようだか、こちらに気が付くと視線が集まった。
タズサは、若干戸惑いながらも話しかける。
「私はシン・タズサと申しますが、皆さん社員募集の掲示板を見て来られた方ですか?」
そう尋ねると、全員が一度PDAを見てから頷く。
「そうですか、ではまずは自己紹介としましょう。
それと、まだどうなるか解らないので、リアルについては性別を除いて自由意識という事にして、話をさせて下さい。
性別は、ゲーム設定という事で異なる性別を選だ結果、今後の会話でお互い注意できるからと認識して下さい。
では、私から」
そう言ってタズサは佇まいをただす。
「今回はお集まり頂きありがとうございます。
ツバキ警備会社の社長シン・タズサです。
リアルでも、男でオンラインゲームでのギルマスやクランリーダーの経験があります。
タイプは、戦域指揮官で、好きなMSはMS-05所謂[いわゆる]旧ザクと
MS-06Fsザク先行配備型指揮官機です」
タズサは自己紹介を終えると、時計回りという事で、隣の女性に次を促す。
彼女は、ジオン公国軍佐官服を着ており、髪は艶やかな黒だが、前髪の一部を赤と白に染めて垂らしているのが特徴といえた。
一見するだけだと、誰もが振り返る容姿であるが、薔薇の棘の様な鋭さを視線から感じさせ威圧的でもあった。
「私は、コロロだ。
軽いゲームのつもりが、地球に影響が出るからと訳が解らない奴に指示されて、ドンパチやれと言われても訳がわからないからな、とりあえず様子を見ようと思って呼び掛けに応じさせて貰った。
好きなMSは特にないが、補給線の維持は大事だからな、コロンブスやヨーツンヘイムみたいな船に乗ろうと思っている。
船乗りだからな、タイプは戦域指揮官でリアルは男だ」
コロロは最初の名前を話した時以外、まるで自分に言い聞かせている様子であったが、最後に性別を忘れていたのか付け足して紹介を終えると、席に座りコーヒーを飲んだ。
そこに少しの間ができると、そのタイミングを見計らったように、昨日とは別のウエイトレスが、タズサにコーヒーとサンドイッチ、フレッシュジュースを届ける。
(え、俺ジュース頼んでないよ!)
そんなタズサの心の声を挙げるタイミングを狙ったかのように、次の女性が立ちあがる。
彼女は、コロロよりも凹凸が激しくワイシャツを盛り上げる胸と、タイトスカートから足先までの黒ストッキングがより一層艶かしさを現していた。
他の特徴は、黒髪を飴色に染めているのが髪の根元との差で分かる。
また、左目の泣き黒子[ほくろ]と四角い縁なしの眼鏡も特徴的だった。
(白衣を着せたら、エヴ◯のリツコさんだな)
「私は、リツコです。
皆さんが恐らく考えているように、あのアニメを基[もと]にしています。
リアルは主婦をしています。
タイプは、技術者で基礎技術を専攻していて、あるだけのお金とポイントで技術力を上げて今はLV5になります。
そんな訳で、何だってしますから、会社に入りますので衣食住を保証してください。
もう、お金なくて昨日からなにも食べてないんです!」
リツコは最後の言葉を、タズサを見ながら叫ぶ様に言うと座り、タズサの前に置かれているサンドイッチに視線を移す。
「っと、大丈夫ですよ。
詳しい話は後でしますが、とりあえず皆で食べましょう。
足りなければ追加で、注文しますから」
タズサは気圧されながら、水以外なにもないリツコにフレッシュジュースを差し出し、サンドイッチも全員が取れそうな位地に置くと、ウエイトレスに同じものを追加で注文した。
その間に、作業服姿の凹凸を感じさせない女性が立ち上がる。
彼女は、東南アジアないしインド人辺りを彷彿させる浅黒い肌に、黒髪をバッサリと切った短髪姿で、瞳も黒い以外特徴的な事がないのが特徴だった。
「私は、のののののって言うんだ。
ののと呼んで欲しい。
ゲームだと思って、いつもの様に名前をつけたんだけどね、この有り様でさ名前変え隊にも書き込んだよ」
ののはそこで、溜息[ためいき]を吐くと続けた。
「リアルも女で、独身だよ。
あとは、タイプは技術者で専攻はMS技術になる、LVは2だから資源と、設備、場所、時間に人手があればMS-05Bか、それのカスタマイズ機までなら作れる。
もちろん、現物の改造や修理なんかも任せて欲しい」
ののは、最後に頭を下げると座り、サンドイッチにてを伸ばした。
そして、最後の1人が立ち上がる。
最後の彼女は、着ているのがゴシックロリータと言えるフリルの沢山ついた服であるが、可憐な見た目からとても似合っていた。
しかし、見た目通り身長が低く、体つきも凹凸がないため、かすみそうの様な儚げな可憐さを持っているのだが、何処からか違和感を感じさせた。
「俺は、バファリンだ。
リアルじゃ男だくそったれ」
そう言うと、容姿に不釣り合いな笑みを浮かべた。
「わりぃけどな、初日に他の連中に襲われ掛かるし、翌日に街に出たら補導喰らってるから、さっさと俺を雇ってくれよ。
自分の選んだ容姿だけどな、スラムに連れ込まれたくねぇんだ」
幼いゴシックロリータな少女から、凄まれるという事に唖然とするが、暫くしてタズサは再起動した。
「雇うのは良いのですが、一応タイプを教えて下さい。
あー、リンさん」
リンと呼ばれた、バファリンは舌打ちすると続けた。
「おれぁ、技術者の艦船とMSのダブルだ。
Lvはどっちも1、MSは既存容積範囲内の改造と修理まで、艦船はパプワかコロンブス、ムンゾ標準輸送船の改装と修理が限界だ。
ついでに、金もねぇ」
そう言い終えると、ウエイトレスが追加でフレッシュジュースとサンドイッチに、また頼んでいない唐揚げやポテトフライが並び、更にチョコレートパフェが全員に行き渡る。
「とりあえず、食べ物が来たので食べてしまいましょう。
支払いは、私が持ちますから遠慮なくどうぞ」
その一言で、タズサを除く全員が食事に夢中となった。
(えっと、船持てるのが俺入れて2人。
パイロット無しか。
技術者は、3人いるけどMS整備で被るか)
タズサが考えているのは、各タイプと仮に社員に迎えたとした時の、配置である。
タイプとは、他のゲームでは職業、ジョブ、クラスと呼ばれるものとほぼ同じであり、大きく3つに別れる。
戦域指揮官、パイロット、技術者となる。
戦域指揮官とは、初期から艦船の艦長ないし船長となり、一定の範囲、自己艦船の戦闘区域に対して指揮権を行使出来る特性を持つ。
上位タイプは、艦隊クラスの指揮権を持つ戦術指揮官、作戦参謀、方面部隊運用の軍事物資迄含めた戦略指揮官となる。
ゲーム上では、戦場を構築、作成できるとされており、その規模に応じて参加できる人数や勝利条件等か制限されるとされていた。
パイロットは、文字通り戦闘機から、戦車、MS等をどのタイプよりも扱えるタイプである。
上位タイプには、小隊長、中隊長、大隊長となる指揮官系列と、中隊長からの分岐でエースパイロット、エースパイロットから覚醒するとニュータイプになる等、5つの分岐が用意されている。
技術者は、初期の時点で3つに分類されるがスキルにより2つまで取得可能となる。
基礎技術者は、分野の垣根なく研究を行うため、新しいミノフスキー粒子や、航空宇宙物理学、冶金等といった分野を研究実験し、実用化する。
MS技術者は、ロボット工学や、MS、MAに至る応用技術を研究し、基礎技術と合わせ、可能となるMS 、MA 設計、建造、改造、修理、解析といったことを行う技術者を指す。
最後に、艦船技術者は、艦船の設計、建造、改造、修理、解析を行う技術者である。
それぞれが、食べていた手を止め始めたのを見たタズサは切り出した。
「さて、そろそろ話を再開しますけど良いですか?」
そう尋ねると、全員が頷き返す。
「私のかけた募集内容は既に読んだと思いますが、念の為説明します。
わが社は、政府から認可を受けたPMC会社です。
主な業務はコロニー内外の警備、物資輸送、その護衛となります。
自社ビルと工場等の拠点は未だありませんが、153番地に宙ドッグを保有済みなので、業績が軌道に乗れば、153番地に拠点を造る予定です」
そこまでを話し、一旦全員を見渡すと頷き返されたので続けた。
「正直に言えば、一度社[うち]に入られると、ジオン公国の機密に接する事もあるので、仮に退社したいと思っても、色々と制限されると考えて下さい。
それでも、入社を希望する方は、これから契約書を送るのでサインをお願いします」
昨晩、機関の事を上手く誤魔化しつつ説明しなければならないと掲示板に書き込んだ内容を、再度緊張しながら話し終えると、契約書と機密保持同意書を送付する。
反応はさまざまであったが、タズサがコーヒーのお代わりを飲み干す頃には、全員からの返信が届いた。
内容を確認してタズサに、笑みが浮かぶ。
全てがサイン済みであった。
それらを、ブリシアに送ると直ぐ了承の返信が届き、事務員への連絡先もそのなかに含まれていた。
「確認しました。
これから、皆で会社を大きくしていきましょう」
全員がタズサの言葉に各々答えると、コロロが徐に話しかけてきた。
「それで、俺は何処に配属されるんだ?
あと、船なんかはどうするのか教えて欲しい」
その事は、全員気にしていた様子で頷く者、視線をタズサに向けるだけの者とに別れた。
「まず、船から説明しましょう。
ああ、それとリアルでも結構な年[とし]なもんで、これからは仲間内となるのだし、話し方がかわるが気にしないでくれ」
その言葉に誰からも反論はなかった。
「本題に戻るが、正直まだ何にも無い。
会社なら資材調達部があって、船なんかを用意すんだが、ほら、俺らはあれだろ」
そう言うと、タズサは他から見えにくい様に頭の上に見えるであろうプレイヤーのマークを指差す。
「そんな訳で、ちょっとした紹介状もあるからスラムにあるジャンク屋に行こうと思うんだが、どうよ?」
「確かに元々は、自分が購入するんだったな。
とりあえず、現物があるかだけどそれは心配無いのか?」
タズサの問いに答えたのは、コロロだった。
「現物は有るらしいな、軍の横流しも含めて。
会社の資金もあるから揃えても良いが、自分好みに改良すんなら、自己資産にして船主の方がいいんじゃないか?
事務に言って補助金位は給与に出すぞ」
タズサがそう言うと、コロロは考え始め、その隙間[すきま]を縫[ぬ]う様にバファリンが話し始める。
「俺らは、船に乗せて貰えるんだろ?
LV上げは機関の面倒見るなり、修理でもしてれば上がんだろ」
バファリンがそういい終えると、既に話していたのののののとリツコが頷いた。
「そうなるな。
今の所、俺は、っとキャラ作りにガデム風に儂としとこうか?
儂は自分の船を持つし可能なら会社でも1隻は余裕持たせるつもりだからな。
コロロが、会社のを使うにしろ現状だと最大で3隻になるな」
「なら、問題ねぇ。
キャラ作りとか馬鹿みたいだが、見た目道理だしな、好きにすれば良いんじゃないか?」
バファリンは、人を喰ったような笑みを浮かべそう答えた。
その後、キャラ作りについて雑談をしていると、コロロが話しかけてきた。
「ジャンク屋にどんなのがあるかと品質が信用出来ないから、会社支給でお願いしたい」
「わかった」
コロロの答えに、タズサは即答する。
しかし、その答えの早さにコロロは驚いた。
「おい!
そんなに軽くていいのか?」
「さっきも話していたけどな、余剰を持つつもりだからな、気にすんなよ。
だけどな、勝手な改造は出来ないからな」
コロロの問いかけに、タズサが答えるとコロロも頷き返す。
(そういえば、開始からもう3日経ってるんだよな。
何で、食うに困るまで仕事が無いんだ?
・・・・・・リンはわかる気がするけど)
不意に、タズサは彼女、彼らが所属を決めていなかったのか気になり問いかけた。
「儂は初日に実験台になって、翌日に起業した訳だか、皆はどうして軍なり会社に入らなかったんだ?
あ、リンは大体想像出来たからいいや」
その問いかけに、それぞれ渋い顔を浮かべる。
「てめぇ、俺は分かるってっ。
はぁ・・・・・・。
まあそうだな、そうなるよな。
初日に襲われた後よ、斡旋所みたいな所に行ったら、お子さま扱いでな。
その日は、なけなしの金で飯かって、公園で寝泊まりよ。
翌日は、軍に仕官しに行ったら、補導されて朝までお泊まりよ。
どうも、スラムの連中に眼をつけられていたらしくてな、変なオヤジの隙をついて逃げたんだわ。
んで今に至ると、大体こんなもんだな」
問いかけに反応したのは、バファリンが最も速く、最初こそ勢いがあったが直ぐに淡々と話した。
(あ、想像道理だわ)
タズサと共感したのか他の面々も、納得の表情を浮かべる。
「企業はともかく軍は、絶対無理ね。
私も最初、企業の面接をしたのだけと既に採用枠が埋まっていると言われたわ。
そして、軍にも行ったんだけど、女性は募集していないとあっさりしたものよ。
まあ、私達の同輩が枠を埋めたんでしょうけどね。
仮に枠があっても、教授や博士号でもないと、開戦前の今の大事な時期に、後ろ楯なしではどこも受け入れないでしょうね」
他の面子も同じなのか、頷いた。
「一応聞くけど、軍服着ているコロロも同じなのか?」
タズサは、頷いたコロロが軍服を着ている事に違和感を感じ尋ねた。
「ああ、あっさりと除隊されたよ」
それ以上話したく無いのか、コロロは口を閉じた。
「そうなると、以外に潜在的なニートになってる同輩がいそうだな」
タズサがそう言うと、皆が頷いた。
(とりあえず、金稼ぐためには整備士やら、機関員、兵卒に操船が出来るやつとかの人員確保だな)
「んじゃ、人員確保と船を買いにジャンク屋に行くか!」
そう言って席を立つと、全員が後に続いた。
誤字報告や感想をお待ちしています。
プレイヤーやモブ名等の募集は表立ってはやりませんが、メッセージ又は感想内の中で頂ければ、検討します。
ジークジオン!