※この作品はR-18です。

仮)好色平凡な中年オヤジがガンダムワールドを行く   作:触手スライム

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2016年6月24日 ココロをコロロに修正しました。


第4話 出航

 宇宙コロニー。

 それはラプラス事件を含めて幾多もの事故、事件により脆弱性が指摘されるも、建造され続けた。

 そして、独立を目指すジオン公国により、廃棄とされていたコロニーも生産性向上の為に整備され利用され始める。

 153番コロニーも数ある再生コロニーの1つで、サイド建造初期のコロニーであるが利用され続けていた。

 

 そんな中、153番コロニーの周辺宙域に浮かぶ宙ドッグにて、2隻が整備を終えようとしていた。

 

「やっと、整備が終わるか」

 2ヶ月の重みを含んだタズサの呟きは誰に聞き取られるでもなく、宇宙服のヘルメット内に留まった。

 

 タズサが乗船 しているのは、スラムで手に入れた問題のある船で、口の悪い乗組員ではスクラップ級ともよばれていた。

 手に入れた船を、始めて小型艇から見たときには、部分的に外装がはがされ、アームもなく、内部も船橋も言うに及ばず、ベッドも無くなっているというありさまであった。

 船籍を抜かれたのも、さもありなんということで宙ドッグに係留すると、補充資材をもとに、リツコ、のの、バファリンに整備を頼んでいた。

 なお、改修も含んでいた為か、のの、バファリンの2人が艦船基礎技術LVを1つあげた。

 

「船長。

 本船の整備は予定を超過しましたが終了しました。

 また、あらためて管理局に船を登録しましたので、航行可能です」

 そう報告をしてきたのは、ブリシア・エメリーである。

 

「ああ、ありがとう。

 ところで、本当に副長を?」

 タズサが、そう尋ねるとブリシアは困ったような表情を浮かべる。

 

「ええ、ザビ家の面倒な女に目をつけられましたから。

 できれば、取引は無効にしておいて頂きたかった」

「それは、すまない。

 まさか、あれがそうとはおもわなかった」

 タズサが思い起こすのは、パネル越しに見た女の姿。

 全ての取引の後、コロロから憶測ではあったが、キシリアであろうと言われた時には血が引くのを感じた。

 

(あいつらは、面白がって勇者だとか言っていたけどな)

 

「船長。

 姉[ねえ]さんから通信です」

 スラム出身のクルー、特に女性ばかりとなった船橋の通信担当から、声が掛かる。

 

「わかった」

 そういいながら、パネル脇の通信ボタンを押す。

 パネルに出たのは、シーマ・ガラハウであった。

 彼女は、先発の人員をまとめる為に志願したらしく、部下を含めて上船していた。

 そして、今はMS部隊の指揮官としてシミュレーター訓練にいそしんでいるはずであった。

 

『船長。

 こんなことは言いたくないが、本当にあのシミュレータは正気なのかい?』

「もちろんだとも。

 もっとも、レベルが上がるとより難易度があがるようになっていると聞いている。

 どこまでいったんだ」

 タズサの答えに、まとめていた髪をかき上げたシーマの背後にシミュレータが見えたことから、

実機はメンテ中で、おそらく改装したレクリエーション部屋に設置したシミュレータで訓練をしていたのだろうと予想できた。

 

『単機ならランクB、チームだとランクCだよ』

 始めた当初は、単機ランクEだったことを考えれば凄まじい速さであった。

 

「さすがだな。

 連邦艦隊戦とルウム攻略戦まで行ければと思っていたが、その単機レベルだと、デブリ地帯を超えてサイド7まで進んだか

 チームだと、ルウム攻略がまだか」

 

 このシミュレータシステムは、おおよそ揃っている連邦艦艇のデータを基に構築された本来のシミュレーターシステムを基[もと]に、リツコ、のの、バファリンが思うままに、再構築したゲームでもあった。

 そのため、態々[わざわざ]船の中心部に、艦隊旗艦でも保持していないような中央演算設備を設けており、空間情報の集積の為、カメラやレーダーの追加がなされ通常時においては電子戦が可能となってしまった。

 

 チームランクCでの連邦艦隊戦は、月機動から僅かに離れた宙域で、戦闘艦80隻、他艦艇500隻、艦載機200、ボールもどき200機、ジムもどき100機等に対して、味方艦隊と共にミノフスキー粒子下、波状攻撃を仕掛けるという設定である。

 単機ランクBは、サイド7に強行偵察を行い、現れる白いモビルスーツ3機、ジムもどき10機から生還もしくは殲滅を目的としていた。

 

『連邦の想定MSはなんなんだい?

 105mmの撤甲榴弾がはじかれるし、ビーム兵器なんぞ振りまわしてくる』

 シーマは、忌々しいと分かるほどに表情を険しくさせた。

 

「そんなに顔をしかめるなよ、美人が台無しだ。

 それに、シミュレータだからな。

 現実と同じとなるわけでもない、シーマには期待している」

『ふんっ』

 タズサが言い終えると、僅かに赤くなった顔を隠すように通話が切られた。

 

「船長は、ランク上がったんですか?」

 ブリシラは、体を浮かせたまま体重を預けるという高度テクニックでタズサの腕に、やわらかなものを押し付けながらヘルメット同士を重ねてそう囁いてきた。

 

「いや、単機ランクCだが」

「あら、意外と動かせるのですね」

 ブリシアは心底意外そうに、目を丸くさせた。

 

「あくまで、シミュレータだけどな。

 実際に物資搬入や、デブリ掃除をしている彼女達には適[かな]わないさ。

 それにチーム戦だと、僚機にまで意識が向かんから、出ることはあまりない」

「あら、でられるんですか?」

「男の夢[ロマン]だからな」

 タズサがそういうと、面白かったのか声を出しながら微かに笑い始めた。

 それを横目に、船内の状況パネルに目を通す。

 

「僚艦のコロロ船長を呼び出してくれ

 通信はこっちでとる」

「わかりました」

 

 コロロには、整備の必要がない標準貨物客船”べんてんまる”をまかせていた。

 また、機関長兼整備長としてバファリンを配置したが、当初は全員が”べんてんまる”で寝泊りしていたので、部屋が物理的に分かれたのはつい数日前であった。

 

『お呼びですか?』

「こちらは、もうすぐ準備が整うがそちらはどうか?」

 パネルに出たコロロは、何処から手に入れたのかベレー帽に何かの制服を着ていた。

 

(以前の公国軍の制服は紛らわしいからと辞めるのを進めたが、結局コスプレに見えてくるな、これ)

『パイロットが、そちらにいっているから、戻り次第出航可能だね』

「わかった。

 最悪シャトルで送り返す。

 しばらくは、本回線をオンラインにしておいてくれ」

『了解』

 タズサは、通信を切らずにそのまま船内用に切り替えた。

 

「これより、本船”初雪”は”べんてんまる”と共にグラナダに向け出航する。

 予定出航時間は、6時間後。

 それまでに、最終物資の積み込み、各部チェック怠るな。

 あと最終便にお客がくるから、猫被って対応しろ。

 以上だ」

 

◆◇ 7時間後 ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 本来出立しているはずの船”初雪”は、いまだに153番コロニー宙域にあった。

 

「遅れているか」

「処女航宙[こうかい]ですからな」

 

 タズサの目の前には、赤毛の髪にウイッグをつけたのか長く見える髪を肩口まで流し、意外とスタイルが良い事を伺わせるピッタリとしたビジネススーツのザビ家の女がいた。

 

「たまには、よかろう」

 貨客コンテナの特別席には、キシリア・ザビだけでなくSPとビジネススーツに身を包んだ男がいた。

 キシリアとその男は隣り合って座っており、それは専用シャトルから降りたときに決まっている位置関係であった。

 

「中々によいワインだ。

 チューブというのは味気ないがな」

「ありがとうございます。

 それでは、指揮を執りますので何かあれば他のものに声をかけてください」

 

 その言葉を最後に、タズサが部屋を出ると一般席には100名を超える随員がひしめいていて、添乗員役をしている女性が、歩き回っていた。

(あー、あれはトップかな?

 かわいいなぁ)

 はち切れんばかりの胸が、動くたびにゆれ、それを目的に男連中が給仕を頼む様子をしばらく見ていると、トップと目が合う。

 彼女は一応、パイロットであるが添乗員係を兼務しているのでおかしくはないし、VIPへの挨拶をしていた自分が出てきてもおかしくは無いが、殺気を覚えたタズサは客室を後にして、船橋へと戻った。

 

「それで、状況は?」

 タズサはシートに戻りながら空中をすべるように問いかける。

 

「全て完了しています」

「なら、アナウンスをだして船を出そう。

 ”べんてんまる”にも連絡してくれ」

「「「「はい」」」」

 打てば響くとばかりに、ブリシアとの話が終わると、最後は全員からの返事で締めくくられた。

 

 やがて、官制局からの許可が出ると、予定航路にあわせて船が滑り出す。

 

「ようやく、出航できたか。

 機関トラブルはもうないといいが」

「まったくですね」

 この船は、出港時に機関トラブルを起こしていた。

 そもそもが、本来の機関とは異なるアポジモーターが3連式の巡洋艦向け機関であったことから、無理に接続したことの代償であるのだが、最初の客が問題となっていた。

 

「各部に問題は?」

「食堂で喧嘩、シャワールームで行列、馬鹿部屋にてシーマ隊が卑猥な物を見つけたため焼却だそうです」

 

(あ、見つかったのか。

  ”ツンツン上官に乗ってね”とか”秘書のひしょち”シリーズ好きなんだが)

「喧嘩の仲裁にシーマ隊を、行列にはブリシアが行ってくれ」

「庇われるんですか?」

 ジットリとした視線が船長席へと向かう。

 

「個人の所有物なぞ、後でいい。

 客を乗せているのだし、客も利用するんだから衆目を気にもする」

「わかりました。

 では、後日船長の部屋に調査に伺わせていただきます」

 そういうと、ブリシアは船橋をあとにした。

 

(ふふふ、甘いのだよブリシア君。

  あれの隠し場所は分かるまい)

 

 その頃、貨物コンテナを改造したMS用コンテナでは、ランチの邪魔にならないよう、上下壁面にMS-05Bが4機、並べられていた。

 うち、船長用としていた機体は、作業用機体の偽装がされていたのだが整備の為、外されて内部がむき出しになっていた。

 

「ねぇ、これって」

「”無重力のかいかん”、”制服パラダイス”、”ツンデレ娘”、日付入りの”シャワールーム”、これはメモリーデータ。

 船内女性ランキング写真集まで・・・・・・ぎるてぃ?」

「「「ぎるてぃ」」」

 

 その傍ら、本来の整備担当達は縛られていた。

「船長すまねぇ。

 守りきれなかった」

 

 

 

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