高校へ進学…いつの間にか
---イッセー---
留学から戻ると、中等部を卒業していた。通った実感がまるで無いのに、高等部へ進学出来ていた。う~ん…
そして、明日は入学式だと言う。時差ボケが激しい…
「留学は成功だな。戦力も増えたし」
戦力…魔乳エルフは戦力になるのだろうか?僕の腕が谷間に吸い込まれている。ヴァーリの視線が恐い。
「高校進学組は、イッセー、ヴァーリ、レム、シェラ、セーラ、アイズ、ティオナだけかな?」
魔乳エルフを高校へ通わせるのですか?シェラさんは嬉しそうであるが…
「父ちゃん、私は?」
シルキーさんが挙手をした。
「お前は高校に行っても無駄だから、家にいろ」
「無駄?」
「授業妨害するだろ?じっとしてられないんだから」
あぁ、その気はあるな。暴れそうだ。
「う~ん…」
「その代わり、アルベドを好きにしていいぞ」
「本当?それならいいかな?」
両刀な性癖のシルキーさんが、アルベドさんをロックオンしている。
「私を調教?有り得ない。逆に調教してあげるわ」
どっちが主導権を握るのだろうか?興味がある。
「デミウルゴスは、この世界の悪魔の住む冥界へ行ってもらう。この世界の悪魔を研究してきてくれ。ただし、殺すな、ボコるなよ。問題を起こすには時期が早すぎる」
いずれ、問題を起こすのか?
「わかりました。まず、仕組みと戦力を探ってまいります」
「戦闘メイド達とセバス・チャンは、別件に来て貰う。必要があれば、ここに遠征もさせるがな」
いや、これで戦力は充分な気がする。
「でだ、ヨハネ眷属のメンバーは、
『王』イッセー・ヨハネ
『女王』ヴァーリ・ルシファー
『戦車』デミウルゴスとアルベド
『僧侶』セーラとシルキー
『騎士』ヴァイオレットとエリカ
『兵士』シェラ、リトル、フィアナ、魔王リアス、アイズ、ティオナ
だ。綺凛ちゃんとアスナは、任務があるので貸せない。その代わりにエリカを貸す」
この世界では、最強レベルでは無いのか?シェラ以外、猛者ばかりである。シェラはメンバーに入った事に喜んでいるが…この人、戦えるのか?
そして、入学式の準備…問題が発生した。魔乳が入る制服が無いらしい。
「えぇぇぇ~!通えないのぉぉぉぉぉ~!」
泣きじゃくって、シュウさんを困らせている。
「う~ん、盲点だったよ。そうか、爆乳よりもデカいのか…しょうがないなぁ」
シュウさんは、シェラ専用の制服を創造した。着れば胸の大きさを調整してくれるらしい。なので、学校での着替えは厳禁とされた。体育は見学決定である。プールも無理だろう。水着が無いし…
「うん、運動は苦手だから♪」
ますます、戦えるのか疑問である。
「シェラの攻撃方法は狙撃だ。こう見えても弓使いではトップクラスの実力だ。拠点防御タイプだ」
移動しての攻撃は無理なんですね。
「まぁ、戦況次第では、シオン、ユウキ、リーファを貸し出す」
借りるような敵がいたら、それはラスボスだと思う。
◇
そして、入学式。リアス、ソーナさん、朱乃さん、椿姫さんは1年上らしい。
「イッセー君、お久しぶり。随分と逞しくなったわね」
って、朱乃さん。
「鬼に鍛えられましたから」
「その腕に付いているのは、アクセサリー?」
シェラの魔乳の谷間に、腕が吸い込まれていた。
「いえ、一応眷属です…誰かの腕を抱いていないと、落ち着かないらしいです」
「ふ~ん、そう」
朱乃さんのいるような視線を受けても、いつも通りのシェラ。強心臓だな。
◇
入学式が無事に終わり、教室へ向かう。仲間は皆同じクラスである。いや、同じクラスでないと、マズいからだろうな。一応、ヴァーリがリーダーではある。
「なぁ、俺の眷属になれよ!」
柄の悪い上級生達が、教室に入ってきて、品定めを始め、魔乳エルフのシェラが目に入ったようだ。
「私、イッセー君の眷属ですよ」
「イッセー?知らない奴だな。そんな奴はやめて、俺の眷属へなれ!」
いきなり悪魔の駒を取りだし、了解を得ずにシェラへ入れようとしている。これは違法である。
パリン!
だけど、駒が割れた。
「クソだな。お前は!」
セーラがキレている。ダイヤモンドダストで狙撃して、破壊したようだ。
「貴様が、俺の駒を破壊したのか?」
「そうだとしたら?」
「おい!コイツを調教しようぜ!」
あぁ、知らないよ。1分掛からずに、先輩達を戦闘不能にしたセーラ。
「ふん!こんなにも弱いのに、私を調教?そもそも、そんなマネしたら、お父様が許さないわよ!」
きっと、理事長を土下座させているのでは無いか?既に…
◇
ホームルームが終わり、祐斗がやって来て、僕達を旧校舎へと連れて行った。リアスの学校での拠点だと言う。
「ようこそ、オカルト研究部に♪ここはイッセー君達も、自由に使っていいからね」
って、角が丸くなったリアス。この旧校舎全部が、表向きはオカルト研究部の部室だそうで、部長はリアスで、部員は朱乃さんと祐斗だけ…小猫ちゃんとギャスパー君はまだ中等部だそうだ。僕達も、ここを利用したいので、入部した。
「で、何をするクラブ?」
「拠点としての機能と、作戦会議室のような場所なの」
実質のクラブ活動は無いのか?
「イッセー君、剣術や柔術の鍛錬は出来るよ」
って、祐斗。確かに、部屋は一杯ある。
「お手合わせを頼めるかな?留学の成果を見せてくれるかな?」
って、祐斗が、祐斗専用の木刀を手にした。じゃ、僕も、僕専用の木刀を手にして、構えた。結果、僕の圧勝だった。気づかない内に、僕はスキルアップをしていた。瞬動術の速さも剣術の速さも向上していたのだ。
「僕が何も出来無いとは…鍛錬を怠った訳では無いのに…」
悔しそうな祐斗。
「留学の成果だ。祐斗も夏休みとか、一緒に留学するか?」
「いいのか?」
「シュウさんに頼んでみるよ」
弓道の練習も出来るらしい。シェラが練習をしていた。確かに、正確無比な命中精度のようだが…
「イッセー…疲れたよ~」
って、腕が吸い込まれて行く。コイツ、体力不足か?胸に栄養を取られすぎか?でも、朱乃さんの運動量は激しいよな。
「シェラ、朱乃さんのように、動ける巨乳になってよ」
「う~ん…」
唸るシェラを朱乃さんの元へ連れていく、鍛錬をお願いした。
「いいわよ。虐めがいがありそうね」
「イッセー…この人、恐いよ~」
って…強心臓ではあるが、甘えん坊でもあったのか。これはこれで問題ではある。
「そう言えば、ホームルーム前に先輩達がシェラに駒を入れようとしてましたが」
と、朱乃さんに報告した。
「校則違反ですね。学内でのスカウト活動は、禁止されていますから」
「スカウト活動って、了承を得ずに出来るんですか?」
「ルール上は出来ないけど…」
けど、しているのか…
「避ける方法はありますか?」
「生徒会に報告とか先生に報告とかありますが、効果は少ないですよ。今日は、どうやって、切り抜けましたか?」
「セーラがキレて…」
「あらあら、暴力的ですねぇ。そうなると明日辺り、報復されるかもしれないですよ」
報復か…
「イッセー、ココナツサブレは?」
僕の中からクルムが出て来た。カバンから、ココナツサブレを出し、餌付けを始めた。
「彼女は?」
「僕の中に住んでいる、異世界の魔王ですよ」
「イッセー君の中に住んでいるんですか?」
朱乃さんが驚いている。まぁ、こんなマネ出来るのは、僕とシュウさんくらいか?クルムは美味しそうにサブレを食べている。そうだ♪
「鳩サブレがあるよ。食べるかい?」
頷くクルム。美味しそうにパクついている。
「かわいい…」
小猫ちゃんがクルムを抱き抱えた。クルムは気にせずにパクついている。レムは小猫ちゃんの傍にいる。近い種族なので、仲良しらしい。
アイズ、ティオナは祐斗と、剣術を鍛錬している。セーラは、戦術の勉強のようだ。この旧校舎には資料室があり、そこから読みたい書籍を持って来たようだ。
みんな、それぞれ、能力向上を目指しているようだ。
◇
翌日、ホームルーム前、先輩達の一団がやって来た。報復のようだ。
「昨日のようにはいかないぜ!ゼファードル、あの女だ」
「お前か?俺のダチ達ををリンチした1年とは?」
セーラの前にチャラ男が立ち塞がった。
「だったら、何?」
「確かに口の利き方がなっていないな」
ゼファードルと呼ばれたチャラ男が、セーラの胸倉を掴もうと手を出してきた。僕は咄嗟に瞬動術で、ゼファードルの懐に入り、腹部に掌底を叩き込んだ。
「うごっ!」
吹き飛ぶゼファードル。
「勝手に僕の眷属に手を出す事は許さない」
セーラを護るように彼女の前に立った僕。あれ?軽く叩き込んだのに、吹き飛ぶとは…
「貴様…何者だ!」
「イッセー・ヨハネ、ヨハネ眷属の王だ」
「ヨハネ?訊いたことの無い家柄だな」
「そう、じゃ、ルシファーならどうなの?」
ヴァーリが僕の隣に立った。
「ルシファーだと?」
目の色が変わった先輩達。
「ヴァーリ・ルシファー、ヨハネ眷属の女王だよ」
「ルシファー家だと…滅んだはずだ。この嘘吐き女め!」
「聞き捨てならないわねぇ。私はセーラ・シトリー・鬼門、ヨハネ眷属の兵士よ」
「シトリーだと?お前みたいな奴はいない!」
売られたケンカ…ここで引くわけに行かない。
「何をやっているの!」
ソーナさんがやって来た。僕達のことを理解しているから、ここで終われるかな。
「これはどういうこと、ゼファードル!」
「あぁ、ソーナか。あの女がシトリー家を名乗ったんだ。おい!お前!ソーナの前でもシトリー家を名乗れるのか?!」
「えぇ、私の名前はセーラ・シトリー・鬼門。売られたケンカは全量買い取りよ♪そうですよね、ソーナか…さん」
セーラがソーナさんを母さん呼びそうになり、トーンダウンした。でも、ソーナさんも気づいたのか、すぐに助け舟を出してくれた。
「そうねぇ。ゼファードル、謝るなら許して貰えるように交渉するけど、どうする?」
「どういう意味だ、ソーナ」
「彼女はシトリー家の血筋の者。それを侮辱するのであれば、それなりに対処します」
「シトリー家に、あのような者はいないだろ?どういうことだ!」
「そこまでだ!」
騒ぎが大きくなり、サイラオーグさんがやって来たようだ。
「う~ん、由々しき事態のようだな。イッセー、仲間達を落ち着かせてくれないか?」
「先輩達の方が先です。こちらは、防御側です。悪魔ということで、なれ合うのであれば、サイラオーグさんと言えども、戦います」
買い取ったケンカで、少しでも引いたら、参加者全員が躾けられてしまう。連帯責任って奴だ。だから、相手が誰であろうと引けない僕達。鬼から躾は受けたくないから。
「あぁ、そういう教育方針だったねぇ、彼は…う~ん、ゼファードルよ、引いてくれないか?どうしても彼らとヤルと言うのであれば、俺が相手をするぞ」
「何?サイラオーグ、お前はアイツらを味方するのか?」
「あぁ。俺はイッセーのガードに立候補しているのでね」
僕の前に立ち、先輩達を睨みつけるサイラオーグさん。
「貴様…ただで済むと思うなよ!」
捨て台詞を吐き捨てたチャラ男。だけど、次の瞬間、チャラ男はズタボロな姿になって倒れた。
「僕の娘を調教するだと?ふざけるなよ、クソ悪魔共よ!」
鬼がキレて、やって来た。
「師匠…学校での問題は、私とサイラオーグで対応しますから、ここはひいてください」
ソーナさんが、鬼に懇願した。
「そうか…じゃ、帰る」
鬼は帰っていた。
◇
その日の夜、サーゼクスさんが供物を添えて、鬼に謝罪をしにきた。
「供物は受け取らないよ。今後、介入出来なくなるから」
珍しく、供物を拒否した鬼。それだけ、キレているようだ。
「生徒達にはより一層、教育をしていく。だから、学校で暴れないでくれ」
「はぁ?娘を調教するって言ったんだぞ。許せるか!」
「いや、だから…アイツらには厳重に注意した」
「効果無いんだろうな。だって、シェラの許可無く、駒を入れようとしたそうじゃないか。あれって、禁止事項だろ?それが学校内ではまかり通るって、どういうことだよ?」
「ルールを徹底をする」
「だから、出来ていないだろって、言っているんだよ。そもそも、サーゼクス、お前は舐められているんじゃないか?」
「否定はしない」
「おい、否定はしろよ」
苦笑いする鬼。
「悪魔至上主義が台頭してきた感じだ。他種族の者は、悪魔の下僕であると…悪魔はルールに縛られないと…」
「その主義の魔王が産まれた時点で、ラスボスと認定する。覚悟はしておけ」
鬼は、そういうと奥へと下がっていった。僕達の最終の敵は悪魔なのか…