---不動明---
美樹が美味しそうに子羊の肉を喰っている。血が滴っている。新鮮な子羊の肉である。あの日以来、俺達の生活が一変してしまった。俺に宿る悪魔、美樹に宿る魔物は、人間の食事を受け付け無い。神々が食べていた子羊の肉を貪ることを夢見ていた2体の人ならざる者達。
「明も食べる?」
「あぁ、頂くよ」
俺も美樹の近くへ行き、子羊の肉を口にした。確かに美味しい。人間だった時は、食べようなんて思わなかったが…こんなにも美味しい肉だったのか?
「1週間くらい保つかな?」
美樹が独り言を呟いた。食べきったら、狩りに行かないとダメだな。
---飛鳥了---
「アザ坊、久しぶりだな。まさか、お前が堕天使の総督になるとはなぁ」
俺はサタンの姿になり、堕天使の総督を訪ねた。
「サタン…封印されていたはず…」
「欲深き人間達により、封印は破られたのだ」
「なんて、バカなことを…」
「そこでだ、お前の組織をもらうぞ。これからの活動の先兵として、使いたいからな」
「何をする気だ!」
「お前は知らないでいいことだよ。今、殺すからさぁ」
目の前で燃え上がり、灰になっていくアザゼル。この住処ももらうか。人間界の拠点に出来そうだ。
次に、冥界にある堕天使領を制圧した。非戦闘員だけだったので、簡単に奪えた。次は、悪魔領に拠点を得るか。
記憶を甦らせ、魔界との辺境にある朽ちた城に入城した。俺の能力を使い、城をそれなりの物に改築させておく。この星の統治者になるのだから、それなりの城である。
この城は、悪魔の勇者アモンが恋人であるシレーヌと共に暮らしていた城である。アモンはゴッドと呼ばれる神を倒して、悪魔の英雄になった男である。元72柱のアモン家の初代であった悪魔である。
俺、アモン、シレーヌは、魔界の三賢者と名乗り、気にいらない神々を倒していった。だが油断があった俺達は、初代ハーデスとインドラにより封印されてしまった。あの洞窟の中で…いや、封印された時は洞窟ではなかったが。初代ハーデスは、道連れにして屠れたのだが、インドラの奴が…アイツを倒すことが第一の目標だな。
どうやって、苦しませて殺すかな?人間にやらせるのも手か…
アザゼルの部屋に戻り、現在の状況と、現在の勢力図を調べた。なになに…俺達が封印された後に、4大勢力戦争が起こり、痛み分けになったと…悪魔、天界、堕天使、魔人が戦ったのか…神メイビスと魔王ルシファーは差し違えたのか。そうなると冥界と天界の戦力はガタ落ちだな。ふふふ♪
魔人は人間との交配を進め、今は人間として暮らしているのか…、ますます好都合だな。アイツらは倒すのが大変だったが、そうか、今は人間なのか。殲滅してやるか。
堕天使はトップを消したから、問題は無いな。残るのは人間だけ…まぁ、食料だし。牧場で繁殖していくか。