---シュウ---
Dr.ジェイル・スカリエッティと娘さん達を、僕達の家に移動してもらった。
「ここが、君達の本拠地かい?」
ドクターは興味深そうに、色々な物を見ている。
「えぇ、ここが心臓部です。ここなら、娘さんたちもゆったりとできると思います。平和な世界ですから」
「平和?そうなのか?」
「はい、悪魔も天使も堕天使も争いをしていません」
「なぜ?異種族なのに、共存出来るのかね?」
「ここが共存世界の中心ですから。この家から、それぞれのトップのところへダイレクトに行けます。争いになる前に、直接文句を言えますから」
僕の部屋に、ドクターを招きいれた。
「ここが僕の部屋です」
「殺風景だな?」
机と椅子とベッドと本棚しかない僕の部屋。
「自宅は別にありますから。ここはみんなと暮らし、お互いを磨く場所ですから」
「そうなのか」
「ところで、ドクターはテロ行為で別世界で投獄されていましたが、どうやってあの世界に辿り着いたんですか?」
「娘達と脱走したのだが、途中で空間の歪みに落ちてしまったんだ。気づくとあの世界で、手に入った物でメカを作っていたら、あの計画にスカウトされてね」
「スカウトされたのに、なぜ投獄されていたんです?」
「協力を拒否したからだ。計画の内容が生命を作ることにあると知り、彼らの目的は娘達のISにあると分かったから。わたしは生命を作りたい訳ではないんでね。テロリストではまずいかな?」
「いえ。僕もテロリストでしたから」
「君が?」
ドクターが驚いている。
「天界でクーデターを起こして、主導権をもぎ取りました」
「神にケンカを売ったのか?」
「神と偽っている者にです。創造神、絶対神は僕の家族ですから」
「神が家族…君は何者だ?」
「僕は鬼と天使のハーフ、禁忌でイレギュラーな化け物です」
「化け物…見えないけど」
「仲間には見せませんよ。おぞましい本来の姿はね」
「それは見たくないな」
「この世界では、ドクターは好きな研究をしてください。娘さん達とも基本ここで暮らしてくださいね」
「対価はなにかね」
「絶対神からの依頼をこなすのに、必要な物を作って下さい。あと、注意事項ですが、この世界で問題は起こさないでくださいね。もし、起こしたらお仕置き対象ですよ」
「お仕置きは嫌だな。わかった。この世界ではのんびり研究を楽しむよ。それより、あの計画を潰すの先かな」
「ドクターの目から見て、あの計画はどうですか?」
「つまらん研究だ。表情が少なく個性がない。単なる動く人形だよ」
「ドクター、こういう物って作れますか?」
僕は、ドクターに『超時空要塞マックロス』のビデオを見せた。
「う~、興味深いメカだな。作れないことはないと思う」
「今すぐに必要って訳でないんですが、あったら便利かなと思うんです。ベースキャンプを一々作らないで、コレで移動できるといいなぁ的な」
「少しずつ、設計してみるよ」
---スカリエッティ---
与えてもらった研究室兼自室で、必要な物をリストアップしている。さっき見せてもらったビデオのメカの設定資料を貰ってきたので、机の上に山積みにしてある。
そこに、ナンバー1番のウーノがやってきた。
「彼の事をどう思うかな?」
「解析が不可能です」
彼女が困ったような表情をしている。初めて見る表情だ。
「彼について、分かったことは、魔物で最強の鬼族の跡取りである。ヨハネの黙示録の作者の末裔であること。禁忌な組み合わせにより、イレギュラーな生物になったこと。様々なジョブスキルを持ち、夢幻無限無間の体現者にもなったこと」
「ちょっと待って。夢幻無限無間の体現者って何だ?」
「膨大なデータが押し寄せて来ます。これ以上は、私の思考ではオーバーフローします」
ウーノはオーバーフローして、固まってしまった。時間旅行が可能な能力っぽいな。なんか凄いなぁ。娘達と交わってくれないかな…
---百代---
武神といわれた私が弄ばれている。確実に拳や蹴りが入っているはずなのに、まるで効かない。相手の攻撃は鍛えようのない場所ばかりを狙ってくる。
「あぅ…」
乳首を指で弾かれた。
「うっ…」
両方の乳房を握られて、そのまま投げ落とされた。
「いゃ…」
クリ●リスに指パッチン…
「どうしたよ。武神なんだろう?」
「鍛えた腹筋とかに撃ち込んできてください」
「はぁ、実戦では相手の弱い部分を狙うのがセオリーだろう?」
いや、そうなんだけど、狙いが惨い場所ばかりだろう?
「わかった。水鉄砲ならいいかな?」
中の液体が赤いんですが…まさか…
「モモよん、正解!鉄砲の弾を弾き返すんだよね。水鉄砲くらいなんともないよね?」
道着をきっちり着込み、液体が入らないように準備し…
「痛っ…」
「組手中によそ見するからだよ」
道着の布地の薄いお尻の穴狙いやがった…
「おい、教師ならまともに攻撃してこいよ」
「僕は、通りすがりの園長の旦那だから、教師ではない」
こ、こいつ…
「勝負にならないと思うけど、本気で戦っていいの?」
「本気?望むところだ!」
「ウルティマウエポン」
身体中を激痛が走り抜けて、目の前が真っ暗闇に染まっていく。あぁ、死ぬんだな…
気が付くと、医務室にいた。
---兵藤一誠---
百代とシュウは毎回、不毛な組手してんなぁ。百代も気づくべきだ。シュウとの組手で勝ちはないことを。勝てないけど、耐久力は少しずつ上がっているのは確かだけど。
「一誠、たまには組手する?」
「俺はサポートタイプだ。組手よりも逃げ回る技術の方を極めたいんだ」
「そうだよな」
おい、納得するなよ!
「あっ、お~い、ビビリ~。組手しようよ」
サイラオーグさんが逃げ回っている。教師陣を苛めるなよ。
---イッセー---
シュウさんが学校に来ると、賑やかだ。普段は威張っている先生達が悲鳴をあげて逃げ惑っている。普段は相手に不足している百代が、医務室送りになるのはお約束。
でも、僕とヴァーリには、ちゃんと指導をしてくれる。
「ヴァーリが時間を稼いでいる間に、イッセーが倍化しきれ。ヴァーリは時間を稼ぎながら、相手の能力を半減しまくるんだ」
「「はい」」
「禁手化の状態で、アガレス領を1周してこい。異変があったら、すぐに知らせる事。いいなぁ。自分達で対処しようと思うな。些細なことでも指示通りできないヤツは、僕のチームにはいらないから」
「「了解です」」
僕とヴァーリで、見回りに出かけた。禁手化の状態での飛行。楽なようで楽でない。まだ、充分な体力、魔力がない僕らでは、オーラの配分を間違えると1周しきる前に、禁手化が解けてしまう。油断は禁物な修行だ。
なんとか、1周できた。ヴァーリは宿舎へ、僕はシュウさんと家に帰った。
家に帰るとヴァイラさんが困った表情をしていた。
「シュウ、隣のバカ親が、お詫びだって料理をたくさん持ってきて、勝手に酔っぱになっているのよ」
「はぁ…また、バカ親かぁ」
リビングに行くと、いい感じになっている神王のおじさんと悪魔王のおじさん。それを見て蒼い顔をしているシアさん達4人。
「おい、そこの4人。学校へ行って勉強しろよ」
シュウさんのオーラは冷たい。今日は怒っているみたいだ。
「あ、あのう。イッセー君と同じ学校に通いたいです」
「通ってなにをしたいんだ?遊ぶ場所でないぞ。編入してもイッセーと同じクラスにはなれないが良いのか?」
4人は顔見合わせている。
「私はそれでも良いです」
シアさんがシュウさんの目を見て返事をした。シアさんに、続いて次々と意志を告げていった。
「そうか。ヴァイラ、コイツらを学ばせてやろうよ。但し、寄宿舎で生活だ」
前触れなく4人を強制転移させた。
「ヴァイラ、ソーナに連絡して、4人を寄宿舎に住まわせてやってくれ」
「了解!」
ヴァイラさんは家の奥へと消えた。
「さて、こいつら、どうしようかな?ふふふ」
料理とおじさん二人を、どこかに強制転移させた。
---神王ユーストマ---
なんか寒いなぁ…ヴァイラさん、クーラーが強すぎま…え?ここはどこ?
骸骨達が料理をむさぼっていた。
「神ちゃん、ここって冥府じゃないのか?」
そういえば、ハーデスのようなヤツがこちらを牽制している。
「まー坊、帰り方はわかるかな?」
「なんとか…」
まー坊と二人、トボトボと家路へと歩いた。
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家に帰ると、隣の家からとんでもない額の請求書が届いていた。なんだ。この額は…内訳をみると、『アウロス学園入学金、特別寄付金、授業料金、教材費、寄宿舎費用、食事代金etc.』
「サイネリア、これはなんだ?」
「娘達の念願が叶って、入学の許可が下りたそうよ」
「いつから通うんだ?」
「寄宿舎で生活するのよ。セキュリティ上、通学は認めないって」
「おい、シアちゃんとキキョウちゃんに毎日会えないじゃないか」
「しょうがないでしょ?無理矢理、娘達のわがままを、通してもらったんだから」
「毎日、俺が通学するか」
「やめなさい。殺されるのがオチよ。あっ、お金は明日までに払ってって」
「え?こんなにいっぱい?」
「二人分なんだからしょうがないでしょ」
これは暴利だぁ…文句を言わないと。俺は、隣の家に乗り込んだ。家に入ると、まー坊が既に屠られていた。
「おい、まだ何かあるのか?」
家人はかなり激高していた。まー坊、何を言ったんだ?
「お前も踏み倒すつもりか?王様達は教育には金を払わないっていうのが、この世界のルールか?」
踏み倒そうとしたのか…まー坊…次の瞬間、目の前がブラックアウトした。
---シュウ---
「と、いう訳だ。サーゼクス、工面してくれ」
ベースキャンプに移動して、悪魔王家の分をサーゼクスに払わせようとした。
「僕はここに匿われている身だよ。お金は持っていない」
「誰に言えば、出してくれるかな?」
「冥界での金庫番は…セラフォルーかな?」
僕はセラフォルーさんの家に転移した。
「え?なんで、私が払わないよいけないの?」
事情を話して、取り立ての話をしたが、納得してくれない。
「あっ、そう。払えないんじゃ、身体で払って貰おうか」
「なんで?私の身体なの?」
「ファルビウムさんの身体じゃ売れないだろ?」
「私って、どこかに売られるの?」
「そうだよ」
「いや~よ。絶対拒否します」
「じゃ、ここで灰になる?」
「なんで、そうなるのよ」
涙目のセラフォルーさん。
「しかたない、ソーナを代わりに売る事にするよ」
「ソーたんはダメだよ」
「じゃぁ、払ってね」
取り立ての手間賃を追加した請求書をセラフォルーさんの目の前に置いた。
「明日から、授業を受けるので、明日が支払期限です。払わない時は、強制執行を最高神に依頼しますから。事が大きくなる前に払った方がオトクですよ」
僕は家に転移していった。