---イッセー---
「ねぇ、この辺りの地図ってある?」
僕は、ルクシャナさんに聞いた。ルクシャナさんが地図を広げた。
「ここが、ネフテスよ」
現在位置を指差してくれた。地図で見る限り、地形的にはヨーロッパのようだ。イタリア半島もイギリスもあるけど、国名が違った。どういうことかな?まさか、異世界なのか?
そうだ、ナヴィさんに聞いてみれば、分かるはず。返事がなければ、異世界だってことだ。
『今、どこにいるのかな?』
ナヴィさんに念話を送った。
『地中海の海の上だわ…どういうこと?』
ナヴィさんから、返事が返ってきた。ここは異世界ではないみたいだが…
『イッセー、そこはたぶん、ヨーロッパの上空を浮遊しているハルケギニア大陸だ。ハルケギニア、アルビオン、砂漠地帯にあるエルフの国、東方地域という、大きく分けて4つの地域があるんだ』
団長から、返答がきた。
『浮遊大陸?』
『そうだ。空に浮かんでいる大陸だよ。地中海の海の上だと、エルフの国じゃないかな?』
『そうです』
『発育不良のエルフに、魔物召喚という強制転移されたんじゃ…』
ルクシャナさんを見た。
『団長、正解です』
『しょうがねぇなぁ、あのませガキ。僕もアイツにやられたんだ。呼び出した分の対価は、きっちりと払ってもらったけど』
エスプレイは対価だったんですね…
『どうすれば、良いですか?』
『良い機会だから、その大陸を探検してみな。どうしようもなくなったら、助けに行くから、安心しろ』
『わかりました』
団長との念話が終わった。
「団長と念話できたよ。ここは浮遊している大陸で、ハルケギニア大陸っていうんだって」
「え?ここって浮遊している大陸なの?」
住民のルクシャナさんが驚いている。
「もしかして、知らなかったんですか?」
「知らないわよ。ここで生まれ育って、外の大陸のことなんか知らないし」
会話中にドアが開き、若いエルフの男の人が入ってきた。
「なんで、蛮人がこんなにいるのだ、ルクシャナ」
僕らを見て驚いている。
「彼らは蛮人じゃないわ、叔父様。人間よ」
「「私達は悪魔の転生天使よ!」」
って、リアスとヴァーリが同時に訂正した。
「はぁ?悪魔の転生天使だって…なんだ、その種族は…」
ルクシャナの叔父さんに、半ばあきれられている。
「この子は、誠お兄さんと一香お姉さんの息子さんだって」
僕の事を紹介していくれた。
「あの二人の子供か…そういえば、面影があるかな。僕は、ルクシャナの叔父で、ビダーシャルだ。蛮人対策委員会の委員長をしている」
「蛮人って?」
「この大陸の人間のことだ」
「ねぇ、叔父様。この大陸が浮遊大陸って知っていましたか?」
「あぁ、誠達に教えてもらったよ。それで、君達はどうして…まさか、ルクシャナ、また、やったのか?」
「ごめんなさい…」
ルクシャナさんは泣きそうな顔になった。
「この前みたいな目に遭わないで良かったな。もう二度とするなよ」
この前みたいな目?まさか、団長の行為かな…
「あの鬼畜野郎の弟子でもあるんだって…」
ルクシャナさんは泣きながら、そういった。団長…
「あの鬼の…見えざる縁で繋がっているのかぁ。で、君達は今後、どうするんだ?」
「師匠に連絡したら、しばらくこの大陸を探検してみろと、言われました。どうしようもなくなったら、迎えに来てくれるみたいです」
「あの鬼のような者は、変幻自在だったからな。ここには好きな時に来られるのかぁ」
「叔父様、私、彼らと探検をしに行きます。道案内は必要だと思うので」
「そうか…なら、ガリア王国を目指しなさい。誠達と交流があるし、エルフにも寛容な方だから」
「わかりました」
「ここは夜中に出て行きなさい。蛮人は敵視されているから、揉め事になると大変だからね」
「はい」
ルクシャナさんの部屋で、探検旅行の装備を整えていく。いきなりの召喚だったので、僕達は得物以外を持って来ていなかったから。
夜中になり、僕達は、ビダーシャル伯父さんの手引きで、闇に紛れて、エルフの国を脱出した。そして、ガリア王国を目指して歩き始めた。
朝が来て、昼間になると、そこは砂漠、一面が砂漠。日陰なんかないし、飲み水がそこを付きかけていた。ふらふらになりながら、歩く。浮遊している分、太陽からのエネルギーが多いのか、やたらに熱い。所々で、メリアの能力で飲み水を作り、4人で飲んだ。
夕方近くになると、遠くの方に、オアシスのような物が見えてきた。あそこまで、がんばろうと、みんなに檄を入れる。
常日頃、鍛錬をしていないルクシャナさんが、ばててしまった。僕は彼女を背負い、あのオアシスを目指して進んでいく。
着いたのは、翌朝だった。しかも、オアシスは誰かの邸宅のようで、塀で囲われていた。門を探して、塀の周りを歩く。門を見つけて、呼び鈴を鳴らした。
しばらくすると、門番が出て来た。
「旅をしているのですが、少し休ませてもらえませんか?」
門番に伝えた。
「他へ行ってくれ!エルフ連れはお断りだ」
っと、門は閉じてしまった。
ルクシャナさんの容体は良くない。脱水症状のようだ。リアスも限界に近いみたいだ。
「ヴァーリ…」
彼女を見つめた。
「イッセー…そうだな。もう限界だ。人種差別をする奴には容赦しないと思う、団長ならば」
僕は彼女の言葉に頷いた。手の平にオーラを溜めて、『ドラゴンショット』を門に向けて放った。門は粉々に砕け散っていく。
僕達は、門の無くなった場所から、敷地に入っていった。目の前に戦士らしき人が立っていた。
「貴様ら、何者だ?門を破るとはどういう了見だ」
「はぁ?エルフ連れだと助けないって、どういうことだよ」
「エルフを連れた旅人なんってきいたことないぞ」
目の前の者が魔力弾を放ってきた。僕が壁になり、みんなを護る。僕に当たった魔力弾は、僕に吸収されていく。
「何?魔力弾を吸収だと…貴様、何者だ?」
「イッセー・ヨハネだ」
「ヨハネ?…まさか…まさか、あの鬼畜の関係者か…」
団長…ここでも何かしたんですか?
「僕達3名は弟子だ」
「そうか…彼には、この事は報告しないでくれ…我が家で、好きなだけ休養をしてくれて良いぞ」
彼の家に招き入れてくれた。やっと、休める…団長の迷声のおかげで…一息ついて、通された部屋を見渡すと…あれ?ここにも…聞いてみようっと。
「ねぇ、なんで、僕の両親の写真が飾ってあるんですか?」
すると、この家の主が驚いたような顔をして、僕に近寄って来た。
「まさか…誠と一香の息子なのか?」
「はい。僕の本名は兵藤一誠です。今は訳あって、イッセー・ヨハネを名乗っていますけど」
「ちょっと、待っていてくれ…」
主さんが部屋を飛び出して行き、しばらくすると、奥様らしい人と娘さんらしい人を連れて戻って来た。
「俺はサンドリオンで、妻のカトリーヌと娘のカリンだ。君のご両親とパーティーを組んで、この大陸を冒険していたんだ」
「本当に、誠の面影があるわね」
カトリーヌさんの口から感想が漏れてきた。
「誠と一香は元気かな?」
「師匠の元で働いています」
「あの鬼畜の元で?なんでだ?」
「父さんも母さんも、師匠に勝てなかったみたいです」
「人類最強コンビでも勝てないのか、あの鬼畜には…」
サンドリオン一家全員で、驚いていた。
「一撃で屠られたそうです」
「死んでしまったのか?」
「1回だけ。死んで生き返る経験ができたと喜んでいますよ」
「あの鬼畜は蘇生能力持ちなのか?」
「えぇ、神をも超えた能力者です」
「鬼畜なのに?」
「性癖を除けば、すごく良い人ですよ」
っと、団長のフォローをする。
「そうなのか…鬼畜な面しか見ていないからな」
団長、何をしたんですか、この大陸で…
「で、なんで、本名を名乗らないで、鬼畜の名前を名乗るのだ?」
僕は、僕が伝え聞いたことをみんなに話した。ヴァーリ以外の者は、初めて聞く話なので、驚いているようだ。
「地上では、誠と一香が暗殺されたことになっているのか…」
「えぇ。ですので、僕も死んだことになっているので、本名は名乗れないのです。でも団長の母親も暗殺されているので、同じなんですけどね」
「あの鬼畜の両親も暗殺対象だったのか?」
伝え聞いた団長の過去の話を、みんなに話した。話終わったあと、しばらく静寂がこの場を支配した。
「あのヨハネの子孫で、能力を引き継いだ者なのか…生き延びていたとは…」
「あの鬼畜性って、みんなへの恨みとかも入っていそうね」
恨みとかではなくて、あの性癖は純粋に好みだと思います。ははは
「そうか、君はなんか凄いチームにいるみたいだな。これからどうするんだ?」
「この大陸を探検しようと思っています。聞いた話だとガリア王国が、父さん達と交流があったらしいし、エルフにも寛容らしいので、そこへ向かおうと思っています」
「そうか…最近、アルビオンの戦団が、エルフ狩りをしに来ているようなので、気をつけなさい」
「ガリア王国内でですか?」
「そうだ。あまりにも戦力のある戦団の為、ガリア王国は黙認している」
「わかりました。気を付けます」
翌日の朝まで休ませてもらった。あと1日くらい歩けば、砂漠地帯を抜けて森林地帯になるそうだ。出発前にサンドリオンさんに書状をもらった。ガリア王国での処遇を保障して貰える物だそうだ。サンドリオン一家にお礼を言って、壊した門を修復して、出発した。
---サンドリオン---
誠達の息子は創造能力があるらしく、壊した門を元あった物よりも豪華な門に修復してから旅立っていった。
「ねぇ、お父さん。私も戦士になりたいです。彼らのようになりたい」
娘のカリンは、段々と小さくなっていく彼の背中を見て、そう言った。
「なりなさい。その為には、もっと鍛錬をしないといけないぞ」
---イッセー---
夜中になる頃に森林地帯に突入した。これで、日照りとの戦いは終わったなぁ。良かった。
森林地帯を歩きながら、野営を出来そうな場所を探す。その時、大きな声が聞こえた。
「エルフを見つけたぞ。狩りの始まりだ」
「「おぉ!」」
え?見つかったかな?でも気配は遠のいていくんだけど…遠のいて行く気配を追う。
軍勢を見つけたのだが、彼らは小さな家を取り囲んでいた。
「母親エルフは全裸にして馬車につなげろ、子供は王に見せた後に首をはねるから、なるべく無傷で捕らえよ!」
指揮官らしき者が命令すると、一団は家の中に押し入っていった。
「団長だって、そんな惨いことしないぞ…」
僕の中で、何かが沸々湧き出してきた。
「イッセー!」
ヴァーリの叫びにも似た声が聞こえた。でも、僕はアイツらを許せない…意識が遠のく感覚がするも、引き留められた。誰かが、頭を撫でてくれている。
「イッセー、覚醒の時期にはまだ早いぞ」
優しい団長の声だ。
「イッセーの心の叫びは、僕が貰うよ。イッセーを怒りに飲み込ませようとした行為は、万死に値する」
団長は、目の前の軍勢に一人で飛び込んでいった。手には妖刀村雨、凄まじい速さで、敵を屠っていった。
「新敵が現れた。第2陣よ。前に!」
相手の指揮官の声がした直後、『ウルティマウエポン』という団長の呪文が聞こえ、第2陣の軍勢はカミナリに打たれて、肉体からは煙を上げて倒れていった。
「魔導剣士か?」
死体は何者かが近づくと消えていった。あれは、キスショットさんとアジさん…
「ヴァーリ!イッセーを指揮して、エルフ親子を救助しろ!」
「「了解!!」」
「リアスは、ませガキエルフのガード!」
「了解!」
僕達は家に向かうが、入り口までに軍勢が待ち構えていた。
「イッセー、立ち止まらないで、家に入って。外にいるヤツラは僕らが引き受けた」
目の前に大量のコウモリが出現して、入り口に入るジャマをしていた軍勢を倒していった。
「ギャスパーさん、アルトルージュさん、ありがとうございます」
お礼をして、家の中に入った。中にも敵がいたが、得物を手にした僕とヴァーリで屠っていく。
奥の部屋から泣き叫ぶ女性の声がした。
「ネメシス、敵だけ外に放り出せないかな?」
『やってみよう!』
空間から出た鎖に捕らわれていく敵の兵士達。鎖によって、外へと放り出されていく。エルフの女性の元に辿りつけた。
「あなたを保護しに来ました。お嬢さんはどこですか?」
「屋根裏…」
か細い声が聞こえた。
「ヴァーリ、彼女を頼む」
僕は上の階に急いだ。階段を駆け上がると、天井を槍でついている一団がいた。
「早く出てこないと、串刺しだぞ♪」
こ、こいつら楽しんでいるのか…。僕は獲物で屠っていった。
「なに?同族を斬るのか?貴様は!」
「僕は楽しみながらいたぶる趣味はないからね」
狭い部屋に多数の者相手では、剣を充分に振るえずにいた。そんな僕に槍先が何度も刺さる。
「コイツ、不死身なのか?」
あぁ、魔法の鞘の効果で、物理攻撃を受け付けないみたいだ。お守りの戦士達も出てこないし、まだ死に直面する事態でもなさそうだ。そう思うと、心に余裕が生まれてきた。
『ダイヤモンドダスト』
シルキーさんに習った魔法を放った。目の前の敵達全員が、爆ぜていくように散っていった。敵を殲滅すると、屋根裏に昇った。
「助けにきました。怪我はしていないですか?」
エルフの女の子が僕に近づき、僕に抱きついてきた。
「怖かったよ~」
「もう、大丈夫だよ。お母さんの元に行こう」
天井裏から彼女を救い出すと、槍先で突かれたような怪我をしていた。僕は回復魔法と気功で治療をしていく。
「イッセー、大丈夫?」
ヴァーリが来てくれた。
「怪我をしているから、治療してあげているんだ」
治療が終わり、三人で外に出る。家の外には、エルフの女性を治療している団長と、それをガードしている仲間がいた。
「お、お母さん…」
僕が救い出した女の子が母親に抱きついた。
「ティファ…」
子供の名前を呼ぶ母親。
「イッセー、バナナが欲しい」
僕の腕を引っ張って、要望を伝えてきた龍神様。最近のパートナーの忍さんは、キスショットさん状態で、満腹のようだった。僕はメリアの能力でバナナを一房出して、オーフィスに手渡した。ご満悦な表情になった彼女。
「シャジャルよ、テイファニアと、一緒に来てもらうよ。もう、君達を護ってくれる大公は、殺害されてしまったからね」
団長の声が聞こえた。
「でも…」
「でもじゃないよ。ガリア王国に来ても、匿えないぞ。匿えば、戦争になるし」
「ですよね…」
「一緒に来て貰う他、手はないんだ。そこにいるませガキエルフもなぁ」
団長に声をかけられたルクシャナさんの顔が引きつっていた。
「ませガキよ。イッセーを召喚した報いは、ちゃんと受けて貰うからな。ふふふ」
団長…鬼畜モードですかぁ…
「シャジャル、この大陸では、どこにいても一緒だぞ。僕達と一緒にくれば、安全だ。ティファも大きくなったら学校に通わせる。通わせても大丈夫な学校を知っているからな」
「わかりました。お世話になります」
こうして短い期間だったけど、僕達の浮遊大陸探検は終わった。キャッスルドランに乗り込んで、この大陸を離脱した。
「イッセー、窓から見てみな。大陸の端、海の端が滝のようになっているだろ」
本当だ、こんな上空に滝があったとは、驚きだった。
「あの滝の水は、地上には雨や雪となって降り注ぐんだよ。そして、本来の雨や雪は、あの大陸に降るんだ。そうやって、水を確保しているんだよ」
不思議な光景だ。
そして、シャジャルさんと団長はいつの間にか、この場にいなかった。団長、まさか…
---シュウ---
抱きかかえたシャジャルを、ベッドの上に置いた。そして、彼女と身体を合わせていった。彼女の耳の輪郭を指でなぞっていく。目を閉じ、その刺激を楽しんでいる彼女。
「大公のように愛せるかわからないけど、僕なりに愛するようにするよ」
彼女の耳元で囁く。それに対して、頷く彼女。
「彼の代わりはいない…ですから、あなたなりに私を愛して下さい」
彼女の口が僕の口と合わさり、彼女の舌が侵入してきた。僕の舌は彼女の舌を迎え入れて、ダンスを踊り始めた。
僕の性欲器官も彼女の体内に収まり、徐々に刺激を与えながら、彼女の心の闇を浄化していった。
「温かい…こんなに温かいのは初めてです」
「それは、良かったです」
彼女の胸の谷間に顔を埋めて、両手で胸の感触を確かめていく。
「お願い…耳を責めて…」
彼女の要望を受け入れて、耳の輪郭を舌で舐めていく。
「あっ…いい…もっと、ください」
外耳部分を甘噛みして、耳の穴に舌を入れて、前後させる。
「あっ…ああっん…いい…はぁ~…あぅ…」
彼女の全身が一瞬力強くピクつき、果てたようだった。彼女の顔は、先程までの恐怖を感じていた顔付きではなく、とても穏やかなものになっていた。
---イッセー---
団長を探していたら、シャジャルさんとの大人の行為をしている団長を見つけ、そのまま時を忘れて見入っていた。そんな僕の肩が誰かに掴まれた。ビクっとした僕。
「ふ~ん、こういうのに興味を持つようになったのね」
「イッセーとなら、いつでもいいよ」
って、両耳に囁かれた…ヴァーリとリアスだぁ。僕は、二人に引きずられて、この場を去って行った。
エルフを無事に回収(^^;