---リアス・グレモリー---
上下左右前後ともガラス張りの部屋にいた。しかも全裸である。上下左右前後にある部屋から、私は丸見えの状態であった。なんでこんなことになったのだ?滅なる力を溜め込み、ガラスを破ろうと思うが、破れない。なんで?
「無駄だよ。君程度の力では、ここからは出られない」
部屋に声が響いた。誰の声?
「出しなさい!私を誰だと思っているのよ?将来、魔王になるリアス・グレモリーなのよ」
「はぁ?グレモリー家から退場させられた身分で、魔王になれると思っているのか?」
え?家から退場って…どういう意味?
「記憶がないのかな?君は、父親に殺されたんだよ。父親の親友を殺したことでね。覚えていないのか?」
聞こえてくる声には感情が感じられない。誰なんだ?コイツは?
「家から退場される気分は、僕にもよくわかるよ。こことは違う世界のグレモリー家から、追い出されたんだからね」
こことは違う世界?グレモリー家から追い出された?誰なんだ?
「僕は君、リアス・グレモリーの弟だった者だ。グレモリーという悪魔の理不尽さを良く知っている。まぁ、この世界の場合、君が理不尽すぎたんだけどな」
私の弟?どういうこと?
「まぁ、それは余談だ。知らなくても良い。で、君の待遇だが、イッセーの眷属になっている」
イッセー?兵藤誠、一香の子供か?
「そういうことだ。元々、君の眷属にするのは無理だったんだ。君の駒の合計価値よりも、イッセーの価値の方が高かったんだから。で、イッセーの『兵士』1個分の価値だ、君はね」
あの人間風情の『兵士』1個分の価値…そんな訳ない。私は魔王になる悪魔なのに…
「認めたくないか…まぁ、その気の強さくらいしか、君には能力がないからいいんだけど」
「私には滅の力があるわ!」
「はぁ?僕の方が上だよ。これでも、バアルの血も受け継いでいるからな」
声の主にも滅の力がある…いや、そんなはずはない。これは選ばれた悪魔の力なの。そうリゼヴィム・ルシファー様がおっしゃっていた。
「リリンがそう言ったのか?それは、きっと僕のことだよ。君はバアルとグレモリーの血しか持っていないけど、僕はバアルとルシファーの血、両方を持っている。選ばれた悪魔なんだよ、僕は。でも、選ばれた悪魔になったせいで、冥界を追われた。選ばれるって、そういう意味だ」
ルシファーとバアルの血…それって、お母様と…
「僕は、リゼヴィム・ルシファーとヴェネラナ・バアルの間に出来た子供だ」
目の前に、滅びの力を纏った上、天使の翼を展開した者が現れた。悪魔なのに、天使の翼?なんで…
「そう、この翼のせいで、冥界を追われたようなものだ。今ではかけがいのない大切な物だけどね。どうする、お姉ちゃん?僕の力で消える?」
感情がまるで読み取れない表情の青年が、私に近寄って来た。見るからに、あの滅びの力は私よりも数段上である。消えたくない…魔王になるんだから…
「わからないみたいだね。この世界のお姉ちゃんは、頭が弱くて残念だ。君は冥界では死んだことになっているんだよ。そんな者がひょっこり帰って魔王になれる訳ないだろ?」
魔王になる…それだけを考えて生きてきたのに…
「君には2択しかない。ここで消えるか、イッセーの眷属として、イッセーを支える以外に生き残ることはない」
両方嫌だ~なんで、人間風情に…
「君は勘違いをしているようだな。イッセーは人間ではない。ドラゴンと魔人のハーフだ。たぶん、この世界では最強クラスの能力を持っているよ」
魔人って何?聞いたことがない…
「あと、多種族共存を有り得ないと言ったな。そこから、この家の共存性も学べ。みんなからも見えるが、君からもみんなが見える。たぶん、この家で、君の全裸を愉しむ者はいない。魅力がないからね。では、ごきげんよう」
目の前にいた者は消えた。そして、周囲の部屋の様子を見ると…有り得ない…悪魔と神が共存しているみたいだ。死んだはずの姫島親子もいる。私が欲しかった人材がすべて、ここにいるようだ。
---イッセー----
気の進まない任務。僕の駒を入れる為の前準備、意思確認をしないといけない。まず、難易度が低いと思われたヴァーリから。
この世界のヴァーリはオドオドしていた。戦う為の能力がないから、この家に渦巻くオーラにやられているのかもしれない。
「イッセー君…」
ヴァーリと見つめ合う。僕に抱きついてくるヴァーリ。
「ねぇ、いつまでも一緒にいたい」
僕もだよ。
「ヴァーリ、僕の眷属になってくれるかな?」
「いいよ♪」
「眷属になると、君は違う世界の君と同化してしまうんだけど…」
「私は私だよね?」
「それはそうだけど…」
「いいよ♪眷属になる。いつまでも一緒に居たい。ねぇ、イッセー君♪」
僕は駒を入れた。一瞬光煌めいたヴァーリ。
「彼女の想い、記憶は継承したわ。久しぶり、イッセー君」
ヴァーリは吸収同化したようだ。それもTSの呪いは解除されているようだ。
「あのヴァーリなのか?」
「うん♪団長にTSされていたヴァーリだよ」
僕に力強く抱きつくヴァーリ。痛いよ~
「あ、じゃ、今回の案件の責任者のクリスさんに挨拶してきて。僕は他の人を眷属にしないといけないから」
と言って、ヴァーリに離れてもらった。
「わかった。今夜はイッセー君の部屋で…溜まったものを…あはっ♪」
真っ赤な顔になったヴァーリが部屋を出て行った。あぁ、なんか、激しそうな夜になりそうだ。はぁ…次は白音さんだな。
白音さんがいる部屋に入った。そして、趣旨を説明した。
「う…違う世界の自分と同化ですか?違う世界では、私は姉と暮らせるんですか?」
「それぞれが別の任務だから、一緒には暮らせないけど、会いたい時には会えます」
「姉は真面目に働いているんですか?」
「旦那さんと一緒に学校の先生をされています。僕はその教え子です」
白音さんが驚いたような表情をした。これは貴重なシーンだ。僕達の前では、あまり感情を出されない方なので。
「黒歌姉さんが学校の先生?旦那さんがいるのですか?」
身を乗り出して聞いた来た。
「まぁ…そんな感じです」
僕は白音さんの真剣なな眼差しに圧されて、後ずさりをしてしまった。
「そうですか…そんな真面目な黒歌姉さんに会いたいです。是非、同化吸収という事をしてください」
僕は白音さんに、駒を入れた。一瞬光煌めいた白音さん。
「ここにはお兄様はいないんですね…」
寂しそうな白音さんが現れた。
「すみません。僕の案件の方で呼び出してしまって」
申し訳ない気持ちで一杯である。
「いえ、イッセー君のためにがんばります。お兄様に誉めて貰いたいし、にゃん♪」
団長の唯一の弱点、白音さんの笑顔の前に僕も、ノックダウンです。かわいい♪
「あっ、そうそう。お兄様も別世界での修行を始めたみたい。時間の加速具合が違うから、どの程度の修行かはわからないけど」
まだ、鍛錬をされるんですか?僕達はいつ、団長に追いつけるのだろうか?目標となる人は立ち止まって待っていてくれないとなぁ。
「ここに呼び出される時に、ナヴィから聞いた情報だけど、四刀流を極めたいみたい」
四刀流?手は二本ですよ…まったく、団長と来たら、予想もしない方向に進化しているなぁ。
「僕は二刀流がやっとです。あぁ、追いつけないよ~」
「イッセー君、お兄様に追いつくことより、追いつこうとすることが大事なんだよ。いい?」
追いつこうとする…鍛錬を怠るなってことですね。そうしようと思っています。
そして、今回の指令の最難関、朱乃さんとの話し合い。一通りの説明をした僕。戸惑う朱乃さん。
「イッセー君と戦いたいけど…」
悩む朱乃さん。悩むよね。朱乃さんは、非戦闘員として、ここで親子として生きていってほしい。
「朱乃、あなたの命はイッセー君の為に使いなさい」
朱璃おばさんが、朱乃さんを優しく後押ししていた。
「あの時、イッセー君が来てくれなければ、私も朱乃もここにはいなかったんですよ」
「お母さん…」
朱璃おばさんと見つめ合う朱乃さん。
「私はイッセー君と戦う朱乃を誇りに思いたい。きっと、あの人もそう思うわよ」
あの人とは、たぶん朱乃さんの父親のバラキエルさんのことだな。
「ねぇ、イッセー君。同化吸収しても、朱乃の想い、記憶は残るのよね?」
「はい、残ります」
「それならば、眷属になりなさい、朱乃。私は、あなたが誰になろうと、私の娘だと想う」
意を決した朱乃さんが、僕に向き直った。
「イッセー君の眷属となり、あなたに尽くします。駒を入れてください」
僕は駒を朱乃さんに入れた。光煌めいた朱乃さん。
「イッセー君、あなたの朱乃が参上しました♪」
いきなり成長した朱乃さんの出現で、朱璃おばさんが固まった。
「これが、同化吸収なの?イッセー君…」
「この世界のお母さん…朱乃はこんなにも成長出来ました♪」
朱乃さんは、朱璃おばさんに抱きついた。朱乃さんの方が姉に見えなくもない、成長ぶりに驚きを隠せない朱璃おばさん。
「朱乃…なの…別世界では、こんなに成長できたのね…」
成長している朱乃さんを抱きしめる朱璃おばさん。
「この世界でも親孝行をします。イッセー君のフォローをしながらね♪」
これで、当面の指令はこなせた、はずだった。
------
「リアスの調教?なんですか?それは?」
クリスさんに無理難題を指令された。
「観察していると、心のうちで葛藤しているのが、わかるんだ。あと、一押しな気がしていね。イッセーがリアスを素直にしてくれ」
無理です…悪魔はそうそう性格が変わる者ではないです。身近にいる悪魔を見ていて分かりますし。
「僕だとダメなんだよ。どうしても冷たく当たってしまう。僕の世界では、姉だからね、彼女は」
クリスさんにとってはそうかもしれない。でも、僕の世界ではリアスは…
「ヤマトさんの世界のリアスみたいにしたくない。改心して自分を追い込んで、悪魔として、生物としての自分を捨ててしまったリアスのようにはね」
そうですけど。僕の力で改心、更正するのかな?不安いっぱいです。それに調教って…されたことはあっても、したことがないですし。
「だから、喰ってきてくれ。僕は近親相姦になるので喰えないし」
「イッセさんは?」
「アイツは、アイツの世界のリアスを愛している。だから、無理だ」
僕だって、ヴァーリを…
「はぁ?この世界でもヴァーリにバツを与えるのか?今夜辺りが見物だよな、イッセー。ふふふ」
あぁ、今夜の激しくなりそうな儀式を予想されて、悪魔のような笑い方をするクリスさん。
「あぁ、僕は純血の悪魔だからね。悪魔的なお仕置きが希望かな?」
「いや、ヴァーリは…もう、カンベンしてください」
「僕はお仕置きってことはしたくない。でも、指令を拒否するならば、仕方ないよね、イッセー?リアスを堕とせば、今夜のことは目を瞑る。団長に報告もしない。どうする?」
クリスさんから、悪魔的な2択が出された。あぁ、選択の余地がない。
「わかりました。努力します。ですから…」
「僕は約束を守る。では、頼む」
僕は、リアスのいる部屋に転移された。
--------
「何をしに来たのよ?」
リアスが睨みを入れて凄む。何も言わず、何もせずに、リアスを見る僕。
「あぁ、私を近くで鑑賞しにきたのね。見たいだけ、見れば!」
見ても、そそらない。どうすれば良いんだ?
「あのさ…リアスにはしたいことって有るの?」
僕はこの世界のリアスのことをもっと知ろうと、質問をすることにした。
「私は魔王になるのよ!」
「魔王になって何をするんだい?」
「この世界を支配する。悪魔が一番エラいってことを知らしめるわ」
この思想だと、最悪のシナリオに進むよな…
「支配するだけなの?」
「それ以外に何があるのよ?」
「仲間を作ったり、恋愛をしたり、みんなとアレコレしたりとかは?」
「群れたり、恋をするなんて、弱い者がすることよ。私は強い魔王になるの」
全裸で囚われているリアスに言われても、説得力はないんだけど…
「強いって何?」
「えっ…」
言葉に詰まる彼女。
「戦いが強いだけでは、強い王になれないよ」
「なんで?」
「群れずに、一人で敵対する者を倒していけば、最終的に一人しかいなくなるけど」
「あっ…」
最終的なビジョンが見えてなかったリアス。
「僕の憧れている人は物凄く強いんだ。でもね、ビジョンが見える能力を持っている。最終的な結果をたまに見るんだそうだ。その人は王になることを拒否している。支配したり、みんなの上で胡座をかくことすら、拒否しているんだ。実際は一番エラい人なのに」
「それは、心が弱いからよ」
「うん、そうだと想う。たまに、心がダメージに耐えられなくて、暴走しているし。でもね、とても優しい王様なんだ。末端の僕達にも目を配ってくれ、アドバイスを出してくれる。ねえ、リアスは、僕の憧れの人を超える強さを持っているのかな?」
「当たり前でしょ。私は魔王になる者よ!」
自信たっぷりで言うリアス。
「魔王って、そんなに偉くないんだよ?知っている?この世界がある星を抱いている宇宙。その宇宙を統轄する絶対神様が一番偉いんだよ」
目が点のようになって驚くリアス。知らなかったんだよな。魔王に固執しているようだし。
「魔王になっても、絶対神様には勝て無い。その程度の存在だよ、魔王ってさぁ」
「そんなはずは…」
「絶対神様の持つ特務機関という軍隊に入るには、最低限魔王以上の戦闘能力がないと入れない。エリート戦士の集団なんだ。リアス一人で勝てると思う?」
「魔王以上の戦闘能力?」
「そうだよ。色々な世界に起きた様々な勢力達の紛争に介入して、それを鎮圧、問題解決をする部隊なんだ。魔王以上の能力がなかったら、リアスのような魔王がいた場合に鎮圧できないでしょ?」
「そ、そんな夢物語は信じない。魔王が最強に決まっているでしょ?」
「試す?その部隊の末端で一番弱い僕と戦ってみる?」
リアスの目に恐怖の色が浮かんでいた。その時の僕は、静かなる怒りを纏っていたのかもしれない。絶望的なオーラが、僕の知らない処でリアスに襲い掛かっているのかもしれない。
「ねぇ、止めて…お願い…近寄らないで…」
目から涙を流し、後ずさりしていくリアス。
「リアスがわかってくれないで、哀しいよ、僕は」
尻餅をついたリアスは、立ち上がろうとしたが、ダメなようだ。腰が抜けたのかな。
「いや…お願い…助けて…謝る…今までのことは謝る…だから…」
リアスの顔から血の気が失せていく。僕はどんな風に見えているのだろうか?でも、分かったくれるまでプレッシャーを掛けていく。
「どうすれば…お願い…怒りを鎮めて…」
リアスは、何かを決意して、僕に近づいてきた。そして、僕のアレを手に取り、舐めていく。小さくて薄い舌を不器用に使い、僕のアレを丁寧に舐めている。僕って、全裸になったんだっけ?良く覚えていない。僕も心が暴走したのかな?どんな状況なのかな?誰からも念話が入らない。なにやらマズイ状況なのか?
アレが大きく固くなると、口を大きく開けて、口の中に頬張るリアス。目から、ボロボロと涙が零れている。
マズい状況なのかな?でも、ヤバい状況なら、クリスさんか、イッセさんが介入してくれるよな。僕が一番弱いんだから。
リアスがアレを口から取りだし、下腹部の割れ目に当て、自らアレを体内に取り込んでいった。僕は何もせず、リアスに身を委ねている。そして、
「あっ…」
リアスから、声が漏れた。膜が破れたようだ。その後は、快楽を求める淫乱堕ちな者がするような行為を、自ら進んでこなしていた。
「お願い…あなたの物になる…だから…もう許してください…」
涙で濡れきった顔を、僕の胸に埋めるリアス。彼女の身体からは、闇のオーラは感じられない。魔王を夢見ていた者は消え、そこには華奢なリアスという少女がいた。泣き疲れたのか、リアスは僕の胸の中で眠っていた。
ここで、漸く僕とリアスは、ガラス張りのお仕置き部屋から解放された。僕は、リアスを彼女とシルヴィアの部屋に運び、ベッドに寝かしつけた。
「やるときはやるねぇ、イッセー」
後ろから、イッセさんの声がかかった。
「え?何が起きたんですか?僕にはまったく分かりません」
「ヤマトさん並の闇の力だったよ。イッセーの中に眠る魔人の力かもな」
って、イッセさん。魔人の力って、闇の能力なのか?
「あまり悩むなよ。闇の力かぁ、いいな。団長と副団長と有栖位だものな、真面に使える者って」
クリスさんが羨ましそうに言う。
「僕は聖なる力持ちだから、身に着けられない。聖なる力持ちでも、団長と有栖は持っているけど、あの二人は別格だからな。まぁ、気長に制御できるようになれよ。女性に対しては無敵になれるからな」
クリスさんの僕を見る目は暖かい。どうやら、僕に闇の力が芽生えたようだ。