閑話回です(^^;
---イッセー---
イッセさんとの組手…能力無しなので、威力がわからない。更に言うと、使う能力によって、攻め場所は変わるしなぁ。
「あぁ、これじゃ、ダメかな。実戦で通用する鍛錬とは思えないし」
イッセさんも同感のようだ。
「団長が参戦となると…イヤだな。やりたくないないなぁ」
イッセさんは、イッセさんの世界で、団長の親友である兵藤先生に、ボコられたそうだ。
「あれはきつかったよ。神滅具を超える人工神器って、有るんだよな」
その当時の事を思い出したのか、かなり凹んでいる。
「どういった物だったんですか?」
リアスがイッセさんに質問した。
「妄想してオカズにした女性達を実体化して、ドライグの倍化しきった力を譲渡って…有り得ないだろ?団長にとっての大事な人である白音さんとヴァイラさん以外、ほぼオールキャストが襲い掛かってくるんだぞ」
それは、とっても危険かも…
「俺は為す術もなく、女性達の玩具にされた上で、ボコられたんだよ」
あぁ、僕だったら立ち直れないかもしれない。
「でも、アレは公式戦というか、ゲームでは使用禁止のはずだ。使ってこないだろう」
と、クリスさん。
「むしろ、怖いのは団長の2軍チームだな」
「え?1軍より2軍なの?」
リアスは、クリスさんに質問をした。
「1軍もゲームでは、ほぼ使用禁止だ。魔王3名がいるし…リアスさん達もいる。オール魔王チームって感じで、魔王の閲覧ゲームでは、当然出場できないという盲点もある」
「2軍だとどうなるんですか?」
「チームドラゴン…そんな感じだよ」
「ドラゴン相手なら、イッセさんとイッセーがいるし…」
「たぶん、ダメだろう。イッセとイッセーの場合は、突然変異系だけど、あっちは伝説級ばかりだ。歴戦の強者ドラゴンって感じ。今も団長と共に活動しているしね」
クリスさんも凹み気味だよ。
「それは、やりたくない相手ですね…」
「そういうことだ、リアス。あそこと対戦することは考えないで、鍛錬をしよう。イッセとイッセーは基礎体力を上げておけ。そうだな…悪魔の羽で冥界4周だな」
「4周も?それは体力がいるな」
と、イッセさん。
ドラゴンの羽で飛ぶより、悪魔の羽で飛ぶのは体力要らずなのだが、それは一時しのぎの場合だ。高度を上げて滑空してしまえば、ドラゴンの羽の方が楽だ。悪魔の羽では滑空なんかできない。空中戦などを想定していないから。なので、長時間飛ぶ場合、悪魔の羽の方がつらい。体力は使わないけど、羽を動かす筋力が半端無く使うから…
「さぁ、行って来い♪」
---ソーナ---
クリスさんに呼ばれた。
「ソーナもリアスの様に、戦えるように成って欲しい。自分の身は自分でって感じだよ」
「具体的にはどうすれば良いのですか?」
「まず、指に炎を具現化して、ごらん」
クリスさんの指先に、仄かな光を放つ小さな炎が発現した。
「これは聖属性だから、これを投げただけで、悪魔にはダメージを与えられるんだ。で、ソーナの場合は氷属性の炎を出してごらん」
え~っと…どうやって出すのかな?
「まず、指を1本出して、そこに炎をイメージするんだよ」
やってみるが、現れない。
「クリス、それじゃダメだよ」
私達が声のした方を振り返ると、彼がいらしていた。
「団長…何しているんですか…」
クリスさんの顔は青ざめていく。
「何って…パーティーがあるからって、呼ばれたんだ。ちょうど、家族旅行中で、途中立ち寄ったんだ♪」
家族旅行?そこには、彼と一緒に見た事の無い青年達と女性達がいた。いや、女性達の中にだいたい誰かがわかる人物が混ざっていた。
「誰に招待されたんですか?」
「あ?クリスの義理の両親だよ。ゲームのデビュー前のお披露目会。ソーナは主役だろ?リアスとクリスはゲスト出演でさぁ。弟子達の晴れ舞台を見に来ただけだよ♪」
「あの…問題は起こさないでくださいますか?」
「僕、問題なんか起こしたこと無いよ♪」
クリスさんの目は泳いでいるようだ。プチパニックかな?
「あなたが、ソーナさん?」
私似の女性に声を掛けられた。
「そうです…あなたがソーナ夫人ですか?」
「夫人って呼ばれたのは初めてかな…少し照れるわね」
「あぁ、ソーナ。紹介しておくよ。今、話しているのが、アウロス学園の園長のソーナ・鬼門・シトリーだよ。で、こっちの紅髪がリアス・鬼門・グレモリーで、車椅子に乗っているのがシーグヴァイラ・鬼門・アガレスだ」
え…3人の奥様勢揃いで、家族旅行…凄い。
「で、あっちにいるのが子供。あの紅髪はリアスの子供のガイア・鬼門・グレモリーで、僕の世界では魔王をしている。で、あのセラフォルー似のヤツが問題児のシルキー・鬼門・シトリーで、我が家の問題児である。あと、あそこの姉弟は双子で、シーナ・鬼門・アガレスとアリス・鬼門・アガレスだよ。シーナは僕の専属回復要員で、僕のチームに帯同してくれている。アリスは別働隊の隊長で、細かい別件を捌いてくれている」
4人のお子様達は、皆立派に見える。
「え~!何で…」
1周目を終えたイッセさんが戻って来て、悲鳴をあげた。
「おっ!弱弱ドラゴン君じゃないか」
シルキーさんがイッセさんに話かけている。イッセさんの表情は、恐怖の対象を見ている感じだ。あれが、イッセさんの天敵なのか…
「おい!シルキー!来て早々問題を起こすなよ!」
彼から怒声が飛んだ。
「父ちゃん。問題だなんて、心外だよ~」
イッセさんの天敵は目に涙を浮かべて、彼に近寄っていく。
「だから、お前はセラフォルーと帰れって言ったのに…お前、問題を起こしそうになった時点で躾な!」
「父ちゃん…酷い…躾はイヤ~!」
豪快に泣き叫ぶイッセさんの天敵。本当にあの人は強いのかな?
「ソーナさん。見た目で判断すると、死ぬから注意しなさい」
ソーナ夫人に注意された。そうだね。死んだら、せっかく植えた種が…
「賑やかになったと思ったら…いらしてくれたんですね」
リアスの父親が、家から出て来て、彼に話し掛けた。
「ちょうど、家族旅行の最中だったんで、大人数で来てしまいました」
彼は恐縮している。あんな表情が出来るんだ。
「家族ですか…では、あの紅髪の方が、シュウ様の世界のリアスですか?」
「です。今はアウロス学園という学校で、事務仕事をしています」
事務仕事?どうして?
「シュウ様の世界の話が、一杯聞けそうですね。どうぞ、シュウ様の家と思って、寛いでいってください」
「ありがとうございます。じゃ、皆の衆、部屋に荷物を置いて、グレモリー夫妻と語らって来てね。僕はソーナに教えることがあるから。あっ、ヴァイラはいて。僕がこの世界のソーナに手を出していない証人になって♪」
「はぁ?あなたの事だから、既に手は出しているんでしょ?あなたと来たら、若いソーナ好きだしね♪」
シーグヴァイラ夫人は笑顔で、彼に言った。
「え…っと、その件につきましては…」
え?まさか、尻に敷かれているの?しどろもどろな態度になる彼。
「彼はそういう男だよ。この世界では、豪快な生き方に、思われているかもしれないけど。実際は繊細で優しすぎるんだ」
ソーナ夫人がそう告げた。
「優しい人ですよ…」
「あら?繊細さはスルーなのね♪」
あっ…言い忘れた。そんな私をソーナ夫人が笑って見ている。
「ソーナ…両手でボールを掴むイメージをしてみて」
彼から指示が出た。言われた通りにしてみる。
「ボールを掴んでいる感覚が掴めたら、それが冷たいと意識してみて」
何にも無いのに、両手の中にボールがある、そんな感覚に成ってきた。今度はそれを冷たいと意識していく。
「懐かしいな…」
私の姿を見て、シーグヴァイラ夫人が呟いたようだ。
「ソーナ、外野の声を聞かずに、集中しろ」
しまった。心の動きが読めるんだった。しばらくすると、
「目を開いてごらん」
と、言われて、目を開くと、両手の中には氷のボールがあった。
「そんな感じで鍛錬を続けてくれ。火属性だと屋外で無いとダメだけど、氷属性だから、家でもできるだろ?」
彼は私の前に指を1本出し、そこに赤々と燃える炎を発現した。
「触ってごらん」
火傷しそうだけど…彼はそんなことをさせないはず。意を決して炎に触れると、冷たかった。
「炎に氷属性を持たしてみた。見た目で判断するなとは、そういうことだよ」
---リアス---
目の前に、シュウさんの世界の私がいた。妙な気分である。
「とにかく、悔いのない生き方をしないとダメよ」
リアス夫人は、経験談を話してくれた。なんか痛い悪魔のようだ。まぁ、私も似たような感じだったかもしれないけど。
「彼が目の前から消えて…先が見えない、そんな感じだった。何も手がつかず…気づいたらソーナの学校の事務員だった。それしか出来なかったの。鍛錬不足でね…実の子供にも戦場に出るとジャマだと言われて…今から鍛錬し直そうと思った矢先に、病気に…うまく歯車って回らないものよ」
なんか、元気が出そうな話だ。リアス夫人の失敗を教訓にすれば、良い人生が送れそうな気がしてきた。
それに私は戦える。イッセーやイッセさん、クリス兄さんの為に戦える。シュウさんに食される為に、これからもっと強くなる。
「そうだ…シュウさんに弱点って、あるんですか?」
無い気がするが、一応きいてみた。
「有るよ。小猫の笑顔…あれを見ると戦意喪失になり、抱きしめたくなるそうよ。なんで、私の笑顔じゃダメなの~」
有るんだ…笑顔…小猫の…
「焼き餅を焼くだけ、無駄よ。小猫は別格だから」
別格?
「そう…初めてのガールフレンドだって」
え?そうなの?シュウさんの世界では…って、友達少なくないか?
「少ないよ。友達を作らずにバイト三昧だったから」
バイト?
「まぁ、後は本人から聞き出してみなさい。あの当時の事は、話したくないかもしれないけどね」
「あの…私…」
「アイツに惚れたんでしょ?この世界のソーナも。物好きだよ。まぁ、私もそうだけだ。アイツが何者でもかまわない。恋ってそういう物でしょ?ねぇ、私が出来なかったこと…あなたはしなさいよ。応援しているわ」
「応援?」
「そう…アイツの事を本気で愛してくれる女性は、応援しようって、ソーナとヴァイラと決めたんだよ。アイツは愛してくれる者を絶対に護る。どんな手を使ってでも、自らの死すら厭わない。だから、私達も護ってあげたい。本気の恋心をね♪」
リアス夫人が笑顔をやっと見せてくれた。
---クリス---
「フィア…どうして?」
団長の家族旅行のはずが、僕の世界のグレイフィアであるフィアが帯同していた。
「ある世界の私を同化吸収して欲しいと、言われました。その帰り道です」
「まさか…リアスさんとヴァイラさんが元気になったのって…」
「そうです。ある世界の元気で若い者を同化吸収されたんです」
あぁ…最終手段みたいなものだな。不治の病を治すのに、同化吸収を使うとは。リアスさんとヴァイラさんは精神を病んでしまっていた。シュウさんのチームの科学力をもってしても、それは治す方向性が見いだせないでいた。
「実年齢が半分になりましたよ。私も♪」
(1000+18)/2だと、そんな感じだよな…ははは…笑うしかない。
「後…ようやく、私も妻に認定してくれました」
フィアは指輪を嵌めた指を、僕に見せた。え…いや、この先も団長に尽くすって、僕が僕の世界を出る時に、付いて来たんだから、そうなって当然なのだが。
「団長の子供は?」
妻になった者、もしくはなる予定の者には種が1つ渡される。
「種は貰いました。でも使わないですよ。これはお守りとして、持っていようかと思っています。子供産むと戦えなくなる気がして怖いんです」
それは…違う…ヴァイラさんは、戦えていたし。
「ヴァイラさんは特別なんですよ。誰よりも団長を護りたいって気持ちを、お持ちだったんだと思います。それが、あの悲劇を生んだのかもしれないし。私は、いつまでも団長の役に立ちたいんです」
そうかもしれない。ヴァイラさんは特別なのかもしれない。1つの種から双子が生まれたし。それも、とても優秀な戦士が二人。
同化吸収したせいか、フィアの口調は変わっている気がする。きっと、団長のことを命の炎を燃やしきっても愛そうと思った者と同化吸収したのかもしれない。
「この先も、団長のお側要員として、がんばります♪」