---イッセー---
団長との戦いは惨敗に終わり、残りの夏休みを利用して、気分転換を兼ねた旅行をすることになった。現在、僕達は古都、京都を目指している。サーゼクスさんが京都にホテルを持っているそうで、そこに泊まり、京都観光を楽しむ予定である。
「シュウのやつ、またやっちまったみたいだぞ」
新幹線のグリーン車1両を貸し切り状態にして、いくつかの話の輪が出来ていた、そのうちの1つ、木場さん、白音さん、僕、イッセさんでの会話である。クリスさん、ロスヴァイセ先生はショックが大きく、殻に閉じこもっているようだった。
木場さんが、本拠からの情報を教えてくれた。
「やったって?」
イッセさんが身を乗り出すように訊いた。
「ここから帰って直ぐに、別案件で飛んだそうなんだけど…昏睡状態だそうだ」
衝撃が走る。僕達に何もさせずに完勝した団長が、昏睡状態って、どんな敵だったんだ?
「どうして…」
「護る為の戦いだったそうだ。僕達相手の戦いとは違う。護る者を護る戦いって、そんなものだろ?」
木場さんは、何かを考えながら、言葉を繰り出してきた。
「純白の翼はドス黒く変色をして、心が完全に壊れたらしい。詳細は教えてくれなかったけどな。こっちには心配をさせない配慮かもしれない」
「マジか?今の話?アイツがやられるって、アイツよりも強い敵がいるってことか」
アザゼルさんが寄って来た。この集団の引率者に名乗りをあげたそうで、サーゼクスさんがまかせたとか。
「この世界では最強であっても、違う世界では、通用しないって、よくあることです」
木場さんがアザゼルさんに答えた。これまでも、団長は数回、重体に陥っている。その度に、回復すると鍛錬を加速させて、弱点を潰してきたけど。僕達の目標はどんどん遠くへと行ってしまう。困ったことである。
「叩き潰す戦いより、護る戦いの方が数段難しいですよ」
木場さんは爽やかな顔で、アザゼルさんに経験を話している。僕も経験しているけど、護る戦いは難しい。戦いの影響を護る者へ被弾しないようにしないといけない。時には、相手の攻撃を受け止める盾にもならないといけない。その結果…相手が強い程、受けるダメージが多大になっていくのである。
「たぶん、この世界の上層部の方々は勘違いしていると思います。シュウは最強の戦士ではなく、守護者ですよ」
「あいつは、ガーディアンなのか?」
アザゼルさんは驚くような唸るような声を出した。
「えぇ、基本…ただ、シュウは防御力が乏しいから、攻撃は最大な防御に走っているだけです」
木場さんの話には、アザゼルさんだけでなくて、僕もイッセさんも驚いた。クリスさんもなのか、驚きの声を上げていた。
「色々な世界で同化吸収をしたので、失われていた前世の記憶が、埋まってきているんです。僕は前世で、シュウのナイトをしていた気がするんです」
前世の記憶?イレギュラーな存在の団長に前世があるのか?
「彼はいつだって、一人の女性を護る為に、命を削っていた、そんな気がするんです。完全に埋まっていないので、うろ覚え状態ですけどね」
木場さんがはにかむ。
「まさか、前世が…」
クリスさんが話の輪に参加してきた。
「誰を護っていたんですか?」
木場さんに質問をしたクリスさん。
「うろ覚えだって言っただろ?うっすらを覚えているだけだ。クリス、心当たりがあるだろ?」
木場さんはクリスさんには厳しい口調で言い放った。クリスさんの戦後の態度が気に入らないらしい。
「弱点を提示されて、殻に閉じこもる程度のヤツには、わからないか?」
クリスさんは木場さんを睨む。図星だったのだろうか?目には涙がうっすらと浮かんでいた。
「イッセーにはわかるかな?」
僕には優しい口調で訊いてきた木場さん。
「白音さんでは無いんですか?」
団長の大事な人の名前を出した。
「違うよ。彼女は護る対象ではない。一緒にまったりいたい対象だよ」
あぁ、確かに。白音さん、黒歌さんと三人でまったり生きたかったって、言っていたよな。それって、ガードの任務では無く、プライベートだものな。う~ん…
「ヒントはありますか?」
イッセさんが尋ねた。
「イッセにはわかると思うんだけど…」
その言葉に、「あっ!」と声を出したイッセさん。
「まさか…毛嫌いしてませんか?」
え?団長が毛嫌いする人物って…
「あぁ、アイツ、不器用だから♪」
イッセさんは正解に辿りついたようだ。え~、誰だ?
「確かに、不器用だと思いますけど…ええぇぇぇ~、それは意外すぎるような」
苦笑いするイッセさん。
「だって、考えてみなよ。ガード対象を安全な場所に置く方法をさぁ」
安全な場所?それは戦地以外の場所…えっ?まさか…
「おぉ、イッセーも気づいたようだね。不器用だと思わないか?」
「思い当たる人物だとすると…もう少しどうにかならないのかって…」
不正解な予感がする。どうもガード対象だと思えない人物が浮かんでいる。
「アイツとは、いくつもの世界で交差していた気がするんだ。で、その度にガード対象と距離を取っている気がするんだよ。近くに置くと危険だから」
「うっ!まさか…」
クリスさんもある人物が浮かんだようだ。ヒントに該当する、団長と古くからの知り合いで、一番距離を置いている人物…それは…
「だから…避けていたのか…だから、交わろうとしなかったのか…」
クリスさんは下を俯き、呟いている。
「だから、姉ちゃんの眷属を鍛えてくれていたのか…」
クリスさんの目には涙が溢れていた。
「だから…留学を受けて入れくれたのか…」
「アイツは基本、不器用なヤツだ。素直に受け入れる訳無いだろ?性癖の破綻したエスプレイヤーだよ。たぶん、今回の案件で生き様を見せようとしたんじゃないか?いつものように一人で前線に立ってさぁ」
だと思う。前線には連れて行っていないと思う。
「まぁ、うろ覚えのことだから、当たりとは限らない。ただ、アイツ、アイツなりに懸命に生きてきたんだ。それに応えろよ、クリス。殻に閉じこもっている暇はないぞ!」
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ホテルに付き、まったりしている。新幹線で重めの話を聞き、少し疲れ気味ではある。サーゼクスホテルは、京都の中心部からはずれた場所にあり、静かである。温泉をあるそうで、のんびりするには最適とか。
ホテルの周辺を散策して、その日の日程は終了し、明日から本格的に観光である。
「生湯葉食いたいなぁ~」
って、イッセさん。
「そういえば、リアス部長はやらかしていたな。京都の修学旅行のお土産に、奈良漬けといも羊羹を買ってきてさ、シュウに怒鳴られていたよ」
木場さんが昔を懐かしむように言った。京都行って、奈良漬けは無いよな。そういえば、京都って団長の故郷だったよね。しば漬けを楽しみにしていたんだろうな。あの二人のヤリトリが目に浮かぶ。きっと、楽しい漫才みたいな感じだったんだろう。
「おい、お前ら、気を抜くなよ。誰かに見られている感じがする」
アザゼルさんが、注意を促してきた。確かに、何か視線を感じる。敵対オーラは感じないので、スルーしていたけど。
「敵って感じでは無いけど、用心しておこう。なぁ、みんな」
木場さんも注意を促す。まさか、サーゼクスホテル内で、何かをやらかす輩がいるとは思えない。魔王様が経営するホテルだし。
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深夜、寝付けずに、ホテル内を徘徊する。窓からは月明かりで竹林が綺麗に見える。夜風に当たりながら、景色に見とれる。
うん?何か嫌な予感が背筋を走る。何か、今までなかったオーラを感じたのだ。その正体不明なオーラに向かっていくと、白音さんが誘拐される現場に出くわした。何かの薬で、白音さんは、意識を持って行かれているようだ。
「おい、何をしているんだ?」
みんなに救援信号を出すが、結界があるようで、弾かれた。
「ほぉ~、現代の英雄、兵藤誠殿、一香殿の忘れ形見か。一緒に来て貰おうかな。逆らえば、コイツの命は無いぞ」
白音さんの首筋に刃を当てる賊。ここは従うか…僕は白音さんと共に、連行された。
---イッセ---
朝、目が覚めると、イッセーと白音さんの姿が無くなっていた。白音さんの部屋の中は、争ったような残留オーラが残り、ホテルの裏口付近には、結界を張った形式があった。
「う~ん…誘拐されたのかもな。まさか、サーゼクスホテルでやらかす勢力がいたとは…」
アザゼルの顔から血の気が引いていた。イッセーの争ったオーラが無かったことから、白音さんを人質に取られて、連れ去られたと予測できる。
「各方面に連絡を取って、善後策を考える。お前ら、勝手に動くなよ!」
アザゼルは自分の部屋に戻っていった。
「う~ん、京都か…考えられるのは、英雄派だな」
木場さんからある組織の名前が出た。木場さんの世界、まぁ、団長の世界でもあるけど、そこで起きた京都の事件に関わった組織らしい。構成メンバーは英雄の子孫で、リーダーは曹操だったという。
「確か、アイツらの目的は、グレートレッドを呼び出して、倒すことだったんだけど…この世界にはいない。何をしたいんだ?」
この世界のグレートレッドとオーフィスは、同化吸収されてもういない。いや、同化吸収されたことを知らないのかもしれないな。
「そいつらの拠点はどこでしたか?」
「二条城だ。満月の夜に、なんらかの作戦を決行するはずだ」
---イッセー---
連れて来られて、幽閉されている。白音さんは、違う場所に連れて行かれた。彼らの目的は何だ?目の前には、リーダーらしき者がいる。槍のような物で肩をトントンとしている。肩こりなのかな?
「我々は、英雄の子孫だけで結成している、英雄派というヒーローチームだ。君には、我々の仲間になってもらうよ。あんな堕天使とか悪魔の仲間になっているなんて、英雄の子孫として恥ずかしいことだぞ」
と、諭すように言う肩こり持ちのリーダーさん。
「俺は、このチームのリーダーの曹操だ。以後、頼むよ♪」
頼まれても困る。僕は団長以外の下では働く気は無いから。
「白音さんはどうしたんだ?」
僕にとっての大事なことを訊いた。
「あぁ、あの猫か?またたび中毒にしてやったよ。手下の性の奴隷だ。まぁ、残り少ない命だから、存分に性的な刺激を愉しむのも一向かと思う」
猫にマタタビって麻薬だろうに。それに、残り少ない…
「どういうことだよ。なんで、残り少ない命なんだ?」
「あの猫は、魔力がたっぷりある。だから、生け贄にする。九尾の狐を甦らせる糧にすrんだよ。ふふふ」
生け贄?
「ふざけるな!命をなんだと思っているんだ?」
「命?ケダモノの命はゴミと同じだ。英雄派になった君には、理解して欲しいな。ふふふ」
相変わらず、肩を槍でトントンしている曹操。
「九尾の狐を甦らせて、どうするんだよ!」
「最凶の敵を呼び出すんだよ。ソイツを俺達が倒し、全世界にヒーロー誕生を知らせるんだ。この世界的には良いことだろ?ふふふ」
白音さんを殺して、呼び出される最凶の化け物…一人しか想像出来ない…こいつら、バカか?この世界は消えるぞ…
「呼び出すなよ!この星を消すつもりか?」
「うん?君は呼び出される敵の正体を知っているのか?さすが、英雄派のメンバーだ。
その敵の情報を教えて欲しいな。ふふふ」
気配を気づかなかった…後ろから何かを注入さて、意識が朦朧としていく。数名の女性達に服をぬがされていく…
---イッセ---
満月は明日の夜らしい。それまでに、イッセー達を救出しないと。何をされるかわからない。二条城を探索すると、結界で被われている箇所が有り、結界内を探ることが出来無いいた。この手の術に詳しい白音さんがいれば…くそっ!
「迂闊に入れないな。聖属性な罠があれば、ギャスパー達が危ないし」
敵の正体が不明な為、索敵の得意なバンパイアの能力は使えない。結果を破って入れば、人質が危険だし。団長だったら、どうするんだ?
「シュウみたいな透過能力持ちはいないし…結界・封印無効能力持ちのイッセしか、いないかな」
木場さんが俺を見た。確かに、結界は無効にして、侵入はできるが…問題はその後だ。敵の能力が分からないって、作戦の障害だよな。
「おい!大変なことが分かったぞ!」
アザゼルが飛び込んで来た。何かを掴んだようだ。
「兵藤家の京都にある別荘の地下に、九尾の狐を封印していたらしいが、何者かに持って行かれたそうだ」
封印?
「伝説の怪異だそうで、妖力が半端無いらしい。もし…もしもだ、白音を使って、ソイツを復活されたら、エライことになるぞ!」
アザゼルは目先の情報でパニっくになっているが、白音さんを使った時点で、鬼が降臨すると思うんだが…それも手負い状態で、とっても危険な鬼が…
「アザゼル、九尾の狐の脅威は問題では無い。鬼の降臨を心配しないと…」
木場さんの顔から、血の気が失せている。同じ想像をしたのだろう。白音さんはマズイと思う。
「あっ…アイツか…昏睡状態じゃないのか?」
「仲間の危機を見過ごすヤツじゃない。全力て来るぞ。どんな状態でも…手負いな状態だと、止められない…マズイなぁ…白音さんだけでも救出しないと…」
イッセーはいいのか?まぁ、アイツはどうにかなるか。
「たしか、シュウは満月の夜に、助けに行ったような…そうだ、儀式に乗り込んだんだ。そこが救出のチャンスだな」
と、木場さん。まぁ、闇雲に乗り込んでも被害がデカくなるもんな。
---イッセー---
気持ちが良い。数名の女性と交わっている。心が蕩けていく。
「どう?気持ちいいでしょ?私のパートナーになれば、もっと気持ち良くしてあげるわよ」
僕のアレを舌で舐めている。蕩けていく。なんだ、この感覚は…
「私はクレオパトラ。あなたの主よ♪」
視界が定まらない。万華鏡を覗いているみたいだ。彼女の声は脳へ直接届く。何をされたんだ?僕のアレが彼女の肉体に吸い込まれて行く。彼女の内部は吸い付くような気持ち良さだ。彼女の身体の虜になっていく。彼女の為に…彼女を護らないと…そんな気になっていく。
「儀式の寸前まで、私と過ごしましょ。ふふふ」
何の儀式だったかな?彼女との結婚の儀だっけかな?彼女と口を重ねると、彼女の口から甘い香りが僕の鼻へと抜けていく。媚薬かぁ…彼女が無性に欲しくなる。彼女の背中に腕を回し、抱き締める。
「いいわ…もっと、強く抱き締めなさい。もう、私の虜なんだからね♪」