落ち武者イッセー*
---イッセー---
目が醒めるとベッドの上にいた。心配そうに、リシアンサスさん、キキョウさん、ネリネさん、リコリスさんが、僕の顔を覗いていた。
「あっ!イッセー君、大丈夫?」
リシアンサスさんが声を掛けてきた。ここは…行かないと…ベッドから立ち上がろうとして、4人に抑え込まれる。
「ダメだよ。まだ寝ていないと」
キキョウさんに注意をされた。4人から暖かなオーラが注ぎ込まれ、眠りへと落ちていった。
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目の前には父さん、母さん、ルシファーさん、レヴィアタンさん、ベルゼブブさん、アスモデウスさんがいる。ここは、次元の狭間にあるベースキャンプだ。
「イッセー、何があったんだ?」
父さんに訊かれた。
「何者かに襲撃されて…セラフォルーさん、クリスさん、アーシアさん…ほとんどのみんなが…」
「セラフォルーって、同化吸収しまくっていた?」
「そうだよ、父さん…なのに、マインドロストしていた。恐怖で自慢の黒髪が真っ白くなっていたし」
僕は思い出したくない記憶を掘り出して、目の前のみんなに話し始めた。
「イッセさんが、僕だけを、この世界へ返してくれたんだ。僕も戦うって言ったんだけど、転送ルームに僕を入れて、転送ルームを死守してくれた…」
たぶん、イッセさんもダメだろう…
「相手は何者だ?」
「わからない…でも…たぶん…ドラゴニール・グレモリーだと思う」
最悪のシナリオを知るみんなの顔から、血の気が失せていく。
「おい、リアス君は団長の元で鍛錬中だぞ!誰の子供として産まれたんだ?」
父さんが乗り出して訊いてきた。
「クリスさん…と…レイナーレさん…双子…それの弟の方だよ」
「えっ?それだと、まだ幼いでしょ?」
母さんに訊かれた。
「うん…まだ2歳になっていない…なのに…」
「悪魔と堕天使は禁忌では無いはずだが…」
そう禁忌の組み合わせでは無い。イレギュラーは産まれないはずだった。
「いや、待て!クリスは聖属性の悪魔だ。レイナーレは純血の堕天使だ。双方には天使の血が宿っているぞ」
ルシファーさんは、意外な盲点を見つけた。そうだ。クリスさんは…でも…
「あれは聖属性の悪魔じゃない…まるで団長を凶悪化した感じだった…」
「団長の凶悪バージョン?」
「僕達の前に現れたのは、コピー体みたいだった。だから、ドラゴニールって確証は無いんだけど、他に容疑者がいないんだよ、あの世界には…」
「どんな特徴なんだ?」
父さんが瞑想気味で訊いてきた。
「透過能力…結界無効…クリスさんのホーリーアローを吸収したって…傷口は再生されたとも…悪魔と堕天使のハーフで聖属性攻撃がまるで効かないんだよ。その上、聖魔融合らいしい…」
「「聖魔融合!」」
皆驚いている。僕達も驚いたよ。木場さんですら、聖魔剣で聖魔融合の仕方を悩んでいたし。それを、幼子がいとも簡単に…
「ルシファー、そんな悪魔っているのか?」
父さんがルシファーさんの意見を求めた。
「聞いた事が無い。そんなヤツとは戦いたく無いなぁ…」
「ナヴィ、団長とは連絡が付かないか?」
通信管制のナヴィさんに訊いた父さん。
『まだです。居場所が特定出来無いと、無理です。キャッスルドランでも捜索隊を編成して、捜索しているようですが、まだ発見できないそうです』
団長は、また飛ばされたらしい。しかし、飛ばされた世界はロストし、それ以降の足取りは追えていないそうだ。
「なんで世界がロストしたの?」
父さんに訊いてみた。
「わからない…アカシックレコードから消えたそうなので、原因究明すら出来無いそうだよ」
「ねぇ、団長のお姉様は?」
団長のお姉様の綾香さんは、絶対神より上の神である。何か知っていそうだ。
「こちらからは連絡できない。メイビスがいれば、連絡できるんだろうけど」
メイビスさん…この世界の聖書の神で、団長の補佐をしている。団長のお姉様とも仲が良いそうだ。
「もし、この世界に来たら、倒せるかどうか…」
父さんは、ドラゴニールがこの世界に来る事を恐れていた。もし来たら…たぶん、アチラの世界の二の舞だろう。
「キャッスルドランは、呼べないの?」
団長専用の移動ベースだ。そこには、常時数部隊が詰めている。その戦闘力はチーム内でも随一だ。
『あれは、団長の直属部隊…団長の指示以外では動かないし、現在は団長の捜索が最優先だから、無理だと思います』
ナヴィさんから、回答が来た。ダメなのか…
「今いる人員で乗り切るしか無いだろう。そうか…クリス君達の救援部隊も編成しないとダメだな。蘇生要員…いたっけ?」
いない…ヴァレリーさんは向こうだし…イッセさんも…
「そうか、蘇生要員は向こうの世界かぁ…そうなると、団長を見つける方が先か。見付かるまで、戦力をアップして行こうか」
---イッセ---
イッセーは無事に転移したかな?転送ルームを破壊した。アイツが、アチラに行けないように…
しかし、アイツは何者だ?化け物にも程があるだろうに…俺の攻撃がまるで効かない。団長と同じ透過能力…あれは厄介だ。あと、吸収能力…団長より凶悪で有る。相手の能力すら吸収してしまう。迂闊に触れると、丸腰にされてしまうし。
気配を窺う…まぁ、あまり意味をなさないけど。空気同化術、気配、オーラなど、マーク出来る物が何も無い。団長の場合は、僅かな波動が生じていたらしいが、それすらも無いらしい。
まさに、団長の凶悪バージョンだ。団長でも勝てるか分からないなぁ…
居住区に戻ると、ヴァーリの元へ向かった。
「どうだ?」
声を掛ける。
「イッセーは…」
自分の事より、彼氏の心配か…
「無事に転送ルーム入れた。転移したのを確認して、破壊したから、大丈夫だろう。」
「そう…」
ヴァーリはイッセーを逃がす時間を稼いだ。相手の行く手を阻んだのだ。その結果…マインドロストして、死の淵を彷徨っていた。
「アイツの攻撃って、どんな感じなんだ?」
「団長のエロ系の極悪バージョンだよ。快楽は無い…有るのは激痛だけだ。激痛に耐えられなくなると、マインドロストするようだよ」
聖属性オーラを体内に放たれたらしい。内臓をやられたが、回復要員の回復術で、こうして生きている。だけど、もう戦えないだろうな。回復した内臓は日常生活する分には問題は無いが、戦闘でのダメージは命取りになるかもしれない。
「いつでも囮になるよ。死ぬ事を恐れたら、イッセーにドヤされそうだから」
強張った笑顔を俺に向けてきたヴァーリ。
「みんなはどうなんだ?」
「クリスさんは、リベンジに向けてリハビリしている。グレモリー卿夫妻はショックのあまり、塞ぎ込んでいるよ。まさか、孫が…」
「そうだな。ラスボスだったなんて、悲劇すぎるよな」
急に、静かな寝息を立て、ヴァーリは寝落ちした。
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リアスがしゃべれるようになると、事態は一変した。ドラゴニールは、リアスを護る為に、クリスさんと戦ったらしい。室内で放たれたホーリーアローからリアスを護る為に、彼女の盾なったそうだった。そして、正気を失ったクリスさんとどこかに転移したと言う。
「ドラゴニールは話せなかったの。お父さんに弁明したくても…それなのに、釈明出来無いからって、いきなり攻撃って…」
クリスさんの欠点…テンパると、周囲が見えなくなる。冷静時に於いては良い指揮官だけど…
「僕のせいなのか…ドラゴニールの心が閉じてしまったのは…」
実の娘の告白は、クリスさんに多大なダメージを与えたようだ。その場で、蹲るクリスさん。
「いつだって、ドラゴニールは私を護ってくれた。なのに…みんな酷い!」
事態は最悪な方向に向かっている気がする。
---イッセー---
ルシファーさんと肌を合わせる。ヴァーリと似たオーラを持つルシファーさんとの添い寝は、心が休まる。
「ほぉ~、こんなマネも出来る様になったのか?」
ルシファーさんの股間に顔を埋め、彼女の柔らかな部位を舌でなぞる。
「あぁぁあん…いいよ、てもいいよ、イッセー」
ヴァーリよりも大きなクリトリスを口に含み、その感触を味わう。。
「うっ…いい…イッセーごときで達するのは悔しいな…あぁぁぁいい…軽く噛んで…」
言われた通りにする。喘ぎ、蠢く、ルシファーさん。ヴァーリは元気かな?
「あっ…うぉっ…」
僕のアレを口に含み、巧みな舌遣いで、アレを戦闘可能にしていくルシファーさん。
「逝きそう…」
指遣いも巧みだ。あぁ、先端からチョロチョロと、湧き出し始めた。それを舐めてから、自分の体内に取り込みルシファーさん。彼女の体内は、僕には緩めである。でも、根元の締め付ける力は強い。それだけの刺激で…あぁぁぁぁ…はぁ~
「何だ、もう終わりか?」
僕のアレを体内に入れたまま、僕と身体を密着して、僕の頭を優しく包み込んでくれた。彼女の優しいオーラに包まれ、いつしか眠りについた僕…
----イッセ---
リアスから前世の話が語られた。リアスもドラゴニールも通常の転生では無く、二人一緒に着床出来る受精卵を捜して、彷徨っていたらしい。そして、たまたま、レイナーレさんの子宮にあった受精卵に着床したそうだ。
前世では母子だったそうだ。リアスと鳴神一成の間に産まれたドラゴニール。聞いていた最悪なシナリオ通りの展開と思いきや、結末は意外な物だった。
生後1ヶ月目に、魔王サーゼクスさんを半殺し…それにより彼は絶対隔離領域に封印されたそうだ。母乳も飲めずに、食べる物も無くどうやって生き延びたのか、わっからないが、生後2ヶ月目に脱走し母の元に帰ったそうだ。そして、母の乳首に…しかし、鳴神と交わりを再開していた彼女の胸から、母乳は出なくなっていたそうだ。彼はその怒りを鳴神にぶつけ、鳴神を半殺しにしたようだ。
生後3ヶ月目に、彼に恐怖を抱いたサーゼクス、鳴神を含む悪魔達は、母子が添い寝している時を狙い、二人を殺したそうだった。
「だから、ドラゴニールと、一緒にいたかった。私の行為で彼を恐怖の対象にしてしまったかもしれない」
悔やむリアス。
「そうね…私達も彼に恐怖を抱いた。あなたの前世の悪魔達と同じ様に…反省して、間に合うかしら?」
泣いているリアスを優しく抱き締めたヴェネラナさんが、グレモリー卿の顔を覗き込んだ。
「間に合って欲しい。この世界を終わらせない為にも…」
俺達の方をみるグレモリー卿。
「頼めるかな、イッセ君」
頷く俺…
「僕も行くよ」
木場さんが声を掛けてきた。動けるのは俺達だけかな。強烈な聖属性故、バンパイア達は近づけない。もちろん、悪魔もだ。おれも悪魔だけど、半分はドラゴンだしなぁ。
二人でドラゴニール探しに出た。
---イッセー---
リシアンサスさん達とアウロス学園に戻った。まだ留学期間が残っているし。もっと、強くならないと。
「聞いたぞ!厄介な敵が現れたそうだな」
ライザーさんが訊かれた。
「えぇ、団長の凶悪バージョンですよ」
「シュウのか?それは、凶悪そうだな。シュウ自体が凶悪だしなぁ」
まぁ、そうですね。団長の躾は凶悪だと思います。
「戦力はどうなんだ?」
「芳しくないですよ。クリスさんの部隊は、ほとんど戦闘不能でしょうし、僕の世界だと、父さんと母さんが最強クラスになるから、ダメダメです」
団長のチームでは、2軍扱いの父さんと母さん。
「そうだよな。当初の留学メンバーから強いのは、抜けているしな」
団長から託された戦力は、兵藤先生、黒歌先生、僕、ベンニーア、ティファさん、ルクシャナさん、龍牙君、エスデスさん、カリンちゃん、葉桜さんしか残っていない。
「俺は、この世界を護らないと行けないから、一緒には行けないし」
団長の世界を護るライザーさん達を引き抜くことは出来無い。
「あとは、シュウの飛ばされた世界と、キャッスルドランだけど…シュウの直属だから、動かないだろうな。あぁ、副団長の部隊はどうだ?」
そういえば、副団長が来ない。どうしたんだ?何か問題でもあるのかな?