※この作品はR-18です。

ハイスクールD×D(改)リライト版   作:もっち~!

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投稿後、次話との辻褄合わせの為の修正をしています。


夏休みの終わり

---イッセー---

 

久しぶりに自分の世界へ帰還した。しかし、そこには、ここを出る時にいたメンバーの一部がいなかった。あの激戦の世界で、戦線離脱をした者が多かったのだ。

 

「ほぉ~、良い面構えになったな、イッセー♪」

 

リビングに向かうと、父さんに声を掛けられた。団長とクリスさんの代わりに、僕の父さんと母さんが常駐することになった。

 

しかし、この場にいてもおかしくない、おじさん達の姿が無い。シアさん達も不審がっているようだ。

 

「あぁ、あのバカ親兄弟か?玄関の外でのしてある」

 

なるほど…シアさん達は玄関の外へと出て行った。

 

「で、この家は、俺達兵藤誠、一香が今後をまかされた。みんな、よろしくな!」

 

戻って来た皆を顔を見回す父さん。

 

「じゃ、今日は休養日にして、身体を休めろ。明日からは平常営業にするから」

 

各々の部屋へと向かい、それぞれがのんびりと過ごすことになった。。

 

「父さん、団長は?」

 

僕はその場に残り、団長の行方を尋ねた。

 

「有望な弟子を見つけて、つきっきりで面倒を見ているらしいぞ」

 

有望な弟子?僕は?

 

「お前は、それなりに完成形なんじゃ無いのか。そのお前を倒せるように弟子を鍛えているんだろうな」

 

どこか、父さんの顔は嬉しそうだ。

 

「弟子を鍛える気力があるのは、元気な証拠だよ。さて、イッセーよ。手合わせするか♪」

 

嬉しそうな顔の父さんに頷く僕。

 

-------

 

この世界の脅威は、団長がこまめに来て、掃除をしてくれたようで、事件らしい事件は起きないで月日が流れた。

 

しかし、平和は長続きしないものだ。

 

ドンドンドンドン!

 

激しく叩くノックの音で、平和な時間は終わりを告げた。ドアを開くと、知らない紅髪の少女が倒れ込んで来た。全身に酷い怪我を負っている。回復チームを呼び出し、治癒術を試みてもらった。

 

「あ…お願い…です…伝説の…騎士団…に…伝えてください」

 

意識が戻ると、女性は譫言のように、何かを伝えようとした。

 

「何をだ?」

 

咄嗟に、父さんが応対した。

 

「みんなを助けて…」

 

「おい!誰にやられたんだ?」

 

「ドラゴニール…」

 

その名を聞いて、固まる僕達。あいつ…消えたんじゃ無いのか?

 

「欲にくらんだ者達…封印の間…パンドラの箱…開けた…」

 

おい…あの封印を破ったのか?魔物達が開放されたのか?母さんが、ナヴィさんに確認をした。

 

『この世界では無いようです。この世界の封印は、聖騎士により護られています』

 

と、ナヴィさんから報告が戻って来た。じゃ、どこの世界だ?

 

『欲に目がくらんだバカがいて、分岐を新たに作ったようだよ。まったく…くそっ!』

 

綾香様から念話が届いた。怒りが載っている。相当怒っているようだ。

 

『亘はすぐに動けない。イッセーのチームでスクランブルしてくれ!』

 

命令が下った。って、僕のチーム?

 

「ねぇ、父さん。僕のチームって?」

 

「うん?留学組だろ?」

 

各々、この世界の時間を満喫していたが、父さんが招集を掛けた。我が家に集まってきた留学組達。

 

「スクランブル指令が下りた。すぐに現地にいって欲しい」

 

父さんが指示を出したのだが…

 

「俺はいかない。式森家の次期当主だ。そんな危ない世界へは行かない」

 

和樹が、この場を去った。

 

「俺もいかない。イッセー、悪い…兄を一人残していけない」

 

龍牙君も去って行く。その後も…残ったのは、ヴァーリと百代だけ…留学しただけでは、戦場へ行く決意は芽生えないのだろう。

 

「3名で行ってきてくれ。俺と一香は、この世界に常駐なんだよ」

 

父さんの目はくやしそうだ。

 

「わかった。行って来るよ」

 

回復した紅髪の少女から話を聞き、情報を収集する。ヴァーリと百代は遠征の準備をし始めた。回復役がいないので、回復薬を大目に効率よく持ち運ぶ為だ。

 

少女の名前はガイラ…名前を聞いて、誰の子かの予想が付いた。彼女の母はリアス・グレモリーで、父親は伝説の騎士団の団長だと言う。で、ドラゴニールの素性だが、彼女の弟で有り、根の優しい魔王であったらしいのだが、聖騎士達の護衛をして、ある遺跡で何かに取り憑かれ、性格が変貌したそうだ。

 

「何に憑かれたんだ?」

 

「まじん…」

 

「魔人?」

 

「魔神です。魔属性の神…」

 

魔神かぁ…って、何だ、それ?

 

「自分の血を呑ませる事で、どんな種族も魔神族にしてしまうんです」

 

交配繁殖では無いのか…吸血鬼みたいだな。

 

「心臓は二つあり、二つとも潰さないと死なないの…」

 

やっかいだな。

 

「能力はフルカウンター。直接的な物理攻撃だけダメージが入るけど、ダメージを入れるのが難しい…」

 

接近戦でしか戦えないのか…う~ん…

 

「君の世界の俺達はどうしているんだ?」

 

父さんが訊いた。首を横に振る彼女…ダメだったのか。

 

「ドラゴニールの能力は?」

 

「ドラゴンの笛…イッセーさんは私を助ける為に龍化して、ドラゴニールの手下に…御免なさい…」

 

僕に謝る少女。

 

「イッセー、龍化は出来無いぞ」

 

どうすればいいんだ?そうなると、ダークドラゴンが敵にいるってことだ。

 

「誠さん、一香さんは、龍化したイッセーさんを助ける為に、喰われました」

 

最悪なシナリオだ。この世界は、そこに向かうのか?

 

「鳴神はどうした?」

 

「私をこの世界へ飛ばしてくれました。父さんに…楽しかったよって、伝えてくれてって…」

 

アイツは最後まで戦っているのか…

 

「たぶん、ダメだと思う。鳴神さん以外、残っていなかったから…うっうぅぅぅう~」

 

泣き崩れた少女。

 

「イッセー、最悪だな」

 

って、ヴァーリ。

 

「あぁ、最悪だよ。父さん、この世界の封印を頼むよ」

 

「わかった。頼まれたよ」

 

僕、ヴァーリ、百代、ガイラの4名で最悪な世界へ転移した。

 

 

 

---式森和樹----

 

「お前みたいなヘタレに、この家は継がせない。この家から出て行け!」

 

父さんが激高していた。イッセーの家での出来事を話した結果だ。

 

「だって、生きて帰れないかもしれないんだよ。そんな場所に行ける訳ないだろ?」

 

「お前ってやつは…こんな平和な世界で、温室育ちを望むお前に、継がせない!」

 

「平和なんだよ。なんで、戦う準備をする必要があるんだ?」

 

俺に呆れたような表情になった父さん。

 

「平和だから、失敗を恐れずに鍛錬出来るのだろ?何故、分からないのだ?平和で無くなってから鍛錬しても遅いのだぞ!」

 

「父さんの息子である俺以外に、継げる人材はいないでしょ?」

 

余裕を持って言ってみた。結局、俺が継ぐことになるはずだ。

 

「兵藤言成君に継がせようと思う。イッセー君の息子だ。お前らの師匠のお墨付きだしな」

 

えっ?イッセーに息子がいるのか…あの歳でか?

 

「正式な手続きを進める。彼は兵藤家の次期当主でもあるが、兵藤家の現当主にも話はついている」

 

そんな…

 

「なんでだよ?実の息子だよ、俺は」

 

「才能無し、根性無しのヘタレに、この家の将来は任せられない。未来がそんな状況だと、いずれこの世界は戦いの毎日になるのだろうし」

 

俺は、どうすれば良いんだ?

 

 

 

---神城龍牙---

 

ドスン!

 

アニキに殴られ吹き飛ばされた。

 

「お前、何、逃げてきたんだ?俺は、そんなヤツに護られたく無い」

 

「いずれ、この世界は、暗黒の時代になるんだ。俺はアニキの傍で戦いだけだ」

 

未来から来た少女の話を伝え、イッセー達の話をすると、アニキが攻撃をしてきた。

 

「ふざけるなよ!お前は俺の友人の弟子を見捨てた弱虫だ。そんなヤツに護られたく無い!」

 

そうだよ。恐いんだ。俺を瞬殺したイッセが、戦線離脱する戦場なんて、行ける訳が無い。いや、足手まといになるだけだ。

 

「足手まといだと!行ってみないとわからないだろ?なんで、イッセー君をガードしきらないんだ?!おい!!」

 

ズドッ!

 

アニキの剣が俺を襲った。咄嗟に避けようとしたが、腕に刺さった。

 

「ははは、この程度の攻撃も避けられないのか。お前は、鍛錬を真面目に熟したのか?そうだな。その程度の腑抜けは、イッセー君も迷惑に違いない」

 

アニキは俺置いて、どこかへ去った。

 

 

 

---イッセー---

 

転移をした先、見た事の無い魔物達で溢れていた。僕達は鳴神のオーラを探索した。生きていてくれ…

 

戦闘…僕はエクスカリバーを手にして、百代は拳を武器にして、ヴァーリはガイラをガードして戦う。フルカウンターする魔神がどれかわからない。なので、用心して、直接攻撃だけをしていく。

 

「おい!キリがないぞ!」

 

「百代!油断するな。血を摂取するなよ!」

 

「そうだな」

 

見た事のないドラゴンも多数いる。僕達の倒した敵は、生きている敵のエサになるようで、仲間を躊躇なく食べている敵。救われない世界だな。

 

「見つけた!」

 

ヴァーリが鳴神を見つけたようだ。その場所へ移動する。

 

 

鳴神はボロボロになっていた。

 

「ガイラ…お帰り…」

 

上体を起こして、ガイラを抱き締める鳴神。

 

「ただいま…3人しか来てくれなかった…」

 

悲しそうに報告する彼女。

 

「上出来だよ。イッセーが居れば、来てくれるよ。俺の恩人がな」

 

「鳴神…」

 

「イッセー…いい面構えになったなぁ。俺は主のソーナを護れなかった…愚か者だよ」

 

寂しそうに言葉を吐く鳴神。

 

「どうして、こうなったんだ?」

 

「欲に目がくらんだバカがいたんだよ。それが嘘とも知らないでな。首謀者は聖騎士団だ。アイツらは戦いの場が無いと仕事がないんだよ。だから、敵を作ったんだ。封印されている災いを起こしたんだ。バカだよ、人間は…」

 

魔なる敵がいないと戦う場の無い聖騎士団。彼らの戦いは聖戦と呼ばれ、彼らは英雄になれるのだ。勝てばの話ではあるが…

 

「異種族共存は、この世界では無理だったんだ。あのバカ兄弟が仕切っている限りな」

 

まさか…あの神王と悪魔王がやらかしたのか…

 

「あぁ…」

 

僕の心を読み返事をした鳴神。

 

「エロ神への借金を返す為に、お宝の眠る封印だと想い、聖騎士団の口車にのって、パンドラの箱の封印を解いたんだよ。人間では封印の間に入れないからな」

 

何をしているんだ、あの人達は…

 

「あの二人も解除中に気づいただろうな。禁忌の封印を解いているってことにさぁ。でも、途中で封印解除の術は途中では止められなかった。あの二人ではな」

 

そうだ、知らせないと。

 

「手遅れだ。お前が戻ってきた翌日に、アイツらはやらかしたんだ。お前の父親に叩き出されたことで、借金をチャラにして、対等な立場になろうとしたんだ」

 

え?じゃ…僕の世界は…最悪なシナリオに向かっているのか…

 

「そうだ。ガイラの父親は?」

 

「エロ神はリアス、ソーナに種を渡していた。最悪なシナリオに向かったことに気づいた二人は、子供を作り始めたのはその時だ。子供を使者として送り出す為に。寂しさを紛らわす為に。そして俺は、ガイラとシイラの二人の子守り兼教育係になったんだ。エロ神のお陰で、子供を持つ幸せを知ったよ。自分の子供では無いけど…自分の子供のように育てた。でも…ソーナの子のシイラは護り切れなかった。くそっ!ソーナに世話になっていたのに」

 

「ごめんなさい」

 

ガイラが鳴神に泣きすがった。

 

「ガイラは悪く無い。俺が力不足だったんだよ。俺が倒した魔神の血を浴びて…飛沫が口か鼻に入ったようだ。シイラは魔神化してしまった。そんな彼女を俺の手で倒した…」

 

ガイラを抱き締め泣いている鳴神。

 

「どうすれば倒せるんだ?」

 

「龍化はするな。ドラゴニールに下僕化される。この世界にいたイッセー、龍牙は軍門に下っている。そうそう、ドラゴニールに取り憑いているのは魔神だ。アイツを退魔出来れば、ドラゴニールが戦力になってくれるはすだ」

 

退魔能力を持つ者はいない。最悪だな。

 

「兎に角、エロ神が来るまで、ガイラを頼む。コイツだけが生き残りんだよ」

 

「鳴神もだろ?」

 

「俺は、時間を稼ぐ。お前達はバベルの塔を目指せ…」

 

「先生!先生!え…死なないでぇぇぇぇ~」

 

ガイラが鳴神の異変を感じ、呼び掛けるが…鳴神は…遺体を埋めて、その辺に落ちている材料で墓標を作り、4人で祈りを捧げた。

 

『エロ神に魂を貰ったんだ♪転生が出来るんだ。ガイラ、生き延びて、俺を…新しい世界で俺を見つけてくれ』

 

僕達の脳裏に響く、嬉しそうな鳴神の声。鳴神の魂が天へと昇っていく。それをガイラは涙目で、見つめていた。そして、見えなくなった頃、

 

「じゃ、行くぞ。バベルの塔へ!」

 

僕達は敵に見付からないように、バベルの塔を目指した。

 

 

 

---リシアンサス---

 

イッセー君と共に行けなかった。招集の掛かった時、我が家では、父親が長期に渡って、行方不明になっていたから。

 

「どこへ行ったのよ」

 

母達が怒り心頭である。留学から帰ってきた日、イッセー君のお父さんに、団長への借金を払わないと、イッセー君の家には、出入り禁止と言われた上、叩き出されたそうだ。たしかに、叩き出されていたよな。夏休みの終わりの風景を思い出した。

 

「借金返済の工面では?」

 

出禁の解除を目指して…有り得る。はぁ~。

 

「そんなアテあるなら、留学中にすれば良いのに…」

 

父親の奥様方が会話している。ちなみに私の母親を含め3人の妻がいる父親。ネリネの父親も行方不明らしい。二人で借金返済の工面行脚に出たのかもしれない。まったく、あの父親は…

 

って、学校へ行かないと。冬休みは終わったんだから。留学を共にした仲間達と集団登校をして学校へ。その仲間の中に、イッセー君、ヴァーリ、百代はいない。現地へ出撃したと誠さんから聞いた。

 

「シアちゃん、元気出しなよ。きっと、元気な顔で帰って来るよ」

 

リアスに言われた。

 

「そうだよね。直ぐに帰ってくるよね」

 

イッセー君の顔を思い浮かべた。でも、その時、この世界では、最悪のシナリオへのスタートが静かに切られていた。

 

 

 

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