※この作品はR-18です。

ハイスクールD×D(改)リライト版   作:もっち~!

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遠征Part1 

迷宮都市オラリオ…神々が降臨する以前の『古代』とよばれる時代から存続する世界有数の大都市であり、同時に世界で唯一の迷宮都市。

 

世界一の魔石製品輸出都市であるオラリオは、ダンジョンの恩恵である魔石産業による利益を受け、大陸の一国家より遥かに発展している。

 

街は広大な面積を誇る円形状の形をしており、堅牢な市壁に取り囲まれている。都市中央には、天を衝く白亜の巨塔がそびえて立ち、都市の中央から放射状に、北、北東、東、南東、南、南西、西、北西の八方位に巨大な大通りが伸びている。

 

白亜の巨塔は、摩天楼施設『バベル』と呼ばれ、ダンジョンの『蓋』として機能している。内部には冒険者の為の公共施設(シャワールーム、簡易食堂、治癒施設、換金所等)の他に、開いているスペースには、色々な商業者にテナントとして貸し出されている。また20階から上はギルドの管理のもと神達に賃貸されている。

 

地下1階 ダンジョンに通じる大広間。床の中央には地下迷宮の出入口の大穴(直径10m)が口を開けている。

2階 冒険者用公共施設 簡易食堂等

3階 冒険者用公共施設 換金所等

4~8階 【ヘファイストス・ファミリア】バベル支店

 

 

---イッセー---

 

遠征前に配られた資料を読む。実地鍛錬として、異世界へ遠征することになった。学問としての鍛錬は基礎であり、実戦こそリアルな鍛錬だそうだ。

 

遠征メンバーは僕、ヴァーリ、ガイラである。これだけでは、チームとして機能しないので、サポートメンバーも随行するそうだ。

 

前衛として、聖戦士の夏凜さん、剣士のアスナさん、魔法使いとして、ハーフエルフのリトルさん、ハーフハイエルフのフィアナさん、回復役として、エリザベスさん、メイドとして、鬼族の双子姉妹のラムさん、レムさん、索敵要員として人狼のチェインさん、夜のお供として、雪姫さんだそうだ。

 

うん?夜のお供って何だ?

 

そこに、シュウさんのチームメンバーが加わるらしい。

 

「夜のお供って何ですか?」

 

よく解らない言葉を訊いた。

 

「あぁ、それは僕の…イッセーはヴァーリがいるだろ?」

 

「何を言っているんですかぁぁぁぁ~!」

 

真っ赤に顔を染めたヴァーリが手で顔を覆って俯いた。

 

「父様!それはセクハラですよ~!」

 

ガイラからレッドカードが出された。あぁ、そういうことか…男女…授業で夜の営みってあったなぁ…

 

「この程度でかぁ?う~ん…性教育も必要か?」

 

「アウロス学園で基礎知識は習っていますって…まったく、父様はブツブツブツ…」

 

シュウさん親子…羨ましいなぁ。僕には出来無い親子のヤリトリ…

 

「私がいるよ、イッセー」

 

ヴァーリが僕の背中に抱きついた。なんか、落ち着く。なんでかな…

 

-------

 

何か所かを経由して、オラリオの世界へ来た僕達。中世ヨーロッパ風な…ファンタジー世界のような感じだ。実際、ファンタジー世界なんだろうけど。

 

「団長、お待ちしていましたよ」

 

「おぉフレイ、悪いなぁ」

 

「いえいえ。こちらです」

 

親衛隊のフレイさんが出迎えてくれた。この世界の拠点になる場所へ先導してくれている。

 

「ここです」

 

「う~ん…ここか…」

 

良い香りが漂ってくる。食事処が傍にあるのかな?

 

「ここって、借り易いから…どこの世界でもねぇ」

 

「トラブルも呼び込み易くないか?」

 

「地下室は無いですよ。今回へ団長の部屋でお願いしますね」

 

地下室?何をしていたのかな。まぁ、シュウさん関連だから、アレだろうけど…

 

ホームと呼ばれる僕達の住処に足を踏み入れた。玄関を入ると店舗スペースがあり、奥に作業や水回り系の施設がある。住居スペースは2階、3階だそうだ。一人一部屋が与えられた。自分の装備品は自分の部屋に置くようにだそうだ。

 

「基本的に、装備品は、フレイとジムと僕で作って、支給する。稼ぎは、大事に使えよ」

 

基本、稼ぎは、おやつとか遊行費に使って良いらしい。でも、いざと言う時の為に貯めることは大切だと習った。

 

「で、主神は誰がやるんだ?」

 

「あぁ、僕がやります」

 

親衛隊のジムさんが挙手した。

 

「ファミリア名は、ナイトクロウにしてあります」

 

この世界では、神及び女神が主神となり、ファミリアという冒険者組織を持てるらしい。って、言うか、迷宮に潜るにはファミリアに所属していた方が良いそうだ。

 

「食事は…まぁ、ここで食べるのが基本です。団長を除いてね…」

 

「おい!外泊ありきで、言うなよ!」

 

抗議するシュウさん。ガイラさん、フィアナさん、リトルさんの視線を気にしている。三名とも娘枠だそうだ。

 

「はいはい♪」

 

ジムさんは、シュウさんの抗議をスルーした。凹むシュウさん。

 

「いつも、こんな感じ?」

 

アスナさんに訊いた。

 

「まぁ、ねぇ」

 

苦笑いしているアスナさん。

 

「そうだ。イッセー、この剣を使え!」

 

ジムさんが一降りの剣を手渡して来た。

 

「龍喰剣ドラゴニールだ。所謂、ドラゴンスレイヤーにあたる」

 

ドラゴンスレイヤーとは、対ドラゴンに於いて、ダメージが多くなる剣である。この世界はドラゴンがいるのだろうか?

 

ドラゴニールは見た目がごつい割りに軽い。軽く振ってみる。うん、重心も悪くない。さすが、ジムさんのお手製である。

 

-------

 

このホームには中庭があり、そこで軽い鍛錬をする。剣の先生はアスナさんである。

 

「う~ん、いい感じだね。実戦だとどうなるかだな」

 

実戦は経験ゼロである。

 

「明日、軽く潜る?経験してみて、問題点をあぶりましょうね」

 

問題点…ありそうだ。不安だらけである。

 

「イッセー、一人で背負うなよ。チーム戦の鍛錬なんだからね」

 

ヴァーリが僕に抱きつき、勇気付けてくれる。

 

その夜、シュウさんの部屋を訪れた。僕には解決したい問題があったから。シュウさんはエリザベスさんと…最中だった。

 

「かまわない。なんだ、イッセー」

 

いや、僕が困ります。しなやかなエリザベスさんの肢体が、シュウさんに絡み付くようにスキンシップをしていた。

 

「うん?目のやり場に困るか…エリザベス、ちょっと、席をはずしてくれるか?」

 

「はい!また、後で寵愛をくださいね♪」

 

着ていた物を抱え、全裸で部屋を出て行ったエリザベスさん。

 

「で、なんだ?」

 

「あのですね…シュウさんとかヴァーリとかと初めて会った時、初めてでは無い感覚があったんです。なんでですか?」

 

「それは、魂に刻まれた記憶のせいだ。前世の記憶が残っているのだろう。消そうとしても消えない記憶がな」

 

前世の記憶?

 

「前世で、お前と共に戦ったんだよ。僕達はねぇ」

 

前世で共に?

 

シュウさんの口から、長い長い物語が語られた。僕の前世の物語…僕は、前世でお世話になった者達を死へ向かわせたらしい。配慮が足り無かった、いや、判断が甘かったのだろう。ヴァーリは僕を護る為、命を削っていたそうだ。そして…

 

だから…ヴァーリは…

 

「ヴァーリもガイラも前世の記憶はまるまる残っている。お前への想いを消すのが忍びなかったからだ。そして、ジムの打った剣、ドラゴニールにはガイラの弟の魂を宿している。あいつも、イッセーの為になりたい想いを持っていたから。結果的ではあるが、アイツは二人のイッセーの心を殺したから…」

 

この剣は…そういう剣なんだ…だから、見た目と違い、剣が僕をアシストしてくれているのか…

 

「ここでの鍛錬が終わったら、お前を、兵藤家、式森家、両家の当主と会わせる。立派な面構えを見せてやれ」

 

僕は前世で、シュウさんの大事な人を殺した…それが唯々ショックだった。

 

「おい!思い悩むな!前世でのことだ。今は今の世界を考えろ!」

 

光に包まれていく。シュウさんが笑顔で見ている。どこに転移させるんだ?

 

「えぇぇぇぇ~!」

 

お風呂場に転移した。ヴァーリとガイラ、リトルさん、フィアナさんが入浴中だった。

 

「う~!父様だよね…こんなことをするのは…」

 

ガイラさんが怒り心頭である。ヴァーリは全裸で僕を見据えて固まっていた。

 

「あの…シュウさんに…聞きました。その…前世でのことを…ヴァーリ、ごめんなさい」

 

僕はヴァーリに頭を下げた。

 

パシャ!

 

ヴァーリが湯船から出て来た。2、3発殴られるかな…予想とは違い、柔らかい濡れた肌が僕を抱き締めてきた。

 

「そう…話したんだ…団長。気にしないでいいんだよ。私はイッセー君にしたいことをしただけだから。悔いはなかった。こうして、またイッセー君の傍にいられるし♪」

 

「そうなのか…あと、ガイラさん!弟さんの魂を借りします」

 

「それも話したの?父様は…」

 

ガイラさんが苦笑いをしている。

 

「弟の贖罪よ。弟は私を人質に取られて、あなたを二人も殺した。それは事実だから…だから、ドラゴニールの気の済むようにしてあげて」

 

ペタペタペタ

 

全裸のフィアナさんとリトルさんが僕の横を通り抜けて行く。

 

「ちょっと、団長に抗議してくるわ!」

 

二人は怒りのオーラを纏っている。全裸で行くのか…

 

-------

 

翌朝、シュウさんは部屋から出て来なかった。朝まで二人に絞られたらしい。

 

「二人共大丈夫?」

 

「えぇ、団長に睡魔を退治してもらいました。私達の眠気をドレインしてもらったし」

 

そうなると、シュウさんは三人分の眠気を抱いて寝ているらしい。

 

「じゃ、役割分担は、前衛をイッセー君、私、アスナさん、夏凜さんで行きます。イッセー君一人で行けるところまで行き、残りの者はマズい時は参戦をします。中段は、リトルさんとフィアナさん、後衛はエリザベスさんでお願いします」

 

指令塔役のヴァーリから、メンバー発表がなされた。

 

「心配するな。イレギュラーが発生したら、直ぐに行くから」

 

って、フレイさん。僕達の後方5分程度の距離で、付いて来てくれるらしい。

 

「じゃ、行きますよ。あぁ、各自お弁当を持ってね。ポーターがまだいないから」

 

ポーターとは荷物運び役らしい。団長の指示が無いと動けないらしく、今回は熟睡中の団長からは指示が出ていないんだそうだ。

 

中央広場にあるバベルの目指す。そこの地下に迷宮があるんだとか。貰った資料にも出ていたな。

 

まず1階層にある『はじまりの道』で鍛錬をする。相手はゴブリンである。4階層までが上層と呼ばれ、ゴブリン、コボルトが主体だそうだ。1匹ずつは弱いらしいが、たまに集団で現れると脅威になる。

 

「慌てずに、確実にだよ」

 

ヴァーリから指示が飛ぶ。そうだけど…集団で来るとあせる。

 

「背中はまかせて」

 

アスナさんに声を掛けられた。そうだ。僕達も集団だよな。少し余裕が出るが…

 

「首とか足の付け根を狙って!動きを封じ込めるんだよ」

 

ヴァーリからの指示。しばらくすると、

 

「ヴァーリ!息が上がってきているよ。下がって!」

 

リトルさんからの指示、ヴァーリが下がり、そのポジションに夏凜さんが入り、応戦をする。

 

3階層へ下りる通路で休憩。通路に魔物が出ることは少ないらしいから。

 

「はぁ…はぁ…はぁ…」

 

ヴァーリの呼吸が荒い。

 

「ここまでだな。帰りのことを考えて進まないとね」

 

って、リトルさん。

 

「すみません。はぁ…はぁ…」

 

苦しそうな呼吸をしながら、ヴァーリがみんなに謝っている。

 

「いいんだよ。気にしないでね。ヴァーリの体力アップも課題だから」

 

フィアナさんが優しく、ヴァーリを気遣っている。

 

-------

 

ホームに戻り、反省点、問題点を洗い出していく。

 

「イッセーは狙うポイントの選択速度のアップ、ヴァーリは体力アップだ」

 

親衛隊の隊長のファルコンさんから、課題を言われた。

 

「1週間後に再度潜ってくれ」

 

1週間、中庭で鍛錬をみっちりだな。

 

「イッセー君は、剣捌きは問題ないわ。そうね、フットワークを鍛錬しましょうね」

 

って、アスナさん。それは反復横跳びとか、スクワットとか蛙飛びですね。う~ん、苦手な分野だ…だから、問題なのかな?

 

 

 

---ヴァーリ---

 

団長の部屋を訪れた。私の問題の解決策を見いだす為に。

 

「どうした?」

 

「想っていた以上に、早く息が上がっちゃうんです」

 

切実な問題を訴えた。

 

「しょうがいない。正規な手順で無かったから」

 

正規で無い?

 

「前世で君の魂を神器に保存しただろ?君を生かしたまま。あれがダメなんだよ。普通は死んでから、招魂して、神器に保存するのが正規の手順だよ。でも、君は生きた状態でイッセーに言葉を掛けたかったって…」

 

あぁ、あれが原因なのか…

 

「魂が疲弊しているんだ。ボロボロの状態のまま、魂的には死んではいないから」

 

確かに…死んではいない転生である。魂は死という体験を経て休めるらしいが、私の魂は、あの時のままである。死を体験せずに、神器の中に封じ込まれていた。

 

「どうすれば、改善しますか?」

 

「そうだな…苦しいけどいいか?」

 

「かまいません。イッセー君の傍にいたいんです。彼の隣にいたいんです。彼が天寿を全うしたら、私はロストしてもかまいません」

 

「う~ん…」

 

難しい顔の団長。こんな団長は見た事がない。

 

「ロストはさせない。させられない。もう君はイレギュラーだからね。毎日8時間、闇の世界での禁固刑を受けて貰う。この世界の1秒は、あっちでは1日になる。だから、毎日80年ほどの禁固刑になる。どうする?」

 

それしか手が無いなら…

 

「それでかまいません」

 

「夜の営みは出来無くなるぞ」

 

それは…でも…

 

「かまいません。で、どの位、それを受けるのですか?」

 

「初犯だから1000年ほどだ。だから、約2週間くらいだよ」

 

1000年か…精神が保つかな…不安ではあるが、それしか無い。

 

「お願いします」

 

「あぁ、わかった。まぁ…」

 

団長の話している途中で、目の前が真っ暗になった。刑が執行されたようだ。何も感じ無い。何も見えない、聞こえない…だけど、脳裏に前世の救われないシーンが繰り返し流される。イッセー君がダークドラゴンになりメイビスさんを食べるシーン、魔神化が進む百代さんの首を刎ねるシーン、リーラさんを斬り殺すシーン…私とのシーンは無かった。これが罰なんですね。

 

私の問いに答える者は、ここにはいないようだ。

 

 

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