---イッセー---
レーティングゲームの翌日、鬼が降臨した。ズタボロ状態のサーゼクスさんを正座させて、怒りをぶち込んでいた。
「どういうことかな?言ったよな?言わなかったっけ?」
「いえ…言われました…この度は、申し訳ありませんでした」
鬼に土下座する最強な魔王様。
「で、妹のケンカに兄が出てくるって、どういうこと?」
「いや…あまりにも規格外な戦力だったので…」
「はぁ?規格外?どこの規格かな?この世界のレーティングゲームには、参戦出来る種族の括りでもあるのかな?教えてくれないかな?」
「いえ…そんな括りは…無いです…」
「で、なんで、子供のケンカに大人が出てくるんだ?」
「妹を護る為です!」
そこを言い切ったら、火に油を注ぎそうです。
「ふ~ん…果たし状を出した本人は、兄に泣き付いたのか」
「サーゼクス、私からも言う。お前、私の娘がいるって知っていて、参戦したんだな?」
ルシファーさんも怒りを放ち始めた。
「いや…それは…」
「うん?今の冥界では、ルシファーを簡単に名乗れるのか?」
「いえ…そんなことは無いです。ルシファー家とルシファーの名を継ぐ者だけです」
「じゃ、知っていたんだよな?!」
現魔王は立場が危うい。鬼と初代魔王を敵にしているので…
「僕が気づかなかったら、ヴァーリもイッセーもボコられていたかもな♪」
それはどうだろうか?ラムレムさんがいるし、リトルさん、フィアナさんがいるし…
「裁定をくだすかな。サーゼクスよ、リアスとグレイフィアのうち一人を選べ!」
2択である。選んだ方をどうするかは言っていない。難しい選択である。
「なぁ、見逃してくれないか?」
「約束したよな?無茶と無理はさせないって…それともあれは、悪魔的にセーフなのか?おい!ルシファーよ!」
矛先がルシファーさんへ向かった。危険である。
「いや、アウトです」
「サーゼクスは出せないようだ。お前が代わりに出せ!」
「私ですか…代わりの者と言われても…私とヴァーリしか…」
ルシファーさんの声は震えている。演技では無く、恐怖によるものだろう。鬼はマジ切れしている。
「待ってくれ…ルシファー様には手を出さないでくれ…母を出す。ヴェネラナ・グレモリーを出す」
サーゼクスさんがとんでもないことを、口にした。選択肢になかった者を差し出すって…それも自分の母親をって…
「ほぉ~♪悪魔とは罪深い生き物だな、ルシファーよ」
「はっ、仰せの通りです。サーゼクス…貴様…私にドロを塗るとは…」
ルシファーさんの怒りはサーゼクスさんへと降り注いでいる。
「今日中には連れて参ります…」
鬼が許可していないのだが、サーゼクスさんは転移していった。
「どうも思う、ルシファー?」
普段のオーラレベルに戻った鬼。
「どうもこうも…自分の母親を出すとは…妻想いの妹大好きな奴らしい結論です」
ルシファーさんは呆れている。
「まぁ、約束時に母親も候補には出したけど…まさかなぁ…そう決断するとは」
どうするんだ?いや、どうなるんだ?
---ヴェネラナ・グレモリー---
満身創痍な状態でサーゼクスが戻ってきた。最強の魔王らしさは微塵も感じられない。
「父上、母上、申し訳ありません。母上を人質に差し出すことになりました」
息子から信じられない言葉が飛び出した。私を人質に?誰に差し出すのだ?
「何を言っているんだ?誰にヴェネラナを差し出すと言うのだ?」
「約束を反故にしました。魔王としての約束でした。その代償です」
「魔王として誰と、何を約束したんだ?」
主人が息子を問い質した。
「幽玄龍騎士団の団長と、彼の弟子に対して無茶と無理をしないと…」
耳を疑う言葉…幽玄龍騎士団…初代魔王ルシファーを、魔王の座から引き釣り下ろした者である。
「どんな無茶をしたのだ?」
主人が更に問い質した。
「リーアが売ったケンカを、俺が代わりに出ました。ルシファー様の娘さんが、いる勢力にです」
最強と言われた魔王が、ルシファー様の娘さんと、あの団長の弟子に対してキバを剥いたと言う。それは、ダメである。魔王としてやってはいけない行為である。
「なんてことしたのだ?!サーゼクスよ!!」
「相手の眷属が規格外だったので、代わりに…リーアでは絶対に勝て無い相手ですから」
勝て無いって…娘が売ったケンカでしょ?なのに…
「わかりました。私が人質になれば、丸く収まるのですね?」
覚悟を決めた私。
「ヴェネラナよ、待ちなさい。私が話し合いをしてくる」
主人が、話し合いに行くと言う。しかし…
…
話し合いをして戻って来た主人が、息子に掴み掛かった。
「お前…お前が悪いんじゃないか…俺はとんだ恥をかいたぞ。ルシファー様の面前で!」
主人によると、話し合いの途中で息子は、中断して席を立ったそうだ。娘と嫁の2択を迫られて、私を差し出すと言い切って…
「相手は困惑していたぞ。選択肢にないヴェネラナを差し出すと言われてな…」
「グレイフィアとリーアを差し出せない。そうなると、母上しか残らない」
「お前…なんで、約束を護らせなかったんだ?リアスに甘すぎるぞ!」
「あぁ、悲しいかなシスコンだからね」
笑みを浮かべるサーゼクス…なんで、こんな息子になったのだろうか。
そして、私は、人質として人間界へ送り出された。
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「マヂか…ヴェネラナ…なんだ、その恰好は?」
え?人質と言われて…性の奴隷覚悟で…そのような姿で、言われた場所に行ったのだけど…ルシファー様が呆れて、私を見ている。
「ルシファー様…どうして?」
部屋着で寛いでいるルシファー様…
「どうしてって、私達の家だからな」
頭を掻いているルシファー様。次の瞬間、言葉を失う私。天界の長であるメイビス様がいらした。彼女も部屋着で、まったりモードで有る。この家はなんだ?
「この家はなんですか?」
人質の意味がわからない。
「見ての通りだ。まぁ、ヴェネラナであれば、問題は無いな。今日から、お前はこの家のメイドになってもらう。私とメイビスだと家事がぎこちないからな♪」
人質…家事を任せられる人材の確保だった。で、グレイフィア狙いだったらしい。約束を反故にされるのは、織り込み済みだったそうで、サーゼクスはまんまと罠に嵌まったのだ。
「なんで、こんな回りくどい手を?言ってくだされば、いつでも私はお手伝いに来ましたよ」
ルシファー様は知らない仲では無い。
「彼が原因だよ」
ルシファー様が指差す先にいた少年…遠い昔に出逢っていた気がする。お世話になった者達の面影が残る少年…まさか…
「イッセー君…生きていたのね」
少年に走り寄り、優しく抱き締めた。死んだと思っていた。両親は惨たらしい死体であったから。
「え?リアスに似ている…叔母さんは誰?」
「小さい頃に会ったから、覚えていないのね。ヴェネラナ・グレモリーですよ。誠殿、一香殿には、ほんとお世話になりました」
「あっ!ベネさん?」
幼い彼にはヴェネラナという発音は難しかったので、ベネさんと呼んで、慕ってくれた。リアスと同じ位の歳であったけど、お子様扱いを嫌うリアスと違い、イッセー君は私を慕ってくれ、心を許してくれ、甘えてくれた。それは私にとって、母性本能として嬉しいことであった。
「そうよ♪」
「ヴェネラナよ、それが理由だ。彼は死んだ事になっている。生きていると判れば、また狙われる。だから、彼の眷属はそれなりの者を入れている。私の娘を含めてな」
だから、頼むことは出来なかったのか。依頼って物は、どこかで内容が漏れる。だから、問答無用な強制徴収という形で、呼び込むことにしたのだろう。
「彼は鬼門イッセーと名乗っている。決して兵藤一誠とバレることはするなよ」
「わかりました。ルシファー様、誠心誠意、イッセー君の乳母になりたいですわ」
イッセー君を抱き締める。彼はイヤな顔をせずに、私を受け入れてくれた。あの時と同じように頬を重ねて来てくれた。彼のオーラに包まれていく。幸せな気分になっていく感じだがする。
「問題はサーゼクスとリアスだよな…お前の亭主は口が堅いので、真実を告げてある。なので、彼があの二人の忘れ形見だと知っている。お前の人質理由もな」
あの人はわかってくれたんだ。誠殿、一香殿と交流があったし。そうなると、そうですね、息子と娘は問題になるわね。とくに娘は、彼の正体を知れば吹聴するかもしれない。自慢げに…
---イッセー----
新しい学校へ転校…ヴァーリも鬼門ヴァーリとして、3姉弟として通うことになった。今度の学校は人間の学校である。う~ん、道徳の時間が拷問である。
そもそも、鬼に育てられた僕達に、人間の道徳は無意味な気がする。まぁ、セーラは悪魔としての道徳が根強いけど。
嘘を吐いたら舌は抜かれる物だと理解している僕とヴァーリ。人間は抜かないらしい。嘘も方便として、容認しているそうだ。う~ん…
悪い事をしたら鉄拳制裁だと理解している僕達。なのに、人間は神に許しを乞えるらしい。神はそんなに寛容では無いと知らないのだろうか?
「ダメだ…道徳が…」
「イッセー君も?私もよ…」
道徳以外は優等生並な僕達であった。
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夏…プール…水着…着替え…異性として異性を捉え始めた人間の友人達。
「イッセー…ヴァーリってどうなんだ?」
どうって訊かれてもなぁ~
「スタイルいいよ。抱き合っても気持ちいいしねぇ」
「え?抱き合っているのか…なんて羨ましいんだ…」
羨ましい?そうなのか?
「やはり、桐生は胸デカそうだよな」
友人達の目は、桐生藍華という女子の胸をロックオンしている。巨乳系は、リアスを思い出すのでノーサンキューな僕。
「イッセーは興味無いのか?」
「あぁ、ヴァーリがいるからね♪」
「くそっ!羨ましい過ぎる環境だな」
って…セーラは話題にも乗らない。う~ん…人間の目には映らないのだろうか?
「イッセー、あの子達の願望を叶えて上げない?」
セーラの目が妖しく輝く。ロクなことは起きない気がする。
「どうするんだよ?」
「桐生ちゃんと一夏の想い出を作って上げるのよ」
ロクなことでは無いと思う。だけど、セーラの暴走は恐いので、傍にいてコントロールしないと。手に負えなくなったら、ヴァーリへ連絡だな。
---桐生藍華---
水泳の授業…男子の目が私の胸を…なんて、卑しい目なのだろうか。まぁ、眼中にも入らないセーラよりはいいか。
ライバルはヴァーリである。スタイルはいいし、性格も良いし、文武両道であるし。50メートル泳で、ヴァーリと対戦。負けた…でも、悔しくは無いのだが、彼女の妹であるセーラに負けたのは悔しい。あの子、男子なんじゃないの?実は…そんな胸である。
彼女達の弟であるイッセー。そこそこである。イケメンでは無いけど、彼氏にはしたいランキングでは上位にいる。問題はシスコンであることか。ヴァーリが大好きなようだ。
授業が終わり、更衣室へ向かう。水着を脱いで、シャワーを浴びる。で、バスタオルで水気を…あれ?バスタオルが無い…着替えの終わった友達が次々と更衣室から出て行く。全裸で自分のロッカーの前まで行き、ロッカーを覗くと…何も無かった。はぁ?盗難?って、どうやって知らせれば良いんだ?更衣室に残っているのは…セーラだけだ。
コイツには頼み事はしたくない。弱みは見せられない。でも、状況が状況である。
「あれ?藍華ちゃん…全裸で授業に行くの?自慢のボディーで男子生徒を釘付けかしら♪」
コイツ…コイツがやっったのか?
「私の私物を返しなさい!この泥棒が!」
「泥棒?言い掛かりは、死を招くわよ♪」
えっ…有り得ない刺激…下半身に力が入らない。その場で四つん這いになってしまった。
「うん?奴隷のポーズかな?じゃ、ご褒美をあげるね♪」
セーラが何かを下腹部へ塗り込んでいく。気持ちいい…まさか、媚薬?
「あれ?どうしたの?息が荒いわねぇ~♪」
鼻に何かの気体を噴射してきた。甘い香り…これも媚薬か?
「あれあれ?口からヨダレがダラダラでているよ。お腹減ったの?じゃ、おやつをあげるね」
割れ目の中に何かを入れられた。体内でシュワシュワいっている。これも媚薬か…えっ!お尻の穴にも何かを入れている。コイツ…何がしたいんだ?
「うぉ~色っぽい裸体だよね。こんな姿を男子が見たら、放っておかないと思うの♪」
腰が勝手に動く…
「助けて…」
---松田---
放課後、元浜と共に、帰宅だ。イッセーというダチもいるのだが、シスコンなので、姉二人と帰宅していく。羨ましい限りである。クラス一の美少女のヴァーリちゃんと、毎晩抱き合っているかもしれない。血の繋がらない姉弟故、抱き合っても問題が無いらしい。
「うん?松田…更衣室に全裸で寝ているヤツがいるぞ」
元浜が、女子の更衣室で裸体を見つけた。デジカメで撮影していく。おぉ~、我がクラス一の巨乳の桐生藍華では無いか。なんで、こんなとこで寝ているんだ?
しばらく観察するが、まるで動かない。
「死んでいるのか?まさか…」
元浜の言葉…介抱するか。更衣室へ足を踏み入れた俺達。そして、桐生の元へ行き、抱き起こすが反応はない。呼吸はしている。脈も振れているが、反応は無い。抱き起こした際に、胸に触れてしまった。気持ちいい…なんて柔らかいのだろうか…
元浜は、割れ目を開いて、ガン見している。これはカメラに収めないと…上半身を元浜に託し、俺は下半身の撮影をしていく。
「なぁ、アレがムクムクしまくっているんだけど…」
って、それはマズしだろう…いくら何でも…
「抱いて…」
桐生の言葉…今何て言った?
元浜は、桐生の胸に顔を埋めた後、谷間にアレを挟んだ。俺も下腹部で…
---セーラ---
「セーラ、何をやっているのかな?」
ヴァーリに声を掛けられた。
「イッセー君はセーラに甘いよねぇ~」
狼狽えているイッセー。マズい…
「で、何をやっているの?」
ヴァーリの目は笑っていない。ヤバい。転移して逃げる私。
「結界は張ったわよ。トンズラは許さない!」
転移出来なかった私…どうしよう。
「あぁ、なるほどね。藍華に…まぁ、これくらいはいいでしょ」
私の記憶を読んで、判定を下したヴァーリ。ヴァーリも桐生藍華に、良い印象は持っていないようだった。
「イッセー君を蔑む目は嫌いだし。でも、ダメだよ。男子を巻き込んだら。犯罪になっちゃうよ。今度からは藍華だけにしなさいね」
怒るポイントはそこ?
男子二人は理科室にへ転移させて、人体人形と添い寝させ、桐生藍華には魔物に襲われる幻覚を体験させていくヴァーリ。私よりも鬼成分が強い…
「こういうのは、ガツンとやらないとダメよ♪」
イッセーは、あたふたしている。今夜は激しそうだね…