※この作品はR-18です。

若様と私   作:ピーチャ

10 / 29
若様、お説教を食らう。の巻です。


説教

女の言葉が何故かドフラミンゴの癇に障った。

あんたさえいなければ…。

思い出したくない言葉が次々と頭に浮かぶ。

悪魔の目…気味が悪い…殺すな、ずっと生かして苦しめろ…。

自分が何かした訳でもないのに、自分の存在を否定し拒絶する者たち。

ふと部屋に向かう足を止め、彼らを消そうとするかのように壁にヒビが入るほど拳を強く叩きつけた。

彼らから受けた仕打ちは、ドフラミンゴの心にドス黒い闇をもたらし、今度はドフラミンゴの方が彼らを否定し拒絶し、破滅を願うようになった。

 

その一部始終を感じていたマリアは心配になった。気配から伝わる感情が今まで感じたことのないものだったからだ。ヒリヒリと肌を刺すような憎悪。

簡単には収まりそうにない感情を、とにかくどうにかなだめようと彼の部屋に急ぐ。

部屋の扉の脇に立っていると震えるくらい殺気をまとったドフラミンゴが近づいてきた。入室を禁止されても物が壊される音が聞こえてきたら合鍵で入り、どんな手段を使っても彼を阻止しないと部屋が大変なことになる。そんなことをしたところで、彼の感情が収まるとも思えない。それどころか次の日、そんな部屋の状態を見て前日のことを思い出し、益々機嫌が悪くなること請け合いである。

マリアの心配をよそにドフラミンゴは乱暴に扉を開けると、無言でマリアの腕をキツくつかみ扉同様に扱った。書斎に放り込まれたマリアは足をもつれさせ床に倒れこむ。

明かりのない部屋で倒れこんだマリアに、黒い影がのしかかってきた。倒れこんだ隙に服を脱いだ影はマリアの服も剥ぎ取っていく。

いつもの自分を恥ずかしがらせるようなやり方ではなく、憎しみを吐き出す受け皿のようにマリアを貫いた。恐怖のせいか気持ちの良さも、繋がった部分の動きも全くない。

 

するとマリアの白く細い喉に長い指が絡まってきた。と同時に低い声が聞こえてくる。

「……。俺を否定するな…」

驚いたマリアは思わず声をあげた。喉にかかる指に力はそれほどない。

「若様を否定するような人間なんかここにはいません!」

「じゃあ何故お前はイかねェ」

それと彼を否定することは関係ないように思えたが、口には出さない。少し指に力がこもってきた気がする。本能的に話を逸らせた方が良さそうだとマリアは感じた。

「ここは仕事をする場所です。こんなことをする場所ではありません」

「うるせェ。俺に向かってエラそうに説教するんじゃねェ」

静かに、だが確かに指の力を強めてきたドフラミンゴに、マリアは落ち着いた柔らかい口調で子供をあやすように話しかける。

「とにかく、こんな固い床の上で寝転がってはいけませんよ。若様。奥の部屋に行きましょう。ね?」

ピタピタとドフラミンゴの腕を軽く叩くと指の力は弱まり、緩慢な動きで身体が離れていく。手探りで寝室の明かりを点け、そこから漏れ出る光を頼りに服を回収しベッドまで運んだ。

 

先にベッドに横になり、右腕で顔を覆ったドフラミンゴの脇にマリアはチョコンと腰をかける。ドフラミンゴの左腕を自分の腰に回したマリアは、右腕ごと彼の頭を柔らかい胸で包み込んだ。

「大丈夫です。若様。ここには若様を否定する人間など、いませんよ」

マリアはドフラミンゴの耳元でさっき言ったことを繰り返す。さっきより大分、落ち着いてきたようだ。その証拠に両腕が怪しい動きを見せ始めた。

右腕をマリアの背中に回し、顔を埋めた胸に長い舌を這わせる。左腕はマリアの腿をまさぐる。おまけに背中に回した手を腰まで下ろし、自分の上に引きずりあげ跨がらせた。

マリアは彼を否定しないと言った手前、こんな態勢は嫌だとは言えない。そんなことより彼の立ち直りの早さに軽く頭痛と目眩を覚える。

「…。お前は俺を窒息死させる気か」

胸の間からくぐもった声が聞こえた。マリアは一瞬、本当にそうしようかと思った。が、そんなことは確実に不可能だと承知しているので仕方なく身体を少し動かす。背中と腰に回された腕に押さえられ、密着したまま敏感な部分が刺激されたマリアは自分も快楽を求めていることに気付き、自己嫌悪に陥る。

 

思わずついたため息をドフラミンゴは聞き逃さなかった。

「何だ。文句でもあるのか」

「いえ。元の若様に戻って安心しただけです」

腰から腿、腿から内股、そして脚の付け根と手を移動させながらドフラミンゴはニヤリと笑みを浮かべ、身体を起こし始める。

「俺は普段と変わらねェ」

「そうですか。私の思い過ごしで、益々よかったです」

うそぶく彼にマリアは、やけくそ気味で微笑みを返す。彼の指使いで自分の粘液がたてる淫猥な音は聞こえないフリをした。

上体を起こしたドフラミンゴの首に腕を絡め膝立ちで抱きつく姿勢をとるが、耳に長い舌を入れられ腰をまさぐられ指で弄ばれ、段々と身体中の力が抜けていくと同時に息づかいが荒くなる。それを見定め、ドフラミンゴはマリアの身体を沈めさせた。

 

「はぁ…ん……」

思わず漏れる声を聞き、ドフラミンゴは今まで指で弄んでいた箇所に己のいきり立った部分をあてがい、マリアの身を一気に沈めた。

「あぁっっ…!!ぃやあっっ!!」

頭の中が白くなりつつ別の生き物のように動き、ドフラミンゴを絞めつける自分自身に少し安堵した。そして、すっかり存在感が失せた憎悪にも。

繋がったまま仰向けになったドフラミンゴの上で不本意ながら、マリアはしばらくグッタリとしていた。彼から離れようと動いたら、再び繋がった部分が別の生き物のように動き出し絶頂に達してしまったからだ。今日はもう自室に戻っても大丈夫だろうとぼんやり考えていたが、ドフラミンゴを訪ねてきた人間がいた。

「ドフィ。入るぞ」

隣の書斎の扉が開いた。

「フフフフフ…。無粋なヤツだ」

ドフラミンゴはそう言いつつマリアをどけて立ち上がり、ピンクの羽コートを肩に引っかけただけの変質者そのものの出で立ちで寝室を出ようとする。

(イヤ~~~ッ!!!!)

マリアは心の中で絶叫し、枕元に置いてあったバスタオルを慌てて彼の腰に巻きつけた。マリアの粘液まみれの実物は隠せたものの屹立した形状は丸分かりである。が、ドフラミンゴは構わず書斎へ移動した。訪問者はディアマンテだった。

 

「お楽しみの最中だったか?悪いことしたな」

ドフラミンゴの姿を見て、ニヤリと笑いながら言う。それにニヤリと笑い返すドフラミンゴが答えた。

「いや。俺が報告を命じたんだ。気にするな」

もの凄く気にしてほしい、とベッドの上でへたりこんだマリアは思った。が、ドフラミンゴの次の言葉に顔色を失う。

「酒でも持って来させよう…。おい、分かったな」

仕方なくナイトキャップとして置いてあったワインをグラスに注ぎ、身だしなみをきっちり整えてからグラスを両手に先に開け放しておいた扉から出た。(寝室にお盆(トレイ)などあるはずがない)

本棚の前の応接用のソファで、驚きの表情を浮かべたディアマンテとニヤニヤ笑ったドフラミンゴの前にグラスを置き、頭を下げて退室する。

「お楽しみの相手はマリアだったのか。全然、気がつかなかった」

「なかなかの名器でな。言動も面白いうえに口も固い」

(言動も面白いって…!若様の非常識な言動に対して普通に対応してるだけじゃないのよ~~っっ!!)

 

マリアの思いとは裏腹に二人は本題に入った。ドフラミンゴを襲い戦闘員の慰み者となった女はコロシアムの闘魚の餌として、しばらく生かすこととなったことをディアマンテは伝える。そして悪意のある笑みを浮かべつけ足した。

「女が抵抗して歯ァ食いしばっても、前歯がなきゃ口も入れ放題だからな。ヤツら、喜んでヤってたぜ」

「そりゃァよかった。俺が途中で打ち切りにしちまったからな」

「ドフィのせいじゃねェ。ヤツらも分かってるさ」

「ああ、そうだな」

「さて…」

酒を飲み干したディアマンテがニヤリと笑って立ち上がった。

「どうも野暮なコトしちまったみてェだからな。さっさとズラかろう」

「気を使わせて悪いな」

ドフラミンゴもニヤリと笑い、立ち上がった。ディアマンテが声を張り上げて話しかける。

「マリアも悪いことしたな。邪魔者は消えるから、二人で楽しんでくれ」

ベッドに沈没していたマリアは彼女の意見を述べるべくガバッと起き上がり、いずまいを正した。

 

ドフラミンゴが寝室に戻ると、マリアがベッドの上で正座をして睨みつけてきた。そして自分の前の床を指差す。

「若様。ここにお座りなさい」

ニヤリと笑ったドフラミンゴは面白いことが始まりそうだと思い、素直に指定された場所に腰を下ろした。右足を立て、怒張したままの箇所を見せびらかすようにしても、マリアは動じなかった。

「まったく…。今日という今日は若様には呆れました。呆れ果ててものも言えません」

「ほぉ。じゃあ今お前が口にしてるのは何なんだ」

ドフラミンゴの突っ込みに考えるより言葉の方が先に出た。

「これはエラそうなお説教です!!そんなことより話の腰を折らないでください!!」

「お前も口が減らなくなってきたなァ。マリア」

ニヤニヤと笑い、わざとらしく感心したようなドフラミンゴにマリアの怒りはピークに達した。

「口が減ってたまりますか!!一つしかないのに!!大体、減らず口は若様のが伝染っただけです!!じゃなくて!話を逸らさないでください!!」

話を逸らしているのは自分だという自覚がないマリアはマットレスを叩きつける。が、ボフッと鈍い音がするだけで威嚇にもならない。

 

「ファミリーのボスが部下の前に出る時は、ある程度、威厳が感じられる格好でなければ忠誠心を求められません。それなのに何ですか。あの格好は!まるっきり変質者じゃありませんか!」

「変質者か。なるほど…。上手い例えだ」

今度は本当に感心したような口振りでドフラミンゴが感想を述べる。

「重要なのは、そこじゃありません!」

マットレスが再び鈍い音を立てる。段々ドフラミンゴも面倒くさくなってきたらしい。口調がぞんざいになってきた。

「あの格好で驚く幹部なんざ、いねェ。ガタガタ騒ぐな」

「何をおっしゃってるんですか!!女性にとってはセクハラ!シュガーをはじめ年少組にとっては教育上、大変よろしくありません!」

それを聞いたドフラミンゴは少し考えて言った。

「…。分かった。女子供の前では気をつける。それでいいな」

マリアはニッコリと微笑み、心にもないお世辞を口にする。

「さすが若様。私なんかの意見に耳を傾けて頂けるとは、心が広くていらっしゃる」

これでようやく自室に戻れる、と安堵したマリアがベッドを下りるより先に、ドフラミンゴに抱えられベッドの中に逆戻りした。

「お前の説教のせいで腹が冷えた。暖めてけ」

腹が冷えたのは自分が変質者のような格好でいたからだ、とマリアは怒りを覚えたが自分勝手な鬼畜若様の馬鹿力にかなうはずもなく、気疲れしたためか寝たもの勝ちだと無意識に考えたのか、すぐに眠りに落ちた。

 

ドフラミンゴは自分の腕の中で、すやすやと寝息をたて始めたマリアをもの珍しそうに眺めた。すでに夢の中にいるためか、湯タンポ代わりになる体温になっていく。

自分とたった一回、寝ただけで自分のオンナのように振る舞う輩はいたが、自分との関係を誰にも口外しなかった人間は初めてだった。(自分の目のことを口外していないのは、承知していたが)また、自分に対してはっきり苦言を呈する人間も初めてだった。

他の幹部たちはドフラミンゴが白と言えば黒も白と言ったが、黒だと言いまかした人間は今までいなかった。

そんなことを考えているうちにマリア(湯タンポ)のおかげで身体が暖まったドフラミンゴも、やがて眠りに落ちていった。

 

マリアが目覚めたのは、首筋を湿った柔らかいものが這うのと、生暖かい空気がかかるのを感じたからだった。と同時に、いつの間にか服を脱がされた上に、胸と脚の付け根も細長くしなやかに動くものに触られていることにも気付いた。

背中がゾワリとする感覚を覚え混乱する頭を整理しようとするが、自分をなぶっているもののせいで空回りする。とりあえず夢の世界へ戻るか、或いはこちらが夢の世界だと思い込もうとするが、この感覚はどう考えても現実のものだ。目覚める前から勝手に身体は刺激に反応していたらしく、自然と声が漏れてしまう。

「あッ…やぁ…ん…」

首筋の湿った柔らかいものがなくなったかと思うと、背後から冷酷な声が聞こえてきた。

「ようやく、お目覚めか」

その言葉でマリアは全てを思い出した。すぐさま起き上がろうとするが、ドフラミンゴの腕から逃れるのは、不可能だった。

 

「俺の腹を冷やした罰を忘れててな」

そう言うとマリアを仰向けにし、その腕を自分の脛で抑え付け、豊満な胸に血管が浮き出た己の欲望の固まりを挟み込むなり、乱暴に動き出す。ほどなくマリアの喉元から顔まで、熱く白い液体が飛び散ってきた。いつもより強く栗の花の匂いがする。

そこいらへんにあったバスタオル(昨夜ドフラミンゴにマリアが慌てて装着した)でそれを適当に拭うと、今度はマリアを裏返す。うつ伏せにされ、腰を高く持ち上げられた状態でいきなり貫かれた。

「!!ッいやああッ!!!」

いつもと違う態勢で貫かれ、絶叫するほど結合部が激しく強くうねる。

ドフラミンゴもたまらず、その動きに逆らい強引に引き抜いた瞬間、再び液体を撒き散らす。身体中の筋肉が弛緩したマリアはその栗の花の匂いの液体の上に倒れ込んだ。

意識も朦朧として、フワフワした感じがする。意識がはっきりしてくると、いつの間にか浴槽の中にいることが分かった。

その途端、自分を支えていたものが離れていったので、慌てて縁にしがみつく。水音とともに、不機嫌な声が降ってきた。

「ベッドをちゃんと寝れるようにしとけ」

ドフラミンゴはマリアの答えを待たずに、さっさとバスルームを後にした。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。