暖かい目で見守ってください。
頂上決戦。前夜1
ヒューマンショップのディスコからの連絡を強制的に切った後、ドフラミンゴはその場所に滞在し続けた。色仕掛けを使ってくる女が多数いたが、ドフラミンゴは相手にしなかった。
余りにも、しつこい時は抵抗するのを黙殺して、
と、そこに。思いもよらぬ声が降ってきた。
「トレーボル様の名代で参りました。若様には即刻、船に乗って頂きます」
珍しく、鮮やかなボタニカル柄のふんわりとしたワンピースという、トロピカルな服装のマリアが何故かドフラミンゴを迎えに来ていた。
ドフラミンゴはジロリとマリアを睨みつける。
「何の用だ?」
マリアは腰に着けたポーチから一枚の紙を出し、ハラリとドフラミンゴにかざした。
「ポートガス・D・エースの処刑に際し、七武海への海軍による白ひげ海賊団に対する警護の要請です」
ドフラミンゴは小さく舌打ちする。新聞で麦わらのルフィが天竜人を殴ったという記事の後で、重大な記事は処刑のことだけだった。召集がかかっているだろうということは分かっていた。が、大人しく応じるのも面白くない。紙を破いてやろうとして引ったくったが、マリアは微動だにしない。訝しく思ってよく見ると、文字に不自然なかすれがある。
「ご推察の通り、それは写しです。破くなり丸めるなり、ご自由に」
その数日前。マリアはトレーボルに話しかけられた。
「ンネ~。ンネ~。マリア。海軍からの要請書をドフィに届けてほしいんだけど~」
「かしこまりました。どなたが付き添って頂けるのでしょうか?」
「この所、みんな忙しいからさ~、一人で行ってきてほしいんだよね~」
マリアは言葉を失った。
「この頃ドフィ、マリアの言うことしか聞かなくなってきてるし~」
「そんなことありません!逆に私の言うことの方が聞きません!」
「大丈夫だって~。少なくとも、俺たちの言うことより聞くさ~」
押し問答の末、マリアが出した条件をトレーボルが飲むという形でドフラミンゴを迎えに行くこととなった。
眉間にシワを寄せ、ドフラミンゴは同意した。
「…。仕方ねェ。船に行こう」
それを聞いたマリアはホッとため息をついた。が、不意にドフラミンゴに荷物のように肩に担がれ、思わず悲鳴をあげ暴れる。周囲にいる客たちが何事かと目を向けた。
「こんなことしなくても、自分で歩けます!!!下ろして下さい!!!」
「うるせェ。どーせ目的地は同じだ。俺が連れてってやる」
「遠慮します!!!ってか余計なお世話です!!!」
好奇の視線を浴びながらドフラミンゴは手足をバタつかせているマリアを意に介さず歩き出す。やがて滞在していたホテルのフロントに声をかけた。
「悪いが急用ができた。チェックアウトを頼む。ああ、手間をかけて悪いが、部屋にある荷物を船まで運んでくれ。俺は、このウルサい荷物を運ばなきゃならん」
それを聞いたマリアは更に暴れ、騒ぐ。
「私を下ろせばうるさくも荷物でもなくなります!!!」
その言葉に呼応するかのようにドフラミンゴは口をはさむ。
「あぁ、そうだ。言っとくが、俺は人さらいじゃねェからな」
「極悪顔の若様みたいな人間が、か弱い女性を担いでたら誰だって人さらいだと思うに決まってるじゃないですか!!!」
それを聞いたフロントの中にいるホテルの従業員も周囲にいる人間も、懸命に笑いを噛み殺し同じことを考える。
(肩に担がれてるクセに暴れてたら、か弱いとは言えないだろう)
下を向いているマリアはそれに気づかず、ドフラミンゴも素知らぬフリで話しかけた。
「そう言えば、支払いがまだだったな。いくらだ?」
フロントの人間が、小刻みに肩を震わせながら言う金額を聞き、ドフラミンゴはマリアの腰のポーチを勝手にまさぐり財布を奪う。その行動もマリアを暴れさせた。
「ちょっと!!どこ触ってるんですか!?支払いなら私がしますから、さっさと下ろしなさい!!!」
ついに命令形が口をついて出たが、ドフラミンゴはニヤニヤ笑うだけで、マリアには答えることはない。
暴れ疲れてグッタリしているマリアを担いだドフラミンゴは、船まで荷物を運ぶホテルの従業員と世間話をしながら港まで歩いていった。
「お帰りなさい!若!」
乗組員たちのドラ声に迎えられ、ドフラミンゴは港に着いた。と同時に当然の疑問も発せられる。
「あれ?マリアさん、どうしたんですか?」
「ああ。迎えにきたのを労って連れてきてやったんだが、どうも気に入らなかったようでな。さっきまでは元気だったんだが」
マリアには反論する元気も残っていなかった。
船の甲板に適当に下ろされ、とりあえず自分の部屋に行こうと思った。
が、担がれて頭に血が上っていたところを、急に立たされたので一気に脳内の血液が奪われ、意識が朦朧とする。小さな舌打ちの後の呟きと、背中を支える手の感触とともにマリアの意識は闇の中に溶けていった。
「…。世話の焼けるヤツだ」
「本物はどこだ」
「本物?…って?」
ぼんやり意識を取り戻したマリアは 、何を聞かれたのか分からず問いを返す。が、再び同じ質問をされた。
「本物はどこだ」
マリアの虚ろな目に散乱した部屋が飛び込んできた。と同時に頭がはっきりして、小さな舌打ちが聞こえた。
「海軍が寄越しやがった本物の要請書はどこだ。俺の部屋にもお前の部屋にもねェ。どこに隠しやがった」
マリアが意識を失っている間に船は出港したらしい。横になっていると揺れを感じる。窓ガラスにドフラミンゴが要請書を探して荒らした部屋が映っているところを見るともう夜になったのだとマリアは思った。ドフラミンゴを迎えに行ったのはまだ日が高い時だったから、長い間マリアは意識を失っていたようだ。
ドフラミンゴはマリアを自分の部屋に運んだらしく、大柄な彼用の大きなベッドの上に寝かされていた。彼自身は不機嫌な顔つきでライティングチェアに腰掛けている。その前の机の上には、あらゆる所に隠しておいた要請書の写しが山と積まれていた。
自分の部屋も嵐の後のようになっているだろうことを予想し、マリアはこめかみを指で押しながらため息をついた。
「私がそんなこと、若様に教える訳ないじゃないですか」
「だろうな。だからボ~ッとしてるうちに聞いてやったんだが」
「…。分かりました。若様には明日一日、日の出から日の入りまで時間を差し上げます。この船内のどこでも、気がすむまで要請書をお探しください。見つけたら破棄するなり、海に捨てるなり、ご自由に」
マリアは身体を起こしながら言葉を切る。
「でも万が一、要請書を見つけられなかった場合は、観念して潔く海軍本部にいらっしゃってください」
「……。ずいぶんと自信満々じゃねェか。俺に見つけられるはずがねェってことか。ン?」
表情を険しくしたドフラミンゴは立ち上がり、ベッドの脇に腰を下ろす。
「さあ。執念深い若様なら、見つけられるかもしれません」
マリアは肩をすくめ、続けた。
「では、明日。乗組員の方たちを総動員しても構いませんので」
マリアは自室に行こうとベッドを下りようとして、険しい表情のままのドフラミンゴに押し倒された。口には凄惨な笑みを浮かべている。
「探し忘れてた場所があった」
ドフラミンゴはそう言うと、ワンピースの裾から差し入れた手をマリアの太ももに這わせる。
「そんなところに隠す訳、ないじゃないですか!」
マリアは抵抗するが、ドフラミンゴに敵うはずがない。
「隠すか隠さねェか、じゃねェ。出来るか出来ねェか、だ」
マリアは淡白な質で、自らを慰めるようなことはしない。しかし、そのせいか日をおいてドフラミンゴの相手をすると、身体が過剰に反応してしまう。それが目当てなのか、ドフラミンゴは毎日マリアを求めなくなった。気が向くと何かしら理由をつけ、マリアに相手をさせる。
マリアに覆い被さってきたドフラミンゴは灯りを消し、マリアの足の付け根で長い指を蠢かす。ワンピースの裾をたくし上げ、マリア自身の中を探るように指を滑り入れた。そして、わざと音をたてるように動かす。
ドレスローザの石造りの彼の部屋なら多少の音は漏れないが、薄い板壁では、どれだけ防音できるか、マリアは甚だ疑問だった。なので、できるだけ声をあげないよう、我慢する。すると余計に自分の粘液のたてる音が響いているように思える。ドフラミンゴは忍び笑いを漏らす。
「確かに、こんなに濡れた場所に隠しちゃあ要請書の字も読めねェなあ」
ドフラミンゴの指を吸い込もうとするように激しく動く彼女自身に、マリアの頭は真っ白になり、反論の言葉すら浮かばない。ただ嬌声をあげないことだけに集中する。
ドフラミンゴは、歯を食いしばって絶頂に達しているのを表に出さないマリアのワンピースを剥ぎ取り、豊満な胸に長い舌を這わせた。その細かな動きにマリアは更に快感を覚える。その隙にドフラミンゴは下着をとったマリアの脚の間に鍛えた鋼のような身体を強引に割り込ませる。何も考えられないマリアの耳元でドフラミンゴが囁いた。
「本物はどこだ」
マリアは本能的に首を横に振り、答えたくない意思を示す。
ドフラミンゴは再び忍び笑いを漏らした。
「強情なヤツだ…。辞めてやろうか?」
むしろ、そうしてほしいとマリアは思ったが、ドフラミンゴは辞めようとはしなかった。
「フフフフフ…。まァこんなに俺を欲しがってるのに辞めるのも酷な話だ」
そう言うと辞めるどころか背中を丸め、自分のいきり立った部分を指で弄んで粘液まみれのマリア自身に押しつける。
「俺は思いやりがあるからな…。お前の欲しがってるモンをやろう」
「んっっ…!!」
マリアの中に侵入してきたものを彼女の意思に関係なく、吸い込むようなしごくような動きにマリアは思わず喉を震わす。快感のあまり意識が遠のき、身体中の力が抜けていくところに、栗の花の匂いの液体をマリアの腹に放ったドフラミンゴは再び囁く。
「本物はどこだ?ン?」
マリアはちぎれそうなほど首を横に振った。忍び笑いが低く響く。
胸を揉みしだかれ、胸の先端や首筋に長い舌を這わされ、口の中をその舌で蹂躙され、腰や太ももをまさぐられ、何回も意思に関係なく動く箇所に彼自身を突き立てられ、失神しそうになる度、同じことを聞かれ正気に戻される。ドフラミンゴは見つけられないことを予想して、予め腹いせしているようだった。
白濁した生ぬるい液体まみれで、息も絶え絶えな状態のマリアの突き立てられた箇所が悲鳴を上げはじめた。ドフラミンゴでさえ逃れられないほどの力で動くことなく、ただ固く締め付けてきたのだ。
(チッ)
ドフラミンゴは、ようやくマリアが意識を失うのを許した。が、意識を失っても締め付けは緩まない。彼のシャツにしがみついた手も硬直したまま離れない。仕方なく自分の放った栗の花の匂いの白濁液にまみれたシーツの上に仰向けになりマリアを腹の上に乗せ、意識が戻るのを待つ。やがてマリアが目を開けたが、虚ろな表情で目の焦点も定まらない。ただ、浅く早い呼吸だけを続ける。
マリアの目に生気が戻ってきたのは、白みはじめた窓の外を見た時だった。それとともに、締め付ける力も弱まっていく。それを感じると、ドフラミンゴはマリアから離れ、粘液まみれのシーツでマリアをくるみ、幹部専用のバスルームへと運んだ。
「日の出から、だったな。約束は」
さっさとシャワーを浴び、身体に付着した粘液を洗い流したドフラミンゴは水圧を強めたシャワーを、シーツをはがされ床にへたりこんでいるマリアに向けながら、そう言った。何回も同じことを聞いてきた恐怖の声のおかげで、真っ白だったマリアの頭は瞬時に昨夜の出来事を思い出した。
動こうとしても、手で上体を支えていないと倒れそうなほど、足と腰に全く力が入らない。
「お前が来なくても勝手に始めてるからな」
マリアの身体をあらかた洗い流した後、シャワーを止めながらドフラミンゴはそう告げる。そして、思い出したように付け加えた。
「お前の部屋を探したついでに荷物を以前モネたちと使ってた部屋に移しといた。今日からはそっちを使え。わかったな」
そう言ってドフラミンゴはバスルームから出て行った。
それを見ながら、マリアは生まれたての子鹿のように小刻みにプルプル震えながら何とか立ち上がり、はがされたシーツを引きずりシャワーの蛇口の方に歩いていき、再びそこに座り込む。
以前はベビー5やデリンジャーの子守の為、特別に幹部たちの部屋を3人で使っていた。しかし今回は使用人として乗船しているので、幹部の部屋ではなく乗組員たちと同じフロアの部屋を使っていたのだ。(ドフラミンゴとの接触をできるだけ少なくしたかったこともある)が、今は着替えなどが幹部たちの特別室にあると知って安堵した。乗組員たちの部屋のあるフロアに行くのにバスタオル一枚という、はしたない格好で移動しなくてすむからだ。
(早く着替えなきゃ…)
そう考えながらもベトベトのシーツを放ってはおけず、丁寧に洗いはじめる。が、あまりにも汚れた範囲が広く、うんざりした。下半身にも力が入るようになったマリアは、すっくと立ち上がり行水用のたらいに水を張り、その中にシーツをぶち込み猛然と踏みつけた。そこそこ汚れが落ちたので一旦、それを放置し脱衣所のバスタオルを巻きつけ、部屋に行きいつもの地味な服を着る。外が慌ただしく感じられるのは、ドフラミンゴが乗組員たちを使って依頼書を探させているためだろう。その気配をよそに、シーツの水気を適当に絞り食堂に行くついでに、あまり人目のつかない感じの場所に干しておいた。
ちょっと現在のワノ国組のことにも、妄想があるのですが…。
考えがまとまったら、書きたいと思いま~す。