って、去年からなんですけどね~。ヨホホホホ~。(ブルック風)
音のした方を見ると。
ガバッとマリアがベッドの上に起き上がっていた。
「若様!!」
次の瞬間、シャンブルズも使っていないのにローの近くの椅子にマリアが座り、ドフラミンゴを覗きこんでいるのを見て、ローは唖然とした。
そのマリアが頬を膨らませ、唇を尖らせてローを見上げる。
「若様が気づいたなら、起こしてくれればいいのに」
ローが言い訳を考えている間に、ローを無視してドフラミンゴがマリアに話しかけた。
「悪かったな。俺がローに起こさないよう言ったんだ。お前が疲れてると思ってな」
ローはマリアを思いやるドフラミンゴに鳥肌が立ったが、マリアも不審に思ったらしい。ドフラミンゴが見るとマリアは眉根に、これ以上は無理だろうというくらいのシワを寄せていた。
「若様が私の心配をするなんて、どういう風の吹き回しですか?」
ドフラミンゴの幹部たちに対しては大切に扱っていた。が、それ以外のファミリーには無関心だったことを思い出したローは、ニヤリと笑ってしまった。
「俺はこんな状態だ。お前に苦労をかけたと思っただけだが…、迷惑だったか?」
「いえ。迷惑とかじゃなく…」
マリアは躊躇して言葉を繋ぐ。
「若様が私に気を使うなんて、気味が悪いです」
ローはニヤリとするだけでなく、つい吹き出してしまった。そのことで改めてローがいることを認識したマリアは振り向いてローに聞く。
「ロー。若様はもう大丈夫なの?」
「俺が治療したんだ。何も問題はねェ。全治にはまだ時間がかかると思うが」
ローが答えるとマリアが少し邪険にローを追い払った。
「そう。じゃ、あなたはもう戻っていいわ」
命令されるのは好まないローだが、ドフラミンゴとはなるべく関わりたくなかったので、言われた通り素直に部屋を出た。
心配そうな表情でマリアは再びドフラミンゴを覗きこむ。
「大丈夫ですか?どこか痛みますか?」
「まぁ、今のところ大丈夫そうだな。麻酔が効いてるのか、痛みもねェ」
「…。どうしてこんなことに?」
ドフラミンゴは、はぐらかすように聞く。
「お前は何を覚えてる?」
質問を質問で返されたマリアは再び眉間にシワを寄せたが、素直に答えた。
「火拳のエースが麦わらの腕の中で…。え?」
言いながらマリアの頬を熱いものが伝うのを感じ、戸惑う。
「何だか麦わらの悲しみが、あまりにも強かったから…ね。きっと」
ベッドの上に置いてあったタオルで涙を拭きながらマリアは言った。が、ドフラミンゴはそれを幹部を失った感情を、すり替えているのだろうと考えた。しかし何も言わずに話を合わせた。
「お前は
「七武海の打ち合わせ?」
「ああ、まあ、色々あってな」
その言葉にマリアはマリンフォードでの出来事を思い出した。
「打ち合わせって…。モリア様を消そうとしてたことですか?」
ドフラミンゴはニヤリと笑ったが、何も答えなかった。
答えがないことを予想していたのか、マリアはため息をつき話題を変える。
「何か欲しいものはありませんか?」
「…別にねェな。強いて言やぁ
「…。そうですか」
安堵のため息をついたマリアはタオルケットを、ドフラミンゴの肩まで上げついでに自身の柳眉も上げる。
「お休みになるのは構いませんが、ローは今、若様の主治医であることをお忘れないように。過去のことは水に流してくださいね」
「知らねェな。俺が頼んだワケじゃねェ」
マリアは再びため息をついたが、釘を刺した。
「ではローに若様が反抗したら、麻酔してでもローが必要とする治療をするように言っておきます」
「勝手にしろ」
ドフラミンゴは鼻を鳴らして目を閉じた。
ウトウトとしはじめた時、不意に左胸が圧迫されるのを感じた。マリアが何か物でも置いたのかと不機嫌に目を開ける。そこに見えたのは、ドフラミンゴの胸の上で自分の腕を枕に眠りについているマリアの後頭部だった。
「おい」
ドフラミンゴはギプスで固定された左腕を動かす。ギプスで阻まれていて感じないはずの柔らかなマリアのバストに食い込む感触を、うっかり想像してしまった。
が、すぐに意識をマリアの存在だけに集中させる。
左胸の圧迫が一瞬強まった感覚とともに、マリアが半身を起こし心配そうにドフラミンゴを見る。
「どうかしましたか?若様」
のんきな言葉にドフラミンゴは舌打ちした。
「チッ!『どうかしましたか』って、お前な。怪我人を枕代わりにするんじゃねェ。寝るなら向こうのベッドで寝ろ」
その言葉にマリアはドフラミンゴを軽く睨む。
「若様に何かあってもすぐ対応できるよう、ここにいるんです」
「同じ部屋なら、どこに居てもいいだろうが。大体お前は、俺みてェな覇王色の覇気の使い手なら近くに居なくても、どこにいるかくらい分かるんじゃねェのか」
その言葉にマリアは明らかに動揺した。ひどく上ずった声で反論してくる。
「気配を感じてるだけでは、すぐに対応できないじゃありませんか!!」
その反応にドフラミンゴは珍しく戸惑った。
以前のマリアはドフラミンゴと一緒にいることを極力、避けていた。使用人としての仕事以外でドフラミンゴの部屋を自ら訪れることはなかったし、ドフラミンゴに呼ばれた時もコトが終われば長居は無用とばかりに、さっさと引き上げるのがほとんどだったからだ。今までは極力、ドフラミンゴとは距離を置いていたように感じられた。それなのに、今のマリアはドフラミンゴの姿が見えないことを恐れているようだ。
ドフラミンゴはとりあえず、マリアについて考えるのを止めて一人ごちる。
「そういや麦わらのヤツはどうしたんだ?」
ローは麦わらと手を組み、自分を倒した。別行動はとらないだろう。が、二隻の、しかも手配されている海賊船が並んでいたら、海軍に捕まえてくれと言っているようなものだ。
「麦わらなら、ビッグ・マムのところに…」
ドフラミンゴが独り言にマリアが答える。
予想外の答えにドフラミンゴは唖然とした。
「ビッグ・マム?」
「ええ…。はい。そこにいる黒足を取り返しに別行動をとっているようです」
『別行動』という言葉を発した時のマリアの表情の変化をドフラミンゴは見逃さなかった。
「ってことは、麦わらと離れた一味がここにいるワケだな」
ニヤリと笑ってドフラミンゴは言った。
「あ、ええ…。ゾロさん、ウソップさん、ニコ・ロビンさん、フランキーさんが…」
こうなってしまったら、隠しても無駄であることを分かっているマリアは、正直に話す。
奇しくも、ドレスローザで戦った一味がローと行動をともにしているらしい。
「なるほど…」
ドフラミンゴは特に意識せず呟いた。が、マリアは何か思ったらしく、ドフラミンゴにのしかかる。
包帯に巻かれているだけの胸板にマリアの豊満な胸が感じられた。
それに反応してドフラミンゴの身体の一部が変化する。が、それに気付かず、唇をとがらせたマリアは言葉を続ける。
「ローが一味と一緒にいる理由は分かりませんが、ちょっかいは出さないようにお願いしますね」
「分かった、分かった。何もしねェ。で、いいだろ」
生真面目な表情のマリアに気付かれないよう、降参と言いたげに手を上げ、ドフラミンゴは軽く答えた。その返答に納得がいったらしく、マリアはニッコリ微笑んで頷く。
安心して、そのまま寝てしまうのかと思いきや。ドフラミンゴの予想に反しマリアは再び不安げになった。
「本当にどこか具合の悪いところはありませんね?」
「何もねェ。お前こそ疲れてるんだろうから休め」
自分勝手なドフラミンゴが気を使うことを不審に思ったマリアはキッパリと断言する。
「まず、若様がちゃんと生きのびられるのか、判断できないと休むことなんかできません」
ドフラミンゴの全身を素早く見て、下腹部が変化していることに気付いたマリアは目を点にした。
が、すぐに笑顔をドフラミンゴに向けた。
「お元気になられたようで、何よりです」
嫌みではない言い方に、ドフラミンゴは再び戸惑う。ドフラミンゴの記憶の中のマリアは、性に対し執着していなかった。
ドフラミンゴが求めれば応じるが、マリアから望んで交わることは数える程しかなかった。
そんなことを考えていたドフラミンゴが呆気にとられ、硬直する。クスクスと笑ったマリアが、薄手のガウンのようなものを開け広げてドフラミンゴの下腹部を剥き出しにし、自らドフラミンゴに乗りかかってきたからだ。自分の下着をずらし、屹立したモノを秘所に当てがい、思い出したようにドフラミンゴを見る。
「痛かったりしたら言ってくださいね」
そう言ったマリアは体重がドフラミンゴにかからないよう、屹立したモノを深く飲み込んでいった。
「ん…。はっ。あぁっん!!」
呆気にとられたドフラミンゴを尻目にマリアは数回、腰を上下に動かすと小さく嬌声をあげる。と同時にマリアの内部が蠢くのを、ドフラミンゴは感じた。が、彼自身は欲望を放出しない。
「ああぁっっ!!!」
せつない嬌声をあげた後、ようやく落ち着いたらしいマリアが目に涙を浮かべて、ドフラミンゴを見た。
「若様の調子がよくないのに、すみませんでした」
そう言うとマリアはドフラミンゴから離れようとする。ドフラミンゴが欲望を放出しなかったことを誤解したようだ。
彼が欲望を放出するまで、女に何回も絶頂に達せさせることなどしょっちゅうだったのも忘れたらしい。
ニヤリと笑ったドフラミンゴはマリアの腰に左手を置き、右手を使って上体を起こす。
「若様!起きちゃダメです!」
マリアは慌てるが、完全に起き上がったドフラミンゴの包帯を巻かれた胸に頭を押し付けられ、どうすることもできない。
離れかけた腰をマリアの体重ごと一気に押さえつけ深く貫く。
「!!!」
マリアが悲鳴のようにあげた声は、ドフラミンゴの胸の包帯に吸い込まれる。と、マリアの内部がさっきより激しく蠢めきドフラミンゴも欲望を放出した。
それだけのことで、疲れてしまったドフラミンゴはベッドに倒れ込む。マリアは失神したのか身体に力が入らないのか、彼をかばう様子も見せず彼とともに倒れ込んだ。
マリアの蠢めきに応じて欲望を放出していたドフラミンゴだが、時間とともにおさまっていった。
マリアは未だ動かない状態の中、部屋の扉が開いた。
「何かあったか?」
ローが顔を覗かせる。
「どうした?」
ドフラミンゴはとぼけて聞き返す。ローは顎をしゃくって続けた。
「その女の感情が感じられた」
「ああ。俺が気付いたことに安心して眠っちまったが…。その後イヤな夢でも見ていたらしい。だいぶうなされてたが、さっき何か恐怖を感じたのか…、声をあげて以降は大人しくなった」
ドフラミンゴは平然と嘘をつく。
マリアがドフラミンゴのベッドで寝ること自体、見慣れた光景だったので、ドフラミンゴの上で寝ていても、ローはおかしいとは思わなかった。
しかし、うなされている時点で起こすかどうにかするのが普通だろうと思ったが、あらゆる点でドフラミンゴが普通ではないことを思い出したローは簡単に応じる。
「そうか。分かった。何かあったら俺を呼べ」
そう言って背を向けると、後ろ手に扉を閉めた。
それを見送ったドフラミンゴの視線の中に、唇を尖らせて目に涙を浮かべているマリアが入ってきた。ドフラミンゴはニヤリと笑ってマリアに話しかける。
「気がついたか」
文句を付けようにも、自分が彼に行為を促したことが原因で、ドフラミンゴに無理をさせてしまったと感じているマリアは、そのまま唇を尖らせてドフラミンゴを睨み続けた。
しばし互いに見つめ合った後。
先に視線をそらしたマリアがドフラミンゴから離れ、勢いを失くした箇所にタオルを掛け、その上にタオルケットを掛けてからバスルームに向かう。
小さなバスルームのシャワーを使い、自分の中から滲み出る液体をきれいに洗い流した。
簡単にことを済ませると、洗面器に湯を張り新たなタオルを浸してドフラミンゴの側に来る。
「顔を拭きますから、目を閉じてくださいね」
マリアはそう言うとタオルを絞り、ドフラミンゴのサングラスを外した。少し熱めのタオルで顔を拭かれ、満足げにドフラミンゴは息を吐いた。
マリアがサングラスを戻す寸前、ドフラミンゴは目を開きマリアに向かってニヤリと笑う。マリアは驚いた表情を見せたが、すぐにニッコリと笑顔になる。チラリと見えた
が、ドフラミンゴは寝たフリをして、反応をしめさなかった。
マリアはため息をつき、おもむろにその部分に顔を寄せる。啄むように軽く口づけ、舌全体で撫でるように動かしてから、そっと口で包み込んだ。
頭を上下に動かすこと数十秒、再度ドフラミンゴが欲望を放出した。それを全て飲み込んだマリアは再び軽く口づけた後、冷めてしまったタオルを洗面器の湯でゆすぎ温めてから、果てて勢いを失くしたその部分を丁寧に拭った。その後、自分が開け広げたガウンの前を帯状の紐で縛り、はだけないようにする。
小さなバスルームでタオルを洗ったりするマリアのチラチラ彼を見る気配を感じたが、ドフラミンゴは寝たフリを続けた。用を済ませたマリアが戻ってくる足音が止まると、タオルケットを持ち上げドフラミンゴの隣に入り込んできた。
当然のようにドフラミンゴの胸に頭を乗せ、眠りにつこうとするマリアの頭を、「チッ!」と舌打ちしたドフラミンゴは空いている右手で小突いた。
「さっきから言ってるだろうが。怪我人を枕代わりにするんじゃねェ!骨折が増えたら追い出すぞ!」
ほんの少しの間で眠りに落ちかけていたらしいマリアは、寝ぼけ眼で起き上がりドフラミンゴの左腕を自分の肩に掛けると、再び彼の胸に頭を乗せて本格的に寝息をたてはじめた。
ドフラミンゴはため息をつき、左腕をマリアの腰へと移動させる。その方が体勢的に楽だったからだ。
次の話も、またまた時間が掛かるかと思いますが、気長にお待ちくださいませ。