インフィニット・ストラトス~ブリュンヒルデは淫らな夢を見る~ 作:ラグ0109
七月二九日
私は愛機である暮桜を操り、一夏が監禁されていると言うポイントへと急ぐ。
日本の国家代表と言う肩書を政府のクズ共の目の前で捨て去り、逸る気持ちを機体に焚きつける様に、ウィング・スラスターの推進力を全開で突き進む。
見る人が見たら桜色の流星の様に見えたかもしれない。
だが、今はそんな事はどうでもいい。
私の…私に残されたたった一人の家族。
私のかけがえのない愛する弟である織斑 一夏が、私に対しての脅迫材料として誘拐されてしまったのだ。
VIP席にボディガードまで付けてこの体たらく…しかも日本政府は、私に脅迫に屈するなとまで言ってきた。
たった一人になってしまった家族を見捨てろと…アイツらは私に告げたのだ。
私はそれを即座に無視し、モンド・グロッソの実行委員に一方的な棄権宣言を叩きつけて飛び出してきた。
途中でドイツ軍が監禁場所を割り出してくれたのは、キナ臭さを感じつつもありがたかったな。
私を直接狙わずに、まだ弱い一夏に手を出した後悔をさせてやる…ただ、今は…一夏の無事だけを信じて飛翔するだけだ!
そんな覚悟とは裏腹に、突如私のコアネットワーク回線に通常回線からの連絡が入った。
捨てる神あればなんとやらと言うのか…まさか、一夏を救出するために動いてくれた人間が居たことに、私は純粋に嬉しく思い、そして私闘を行う覚悟した。
IS運用協定において、緊急事態における展開は許されているが戦闘までは許可されていない。
自身から攻めにいく事は許されていない。
だが、最早代表を退く身…今更罪の一つ二つ増えたところで大した差は無いだろう。
場所を確認した私は、機体に無理を言わせつつも廃教会へと辿り着く。
しかし、辿り着いたら辿り着いたで敵性ISの姿は確認されず、広場にポツンと目つきの悪い浮浪者の様な男が煙草を咥えて立っているだけ。
この男…アモン・ミュラーは、私の目から見てもかなり危険な…いや、圧倒的と言うべき強者の気配を感じさせた。
ただ、口調こそ乱暴者のソレだが…どこか太陽の様な温かさを感じる様な気がした。
恐らく、ここが私の人生の分水嶺になるのだろう事を記しておこう。
パタン、と日記を閉じて、未だにベッドで眠りこけるアモン・ミュラーの姿を見つめる。
学園最強、ロシア国家代表である更識 楯無との決闘は、結果として更識 楯無の勝利で幕を閉じた。
まさか、ISに乗りになった挙句、教師として再会する事になるとは思いもしなかった。
アモンを見ていると、私はまるでその辺りの小娘の様に胸が切なくなり、触れられているだけで確かな幸せを感じてしまう。
織斑 千冬は、謎多き男に恋をしている。
最初に恋だと自覚したのは何時の頃だったのか…それを思い出そうにも思い出せなくて、私は時々つけていた日記を開いて読んでいた。
とは言え、読まなくても良い所から読みだしていたので、アモンと出会った日しか読んでいないのだが。
触れたら…起きてしまうだろうか…?
しかし、今はこの男に触れたい。
そんな欲求に小娘染みてしまった私が抗えるわけもなく、そっと手を伸ばして静かな寝息を立てているアモンの頬に優しく触れる。
まるで太陽の様に温かく、触れているだけで安心感がこみ上げてくる。
このまま、き、キスまで…等とフザケタ事を考えてしまった所為か、アモンがゆっくりと目を覚ます。
「んぁ…」
「起きたか、負け犬?」
「起き抜けにひでーな、おい…」
慌てて手を引っ込ませて、何もなかったかのように振舞いつつもうっかり…うっかり仕事モードで話しかけてしまった。
…此奴は優しい。
教師をやる気がなくとも、請け負った以上は全うしようとしているし、子供たちに気をかけている。
更識 楯無との決闘で敗北したのは、楯無の身を案じて楯無自身が放った大技から守る為だった。
この事に気付いているのは、見ていた教師と闘っていた本人くらいだろう。
経験豊富になってきた程度の上級生では、立ち回りからして自然にしか見えてなかったはず。
それだけ、アモンは巧みにISを動かし、そして楯無の体外的なプライドを守ってみせた。
「生徒会長はお前の教師としての器量を認めるそうだ。よかったなぁ、んん?」
今更優しい言葉はかけ辛く、内心見悶えつつも厳しく言葉をかけていく。
何をやっているんだ…私は…もっと、喜ぶような言葉をかけても良いだろうに。
こんなことで躓いてしまうとは、情けないにもほどがあるぞ…織斑 千冬。
「だっせぇなぁ…きちんと勝ってドヤ顔で勝ち誇ってやろうと…」
「ガキじゃないんだから止めろ」
「アッハイ」
そんな私の気持ちを知ってか知らずか、アモンは軽口を叩いてケロリとしている。
連日の徹夜に授業の手伝い…そして、今日の決闘と体を休める暇も無かっただろうに…条件を突き付けた私が言って良い言葉ではないが…体を壊してしまうかもしれないと心配になっていた。
実際は相当頑丈なのか、健康そのものなのだが。
これはこれで腹が立つ。
その後二、三言葉を交わした後に時間を見る…日付が変わろうとしている…。
大きく深呼吸をした後、私にしては酷く緊張しているのかまるで機械の様な動きで玄関に向かい、しっかりと施錠する。
今、私は部屋着と言う事もあってタンクトップにショートパンツと軽装だ。
あえて。
他の教師共にお手付きされる前に、私の物にしておきたい。
そういった浅はかな考えから、既成事実に持って行こうとしているのだ。
一夏には見せられないな…。
「…そ、それで…だな…」
「…あのな、俺は今此処にいるけど言ってしまえば浮浪者だし、秘密にしていることも沢山ある」
きっと、私の心は見透かされている。
浅はかな女だとも思われているだろう。
それでも、自分に関わるとロクな事が無いぞと言わんばかりのアモンの態度は…どこか安心感を覚える。
自身を悪魔と言って憚らない男。
経歴を遡っても、まるで突如降って湧いたかのように現れた謎多き男。
そして、優しい、男…。
誰かを見守っているようなその視線を、今は私だけに向けている。
まるで作り物の様な赤い瞳は、目つきの悪さから恐がられるかもしれない。
だが、その本質を知れば、見てくれだけのただの優しい目なのだと分かる。
で、無ければ一夏の面倒を見てくれる事など無かっただろう。
「そんなもの…誰しもが持っているものだろう?私は…お前が良いんだ」
「…後悔すんなよ?」
「後悔するくらいなら…あっ…」
私の返答を聞くまでも無いと言わんばかりにアモンは私を引き寄せ、貪るようなキスをしてくる。
私の口に舌が入り込み、隅々まで蹂躙されていく。
長く…そして短いキスが終わると、私はベッドに押し倒されて覆いかぶさられる。
期待こそ大きいものの私にも羞恥心くらいはあったようで、高鳴る鼓動とは裏腹に顏を背ける。
「す、すまない…電気は消してくれ…」
「夜目利くから関係ねぇけどな…」
「は、初めてなんだっ…」
「知ってらぁ…」
アモンが指をパチンと鳴らすと、部屋の照明が落とされて暗闇が支配する。
間接照明くらいは点けておいても良かったかもしれない。
私をこれから犯す愛しい男の顔が中々見えないのだから。
私の頬に手が添えられ、天井へ向けられると再びキスをする。
今度は優しく、どこか甘いキス。
私を気遣うようなそのキスを幾度も繰り返しながら、下着を身に着けていない旨を布越しに揉まれていく。
自身で触れても特に感じないと言うのに、ピリピリとした感覚が背筋を駆け巡り、私は体を仰け反らせてしまう。
「ふっ…ぁっ…」
「我慢すんなよ…そう言うのは、体に悪いんだぜ…?」
「はずっ…かしいんだ…っ!」
「可愛いねぇ…」
アモンは意地の悪そうな声で囁き、胸を揉まれる事でジンジンと熱く立ってしまっている乳首を指先で優しく摘まんでくる。
もどかしかった感覚は、はっきりとした快楽を私に伝えてくる。
それでも、はしたない声を上げたくなくて私は必死に声を我慢して快楽に耐える。
アモンの言う通り、我慢する必要なんてない。
アモンには、私を見てもらえば良い。
アモンの前でしか見せる事の無い乱れた姿を。
頭で、体で理解していても、心がそれを拒む。
男に最後まで弄ばれるなんて初めての経験だ…求めて止まない行為だと言うのに、私は恐がっている。
「俺は、お前が知りたい…だから、見せてくれよ…お前の乱れる姿」
「っあ!は…んんっ…!かん、たんに屈服したら、つまらない、だろう…?」
「我儘な奴…なら、手加減しねぇぞ、と」
段々、私も夜目が利いてきたのか、アモンの顏がぼんやりと見える。
嗜虐心を隠そうともしないその顔で、私の両腕を縛り上げて抵抗できないようにすると、来ていた衣服をずらして直接肌に触れてくる。
まるで太陽の様に暖かい掌でどこか焦らされる様に愛撫され、胸に手が伸ばされると今までと打って変って強い力で乱暴に揉まれ始める。
強く爪が喰い込むように揉まれる度に、私の口から今まで出したことの無い様な声が出ていく。
「っああ!んんっく…あ!」
「こっちはどんなもんかな…?」
強い刺激にアモンが言っている言葉が良く分からない。
ただ、空いた手が私の内腿を撫でまわし、焦らす様に付け根へと移動しているのが分かる。
見悶えする度に下着が濡れているのが分かり、これからする行為でバレると言うのに知られたくない気持ちでいっぱいになる。
知られたくないと言う想いとは別に、もどかしく触れて欲しいという想いもある。
二つの想いがせめぎ合い、内腿を閉じようかどうかと逡巡している内にショートパンツを脱がされていまい、下着越しに割れ目へと指を這わされるとクチクチとした水音が微かに部屋に響いてくる。
私は恥ずかしくて股を閉じて触れられない様にしようとするが、物欲しそうに腕を締め上げてしまうと言うだけで自体が好転する訳が無かった。
「ゃ…やめ…はず、かしい…!」
「鉄の女とか何とか言われてんのにな…そう言う反応は可愛くて仕方がねぇよ…千冬…」
顏を背けて必死に抵抗しようとしても、心のどこかで今の状況を求めてしまっている。
抗えるわけがない…アモンは下着の隙間から私の中に指を刺しこみ、膣内を指でなぞる様に動かしていく。
たったそれだけで私は声を詰まらせて体を仰け反らし、呼吸を荒げていく。
そんな私の反応を見てか、アモンも同じ様に興奮しているようで獰猛な獣の様な呼吸で私の首元に口付けながら膣内を指でかき回していく。
今まで感じた事のない快楽が背筋を走り、体を丸めてガクガクと震えながら意識が真っ白になってしまうのを耐える。
「あー、くそ…ギャップがすげぇな…我慢できねぇ…」
「っ…!構わない、から…好きなように、しろ…っぁ!」
私は閉じていた股を開いて、アモンの腕を解放してやる。
アモンは指についた私の体液を舐めとり、下着を脱がせつつ私の腕を自由にする。
ぐしゃぐしゃに濡れている所為か股がスースーする、と思っていると、私の股にドクドクと脈打ち熱せられた鉄の様に熱いものが擦り付けられる。
まるでマーキングの様にアモンの勃起したペニスが擦り付けられるだけで、早く早くと子宮が疼いてくる。
私はアモンの首に両腕を回してしがみ付き、その時を今か今かと待つ。
私の膣に亀頭が当たり、ゆっくりと押し広げるようにペニスが侵入してくる。
一気にペニスが挿入されると、何か切れるような音と共に激痛が走り、思わずアモンの首を締め上げる様に抱き付く。
「っ…!!!」
「く…きっつ…大丈夫か…?」
「か、かまうな…お前の、好きに…っああ!」
破瓜の痛みは聞いていた以上に痛く、正直涙すら流してしまった。
しかし、それ以上にこの男に犯されていると…モノにされていると言う事実が私の心を満たしていく。
好いているなんて生易しい感情でこんな事はできない。
愛しているから、できる。
アモンは私の言う通り、快楽を貪る様に腰を打ち付けてくる。
痛みは次第に強い快楽となって全身を刺激し、恥ずかしがっていた嬌声を出してしまう事も躊躇わなくなる程に乱されていく。
「ひっ!あああっ!はっ…くっぅ!」
「初めて、だってのに、くっ!」
「いう、なっ…ああっ!」
一突きされる度に体の奥まで貫かれているような感覚に陥る。
何度も何度も送られる快楽の波は、私の頭の中を真っ白に染め上げて思考力を容易く奪っていく。
ただ、アモンから離れたくないと言う欲求に従い続け、アモンの腰に足を回して体を密着させる。
「っ!中に出ちまう…!」
「やっ!はな、れるな…!!」
離してしまえばまた何処かに行ってしまう気がしてならない。
それだけは嫌だった。
子供が出来てしまうとか、そんな事はどうでも良い。
今、私を抱いてくれている愛しい男を、この手から離さない様にすることで私は頭一杯になっていた。
奥にぐりぐりと押し付けられ圧迫されるような感触がすると、必死にアモンの体にしがみ付いて、そのまま意識を落した。
「ん…?」
「おーぅ、起きたか…?もうちょい寝とけ…」
どうも最後の最後で気絶してしまった様で、そのまま眠ってしまった様だ。
私とアモンは、互いに裸のまま抱き合う形でベッドに横になっている。
お腹の中に何か残っているような感覚と、少しひりひりとした痛みがある。
「…デきたら早く言えよ」
「…なんだ、責任を取ってくれるのか?」
「おう、お前の中の俺の評価ってのが垣間見えたぞおい…。俺はそこまで薄情じゃねぇよ。それに、好いてもいねぇ女を孕ませる様な外道でもねぇ」
アモンは仏頂面で私の頬を軽く摘まんだ後、優しく撫でてくる。
太陽の様に暖かいこの男の手は、私に安心感を与えてくれる。
だから…だから、何処にも行かないでほしいと思っている。
私だけの男で居て欲しいと。
「アモン…お前の事が、好きなんだ…だから、何処にも…何処にも行かないでくれ…」
「行きゃしねぇよ…行くところも今はねぇしな…。うら、疲れてるんだからはよ寝れ」
「絶対だからな…」
「悪魔は約束破らねぇよ…だまし討ちはするけどな」
「不安になる…」
目を閉じる前に、私の方から優しいキスをする。
唇を重ねるだけのお子様キス。
でも、それでも幸せな気分になるのは…この男だからなのだろうな。