MONSTER HUNTER〜現実と幻想の狭間へ〜 作:野良猫@翔
ズゥゥゥン
そんな衝撃と音で目が覚めた
「…あんだよ、朝っぱらからうっせぇなぁ…
なんの騒ぎだよ…」
眠い目をこすりながら勢いよくカーテンを開けた
そして目に飛び込んできたのは
「おい…嘘だろ…
なんで…
待ってくれよ、寝ぼけてんのか
だって、え?
俺の部屋、だよな?
いったいどうして…
モンハンの…世界?…」
目に飛び込んできたのは元々あったであろうビルが廃墟と化し
木々の蔓に巻かれ朽ちていたり
見た事ない鳥や
それはまさに「竜」と呼べる物が飛んでいたり
そして…
『うわぁー!!!誰が助けてくれ!!!く、食われ…
ああああああああ!!!…』
恐竜に襲われ、捕食される人々
それは正しく
モンスターハンターの世界であった
それも現実世界と混在した
「ま、まさか…
俺が昨日の夜、願ったから?
選択肢をYesにしたから?
だってあれはバグかアンケートじゃ…
と、とにかく会社に電話を…」
震える手で懸命に携帯を掴み
電話をかけよう画面を見ると
「け、圏外って…昨日まで使えてたのに…
どうしたら…
は!親父は!」
勢いよく階段を駆け下り、いつもなら稽古の前の瞑想をしているはずの道場へ向かった
昔から剣術道場をやっている由緒正しい剣術道場だ
「親父!!そ、外にきょ、恐竜とか!
なんかもぉ…やばいよ!
早く逃げなきゃ!」
「落ち着け、宗次郎。
わかっている。わかってはいるが
だがどこに逃げるのだ?外へ出ればあのような化物共に襲われ食われる。
表は殺戮と捕食
逃げ惑う人々で溢れかえっている。
まずは状況を把握し、策を練る」
「なにをのんきな事を!確かに表はやばいけどここにいたら危険なのは一緒にだろ!
車で遠くへ逃げればもしかしたら安全なところが…「どこにそんなところがある!車で表へ出れば助かろうと人々が押し寄せて身動きが取れず、目の前で人々が殺され
車などただの鉄屑も同然のように簡単に壊され二人とも餌食なるのは目に見えている」
「じゃ、じゃぁどうすれば…
武器がある訳でもない、防具だって剣道着くらいで気休めにしかならない!
ここに居ても食料が尽きて飢えるだけじゃないか!」
「武器ならある。先祖代々伝わる刀がな。
手入れをしておいてよかった。
刃こぼれもなく、たやくす首をはねる事ができた」
「ま、待てよ。
首をはねただって?
親父は…奴らを殺したのか?」
「目が覚めた時、いつもと違うと思い
蔵から刀を出して道場で瞑想していたところに
そこに屍になっている奴が入って来てな。
首をはねてやったのだ」
親父が指差す方へ目をやると庭先に青い体
見覚えのあるトサカ
鳥にもよく似た顔
そして鋭い爪。
それは正しくモンスターハンターの世界に存在していた
「ラ、ランポス…なのか?」
「正体を知っているのか?まぁ正体をわかっていて殺せるともわかった。
宗次郎にはこの二本をくれてやる。
まだ二刀流の使い方、覚えているな?」
親父が床に置いた二本の日本刀
紅く塗られた鞘には陽炎(かげろう)
黒く塗られた鞘には夜月(やげつ)
と書かれていた
俺は幼い頃から大学卒業まで親父から剣術を教わってきた。
この流派は元々二刀流を使う流派であり
親父含め俺も免許皆伝を持っているが
俺は剣術から身を離れ1年以上が経っていた。
「表へ出るぞ。
準備しろ、ここより安全なところを知っている。
今ここをでれば正午までには着くだろう
覚悟を決めろ、宗次郎」
「か、覚悟ったってついさっきまで表は危険って言ってたのに…!
ああああああ!!もぉわかったよ!
やってやる、この世界はモンスターハンターの世界になったんだ。
なら俺は今日から
ハンターだ!!」