MONSTER HUNTER〜現実と幻想の狭間へ〜 作:野良猫@翔
ランポスを打ち捨て叫び己を鼓舞する
それが闘いの火蓋を切った落とした
今まで人を襲い食らっていたランポス達は仲間を殺され
殺意を露わにした人間を認識し取り囲んだ
その数5頭
「ほんとモンスターハンターの世界そのままって感じだな…。動きはわかってる、あとはゲームと現実の修正だな。さぁどこからでもかかってこい!」
「ギャーギャー!」
まるで言葉がわかっている様にランポス達が飛びかかってくる
上から横から前から
連携のとれた動き
横に避ければ、先の進路に待ち構え噛みつこうとし
斬りかかろうとすれば上から下飛びかかってくる。
防戦一方でなかなか刃を叩き込むことができない
「くそ、これが現実かよ!全然ゲームなんかと比べもんにならねぇ!連携の取り方が異常なくらい上手いじゃねぇかこの野郎…!
だけどワンパターなんだよ!斬り刻んでやる!」
ランポス達の連携に翻弄されていたが少しずつゲームとの違いを修正していく
「うりゃぁ!つぁ!ぜいやぁ!」
突き払いから下段、そして回転斬り
本来双剣にはないコンビネーションだがランポスたちの動きに合わせた闘い方で型を繋いでいく
「さぁどんどん行くぞ!ハアァァァァ!!セイヤァァァ!!」
「ギャァ!ギャァ!」
少しずつ、ランポス達を確実に倒していく
飛びかかられれば横にステップし、着地と同時に斬撃を繰り出す
噛みつきが来れば体制を低くし、腹部に刃を食い込ませそのまま後方まで走り抜ける
きっとゲームならものの数分で倒しているはずだった、が
「ハァ…ハァ…やばいな、こんなにも厄介な奴らだったなんて…」
ここまでやっと3頭を倒すことはできたが
まだ2頭残っている
仲間を殺され怒りに満ちた表情を浮かべ泣き叫んでいる
幸いにもこの辺りにはこのランポス達のみらしく援軍はこない様だが安心は出来ない
「ふむ、動きはわかった。お前は下がっていろ、残りは片付けてやる」
そう言い放つと二対のうち、片方を抜き放ち構えた
「いざ、尋常に勝負!」
言い放つと同時に地面を蹴り疾走した
ランポス達も今まで闘っていた奴より素早一瞬で動きに戸惑い、反応に遅れた
その遅れを見過ごす訳もなく
「その首貰ったぁぁ!」
ズサァン!
下段からランポスへ打ち込まれた一撃は止まることなく後ろへ抜け、首を一閃した
その勢いのまま、少し後ろにいたランポスへ疾走
目にも留まらぬ速さで刃を叩き込んでいき、瞬きする間もなくランポスは絶命した
「全ての物に命はある、安らかに眠るがいい。」
絶命したランポス達に背を向け、刃についた血糊を払い納刀した
親父の動きに無駄はなく、ただ『お見事』その一言に尽きた
「さすが親父…。あんな奴らだけど、一瞬で片付けちまった。俺もまだまだか…」
二本の刃についた血糊を拭い、切れ味を確認して納刀し
先ほどの親父の動きを思い出し無意識のうちに呟いていた
それからと言うもの目的の場所へ向かうために走り抜り抜けて来たが道中酷いものだった
首がない者腹を食い破られ臓物が引きずり出された者
女性や小さな子供までも…
食い破られていたり、鋭い何かで引き裂かれた者
目を背けたくなる光景が進むにつれ酷くなり
血溜まりが続いていた
やはり、道中ランポス達は現れたが遅れはもう取らない
止まることなく進路を阻むランポス達に切り込み絶命させていく
まだごく一部なのだろうか、周りから逃げ惑う足音や悲鳴や泣き叫ぶ声、助けを求める声が聞こえて来る
きっとランポス以外のモンスターもいるだろう
同じ様に闘って生き延びている人達がいる事を願い
助ける事が出来ない事への自己嫌悪に歯軋りをしながら
振り向かず進むしかない
今するべきこと、それは
『生き延びる』
それしかなかった
ランポス倒しながら走り抜け、1時間ほど経つだろうか
居住地区から抜けて、商店街へたどり着いたが
やはり光景は変わらない
商いの準備をしていたであろう、八百屋のおじさんやおばさん
魚屋のお兄さん
顔見知りの人達が同じ様に変わり果てた姿で横たわっていた
走るのをやめ、周りを警戒しながらゆっくり歩みを進めた