MONSTER HUNTER〜現実と幻想の狭間へ〜 作:野良猫@翔
文面は酷い有様だろうけど悪しからず
商店街を進み変わり果てた道を歩いて行く
いつもなら明るく声をかけてくれるおじさんやおばさんは
もういない
(おじさん…おばさん…ごめん。本当ならこんなところに放置なんかしないで、直ぐにでもお墓に入れてあげたい…けど今は出来ないんだ…ごめん)
振り向かずに進み、拳を握り締めキツく歯を食いしばって現実を受け止めるしかない
苦しくてたまらない
昨日まではそんな事なかった
朝起きて仕事へ行き、取引先に頭を下げ、なにもしない上司の機嫌を取り、疲れて家に帰り、ゲームをする
その繰り返しだった
無駄にやり込んで、狩る喜びや、楽しむ事なんて忘れて
ただ現実から逃げる為の作業だった
何度も願った。
こんな世界にならないか、と
好きな時に狩りに出て、好きな時に休んで
でもベッドへ行き、眠りについて目を覚ませば
またなんの意味もない日々が繰り返される
だけど今日は違った
ゲーム画面の向こう側にしかなかった世界が
目の前に広がってる
木や草や山も生態系も変わった
生き物は進化し
隠れて生きていた動物はまるで今までの仕打ちを
復讐するかの様に襲いかかり、殺していた
生態系が逆転した
生態系の頂点だと思っていた
狩る側だと思っていた
殺して食べる
当たり前だと思っていた
それが当たり前だと
今は違う
狩られ、食われるのは自分達だと
商店街の路地で人だった物を貪る青い何か
ランポス
ただのゲーム画面の中だけの存在だった、はずだったのに
目の前にいる
こちらに気づかず夢中で貪っている
そのまま通り過ぎても気づかないだろう
でも俺は
「お前らを狩り尽くしてやる!!!
そう俺は…
狩人だ!!!」
二刀を抜き放ち、駆ける
姿勢を低くし、空気抵抗を抑えるように
瞬く間に刃の届く範囲へ
こちらに向く瞬間
刃は首へ届き、肉を引き裂き、骨を断つ
そして抜ける
血は吹き出し、首が飛ぶ
そこにあった命を狩る
(立ち止まれないんだ…変わったんだ…
全てが
世界が
だから進むしかない
生きる為に
俺は立ち止まってなんかいられない!)
「親父、生き延びよう。
今は狩られる側かもしれない。
だけどこのまま死んでやるのもつまらない。
きっとまだ生きてる人達がいるはずだ。
その人たちを助けよう。
戦える力が俺たちにはある。
だから立ち止まらないで進もう」
刀の血を血振りし、鞘に納めながら無言でこちらを見据える親父に問いかけた
違う、これは問いかけなんかじゃない
決心だ
「口先だけではないようだな…。
半人前がいっぱしの決意を口に出すという事は
やっとの事で現実を捉え、認めることが出来たようだな。
まだ道のりは長い、警戒しながらまずは食料と飲み水を確保するぞ。
奴らに挑むにしても空腹では勝てんからの。
この先にある店を何件かに足を運んで調達するぞ。」
近くに刃物屋もあることだ
何か武器になるような物もあるだろう。
行くぞ」
「あぁわかってる。
進もう。」
二人は歩き出した
未だ聞こえる断末魔の叫びを聞きながら
足早に歩を進め
いつもより暗く感じる商店街を進んでいく…