ネプテューヌのキャラ達とただイチャネチョ(性的な意味で)するだけのSS 作:暑がり
因みにこの話はギャグ寄りにしました。書いてて楽しかったです(照)
「出来たよお兄ちゃん!女の人に振り掛けるとたちまち猫みたいになっちゃう香水!」
「は?」
「だ、だから、これを女の人に振り掛けると、猫みたいに…」
「は?」
「っ…ぐすんっ…」
「解毒剤は?」
「え…?な、ない、ですっ…」
「なあ、ネプギア。仮に、仮にだ。もしもこれを誰かが振り撒いたりしたらどうする?パニックになるのは教会関係者だけじゃないんだぞ?」
「ごめんなさいっ…ごめんなさいっ…」
「そもそもネプギアは機械専門だったよな?この香水は本当に大丈夫なのか?」
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい」
「…あー、落ち着こうネプギア。怒ってごめんな。そんな追い詰めるつもりはなかったんだよ…」なでなで
「わ、私こそごめんなさい…ううっ、さっきのお兄ちゃん怖かったよぉ…」ぎゅうっ
「ごめんごめん、最近こわいかおの練習してて」なでなで
「何で!?」ぎゅう
「何かに使えないかと思って」なでなで
「つ、使えないよ…お兄ちゃんはお兄ちゃんのままがいいな?」ぎゅうう
「ネプギア…それもそうだな」なでなで
「えへへ…」
「ラムちゃんダーーーーッシュっ!!!」
ラムにネプギアの発明品を盗まれた!
「ラムちゃん!?どうして此処に!?」
「最近お兄ちゃんもネプギアも遊びに来ないんだもん!退屈だから来ちゃったわ!」
「私も…いるよ…?」
「ロムまで…まあ、確かに最近ルウィーに行ってなかったな…」
「ご、ごめんね?」
「んーん、もういいわ!面白そうなの手に入れたし!」
「面白そう、って…」
嫌な予感しかしない…。
「(ネプギア…聞こえるかネプギア!)」
「(お兄ちゃん…直接脳内に…!?)」
「(ネプギア…何としてもあれを取り返す。いいな?)」
「(うん…!)」
「ラムちゃん、それってなにができるの…?」
「んーとね、さっきネプギアは猫がなんとかって…試しにロムちゃんに使ってみていい?」
「ふえっ…怖いよぉ…」
「うっ…それもそうよね。それならやっぱり獲物はネプギアね!」
「ネプギアちゃんなら…大丈夫かな…?」
「(お兄ちゃん…私標的になっちゃってるよ…!)」
「(使われる前に取り返すんだ。そうすれば最悪の事態は防げる…)」
「ふっふっふ…ネプギア!覚悟しなさい!行くわよロムちゃん!ふぉーめーしょんBよ!」
「うん…!」
フォーメーションの割には滅茶苦茶な動きでネプギアに迫ってくる。
「お兄ちゃん助けてぇ!」
「ネプギア、こっちだ!」
「待てーっ!」
「待て待てー…」
「はぁ…はぁ…取り敢えず…二人からは逃げ切れたな」
「で、でも…もしラムちゃん達が…お姉ちゃん達にあれを使ったりしたら…」
「ど、どうなるんだ!?」
「わ、わかんない…」
「わかんないのかよ!…仕方ない。とにかくあの二人を捕まえないとな」
「どうするの?」
「ネプギアを罠にする」
「私を罠にするんだね!…私を!?!?!?」
「大丈夫だネプギア、ちゃんと助けてやるから」
「ほ、本当に助けてくれる…?」
「任せてくれ」なでなで
「えへへっ…わかったよ、お兄ちゃん!」
「…お兄ちゃん、何も此処までしなくても…」
「この方が二人も警戒しないだろうと思って」
「だ、だからってこんなきつく椅子に縛らないでよぉ…!」
「拷問されそうな格好だよな」
「拷問!?怖い事言わないでよ!お兄ちゃんの意地悪ぅ!」
「ネプギアは可愛いなぁ」なでなで
「誤魔化さないでー!」
「不安そうにするなって。俺の仕掛けたこの罠なら二人を捕まえられるよ。」
「う、うん…」
「二人が此処に乗った瞬間、どん!だ」
「信じて良いんだよね!?」
「大丈夫大丈夫。」
「うう…怖いよぉ…」
「…来たみたいだ」
「ええっ!?」
「俺は隠れるから後は頼んだぞ、ネプギア」
「お兄ちゃぁん…」
「大丈夫だって…」
涙目のネプギアを宥め俺は物陰へと隠れた。
「ネプギアみっけ!」
「…どうして縛られてるの…?」
「お兄ちゃんが、面白そうだからラムちゃん達につくって…」
「さっすがお兄ちゃん!話がわかるぅっ!」
「それじゃあ早速ネプギアにこれをー…っ!」
「ラムちゃん…?」
「待って、ロムちゃん。嫌な予感がするの」
「嫌な予感…?」
「…今、頭にきゅぴーんって来たの…此処を踏んだら私達、捕まっちゃう…!」
「(メーデーメーデー!お兄ちゃん聞こえる!?)」
「(聞こえるぞネプギア。まさかラムがニュー○イプの素質を持ってたなんて…油断した…)」
「(どうしよう!?)」
「(ばれた以上は…仕方ない。手荒な真似はしたくなかったけど、二人を取り押さえる!)」
「でもどうしよう…これ…」
「近寄れないんだよね…?」
「うん…ネプギアは諦めようか…」
「ラム!ロム!そこまでだ!」
「お兄ちゃんっ!」
「お兄ちゃん…!どうして今回は私達に協力してくれないの…?」
「いいか、ロム。こういう展開っていうのは決まって、戻すのに何週間も掛かるとか言い出すに決まってるんだ!なあネプギア!」
「うぅっ!?…えと…み、ミッカカカリマスヨ…?」
「いーすんっぽく言うな!どうしてこういう物を作るときに解毒剤も作っておかないんだよ!」
「ごめんなさいぃっ…」
「あれってネプギアへの怒りというよりは」
「どこかのSSに向けてる…よね…?」
「解毒剤があれば俺も二人に協力したよ。けどない以上、俺達は…」
「敵ね!」
「敵…!」
「さあ…その香水を返してもらうぞ!」
こうして俺達の、熾烈な追いかけっこが幕を開けた―――
「はぁっ…はぁっ…やっぱりお兄ちゃんには私達の罠は通じないわね…!」
「うんっ…全部見破られちゃう…」
「そろそろ疲れて来ただろ!二人共、大人しく捕まれっ!」
「うーっ…そうはいかないわっ!絶対負けないんだからっ!」
「相手がお兄ちゃんでも…容赦しない…ラムちゃん、"あれ"はもう使えるよ…?」
「ロムちゃん…!わかったわ!あっちよっ!」
「うん…!」
「さあ、今度はどんな罠があるんだ…?」
「あれ?ラムちゃん、ロムちゃん…それにお兄ちゃんも…」
二人が逃げ込んだ場所はネプギアが縛られたままの部屋だった。
「最初の部屋、か…此処でどうするって言うんだ?」
「…お兄ちゃん。私やっぱりもうだめ…」
「疲れちゃった…」
二人は床に座り込んで降参した。
「…それなら先ずはその香水を此方に渡して貰おうか」
「うっ!?それはっ…」
「…ラム、ロム。お前達のいる場所に俺が真っ直ぐ進んで行けば、俺の仕掛けた罠が作動する。それを狙ってたんだな」
「(えっ、何か凄い頭脳戦みたいな話してる…)」
「(そんなに難しい話じゃないぞ)」
「ふふふふっ…甘いわお兄ちゃん…私達は日々進化しているのよ!昨日までの私達とは違うの!」
「…お兄ちゃん…猫が好きな物と言えば、またたびだよね…?」
「ん?ああ…そうだな。」
┣゛┣゛┣゛┣゛┣゛┣゛┣゛┣゛┣゛┣゛
「な、なんだ…?」
「お兄ちゃん…私達が外へ逃げず、プラネテューヌの教会を走り回った理由はッ!"本当の狙い"はたった一つッ!ネプギアのラボにあったこのまたたびをッ!お兄ちゃんに少しずつ擦り付ける為ッ!」
「な、なにィーーーーーッ!!!!!」
「私達の罠を避ける度に…お兄ちゃんにちょっとずつまたたびが掛かるようにしたの…」
「それは…罠を避けられても大量の胡椒でくしゃみが止まらなくなる二重トラップを応用したのか…!」
「お兄ちゃんの…負けよっ!」ババァーンッ!
「「「「「「にゃあああああああああっ!!!」」」」」」
「見事、だ…うわあああああああああっ!?!?!?」
俺は、猫化したネプ子達の波に呑まれ―――気絶した。
「…此処は何処だ…って俺の部屋…俺のベッドか。」
「にゃあ…」
「………コンパ…?…驚いた。さっきはもみくちゃにされてわからなかったけど、耳と尻尾が生えてるんだな…」なでなで
「にゃあん♪」
「本物…?」なでなでもふもふ
「にゃふぅ…」すりすり
「ほ、本物だ…ネプギアのやつ、何て物を…もう機械に留まってないじゃないか…」
「にゃー…」
「…コンパが看てくれてたんだな。猫になってもコンパはナースなんだな」なでなで
「にゃあー…♪」
「けど、こうしちゃいられないな…ラムとロムを止めないと。被害は神次元にまで及ぶかもしれないし」
「にゃ?」
「うーん、それにしても可愛いな。ネプギアも解毒剤を作ってくれてればなぁ…」なでなで
「ふにゃあ…」
「さて、行くか…」
「にゃーっ!」がばっ
「にゃーにゃー!」がばっ
「うわっ!?ネプ子にうずめっ!?」
二人に跨がられてしまった
「にゃー」すりすり
「にゃん」すりすり
「…此方も本当に猫になってる」なでなで
「にゃーん♪」
「にゃあ…♪」
「でもな、二人に構ってる場合じゃないんだ…」なでなで
「にゃーっ!!!」てしてし
「ふしゃー!!!」てしてし
「いたっ…くないけど鬱陶しい!猫パンチするなっ!」
「にゃー(威圧)」
「にゃっ…」
「ふにゃ…」
コンパの一鳴きで、二人は俺の上から降りた。
「…コンパの一鳴きで二人が止まった…だと…?今、凄い威圧感がしたけど…」
「にゃにゃにゃにゃにゃっ!」
「…何て言ってるかわからないけど、此処は私に任せて先に行けって事だな!わかったコンパ!後は頼む!」
「にゃっ!」がばっ
「ぐえっ!」
後ろからのし掛かられた。…どうやらコンパも俺に甘えたかっただけらしい。
「にゃーんっ」すりすり
「くそっ…こうしてる間にもノワール達が…!」
さすがに乱暴に振りほどく事は出来ない。俺はどうすれば―――
「にゃにをしているんですかっ!」
「…えっ、いーすん…?」
部屋に入って来たのは、猫耳と尻尾を携えながらも人の言葉を話すいーすんだったのだ。
「いーすん、お前…喋れるのか…!」
「はい…にゃん…なんとか…時折にゃーにゃー言ってしまいますが…」
「可愛いなぁ」
「そ、そんにゃ…」テレテレ
可愛さ増々である。
「気を付けろよ―――、こいつもまたたびの匂い嗅ぐだけで危なくなるからな」
「にゃ、にゃにを…!そんな事はありませんっ!」
「そーら取ってこい」ボールぽいっ
「「「「にゃーっ!!!」」」」
「それは犬じゃ…」
「こまけえこたぁ良いんだよ」
黒いーすんに至っては猫化そのものを回避していた。なにはともあれ、意志疎通の出来る味方がいるのは非常に有り難い。
「そうだな。今はもっとやらなきゃならない事があるよな」
「そういうこった。特別にこの、クロワールが協力してやるぜ?」
「ああ!助かるよ!」
「…ちょっとは疑えよっ!」
「ええっ!?疑う要素ないだろ!?」
「…相変わらず調子が狂うやつだな。」
「何だよそれ…そういや、他のみんなは?」
ネプギアとネプテューヌ、アイエフの姿が見当たらない。
「ああ、あいつらなら猫化はしてるけど解毒剤を作ってるぜ?」
「いえ、アイエフさんだけは恥ずかしがって何処かに隠れてしまったみたいですよ」
「あ、いーすん。正気に戻ってたのか」
「元々正気です!あのような事をされにゃければ私は…」
「…」すっ
黒いーすんが懐から猫じゃらしを取り出し、いーすんの目の前で振り回し始めた。
「にゃっ!にゃっ!にゃっ!にゃっ!」
「…完全に猫だ」
いーすんはあまり頼りにならなそうだ。
「で、どうすんだ?」
ネプ子達の気をまたたび
で逸らし本題へと移る。勿論いーすんも―――
「にゃぁ〜ん♪」
…あちら側である。
「そうだな…二人が何を考えるか、おおよその見当は付くよ」
簡単に仕掛けられるノワール達から入り、姉と育ての親でもある教祖を乗り越え、最後は―――
「ラスボスだ…」
「ラスボス…?よくわかんねーけど見当ついてんならさっさと行こうぜ?」
「待ってくれ。色々準備がある。」
「準備?」
「ああ」
「早くしろよな」
「直ぐ済むよ。」
四十秒で支度した。
「それじゃ、頼むよ。黒いーすん」
「確り捕まっとけよ?」
「おうっ!」
黒いーすんの力を使い、俺達は一瞬でラステイションの教会内へと辿り着いた。
「って何もトイレに出ることないだろ…」
「他意はねーよ!たまたま此処に標準があったんだ!」
「ん…?」
何故だか妙な匂いが鼻をつく。トイレだからか…?
「ノワールー?ユニー?」
トイレから出て、教会内を徘徊するがノワールとユニの姿が見当たらない。
「いないな…」
「出掛けてて難を逃れたんじゃねーか?」
「うーん、そうは考えにくいよ。あの二人が揃って出掛ける何て滅多にないし」
「…ん?なあ―――、あれ、ゴキブリか?」
「ああ、あれはゴキブリだよ。ずいぶんでかい…ってそんなわけないでしょ!?あれはノワールの髪だよっ!!!」
「それがノリツッコミかーっ!」
「言ってる場合かっ!」
倒れ伏したノワールに駆け寄る。
「待て―――っ!」
「え?」
黒いーすんのその言葉に、反射的に動きを止めた。すると横の部屋から黒い影が!
「ふしゃーっ!」がばっ
「うわっ!?」
飛び掛かって来た影に驚きながらも俺は気合いでその強襲を避ける事に成功した。そして、黒い影は―――
「ふにゃっ!?」
…壁に激突した。
「なんだユニか…ってユニ!?」
黒い影の正体に気付いた俺は慌ててユニへ駆け寄り抱き上げる。
「大丈夫かユニっ!一体誰がこんな事をしたんだよっ!」
「…」
「ユニ…ユニ…っ!くそっ…!許せねえ…こんな事をしたあいつは絶対許さねえ…!」
「って原因はあんたでしょうがっ!!!」
飛び起きて俺のボケにきちんと突っ込んでくれるユニ。どうやら無事らしい。
「どこが無事よ!痛いわよばかぁっ!」
「あ、あー、ごめんな?ユニってわかってたらキャッチ&リリースしたんだけど…」なでなで
額を撫でてやる。
「リリースはしなくていいわよ…」ぎゅう
「さて、ユニ。」
ユニを少々甘やかしながら事情を話した後、気絶していたノワールを部屋で寝かしこの教会では何が起こったのかを聞いた。彼女もまたいーすん同様、多少猫化しているものの会話が出来るのだ。
「あの、ユニさん?」
「なによ?」すりすり
何故だかユニは先程から俺に甘えっぱなしで、離れる気配すらない。
「…それも猫化の影響なんじゃねーか?」
「なるほどね」ぎゅっ
「ふえっ!?…あ、あったかい…」すりすり
仕方がないのでユニを抱き締めながら話す事にした。可愛いし。
「こいつらうぜー…」
「良いだろこれくらい。黒いーすんも俺の頭の上に来て良いんだぞ」
「………」ちょこん
「乗るのかよ!」
「うるせー!」
すっかり和んでしまったが、気を取り直して話を始めてもらおう。この教会で何が起こったのか―――。
数十分前
「ユーニーちゃーん!遊びに来たわよー!」
「珍しいわね。二人だけで遊びに来るなんて。―――とネプギアは一緒じゃないの?」
「…お兄ちゃんなら後から来るわよ?必ずね…!」
その時私は、ラムから物凄い気迫を感じた。慌てて逃げようとした時には遅かった…私は何かを振り掛けられ、身体に違和感を感じ始める。
「な、なによ…なんなのよ!?」
「もぐもぐ…大丈夫だよ…?ユニちゃん…もぐもぐもぐもぐ…猫になるだけ…」
「は、はぁっ!?どういう意味…って言うか何でバナナ食べてるの!?…えええっ、なにこれ!?尻尾!?」
「じゃあねユニちゃん!」
「ターゲットは…もう一人…」ぽいっ
「ま、まさかお姉ちゃんにも…!お姉ちゃん、逃げ」つるっ
「へぶっ!?…バナナの…皮…」がくっ
そして私が起きてお姉ちゃんの部屋に行った時にはお姉ちゃんは倒れてた…。―――に飛び掛かったのはまだ二人がいるのかと思ったからよ。
「そういう訳よ…」すりすり
「(あっさりやられたな…)」
「(こいつ馬鹿だな…)」
「にゃん?」すりすり
「はぁ…こんな緊急事態じゃなければこのユニを一日中可愛がりたいんだけど」なでなで
「…つーか早くしねーと追い付けねえだろ?のんびりしてて良いのか?」
「良くないな。ユニ、俺もう行くから離して」
「嫌」ぎゅうううっ
「なん…だと…?」
「甘えたいの」
「なにこの可愛い生き物…」なでなで
「いやそんな事言ってる場合じゃねーだろ…」
「そうだった…ユニ、また今度な」ぐいぐい
「絶対嫌っ…」ぎゅうううっ
「な、なんっ…ちょっ、力強っ!」ぐいぐいっ
「そりゃ女神なんだからそーだろ…もうこいつも連れてけばいいんじゃねーかな」
「このままだと起きた時混乱しそうだし、事情を知ってる人が側にいないと…」
「そ、その心配はないわよ…」
「起きたのかノワール…その…大丈夫か?」
「ええ、平気よ。何ともないわ」
「何ともないって言うけど、耳と尻尾ついてるぞ?」
「そこはいいのよ!!!」
「ええっ…」
「ネプギアが作った物でとんでもない事が起きてるのはわかってるわ。そして―――がそれを止めようとしているのもね」
「そこまでわかってるならノワール、このユニを頼む」
「…」ぎゅうう
「うらや…何でもないわ。それならこれを使えばいいのよ」
ノワールは懐から毛糸玉を取り出した。
「…何でそんな物持ってるんだ?」
「い、色々あったのよ…いい?これを転がせば―――からユニを引き剥がせるはずよ」
そう言ってノワールは毛糸玉を床へ転がす。するとユニはノワールの狙い通り、毛糸玉に飛び掛かった。
「にゃーん♪」ころころ
「遊んでる…」
「まあ、当然よね。私も引っ掛かったし…」
「なるほど、だから毛糸玉何て持ってたのか」
「うっ、うるさいわね!?とっとと行きなさい!」ふしゃー
「威嚇してきた!?…けどそうだな、急がないと。行くぞ黒いーすん!」
「やっとかよ!待ちくたびれたぜ!」
「…行ったみたいね。…危なかったわ…―――がもう少し長くいたら今頃私もユニみたいに…」
「…べ、別に羨ましいとかないわよ!勘違いしないでよね!」
無事、ルウィー到着
「今度はトイレじゃなくてちゃんと教会の目の前だな…」
「うるせー!そんな事より寒いんだからとっとと教会の中に入ろうぜ!」
「そうだな…お?」
教会の扉に近付くと中から声が聞こえて来た。
「待ちやがれゴラァ!」
「ロムちゃんどうしよー!?興奮状態のお姉ちゃんにマタタビも毛糸玉も猫じゃらしも通用しないよぉ!」
「もうだめ…かも…!」
「ふしゃあああっ!!!」
「…よぉ―――、この中で何が起きてんだ?」
「俺が知るか…けど注意しろよ黒いーすん。開けた瞬間何が飛んで来るかわからないからな」
「はぁ…そんな訳ねーだろ、カラクリ屋敷かよ」
「…知らないからな」
忠告はした。教会の扉を開け、俺達は中へと入る。
俺は、ぷちんっ、という糸が切れた音を聞き漏らさなかった。上から来る。
俺はダッシュで教会内の奥へと滑り込んだ。
「何してんだよ―――、何も起きな―――」
黒いーすんは、その言葉を言い終わる前に、本の山に潰されたのだった。
対象が扉を開けると同時に糸が切れ、上空から何かが落下してくるという単純な罠だ。今回が本だったのは即席だからだろう。
ブランの部屋にありそうな本ばかりだ。
「俺が来るのを見越して仕掛けたか…」
狙いはあくまでも時間稼ぎだろう。
「…ん?」
今、何かに触れた。これは―――ワイヤー(※ワイヤーは危ないので糸を使用しています)トラップ!
俺は瞬時に左右前後上下、再度左右を確認。次に来るのは―――粘着糸と落とし穴っ!
粘着糸で拘束、その後落とし穴(小規模の物)で身動きを出来なくするという罠だ。
最初の糸へ触れてから時間差で、四方八方から拘束用の粘着糸が放たれる。これは、糸に触れた相手が油断し、何も起こらないと思わせる為。
「俺には糸が放たれる先が…!手に取るように見える!」
所詮はただの粘着糸なので―――
「ネプギアのラボからこっそり持ってきたジャンクを盾に!」
アイテムから取り出したジャンク達を瞬時に壁のように張り巡らせ、ガードする。落とし穴は粘着糸が対象に張り付いたのを確認後、展開される。これは小規模なので、落ちても問題はない。
「っとと…ふう…。」
ネプギア、ごめんな…!
心の中で謝罪をしていると、黒いーすんの第二の悲鳴が聞こえた。粘着糸に拘束されたのだろう。
「…回避しても二回目があるのがこの罠の肝なんだよ」
落とし穴から抜け出した際、二度目が来るという嫌らしい罠だ。
落ちてきた黒いーすんに説明する。
「いいからこの糸何とかしろー!!!」
「許せねえ…ぜってー許せねえ!」
「初めに気を付けろ、って言っただろ?全く…」
「ううううるせー!仕方ないだろ!初見殺しだ、初見殺し!」
「まあ、否定はしないよ…」
黒いーすんの粘着糸を千切り、今俺達はルウィーの教会内を歩いていた。初めに聞こえたブランの声―――あれは相当怒っている声だった。
「今のブランは並大抵の罠じゃ、引っ掛かっても即座に抜け出すだろうな…」
「何か楽しそうだな…止めに来たんだろ…?」
「勿論止めるさ。楽しくな」
「…まあ止めるのがわかってんならいーけどな…にしても教会がだだっ広くてみつかんねー!」
「一応、ブランが通った場所を辿ってるんだけどな」
「そうだったのか!?」
「そうじゃなきゃ今頃罠の雨霰だよ…それより黒いーすん、何か匂わないか?」
「ん?あー…何かぞわぞわする匂いだよなー」
この匂い、何処かで―――
「ぐわああああっ!」
思考の最中、ブランの奇声にが聞こえてきた。
「ブランの声だ!」
「すげー声だったなおい…」
俺達は声の聞こえた方へと急いだ―――
「この部屋か!」
勢いよく扉を開ける、と部屋の中央にはブランが倒れていた―――
「ブラン…!くそっ!遅かったか!誰がこんな酷い事を…!」
「いや、決まってんだろ…」
黒いーすんの冷ややかな突っ込みの後、上から声が聞こえてきた。
「遅かったわねお兄ちゃん!」
「お兄ちゃーん…」ふりふり
「飛んでるー!?…って女神化か…」
「俺は女神化なんかしなくても飛べるけどな!」
「…まあそれはともかく」
「おいこら」
「ロム!ラム!もうこんな事はやめるんだ!」
「やだ!」
「やだ…」
「即答かよ!くそ、こうなったら…」
俺は、アイテムに手を掛ける。
「やめてよね、本気で喧嘩したらお兄ちゃんが私達に勝てるはずないんだから!」
「うん…でもどうしてもって言うなら…」
二人が臨戦態勢を取る。
俺はNギアを取り出し―――
「俺の声に応えろ!ネプギアンダム!」
「ネプギアンダム…?」
「何だっけ?…あっ、ネプギアちゃんが使ってたやつだ!」
「ネプギアンダム、見参!」
「こいついつの間に来たんだ!?」
「チャント玄関カラ入リマシタ」
「偉いなネプギアンダム」
「いや俺の疑問は解消してねーからな!?」
「まあまあ落ち着いて。よしネプギアンダム!あの二人を拘束するんだ!」
「了解シマシタ」
「ロボットなんかに負けないんだからね!」
「負けない…!」
「愚カナ…自ラノ過チヲ悔イルガイイ!!!」
「ネプギアンダムめっちゃ強そうだな…」
「そーだな…」
あの部品集めは功を成したようだ。ネプギアンダムはその高性能っぷりを遺憾無く発揮、油断していた二人をバッチリ捕まえた。
ご丁寧に、罠に使われていた粘着糸で。
しかし、事態はそれで収束しなかった―――。
「ふ、副作用…?」
ネプギアからの連絡。それはこの騒動がまだ終わらないという悪い報せだったのだ―――。