※ただし闘うとは言っていない
注意 この話には催眠・脳姦・調教・心折設計等々のネタが含まれます。それが『絶対ムリ』という方や『ちょっとそれは……』と言う方はブラウザバック推奨です。
古明地さとりと戦っていた宇佐見菫子は、今まさに絶体絶命の危機に陥っていた。正確には命だけは保証されているに等しい状況であると言うことはわかっているので絶体絶命と言うにはやや弱くもあったが、しかし本人にとってはいっそ死ねた方がまだ良かったと思うようなことになりかねない。なぜならば、菫子は今まさに人間としての尊厳や貞操など、様々な物の危機を迎えていたからである。
精神世界。意識や気力が物を言うこの世界で、菫子は古明地さとりと向き合っていた。
「……さて、それではこれから貴女にお仕置きをしようと思います。気を強く持っていれば発狂するだけで済むから、できればしっかりと自分を保っていてくださいね」
「はぁ!? ちょ、ちょっと!それってどう言うことよ!? 私に死ねっての!?」
「? いえ、死んでもらっては困ります。あくまでこれはお仕置きですし、少し人間として壊れてもらうだけで死んだりはしませんよ。そんなに野蛮なことはしません」
「壊されるってだけでも十分大したことじゃないの!」
「人間なのでしょう? でしたら精神的に壊れたところでまだ肉体は動きますし、壊し方次第では自意識を持ったまま行動することだってできます。身体まで壊さなければいくらでもやりようはあるんですよ」
さとりはそう言って、くんっと指を振る。ただそれだけで精神世界でも放さないように持っていたマントやカード、携帯端末などが吹き飛び、空中に磔にされてしまった。
「っ!? こんなものっ……!」
「貴女では外せませんよ。それを外したいのならもう少しサイコキネシス以外の超能力の方も鍛えておくべきでしたね。サイコメトリー、ヒュプノ、テレパスなどが当てはまりますが……今言ったところでなんの救いにもなりませんね」
無理矢理に抑え込まれる身体。精神世界であると知らない董子は必死にサイコキネシスで身体の自由を取り戻そうとするが、物質に精神波で干渉するサイコキネシスでは精神世界の存在に干渉することはできない。だからこそのヒントだったのだが、さとりの言葉を聞こうともしない。
そんな彼女に向けて軽くため息を一つつくと、まるで瞬間移動のようにさとりは董子の傍にまで移動した。驚愕の視線をさとりに向ける彼女に対して、さとりは耳元に唇を寄せて静かに囁く。
「―――ブレインイーター」
―――ぢゅるっ、と、奇妙な音が董子の頭の中に響く。
痛みはない。欠片もない。感覚から何をされているのかはわかる。しかし痛みは全くない。痛みがないとおかしいはずなのに、感じるものは痛みではない。
さとりの舌が、耳から侵入して行く感触。外耳より入り、鼓膜を破り、中耳を通り抜け、内耳を蹂躙し、神経という神経を抉り取りながらさとりの舌は脳にまで達した。それが董子には感覚的に理解できた。理解できてしまった。
しかし、それでも痛みはない。思考が追い付いていないだとか感覚が麻痺しているだとかそういったことではなく、痛みを感じているという事実が初めから存在していないかのようだ。
代わりに董子は、途方もない快楽の奔流の中にいた。思考が散り散りになり、理性が消し飛ばされ、動物としての危機を感じる本能すらもが押し流され、砕かれ、沈んでいく。
そしてそれらが流されていく先には―――さとりの口が存在していた。
感情が。理性が。記憶が。尊厳が。本能が。全てが一緒くたになってさとりの口の中に消えていく。そうして得た記憶や感情から、さとりは彼女に最適な方法を探り出し、状況を整える。
今回はただ壊すだけではない。外の世界における自身の端末としての役割を植え付け、それでいて彼女自身の意思は奪わない。そういった方法をとる必要があった。だからこそさとりは今のように一度董子の全てを奪い尽くし、記憶し、白痴となった董子に再び全く同じ記憶を植え付けることで下地を整えた。
ずぢゅぷっ、という濁った水音と共にさとりの舌は董子の耳から抜け落ちる。しかしその身体に叩き込まれた快楽は確かに董子の身体を蹂躙し、そして新たに植え付けられた自身の精神はその快楽に押し潰される。
そこに残っていたのは、現実ではほんの一瞬にも満たない時間で破滅的な快楽に身を焦がされて自失している女子高生と、そんな女子高生を抱えたままにやりと笑い、舌なめずりをする見た目小学生程度の少女の姿。そして少女は女子高生をその腕に抱えたまま、辺りを見渡す。
人口は幻想郷の数十……否、数千倍にも達しているだろう巨大な都市の幻影。科学が基礎として成り立ち、同時に董子の持つものだと思われる魔法や超能力の支配に置かれてもいる歪な世界。そんな董子の精神世界を、さとりは鼻歌交じりに改変して行く。
聳え立つ摩天楼は溶けるようにして消え、魔法や超能力を表していただろう大気中や地面に描かれていた無数の魔法陣やルーン文字は薄れ、そして代わりに董子の身体に纏わりついてその身を拘束する枷や感覚を遮断するための道具として再生される。自身の能力が他者に使われ、自身を拘束していると知った時、この少女はいったいどんな感情を抱くのだろうか───?
想像しただけで笑みが浮かぶ。歪んだ愛情。ただし、妖怪が食事としての人間相手に向けるものとしてはごく真っ当なその想いを押さえることなく、さとりは優しく優しく───砂糖菓子を舐め溶かすように、菫子の精神そのものに干渉していった。
幻想郷に存在するもの。存在しないもの。それらを全て纏めて都合のいいものに書き換える。
超能力を封じる四肢の枷。言葉を封じる棒状の轡。大量の仕込みがあった服は身体つきが透けて見えてしまうほどの薄手のネグリジェに変わり、その上からルーンの消えた厚手のマントがほとんど裸と変わらないような状態となった身体を隠す。
一度吸い殺され、自身の境界が曖昧になりながらもさとりに無理矢理取り繕われて形を失うことはなかった精神は、文字通りに丸裸も同然。もしも菫子が現実で同じことをされていたならば全力で振りほどこうとしたり、そうでなくとも嫌悪感の一つ二つは見せていただろう。しかし今、さとりに触れられて受ける刺激の全てを悦楽として受け取り続けていた。
「ぁ、ぁあ、あっ、あ……」
自失しながらも甘い声を漏らし、両脚の内側を擦り合わせる姿を眺めながら、さとりは笑う。まともに生きていればけして感じることのなかったはずの、自失するほどの快楽。それを受け続けて壊れそうになっている人間の精神は、覚妖怪にとっては破滅的な快楽の味。何度も繰り返して味わいたくなる、そんな味。
さとりの全てを受け入れるように作り替えられてしまった菫子の精神は、さとりから与えられる快楽を余すことなく受け止める。それで器である自身が壊れてしまっても構わないと言うかのように、貪欲に。
受ける悦楽に合わせて菫子は昂って行く。乳首や陰核は膨らみ、女陰は湿り気を帯び始め、頬に朱が差し、珠のような汗が額に浮かぶ。擦り合わされている太股の間からは微かではあるが湿った音が鳴り始め、身体の準備はほぼ完了した。
「……『想起』」
しかし、身体の準備が終わっていてもまだ精神面の準備は終わっていない。正確にはこの場は精神の世界なので、表層に現れる意思と深層の意思との間に差違を作ってもそれが自然だと思わせてしまうようにする。ただそれだけのことであり、それはさとりの得意分野でもあった。
表層に現れる感情や意思は、どれだけ壊れたり狂わされたりしてもしばらくすれば元の形に戻ったと
そして、そう言った期待に応えて何度も彼女を調教する。すると深層心理には『生意気なことをすればまた気持ち良くなれる』と刷り込まれ、身体も心も堕ちきっているのにとても元気な可愛らしいペットが出来上がるわけだ。
そのために、さとりは菫子の精神の在り方をねじ曲げる。さとりの姿を見ただけで股を濡らし、口では反抗しながらも身体や能力での反抗は容易に鎮圧できるものでしかなくなり、捕らえられても明らかに逃げ切ってやろうと言う気概の見えないような行動しか起こさない、完全に調教された奴隷のようでありながら同時に反逆者のようでもある存在。その第一歩を無理矢理踏み出させ、綺麗に作り上げられた道を用意する。
そして、宇佐見菫子の精神が元に戻るまで、さとりは両腕を背中で拘束されたままの菫子の身体で遊ぶことにした。
□
「ぅ……んぁ……」
身体がふわふわする。そう感じながら菫子は目を覚ました。
すると初めに目に入ったのは、現代日本では既に存在しないだろうと思ってしまうような石造りの壁。もしもこんなものが本当にあったとしたら、それがあるのは間違いなくドが二つ三つは付くだろう田舎か物語の中のどちらかだろう。そうとしか思えないものがそこに存在していた。
「おや、ようやくお目覚めですか」
「だ、ひゃんっ!?」
誰だ、と言う当然の疑問は、しかし突然胸から走った衝撃によって途中で打ち切られてしまう。けして大きいとは言えない程度の胸だったがつんと可愛らしく主張する乳首は男性のそれに比べてやや大きく、僅かに膨らんだ胸と合わせて女性らしさを表していた。
だが、その女性らしさを表す部分は今まさに小さな手によってつまみ上げられていて、くにくにと指の腹で転がされる度に言葉を途切れさせるだけの威力のある衝撃が菫子を襲い、そして再びその脳裏を白一色に染め上げた。
ただ、それは僅か一瞬のことであり、暫くそれが続くほどの事ではなかった。
「や……ひぅっ!? な、だりぇっ!? だれがあぁぁっ!?」
「誰、ですか。まあ、答えてあげますよ。私は古明地さとり。これから貴女の飼い主になる者です」
「は、あぁぁあぁああぁぁぁっ!?」
驚愕の声は快楽の悲鳴に上書きされる。菫子はこれまでに自身を慰めることをあまりしてこなかったが、年頃と言うこともあって興味本意で何度かしたことはある。そのときの感覚を数十から数百倍に濃縮してみれば今のような感覚になるのではないか。そんな一種奇妙な思考の直後、自身の意思とは無関係に菫子の身体は勝手に一瞬硬直し、そして脱力した。
「ふむ……ちゃんと出来上がっていますね。結構結構」
「あ……あんた……私に、何をしたのよ……!」
「……私はちゃんと名乗りましたよ。貴女は私のことを『さとり様』と呼びなさい」
「誰がっ!や、どこ触っ、ひぁぁぁあああっ!?」
「呼びなさい」
マントの切れ目からさとりの手がまるで蛇のように滑り込み、既にじっとりと濡れた女陰に触れる。それはまだ表面部を柔らかに圧した程度であったが、異常に身体が敏感になっている今の菫子にとってはただそれだけでも十分以上の驚異と言えた。
今までにないほどに身体が性的な感覚に弱くなっている。そのことに気付きながらも経験の少ない董子にはどうすることもできず、ただひたすらに耐えようと体に力を入れることくらいしかできない。声を我慢しようとしても唇を噛もうとする顎は強く噛むことができない程度まで萎えさせられていて、喋ることには問題が出なくとも何かを害することができるほどの力を出すことはできない。この状態で目の前に首があったとして、思いきり噛みついてやろうとしたところで歯形の一つもつけてやることはできないだろう。
───もし万全の状態であったとしても、声を抑えることができていたかどうかは甚だ疑問であったが。
さとりの指の一本一本がまるで独立した意識を持っているのではないかと思えるほどに柔軟に蠢く。今まで菫子が知っていた場所も、自身ですら触れたことのない場所も、まるでよく知っている他人の家と言うかのように。
外側に触れられるだけでなく、ゆっくりと内側から自身を拡げられると言う未知の感覚。指がゆっくりと、しかし確実に女陰を拡げながら奥へと進んでくる感覚に、菫子の身体はカタカタと震えが止められなくなっていた。
「……おや、どうしたのですか、そんなに震えて……寒くはないはずですし、緊張はいま解していますし……あれだけ大きな口を叩いていたのに怖がっている、なんて事は無いでしょうしねぇ……不思議、ですねぇ……?」
「ひっ……ぃ……ゃぁ……」
───今更ではあるが、古明地さとりは覚妖怪である。当然ながら、現在の菫子の身体の震えが恐怖から来る物だと言うことは恐らく誰よりも……それこそ、本人である菫子よりもよくわかっているだろう。
しかしさとりはそう言った感情をわざと見逃していた。しかし、菫子自身にはその事を知っているように見せ付け、恐怖の感情を煽り続けている。
その理由は───新鮮な恐怖の感情を目の前にしてしまうと、ついつい全て食べてしまいたくなるためだ。根こそぎ食べてしまえばもう一度恐怖を抱かせるのに時間がかかる。だからこそ今は恐怖の感情を溜めさせ、自身への恐怖を忘れないように刻み付け、何をしても思い出してしまうようになるまではさとりは恐怖の感情を食べないようにしているのだ。
ペットに言うことを聞かせるのに、飴ばかりでは付け上がる。ならばどうするか。飴ではなく鞭を使えばいい。さとりにとってはそれは極々当たり前の事であり、迷うようなことでもなかった。
その鞭の役割として、さとりは菫子にとっての未知の感覚を使うことにした。それが現在の状況を表したものであった。
さとりの指は菫子の処女膜を少しずつ解し、痛みを与えないように穴を広げていった。それは優しさからでもあったが、同時に菫子のよくある勘違いを利用するためでもあった。
処女を失うことは痛みを伴う事であり、出血することもある。それが当然と思われているが、実際には痛みを伴わせない方法だけでなく処女膜を残したままにする方法まで存在する。その初めの段階として、対象の身体から緊張を取り、同時に処女膜をよく解して伸縮性を上げておくことが必要となる。そこまでやってもあまり大きなものが通ってしまえば痛いことは痛いし処女膜もなくなってしまうが、多少大きい程度の物なら痛みもなく飲み込ませることができるようになるのだ。
さとりの指が動く度、じゅくじゅくと水音が鳴る。その音の原因が何かを考えると、菫子は顔を真っ赤に染めてしまう。
「たくさん濡れてますね。太股どころか膝まで垂れちゃって……」
「ゃぁ……やぁ……っ!」
「嫌? こんなに愛液を垂れ流しているのに? よく言うわ……ほら、こっちはどう?」
「ひぃっ!や、やだ、だめだめだめだめだめぇっ!」
「……ふむふむ、『何か来ちゃう』ですか。大丈夫ですよ。ほら、一度イってしまいなさい」
深く突き入れた指をくいくいと腹側に向けて何度も曲げてやると、菫子の身体ががくがくと大きく震え始める。身体を捩らせて逃げようとしているようだが、その動きはよりさとりの指を様々な場所に触れさせる役にしかたっていない。そもそも空中に固定されていて全く動けないのだから無理だと言うことは理解している筈なのだが、それでも耐えられないようだ。
「やっ!やだ!やだやだやだやだぁぁぁっ!あっ!あぁっ!ぁ、ぁ、ぁ、ぁ───ッ!!!」
声が途切れ、董子の身体は今まで以上に大きく跳ねる。全身に必要以上に力が入り、そして脱力する。
「はい、よくイけました……次からはちゃんとイく時には『イく』と言うんですよ?」
「───だ、れがぁ……あんた、なんかにぃ……っ!」
つい先程までさとりの手で泣かされていたにもかかわらず、菫子の瞳の中には強い光が宿っていた。そうなるように調整したのがさとりであると言うのはわかりきっていることだったが、それでも妖怪の本能としてこの人間を堕としてしまいたくなる。こうして強気でいてくれる間は、きっと飽きることもないだろうと思いながら。
「……学びませんね。『さとり様』ですよ」
さとりはわざとらしく溜め息をつき、再びその手を菫子に伸ばして行った。
ぐぢゅり、と激しい水音。同時に上がる甘い悲鳴。さとりの手は菫子の女陰を再び抉り始めていた。
しかし、今回はそれだけではない。逆の手はピンと勃ち上がって自己主張している乳首をつまんで転がし、同時に耳元で何度も囁き続ける。
「ほら、呼んでごらんなさい。『さとり様』」
「やっ!やだっ!誰があんたなんかっ!や、だめっ!まだびんかっ!ひゃぁぁあああっ!!」
「こら、イく時には『イく』でしょう? ちゃんと言えるようになるまでいつまでも付き合ってあげるから、一緒に練習しましょう? ……ほら、『イく』よ」
「んンーっ!むゥーッ!!」
「我慢しないの。ね?」
「んぁっ!や、耳舐めちゃ───あぁぁぁぁぁっ!?」
「……また失敗ね。大丈夫。何回だって、何日だって付き合ってあげるわ。ここで何年過ごしても、外では精々数分くらいだし……ね?」
その言葉が菫子に届いたのかどうか。それは表情からはわからない。もしも一段落した休憩中にそれを言われていたならば顔色が一気に悪くなるのがわかったかもしれないが、今の菫子は我慢を繰り返していて顔は真っ赤。多少の変化ではわかるはずもない。
ただ、一瞬。文字通りに瞬き一つ分か、あるいはそれよりも遥かに短いかもしれない時間。菫子の身体からは力が抜け、しかしすぐに持ち直した。
何年も続くのがどうした。何年もこれが続くなら、何年だって耐えてやろう。そうして気を持ち直し、菫子はさとりを睨み付けた。
「───ああ、まったく」
楽しませてくれる───という言葉を飲み込み、さとりは手の動きを再開した。痛みを与えないように細心の注意を払いながらも大胆に動くさとりの指。菫子の女陰から溢れた愛液を撹拌し、快楽を与えながら羞恥心を煽る。
「ほら、『イく』よ。今度はちゃんと言いましょうね? 『イく』。『イく』」
「うるひゃいっ!誰が、ああぁぁぁぁっ!!」
「はい、もう一度。『イく』よ?」
「やらっ!言わないっ!ぜったいやらぁぁぁぁっ!!」
「はい、もう一度。『イく』」
「ふぎぃぃぃぃぃぃっ!!」
繰り返される言葉と絶頂。言葉としてそう言ったものがあることを知ってはいた菫子だったが、これほど激しく絶頂を迎えるのは産まれて初めてだった。もしも生身でこれほどの絶頂を繰り返していたならば最低でも気絶は免れないし、悪ければ心停止まで行く可能性もある。そんな行為を受けても意識を失うこともなければ壊れてしまうこともないというのは、この場が精神世界であるがゆえの恩恵であると同時に弊害とも言えた。
普通ならば痛みを感じるような行為を受けても、さとりの手による調節を受けた菫子は痛みを感じることはない。発狂するほどの連続絶頂も一時的な意識の喪失で済んでいるし、壊れたとしても即座に外面だけは元通りになるようになっている。だからこそ今のように責められ続けていてもなんとか口答えもできているし、逆らうこともできている。
無論、そういった状況はさとりの手のひらの上での出来事でしかないのだが。
「あまり我儘を言っていると、こうしちゃうわよ?」
さとりの言葉と共に、それまでは遊んでいた親指が動く。それは最短距離を移動して、菫子の身体の中でも特に敏感な小さな突起に宛がわれ───容赦なくぐりっと押し潰した。
効果は劇的に現れた。それまではなんとか一瞬だけでも耐えようとすれば耐えることができていた声が、全く押さえることができなくなった。
ひきつった声には余裕というものが一切感じられず、今までのような意味のある言葉として成り立たせるには無理がある音しか出てこない。身体は瘧が起きたかのようにがくがくと痙攣し、菫子の思考や意志が千々と引き裂かれて散る。
快楽の頂点である絶頂も、それが常に続くようでは人間の意識が耐えられない。ほんの一瞬の絶頂で意識を飛ばすほどの快楽を何分も受け続けていれば、当然その意識は砕かれ、散らされた状態から戻ってくることもできなくなる。
生物として自身が死に逝く時のような、自身が消えてしまうような感覚。例え本人の意思として破滅願望を持っていたとしても、生物としての身体は本能的にそれを拒否して生にしがみつこうとする。
「ほら、『イく』と言えば終わるわよ?」
───そんな時に、本能に満たされた身体にそう囁かれたとすれば。その本能はそれが事実かどうかを確認するよりも早くそれにしがみつこうとする。まるで溺れている者が浮いている物ならば糸屑であろうと掴もうとするように、菫子の身体もまたその言葉にすがった。
「ほら、『イく』」
「い゛ぐぅっ!」
「いい子ね。でも、もう少しスマートに。『イく』」
「ひぐゥっ!ひぐっ!イグゥゥゥッ!」
「ちゃんと発音しなさい? 『イく』」
「イぐぅっ!」
「『イく』」
「いぎゅぅぅっ!」
繰り返される絶頂と言葉。しかしさとりはなんだかんだと理由をつけて手を止めることはない。しかし菫子はそれでもたった一つしか頼れるものがない状態であるため、さとりの言葉を聞いてひたすらに叫ぶように繰り返す。
菫子の声が精神世界に響き渡る。それはつまり、菫子の精神にその言葉が刻み付けられると言うことを意味する。絶頂する度に自身が口にする言葉。それがそう言うものだと、条件付けられるようになっていく。まるでベルを鳴らすと餌を貰えると思って寄ってくる犬のように、コンピューターのキーを押せば画面にその文字が現れるように、絶頂の度に菫子はその言葉を口にすると精神に刷り込まれる。
やがてその条件付けが完璧になったとさとりが認識した時、ようやくさとりの手は止まる。既に何十何百……ひょっとしたら何千もの絶頂を味あわされた菫子は、ぐったりとその身体から力を抜いた。
時折身体を跳ねさせ、その度に刷り込まれた言葉を繰り返す。もはや絶頂しているからその言葉を発しているのか、それともその言葉を言う度に絶頂しているのかわからなくなってくる。
さとりによって嬲られ続けた女陰は充血して厚みを増し、愛液を後から後から湧き出させているし、顔は涙と涎で見れたものではなくなっている。
しかしさとりは、そんな状態になった菫子を優しく撫でた。触れられるだけで軽く絶頂しているのを無視して菫子の身体を綺麗にすると、『すみれこ』と名が刻まれた首輪を菫子の首に巻き付ける。かつて同じような首輪がペット達───お燐やお空にも填められていたことを知っているのは、この場においてはさとりだけ。その首輪は、さとりのペットの証でもあり、お燐とお空の首輪は今でもそれぞれの部屋で宝物として飾られていたりする。
「今回はちゃんとイく時に『イく』と言えるようになったし、次は私のことを『さとり様』と呼べるようになりましょうね。───時間はまだまだ、まだまだまだまだ、たぁっぷり、あるのでねぇ?」
さとりは笑顔を浮かべ、気を失いながらも『イく』という言葉を繰り返しながら小刻みに身体を震わせる菫子を優しく撫でる。菫子が目覚めれば、さとりは間違いなくその言葉を実行するだろう。壊れる寸前まで……あるいは壊れて直されてを何度も繰り返されるほどに壊され、少しずつ必要な調教を施して行く。
それが終った時、菫子がどうなっているのか。それを知っている者は誰もいない。