「ねぇ…なんでまだ学園にいるの?」
「……」
「もういい、こいつヤッちゃっていいよ」
「うひょ~、マジでいいの?超好みなんだけど(笑)」
「沙羅ちゃんが来るまで人が来ないよう見張っておいて」
「へーい!」
炎天下の真夏、ジージーうるせぇ虫共が相変わらず婚活に励んでいやがるそんな通学路。いつもと代わり映えのしない学校生活に飽きていた俺は、刺激を求め宇宙人でも攻めて来ないかなぁとか、しょうもない妄想をしながら近くの河川敷を歩いていた。
そんな事を考えていたせいだろうか、たまたま同じ学園の制服を着ている奴らのイジメ?的な現場を見かけてしまった。男女六人に囲まれている二人の女学生、こんな胸糞悪い刺激なんていらねぇんだよ。
「お願いします。妹は関係無いんです!妹だけは……」
「ね、姉さん!」
「いやいや、そういうのいいから」
「あ…」
「アンタみたいな淫売の妹だもの、本当は喜んでるんでしょ?」
おお、なんというか、無慈悲な野郎じゃないか、女だけど。こういう時、良い呼び方ないんかね?『女郎!!』とか、なんか変じゃない?。
しっかし、お姉さんの方むちゃくちゃ胸でけぇ。そりゃ汚ぇゲロみたいな髪色してる雑魚も喜ぶわ、俺も触れるならこう、ぽよぽよっと下から持ち上げてみたい。このおっぱいちゃんの名前を今からミルクプリンと呼称する。
んで、ミルクプリンに庇われた妹ちゃんは、黒髪を後で束ねていて、いかにも武道系の部活やってますっていう感じの女性だ。つうかコイツ見たことあるな。
……そうだ!俺の隣の席に座ってる奴じゃねーか!!よく話しかけてくる面倒見の良い奴だってのは知ってたが、顔をまともに見たことなかったから全然思い出せなかった。別に女性が苦手でーとか、話すのが苦手でーとかじゃないぞ?ずっとスカート下の健康そうな脚ペロペロしたいなぁとか思って見てただけだし。わかるでしょ?
「やっほ~着いたよん!それで~電話で言ってた娘どっち?」
「手前のだよ、健児君を誘惑した奴」
「ん~、あーあー!見たことあるよこの人、うんうん、確かにお兄ちゃんと歩いてたの見たことあるわ。しっかし君もお馬鹿さんだね~?グループトップの彼女になって、甘い汁すっておいてさぁ。今更知りませんでした。別れてください。とか、ちょっとむしが良いんじゃないかな~?」
「宮原…なんで……」
「ん?おお~、大城さんじゃないですか!そんなデカいなりしてるのに、隠れてたから気付かなかったよぉ~!そっかそっかぁ、君のお姉さんがやらかしちゃったんだ(笑)」
なんかボーッとしてる間に話が進んでいた。
車からでてきた緑髪の性格悪そうな少女が、野郎二人を連れて現場へ降りてきて、なにやら不穏な事をおっしゃっている。こいつもクラスメイトだったはず、いつも授業中キャンキャンうるせぇから覚えてるぜ。
さらっと緑髪とか言ったけど、この世の中カラフルヘアーなんて珍しくもなんともないんだわ。このへんは後から話題に取り上げようと思います完。
自分の知り合いが出てきた為か、動揺していた様子の大城妹だったが、意を決して話しかけ始める。
「姉さんが迷惑をかけたようだ。本当にすまない!この通りだ。いっ今はなんとかこの場を治めてもらえないだろうか?もちろん有耶無耶にするつもりはない」
お~ジャパニーズDOGEZAというやつか、後からスカートぴろっと捲りたくなるよね。恥を捨てた奥義ではあるが、正直この状況で土下座して見逃してもらえる奴は、ドラマや漫画の登場人物くらいなんじゃないですかねぇ~。
まぁドラマでも汚職は見逃してもらえなかったけどな!
「う~ん、ごめんねー。私やお兄ちゃんは、どうでもいいとかさぁ思ってるんだけどぉ、周りが納得しないんだよねぇ~。でもさ、安心して!写真撮って脅す!とか無いから、今日一日奴隷で全部解決だよ☆」
「……」
まぁなんも言えなくなるわな。一日だけ奴隷だよ!って言われて、なら安心ですね(ニッコリ)とかもうねぇ。
スラスラ言葉が出てくる所を見るに、他のやつにもヤッたことがあるんだろうな。不良さんに近づいたミルクプリンも悪いとは言え、流石にリンカーンはいかんと思うわけですよ。せめて小指だよね?常識的に考えて(極道)
入学早々喧嘩騒動を起こして停学もらった俺が言うのもなんだけどさぁ、女性への乱暴は許せないわけ、小さい頃から俺は、正義の味方になるんだって…少なくとも心だけはそうありたいってずっと思っていた。これがただの偽善だってことは俺も理解している。
……だから不良を殴っても、死ななきゃ大丈夫なんだ!(超理論)
とりあえず正々堂々と『俺を使いな、ボウズ』とばかりに、なぜかゴミ置き場にあったエスカリバット(ハゲハゲなカーボン製)を拾い、真正面からお邪魔しようと思う。奇襲すると女の子にモテないからな。あとバットも卑怯に思えるかもしれないが、素手で顔面殴って感染症とかなったら困るじゃん?俺もファンタジー特有の謎武術を修めた身だ、使える物は使っていくぜ。
「やぁやぁ!我こそは、〇〇学園二年二組、獅子堂 源!お前達に一つ提案がある!……死ね!!」
ぐしゃ!どしゃ!ドム!ザク!ブォン!!
なんかバットで殴った音に相応しくない効果音だった気がするが大丈夫大丈夫!エスカリってついてたら、なんか魔法的なアレで死なないから(適当)。
後、最後避けた奴、お前は許されない。こういう空気よめない系雑魚は念入りに潰しておこう。
「てっ、てめぇ!ひk――ぎゃぁ!」
うるさいゴミだな、こういう雑魚を倒してると極道の人が暴れるゲーム思い出すぜ。あれも何故か金巻き上げても問題にならない、この世の中もそんなもんだよ。ちなみに入学式に起こした喧嘩事件は、俺にイチャもんつけてきた奴をボコボコにして、体育館から吊るしてたら教員が竹刀で襲いかかってきたので、取り敢えず両足折って一緒に吊るしたのが原因だったと思う。教員は流石にダメだと理解した日であった。
「あ、あんたなんなの!?こんなことしてっ、健児君が黙ってるとおもってるの!?」
健児くん健児くんうるせぇよ。しらねー奴の名前連呼されても困るんですわ!!
「男女平等ぱんち!」
「きゃっ!」
ぎゃーぎゃーうるさいので弱P入れておいた。俺は正義の味方である、当然フェミニストでもあるから女性に危害を加えることは一切行わない。けど漢には乗り越えねばならぬ壁なんてものがある。そして戦わねばならぬ時があるのだ……。
それが今、だってムカつくもん。
「よぉ~、あとは逃げ遅れた緑のお前だけだなぁ」
「み、緑って私のことかな…?…しっ獅子堂君、だよね…こういう時って…どど、どうしたら良いと思う?」
「笑えば良いと思うよ?ほら、君の可愛い笑顔…見せて?」
「えへ、えへへ、おっ…お願いたすっ――ぐぇっ!!」
「好みじゃなかった。ギルティ」
いつだって人生は理不尽なもんさ。可哀想に、世間の荒波に揉まれちゃったね。なんとも言えない悲鳴をあげて吹っ飛ぶ緑髪、顎に張り手を入れたので当分は動けないだろう。突き出し、突き出しで俺の勝ち~。
車で二人ほど逃げていくのが見える、が、どうでもいいやいつでも再戦お待ちしてまーす。
さて緑髪と最初に倒した女と二人分、生徒手帳を抜いておくかな、後で何かお楽しみに使えるかもしれないしね。ちなみにこんな暴力事件起こしても、なにも問題なんておきないんですよ。あっても復讐に人連れてくるとかそんなん。偉い人がお金で解決してくれてるんじゃないかな?きっと。知らんけど。
「学校遅れるとアレな感じでアレじゃん?じゃ、そういうことで!」
「ちょっ!」
武士女(妹仮名)の静止の声など聞こえぬと走り抜ける。こうやってミステリーを残すことで、後々あの界隈では俺の雄姿が伝説になっていることだろう。キーンコーンと鳴り響く音が聞こえる。予鈴かな?遅刻するとうるせぇババアがいるからな、巻いていくでぇー。
余裕で遅刻した。
>>>>>in職員室!
「って訳なんすよぉ、俺悪くないんじゃないですかねぇ?」
「お前の事情なんてどうでもいいんだよ。…あたしはなぁ、てめぇらクソガキのせいで、評価が落ちるのが気に食わねーんだよ!オラァ!!」
「あべしっ!ひでぶっ!!」
この目の前で神速パンチを繰り出してくるヒスババアはうちの担任だ。28歳独身で性格は苛烈の一言、授業中おしゃべりでもしていようものなら、覇者の左手が唸るサウスポーである。俺もチート主人公じゃなければひれ伏していただろうな。
「お前はなぁ、強い。けどなぁ、腕っ節が強いだけで生きていこうなんて、マトモな人生歩めねぇんだぞ?なぁ聞いてんのか?」
「ふぁい、先生見てたら本当にそう思いまふ」
「どう言う意味だ!!てめぇ!!ああっ!?」
もうボッコボコやでぇ…。
>>>>>in教室
「おいおい、どういうことだよ~。なんで俺の机に花なんて添えてあるんですかねぇ?」
顔をボコボコに腫れさせてる俺の席に、白い花がお供えしてあるじゃないか、勘違いしないように言っておくが、今までこんなしょうもないことなんて一度もなかった。十中八九今朝の出来事のせいだろう。おおかた喧嘩は勝てないから、周りから圧力をかけていこう戦法だろう。わざわざ花用意するなんて、お金掛かってますね(汗)
人間ってのは皆と一緒☆が大好きな生き物だ、特に日本人はそういう気質が強いらしい、だから一人イジメられている奴がいれば。まず、関わらないでおこう。あいつが何かをしたのではないか?だから仕方ない。ってな感じの話になりやすい。所謂イジメられる奴にはそれ相応の理由があるんじゃないか?ってやつ(加害者の言)
「ちょっとー、これ誰がやったか教えて~?」
周りを見渡す。殆どの奴が顔を背ける。まぁそうだよな、疑われたら怖いもんね。しかも俺の外見なんかもう道着とか着て、岩やらなんやら叩き割りそうだし、顔に謎の切り傷あるし、髪の毛後のほうなんか逆立ってるぜ。何より学園の暴れん坊将軍だしな。どう見ても犯罪者です。いやぁ本当に犯罪者だけどな(笑)
「ぷぷっ」
ん~?隅っこに固まってる三人組がこちらを見て笑っている。そうそう、こういう奴がいてくれるから、わざわざ声なんて掛けたんだよ。俺は花瓶をもって三人のほうへ向かう。
まさか自分たちに気づくとは思っていなかったのか、あたふたと慌て始める三馬鹿。まぁ普通なら聞こえないかもしれないけどよ~、なんたら流武術を修めている俺にはちょろいこと。
「よう、なんか知ってる?」
「あわわ…」
花瓶を上に振りかぶりながら、笑顔で聞いてみる。俺の顔はイケメンだからな、相手もテンパってるぜ。けど、すまんな男には興味ないんだ。
「10…9…」
「ひゃっ!あの!あのっ」
「はぁ~めんどくせぇ!」
ガシャン!!
とりあえず日本語が不自由なのか、あわあわしてるハゲに花瓶を叩きつける。大丈夫大丈夫フィクションだからへーきへーき。
「キャアアアアアアアア!!」
「うわああああああああ!!」
クラスの野郎ども(女も含む)が恐怖に叫ぶ。まぁそりゃそうだろうな、いきなり休み時間とはいえ(関係ない)、目の前で殺人事件(未遂)が起きたらパニックになるだろうさ(哀れみ)
「顔面セーフだろ?皆もそう思うよなぁ?」
「あっ…あっ…」
残り二人が悩ましい声を出している(男)
花瓶の水以外で椅子下が濡れてるような気がするが勘違いだと信じてる。どうあっても俺が掃除するわけじゃないから安心。
俺が声をかけるとクラスの恐慌が治まってくる。すごい……、圧倒的カリスマ力だ……。今なら棒倒しで、運動部クラスを倒してトップを狙えるかもしれない。
「獅子堂くん」
「なんだい、昔は仲良しだった幼馴染の委員長殿」
「っ……片付けるの手伝って」
「はぁ?花瓶持ち主に返しただけだろ」
「そう、…もし手伝ってくれたら惚れそう」
「なに突っ立ってんだよ、道具取りに行くぞ」
「……はぁ、相変わらずなのね」
美人系幼馴染は正義。うちの委員長は、綺麗な黒髪で外見のみは大和撫子だからな。脚もなげぇしペロペロしたい。変なカラフルヘアーな女が多いこの世の中で《前世》を思い出させてくれる黒髪、素晴らしいの一言ですね。
俺がこんな奴になってしまったせいで、親に関わるのを止められているらしいと風の噂で聞いた。昔はお医者さんごっこだってやったのに……。いつだって大人は子供を分かってくれない(呆れ)
さて、いきなり語り始めるが、俺はこの未完成な世界の住人ではない。転生してきたんだ。
別に前世でイジメられていた訳でもないし、クソおっもい過去があったわけでもないし、転生の神器トラックに轢かれたわけでもない。
友人から借りた、異世界クラス転生に巻き込まれて世界救います系ゲームをプレイしていたら、いつの間にか幼稚園児くらいになって、ナチュラルに生活していた。まぁこのケースも珍しくなんか無い、よくある話だよな憑依転生ってやつだ。
だれがこんな、数奇な運命を辿らせようとしたのかはわからない、けどとても感謝している。前世の俺は、死んだのかも確認はできないが、悪逆非道な行いも全て許されるこの世界はあまりにも魅力的すぎる。チート主人公にもなれたしね。
俺が、転生した主人公である獅子堂 源の元々の性格は、普段は大人しいというか、女を侍らしながら力を隠して僕弱いからちょっかい掛けてきてください!と言わんばかりの態度を取り、侍らせてる女性に害を与えられそうになると途端にキレ出す。俺が貶されるのはいい…けど俺の友達に手をだすな!!とか言いながらなんたら流武術とかいう、ファンタジー系主人公しか習得できない謎の力を振るってくる美人局みたいな奴だ。けど相手が女性の場合は、なんだかんだ理由をつけて脅すだけで終わらせる(相手は惚れる)そんな危険人物なのに、警察に捕まることもない、ヒロインたちからも多少注意される程度で済んじゃうさわやかイケメン系男子なのです!
ちなみにヒロインの一部は、暴力を平気で主人公に振るってくる。所謂、暴力的なラブロマンス(詩的表現)
さらにスキルとやらを手に入れれば、とうとう俺の念願であるハーレム作ってさらに貰った力で無双しようぜ。ってやつが叶うかもしれない(踏み台乙)。弱いけど実は努力で~とかどうでもいいんだよ。
今ではもう、ゲームパッケージのひょろひょろ優男なんて存在しない。筋肉モリモリマッチョマンの犯罪者だ。はい、どう考えても本来の主人公より俺のほうが気持ち悪いです。
もうそろそろ異世界にも旅立てるしね。今ハーレム作ればただの浮気野郎だが、異世界では一夫多妻なんてよくあるから無問題。さっき言ったスキルは異世界で獲得できる。今の世界での行いがそのまま反映されるらしいから楽しみだ。
まぁ俺が好き勝手やってるせいで多少話がずれてクラス転生に巻き込まれないかもしれない。そうなったらなったで、この緩く優しい世界でよろしくやるさ。
「ねぇ……。傍観していた私が言うのはおかしいけど、……貴方の将来が心配だわ」
突然真面目オーラを纏い、話しかけてくる委員長。こいつはこの学園に入学するまで、他県で生活をしていた。そのせいで微妙に声を掛けづらかったのだろう。先ほどの惚れる惚れないってのは幼少時によく使ってた言葉であり、親から止められてる俺への接近に対する決意の確認なのかもしれない。
…今自分で言ったけど、全然意味わからんかった。
後、幼少時から惚れるなんて言葉を使わすなんてキモすぎって思ったでしょう?俺は熟女ハンターなのだが、同時にロリペドラーでもあるのだ。というか女だったら誰でもいいや、実際みんなそうでしょ?ブサイクなやつなんて、気持ちいいから目瞑ってるんだよ。とか言いながら、好きな女考えて腰振ればいいでしょ?(ゲス男論)
「だったら俺と結婚して、一生見張っとけばいいだろう?」
「え?…はっ!?はあ!?な、なにいっちゃってんの!!」
「美人なのに可愛いなんて最高だよ、えっちぃことしていい?」
「恥ずかしいこと言わないで!後、最後台無しにすんな!!」
ブン!
「甘い!」
「よけんな!!」
顔を真赤にして腕を振り回してくるこいつは、人を萌えさせる才能がある。けどこれがファンタジー+俺がチートで良かったな?これがリアルだったらお前傷害罪だぞ?まぁ傷害罪は証拠不十分でスルーされやすいけどな。
なんだかんだ言うが、呼ばれたとはいえ雑巾取るだけの移動に付いてくるコイツは俺と一緒にいたいらしい。俺の何処に惚れる要素があるのか理解に苦しむわ、さすがファンタジーだ、最高だぜ。
「ところでさ、なんでそんなに顔腫れてるの?」
「先生からの熱いパトス」
「あっ(察し)」