早めに投稿するます!
校舎→旧校舎
校舎の中から校舎を見るとか言う亜空間現象を修正
「ねぇねぇ!沙羅ちゃんも一緒に食べよー?」
「えっ…」
雪が降り積もる旧校舎をなんとなく見ていた私は、満面の笑みを浮かべたクラスメイトの呼び声で、周りのクラスメイト達の存在に気づいた。
最近よくご飯に誘ってくれるようになった級友を見つめる、するとえへへ…と少し頬を染めながら、乾パンとスープ後は少量の野菜だろうか?遅めの昼食を見せてくれる。
可愛いなぁ…。
「誘ってくれてありがとう。…けど、私がいると、雰囲気悪くなるでしょう?」
彼女の周りへと視線を向ける…、すると何人かは目を背けてしまう。
当たり前だった…。だって、一年の頃、私がイジメていた人達なのだから――
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それはまだ、私が宮原ではなかった頃…
私の家庭は母子家庭だった。別に母親しかいないからグレた!って、訳じゃない…。お母さんも、お兄ちゃんも優しかったし、小さい頃から、友人もたくさんいたから毎日楽しく生活していた。それに、どういう訳かお金の巡りも、その時はよかったしね。
普通に遊んで、普通に勉強して、普通に恋愛して…って普通ではないけど、その当時はお兄ちゃん大好きっ子だったから…今思い出すと恥ずかしい。昔はね、すっごく頼りになる人だったんだよ。昔はね…。
そんな幸せは、中学生になった頃から狂う。――母親が死んだ。
それも唐突に。車の運転中に、崖から転落、即死だったそうだ。ふふ…仕事中に、それも車の免許を取ってない母が、なにをするためにそんな山へと出かけたのか。意味がわからない、しかも車は窃盗車、最悪だった。
その後、母方の家に引き取られた私たちは、母の実家が人に大きな声で言えないような家業だということを知る。男である兄は随分と歓迎されていたみたい、後継に悩まずにすむってね。けど私は違った。
男を立てるのが女の仕事なんだってさ、時代遅れすぎるでしょ?毎朝、日も出ない時刻に起きてバカでかい屋敷を一人で掃除、炊事ができなくて姑の如く嫌味を言われ、夜は男たちに酌をして一番最後まで残って後片付け。気持ち悪いロリコン野郎共が、酔を言い訳にベタベタと触ってくる。男なんて皆死ねばいいのに。兄もへらへらと、愛想笑いを浮かべながら祖母と会話している。…妹より婆さんのほうが大事なんだね。
ムカつく…、普通は娘も可愛がられるものじゃないの?だって愛しの娘が産んだ子供でしょ?…なんて思っていたけど、どうやら母は実の娘ではなく里子、父が実の息子だったらしい。
はぁ?もう訳がわからないよ…。お母さんが働かずに男と遊びほうけて、私たちは見たこともない父親の生命保険で、ゆうゆうと生活してたなんて此処に来るまで思いもしなかった。文句を言いたそうな私に、それはもう楽しそうに教えてくれた。祖母がね。
復讐…だそうで。可愛い息子を誑かした悪女の娘…。高校生くらいになれば、身体を使った仕事も入れてくれるらしい。もう至り尽くせりだよ、将来の事も考えてくれてるなんてね。もう人生安泰だね?
中学三年になったときに、転機が訪れる。兄が一人暮らしをすると言い出した。
祖父も良い経験になると送り出したらしい、私はこれに付いて行くしか無いと直感した。ロリコン野郎は、兄に気を使って手を出してこないらしい。と、仲良くしている庭師のひとに聞いたので必死も必死、別に処女じたいに価値があるとは思ってなかったけど、ロリコン野郎に好き勝手されるなら死んだほうがましだ。
だから、前ほどたいして好きでもない兄に、離れたくないの!と、必死に頼み込んだ。もうなんだったら身体でも使ってやろう!といった雰囲気に押されたのか、しぶしぶといった感じで受けてくれた。男は身体で迫られたら、実妹でも興奮するんだ。…って聞いたのに。
ねぇ、なんでそんな嫌そうなの?こいつも私を邪魔だと思っている…そんな事実にイライラする。
どんな生活になるのだろう?と、少し期待した二人暮らしだったけど、何の事は無い。そこに会ったのは、唯の一人暮らし。まぁうざい親類がいないだけでもありがたい。
兄は、すぐに女を作ったようで、週に二・三回程度しか帰ってこない。随分垢抜けたんだねー、まぁ別に良いけど。私は私で好きに生きるんだから。
それからというもの、実家の力と兄が作ったグループが持つ力…この二つを使い、私は好き勝手に生きていた。
この界隈では、我が宮原家の影響力は計り知れない。家業の繋がりのせいか、なにかと世話を焼いてくれるお弟子さん達。裏の世界で、宮原を知らない者はいない…。誰もが【私の】影響力を恐れ、ひれ伏し、顔色を伺う。最初は驚いた…、けどチャンスだと思う事にした。
最高だった――
街を歩けば、私の名声にあやかろうと不良達が集まる。店を回れば、お嬢お嬢!と大の大人が取り巻く。下僕となった者達に金を集めてこいと言えば、数カ月後には金庫で管理するほどになっていた。バカな奴らを日々痛めつけ、取り巻く奴らのストレス発散にくれてやる。そうすれば勝手に私を崇拝してくる。男なんて薄汚いクズは、特にそれでよく懐く。
楽しい…、これこそが生きている証、気がつけば周りには愛想笑いを浮かべた下僕達が、私の顔色を伺いながら存在している。兄さえも、私を無視できないらしく、定期的に連絡を取るようになった。誰もが私を見て、頭を垂れる…。私は間違いなくこの世界の中心!
なにこれ?ナニコレナニコレ!?最高じゃない!!!
だけど…、そんな私の天下は、彼の登場と共に崩れ始めていた。
あれは入学式の時、学園で取り巻き達と合流し、裏と関わりのある奴らから、挨拶を順番で受けているときだった。
一人の下僕が、近くにやたら目立つ格好の奴がいて、そいつが最近暴れている金髪野郎ではないか?と、報告を入れてきた。私もその噂は知っている、街で活動している連中を病院送りにし、有り金を巻き上げるふざけた奴…。
舐められる訳にはいかない、すぐに私はそいつを潰してくるように、数人へ指示をだした。頭の悪い連中ではあるけど、腕っ節が強い者が集まっている。
私は、今までやられた奴らに引き渡した後の、金髪野郎が歩む道を想像し…悦に浸る。男を好む奴らもいるからね…。
目の前にある光景が信じられなかった…。
大きな体育館の二階部分にある、大きな窓から吊るされている取り巻き達…。意識もないのか、無言でぷらぷらと揺れている姿は筆舌に尽くし難い光景だ。
十人近くいたはずだった…、理解できない。長らく忘れていた恐怖という感情。怖い…私がけしかけたと知れば、復讐にくるかもしれない…。保身のために、すぐに知り合いの教師に連絡し、退学にさせろと命令を伝える。この教師は生徒指導部のくせに、裏に関わりのあるクズだ、少し餌をちらつかせれば、鼻息荒く竹刀を持って飛び出していく…。まぁクズではあるが、中々強いらしいので安心する、たしか剣道有段者だったはず…落ちぶれたものだね?
目の前にある光景が信じられなかった…!!
つい今しがた送り出した醜いオヤジが、取り巻き達と同じようにぶら下がっていた…。
信じて送り出した醜いオヤジが金髪の筋肉野郎の暴力に屈して腫れ顔ダブルピースで吊るされているなんて…。
その後、私は脇目も振らず、必死に校長室に駆け込んだ。あにょ金髪筋肉をすぐに退学にしてくだしゃいぃぃ!!!と顔をくしゃくしゃにして叫びながら…。
ダメだった…。停学まではもっていけたが、何故か最後までいくとなると、何処かで邪魔が入る…。意味がわからない…、とりあえず私がけしかけたという真実を、隠すために行動するよう集中することにする。
一年の終わり頃には安心しきっていた。奴は時折問題行動を起こすが、自分に向かってくるものや、大勢を取り囲む等の状況に立ち会わなければ、比較的大人しいということがハッキリしたからだ。正義感が強いのか?と思えば、噂を聞いても行動しないみたい、反射的行動で生きているのかもしれない。そして当然頭もよろしくない、私に対しても干渉してこないようだしね。
心配して損した…。正直二年で同じクラスになった時は、流石に少し焦ったけど。とりあえず放っておくことにした。
学園の掌握は半年もあれば余裕だった。一般人には、うちの実家○○○だけど?と言えば、青い顔してすぐに従う、一時は大変な事になったが、やはり私の天下は終わらない!
その日はとても良い天気な朝だった。私はいつもと同じく、哀れな羊に捌きを下すため、下僕の運転で河川敷へと向かっていた。正直警戒し過ぎかとは思ったけど、あの金髪筋肉が通らない所で事は行われるようにしている。
今回の得物は、兄と付き合っていた女。女は一日だけの捌きにしている、男と違ってリスクも大きいし…なにより私は女性のほうが好みだから。か細い悲鳴を聞きながら、お気に入りの子を侍らせる…私は何時からか、そんな歪んだ性癖となっていた。大嫌いな男に抱かれる、哀れな女を見ると…私の中にある、何かが刺激される。
目的地についた私は、階段を降り橋の下へ向かう。すると、愛する下僕である《入江 桜》が見える。彼女は兄の元カノでもある、捨てられて絶望していた所を拾ってみた。グループのトップに捨てられる、それは死刑宣告のようなもの。頑張ってただけに、少し可哀想だなぁ…と思わないこともないしね。
よく顔を見ればとても綺麗な女性、少し焼けた肌に勝気そうな切れ長な鋭い目を持ち、薄い唇は名前の如く薄いピンク色の美人さん。これは良いねと、私の下僕になることを誓わせた。
しかし今は、その顔は怒りに歪み、歯を食いしばっている…。どうやら捨てられた男を、捨てようとしている女に対して、嫉妬の炎が彼女の中でメラメラと燃え盛っているようだ。これでは、近寄り難い雰囲気を出してしまう。
綺麗なのに勿体無い…、侍らせてるときは従順で、奉仕のときはとても情熱的に攻めてくれる、そんな素晴らしい下僕なんだけどねぇ?
軽く声をかけてみると、帰ってきた返事はタメに使うような言葉、例え歳は彼女が上だとしても、立場は弁えてくれないと…。これは後でおしおきしないとなぁ~、と思いつつ品を見ていく。
素晴らしくも残酷な胸を持つ女性だった。悲しいなぁ…この人に救済はいらないかな?
救済…あまりにも可哀想になった場合は、本番なしでグループの世話役として許してあげること。抜けることはできないから、一日で終わる方を選ぶ人も多いんだけどね。
少し会話をしていると、モデルのような身体を持つ、学園でも人気のサムライガールが現れる。背が高くて羨ましい限りだよ、でもその服に凹凸の無い姿は哀愁を誘う。彼女は巻き込まれた形みたいだから、そこそこのところで救済しよう。けど絶望…少しくらい味わってもらうけど。
『やぁやぁ!――』
!?!?!?!?!?――
唐突に現れる金髪筋肉野郎!!
はぁ!?そんな!なんで!?どうしてアイツがこんな所にいるの!?この場所が家と、どれだけ離れてると思ってるの!?!?
ヤバイよ!ヤバイよ!どうしよう!?と無限に考えは迷走する。そんな自失をしていると、アイツが話しかけてくる…次はお前だな?と、目の前では取り巻きと下僕が倒れている。いつぞやの蓑虫がプラプラする光景が、フラッシュバックする。
焦りで声が上ずり、もう今すぐにも逃げ出したいと、身体がぷるぷると震えが止まらない…。
コイツは女でも殺る――
私は諦めない!男は上目遣いをする幼児体型に優しい!という考えが何故か浮かび、今世紀最大の媚びた笑顔で命乞いを披露した!!
気づけば、真っ白な部屋…病院だった。
その後、私が襲われたのを嬉しそうに確認してきた兄に連れられ、お礼参りにいくことになった…。泣き叫ぶ私を無理やり連れて行くこいつを呪い殺したい。
輝く金髪を目の前にしたとき、なぜか乾いた笑いが出てしまった…。だって、襲う相手が準備万端、バット片手に笑ってるんだよ?自分は次こそ死ぬんだ。という予感にもう頭がおかしくなりそうだった。いや、なった。
死にたくない!という思いでいっぱいだった私は、夢中で赦しを乞う!私は悪く無い!こんなことしたくなかったと!!
気づけば、真っ白な部屋…病院だった…。
その後、私は茶菓子を用意し、いつでもアイツが来ても命乞いができるように準備していた。
もう、ダメだった。心が…もう完全に折れたんだと思う。何もする気になれないし、玄関の前を他人が通る音にでさえビクつく身体。電話が鳴れば心臓が痛いほど躍動する。トイレに一人で行くのすら怖かった…。これは元々だけど。
心配してくれたのか、下僕の桜がお見舞いに来てくれた。彼女の被害はまだ優しいほうだったらしく、甲斐甲斐しく世話を焼いてくれる。やっぱり女性だよ、男なんて暴力しか振るわない…。
そんな幸せ生活で心は癒され…、なかった。
部屋を出ることも叶わず、毎日学校からであろう、掛かって来る電話に怯える日々が続く。幸い資金力のある私はこんな生活でも困らない、世話を焼いてくれる彼女には悪いけど、もう少しだけ甘えさせてもらおう…。
もうずっと私はこのまま生きていくのかな?と、カラスの鳴き声を聞きながら考えていた。明日の同じ頃…、悪魔と…天使様に出会う
『あれ……、レシートに頼んでない化粧品が…あの、さ、桜さん??』
『沙羅ちゃんは何も見ていない。イイね?』
『アッハイ』
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