麻雀天使堕天計画 作:クラリス
『巴ちゃん、ごめんなさい……』
「良いんです姫様、っふぅ、気にしないで、打って下さ、んっ、い……」
画面の向こうでしゅんとしながら謝罪する小蒔に対し、気丈にも巴は笑って激励した。男達の上半身にまとわりつく視線さえも、はねのける。肌から体内に染みこんでくるほどローションを塗り込まれ、不自然にその裸身は光を反射していた。一旦男の手は離れたが、乱れた呼吸はなおも荒い。じんじんとした疼きが、胸の先から全身に広がっていくようだった。
(何なの、これ……)
自分の体にもたらされた変化に、巴は困惑を隠せない。ぴったりと後ろに貼り付いた仮面の男の気配が、空恐ろしかった。表情を窺い知ることはできないが、開かれた口元が獲物を狙うハンターのごとく舌なめずりをしているのを見て、巴はぎゅっと唇を引き結ぶ。自分がこんなところで折れてはいけない。小蒔に余計な責任感を負わせたくなかった。
両手で胸を隠し、巴は再開された対局を見守る。
一手三秒の早打ちなんてルールを想定して、永水女子の面々は練習を積んでいない。元来の実力でも決して男達に劣るわけでは無いだろうが、それでも圧倒的な地力を持っているわけでも無い。
小蒔が勝ち得る手段は、たった一つ。九面を降ろすしかない。だが、彼女が眠りに落ちる気配は無かった。理由は明白――小蒔が見せられている動画と、自分の存在だと、巴は正しく理解していた。
『ツモだ』
小蒔がテンパイにも手間取る内に、他のプレイヤーが和了ってしまう。2000点失い、これで累積失点数は7400点。さらに次局、小蒔の震える指先から落ちた牌に、
『おっと、それだ』
『あぁ……』
非情な和了宣言をされてしまう。くらり、と小蒔と体が傾いだ。累積失点数は優に10000を超え、二度目の罰ゲームが訪れる。
「――っ!」
先ほどと同じように、背後から胸を掴まれる。覚悟が出来ていた分悲鳴を上げずにすんだが、仮面の男に容赦はなかった。
「ひゃっ」
男の手は滑り落ち、靴下をずらして巴の足首を掴む。相変わらずその手にはローションがたっぷりと塗されており、ひんやりとした感触が伝わってくる。思わず足が浮きそうになり、
「じっとしていろ」
「……」
男の言葉に制止される。巴は眦に涙を溜めながら、不快な感触に耐えた。男はローションを脚に擦り込みながら、徐々に上に昇っていく。当然、その腕によってスカートが持ち上げられていく。
「あっ……ふっ……」
上半身に続いて、脚も熱を帯びていく。太股、内股まで丹念にローションを塗り込まれ、巴は自身の体が変化しているのを自覚する。体の奥底から湧き立つ何かに、悩ましげに目を伏せる。漏れ出てくる息が、どうしようもなく熱かった。
「ゃ……」
男の手が、下着の縁にかかる。しかし取り去るような真似はせず、その周囲を縫うようにして指が這っていった。もどかしげに、巴の腰が揺れる。
すっと、男が巴から離れる。瞬間、
「あっ」
切なげに、巴は体を震わせた。既に全身が茹だるぐらいに熱かった。じんじんと、肌の上の疼きが止まらない。
「もっとして欲しいか?」
「なっ!」
仮面の男の発言に、巴は顔を真っ赤にして食って掛かろうとする。しかしその前に、首筋に魔手が伸びた。
「んんっ」
「もう少し我慢していろ。お前らの愚鈍な姫がまた点棒を失ったら相手をしてやる」
「姫様を、馬鹿に、しないで……」
大切な者に対する侮辱に、巴は黙っていられない。だが、息は荒く言葉は途切れ途切れ。
「いいや、お前らの姫は愚か者だよ」
「……違います……」
語気を強めようにも、顎に力が入らない。ぼーっとなりながら、巴は仮面の男を見上げる。唯一覗ける口元は、邪悪に歪んでいた。巴の背筋が凍る。恐ろしい、なんて一言では済ませられない、底知れぬ悪意を感じたのだ。今、真に毒牙をかけられているのは、自分ではない。そんな直感が巴に働く。しかし、現状をどうこうする力も権利も彼女にはなかった。
ぼんやりとした思考の下、巴は勝負の行方を見守っていた。当初の集中力は無く、牌の動きも目で追えていない。そんな自分の体の変化にも、巴は気付けていなかった。酩酊にも似た状態は、しかしアルコールによるものとは一線を画している。
「おい」
「え……? ――あ」
体を揺すられ、はっと気付く。またもや他家が和了り、小蒔が点棒を支払っていた。その指先が、震えている。
「もう一度、罰ゲームだ」
「やめ――あぅ♡」
一瞬でパンツをずりおろすと、男の手は無遠慮に巴の秘所に触れた。巴は慌てて男の手を引き剥がそうとするが、腕が持ち上がらなかった。
「そ、そこはや――あ♡ やめ、やめ、んんっ♡ ちょ、そこだけ♡ そこだけは♡ ぁう♡」
「とても嫌がってるような声には聞こえないな」
「そんな、ことっ、あっ♡ んんっ♡ だめっ♡」
巴の股間にも、ローションが塗られていく。まさぐられる度、巴は嬌声を上げた。指先を秘所の内側にまで突っ込まれ、最早彼女の首から下はローションだらけであった。
「これ、なに、んん♡ 体、おかしい、あ♡」
「特殊なローションと言っただろ」
「と、特殊? あ♡ や♡」
「肌から吸収させることで、催淫効果をもたらすのさ。いわゆる媚薬ってやつだな。濃度は低めだが、これだけ全身に塗ればかなりできあがってるだろ」
「び、びやくっ? そ、そんな♡ あっ♡ あっ♡ やめて♡ やめて、ください♡」
いくら巴が拒絶しても、男は巴の体を貪るのを止めない。脇も、胸も、太股も、今一度ローションに染まった掌が駆け抜けていく。彼の手が触れる度、巴の体から力が抜けていき、もはやまともに立っていられず男に背中を預ける羽目になった。
「もっとも、俺のテクもあってのことだが」
「あふぅ……♡」
幸せそうに吐息を漏らし、巴は全体重を男へと託す。もう、何も考えられなかった。疼痛に通じる感覚と、高まりきった体の火照りが絶え間なく彼女を苛む。厚い胸板に支えられる感覚は、かつて想い人に抱き止められたときを思い出させ、ますます巴の心を削り取ってゆく。
これ以上はもうだめ、と折れかけた巴の視界の端で、またもや振り込む小蒔の姿が見えた。頼るべき神は、まだ降りてきていない。これで失点は20000を超え、さらなる罰ゲームが加えられることになる。
「う……そ……」
絶望の言葉が零れる口に、
「ん――!」
男の口が、被せられた。
最初は唇と唇を重ねるだけのキス。何度か口を離しては、すぐに接吻を繰り返す。
「あっ♡ ふ、や、ん♡ ――あ、ん♡ ……はふ、や、ん♡」
それが終わると今度は、男の舌が閉じられた巴の唇を割った。
「んんんっ♡」
既に緩みきっていた口内はたやすく舌の侵入を許し、白い歯も含めて全て蹂躙されていく。
(あ、たばこの臭い……)
鼻を突く臭いは、決して想い人と接しても感じないもの。普段なら嫌悪に顔を顰めるはずが、昂ぶった体が受け入れてしまう。まるで、甘美なもののように。
「んちゅ、あむっ、はんっ」
男の舌技に応じないものの、巴は全てを受け入れたかのようにされるがままになる。男の仮面が頬に擦れても、気にしない。右腕を肩に回され、左手は恋人のように指を絡め合う。男の力に押されるように背中が曲がり、膝が崩れ、敷かれた布団の上に押し倒される。覆い被さられたまま、巴は男の舌を受け入れる他なかった。
「んっ♡ あう♡ やめ、あ♡」
いつの間にかスカートもパンツも完全に脱ぎ捨てられ、すっかり巴は生まれたままの姿を晒していた。だが、羞恥よりも与えられる快感に翻弄されて文句一つ言えない。キスと媚薬ローションをさらに塗り込むような愛撫に、脳髄まで蕩けそうであった。
「巴」
「は、はい……?」
気安く名前を呼ばれて、巴は仮面を見上げる。
「決着が着いたようだ」
「え……? ……あ……そんな……」
テレビ画面に視線をやれば、ぽろぽろと涙を流す小蒔の姿があった。点数表示を見れば、失点は27000を超えている。
「これがお前にとって、最後の罰ゲームだ」
「え……?」
「力を抜け」
股間に、熱い棒が触れる感覚。思考能力を奪われた巴も、これには目を見開いた。
「や、やめて! それだけは! それだけはやめてください!」
「巫女は純潔を重んじるってやつか? 惚れた男がいるくせに随分と都合が良い」
「彼はそんな人じゃありません……! 嫌がる女性に無理矢理なんて!」
「俺が相手でも嫌がってないだろう」
「な、なにを――ゃん♡」
巴の反論は、胸に触られるだけで嬌声に変えられてしまう。屈辱に、巴の瞳からぽろぽろとこぼれ落ちる。
「やめ♡ やめなさい♡ ん♡ ぁう♡ ――け、結婚もしていないのに……!」
「下らない拘りだな。それに、今日から俺がお前の夫だ」
「あ、あなたが……?」
「まぁ、お前は妾だがな。精々俺のために尽くせ」
「そ、そんなの認めな――やん♡ ぁ♡ 違う、あなたなんか、旦那様じゃ、ありま、あう♡ ありま♡ や♡ あん♡」
男の愛撫が、拒絶の言葉を最後まで言い切らせない。
「俺がお前の旦那様だ。気持ち良いんだろ、自分の気持ちを受け入れろ」
「や、嫌、や――ああああああっ」
悲痛な叫びと共に、巴は一気に貫かれた。想い人のために守ってきた操をあっさりと奪われ、心と肉体の両方に痛みが走る。
「痛ぅっ」
「ほら、ちゃんと力抜け。ゆっくり呼吸しろ」
「はーっ、はーっ、う、ぐ……ぁ……」
「どうだ」
「痛――え、あ……?」
だが、体の痛みはあっという間に失せていった。股に食い込む異物感こそそのままだが、むしろ痛みは快楽へと変貌していく。少し男が腰を動かしただけで、
「あぅ♡」
甘い声が、出てしまった。手の甲を噛んで堪えようとするが、その前に男がさらに巴の膣を突く。
「あっ♡ あっ♡ あっ♡ あっ♡ あっ♡」
リズムに合わせて鳴く巴に、仮面の男はにやりと笑った。
「気持ち良いだろ、巴っ」
「嫌っ♡ こんなの♡ おかしい、のに♡ 京太郎君じゃ♡ ないのに♡」
「そんな男は忘れろ、俺がお前を幸せにしてやるっ」
「そ、そんなことぉ♡ 言わないでぇ♡ ――あむ♡」
ローションと男の技、両方に責められて巴の体は正直な反応を示していた。堕落した体は心を蝕み、たやすく理性を溶かしていく。
「お前は俺の妾になるんだ、巴」
「め、妾なんてぇ♡ 嫌ぁ♡」
「これだけ悦んでおきながらよく言うぜ」
「よ、悦んでなんかぁ♡ あっ♡ あっ♡ あっ♡ あっ♡ あ――っ♡」
痛烈な叫びと共に、びくびくと巴は体を震わせる。味わったアクメは、彼を想って一人慰めたときよりもずっと深く、強烈だった。
「……はーっ♡ はーっ♡ はーっ♡」
ずれ落ちそうになった眼鏡が、男の手で元に戻される。その流れのまま、巴は再び接吻を受けた。
「あむっ♡」
下の口も繋がったまま、巴は上の口で彼の舌を受け入れる。無意識のうちに彼の動きを真似るように、自分の舌も絡ませるように動かしていた。上も下も、くちゅくちゅと水音が響く。
(ごめん、なさい、姫様、京太郎君……)
一瞬だけ戻った理性が、愛する者たちへの謝罪を告げる。だがそれも束の間、男の腰が激しく動き出すと、
「あっ♡ あっ♡ あっ♡ あっ♡ あっ♡」
「良いのか、巴っ」
「良い♡ 気持ち良いです♡」
今度こそ、何も考えられなくなっていた。
「俺はお前の、なんだっ、言ってみろっ」
「はい♡ 旦那様♡ 旦那様です♡」
「そうだっ、お前が傅くのは愚かな姫でもあんなガキでもない、俺だっ」
「はいっ♡ 旦那様♡」
何を言わされているかもよく分からないまま、巴は唇を突き出し、愛撫を求める。男は彼女の望みに答えながら、
「そろそろイキそうだ」
「だ、ダメっ、中は、ダメっ♡」
「ダメなわけがあるかっ、もう一度俺が誰か言ってみろっ」
「旦那様♡ 旦那様です♡」
「なら良いに決まってるだろうっ、種付けしてやるからなっ」
「は、はいっ♡ お願いします♡ お願いします、旦那様♡」
男の強引さに巴は屈し――
「イクぞっ、巴!」
「あっ♡ あっ♡ あっ♡ あ――っ♡」
二人は同時に、果てた。生温かい液体が膣を叩く感触を覚えながら、巴は舌を突きだして恍惚の表情を浮かべる。事切れたように、彼女はぱたんと布団の上に倒れた。
次に目覚めたとき、激しい後悔となお身に宿る快楽に彼女が悩まされるのは、言うまでもない。
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ぐすぐすと、小蒔は涙を流す。大切な六女仙、大切な友達を自分のせいで穢させてしまった。巴の彼への恋心に、小蒔は気付いていなかったものの、どちらにせよ罪悪感は変わらなかったであろう。心優しさ故に、彼女は自分自身を苛んでいた。
「泣いているところ悪いけれど、今日はまだ打って貰うよ」
「そ、そんな……」
「君も3万弱のクレジットを失っただろう。取り返さなくちゃいけないんじゃないかい?」
「でも、これ以上巴ちゃんを辛い目に遭わせるなんてっ」
「ああ、確かに気絶しちゃったみたいだしね。ここらで役者交代だ」
どういう意味か分からず、小蒔が呆然としていると――テレビ画面に、変化が訪れた。
新たに現れた役者。年齢に比して、圧倒的に小柄な体。はだけた巫女服。
彼女もまた、六女仙の一人――薄墨初美だった。
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倒れた巴に声をかけようとし、しかし間に仮面の男が割って入り、初美は身を縮こまらせる。巴との一部始終を、初美も見せつけられていたのだ。生真面目な巴を屈服させた圧倒的な雄の力は、恐怖の対象でしか無い。
しかし初美は黙ってばかりいられる性格でもなかった。
「と、巴ちゃんを返すのですよー」
「そんな権利がお前にあると思ってるのか?」
「でも――」
「でもじゃねぇ」
「きゃっ」
腕をとられ、片手で持ち上げられてしまう。全く抵抗できない初美は、仮面を睨み付けることしかできなかった。
「あなたは卑怯者なのですよー! 仮面なんかして、そんなのズルですっ!」
「これはちょっとした余興のためだよ」
男の口元が歪む。初美は言いしれぬ不安を覚えた。
「そうら、麻雀が始まるぞ」
「あうっ」
引っ張られ、すっぽりと男の腕の中に初美の小さな体は収まってしまう。ぞぞぞ、と喩えようも無い嫌悪感が初美を襲った。だが、力で男に敵うわけも無く男の膝の上で初美は大人しくなる。
(頑張るのですよー、姫様……)
テレビ画面を食い入るように見つめる初美。
今度こそ神様を降ろすことが出来れば、あるいは――だったが、既に巴が犯され、初美まで捕まっている現状。心理的な限界が彼女に訪れているのは間違いなかった。
――あっという間に、一度目のペナルティが発生する。
「いくぞ」
「う……」
ローションに塗された男の手が、初美の幼い体に襲いかかる。既にはだけていた巫女服を無理に剥がすこと無く、指先は自由自在に動き回った。ぷっくりとした乳首をこすられ、初美はあっという間にあられも無い悲鳴を上げ始める。
「はにゃ♡ うう♡ これ♡ やっぱり♡ 媚薬ぅ♡」
「ああ。ただし、巴に使った濃度の三倍だ」
「ご、三倍……?」
「だから、かなり効くはずだぜ」
「う、嘘なのですよー――あっ♡」
信じられない、という表情の初美をよそに、男の愛撫は続いた。
――三十分後。
全身ローションに染まった初美が、布団の上――眠る巴の隣――でうつぶせになっていた。目の焦点は合わず、絶えず体は小刻みに揺れている。
「はぅぅ……♡」
「また姫さんは振り込んじまったようだな。――最後だ。女にしてやるぞ」
「あぅ♡」
バックから犯されながら、幼き巫女は何も言えない。その小さな体に不釣り合いなほどの巨根が、いともあっさり飲み込まれていく。
「良い♡ 良いのですよ♡ あー♡ あー♡ あー♡」
処女を散らし、激しく突かれながらも泣き悦ぶ初美。仮面の男に、容赦はなかった。
「お前も俺の妾だっ! 妊娠するまで子種注ぎ込んでやるからな!」
「はい♡ わかり、ました、のですよー♡」
二人目の六女仙も、男の下に屈服していく。男が膣内射精し、引き抜かれたペニスは初美の口元に持って行かれる。その小さな口を限りなく広げ、ペニスを飲み込む。道具のように扱われながら、しかし媚薬の熱に浮かされた初美はどこか嬉しそうであった。
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憔悴しきった様子で、小蒔は対局室を後にした。大切な友人を、いつも自分を守ってくれている二人を、酷い目に遭わせてしまった。彼女の心に負わされた傷は、深淵よりもなお深い。
そんな彼女の前に現れたのは、
「ケンジさん……」
案内人の男、元男子プロ雀士、三島ケンジだった。彼も悲痛な表情を浮かべ、全てを察しているようであった。
「すまない、神代さん」
「どうしてケンジさんが謝るんですか……」
「お門違いだということは分かっている、だが、何の力にもなれなくてすまない」
真摯に謝罪する姿に、小蒔は首を横に振る。良いんです、と言おうとした。その前に、
「あ――」
抱きすくめられていた。京太郎以外の男にそうされても、拒絶するだけ――そのはずが、小蒔はケンジを突き放さなかった。男の厚い胸板は思わず寄りかかりたくなり、伝わる体温は悔しいほどに高く、僅かに香るタバコの臭いが「大人」を感じさせる。
思わず小蒔も彼の背中に手を回し、顔を彼の胸に埋めていた。堪えきれなくなり、その状態のまま涙を零してしまう。だが、ケンジは何一つ文句を言わなかった。ずっと、小蒔を支えていた。しばしの間、小蒔は自らの咎を忘れられた。
――ケンジが、どのような表情で自身を見つめているかも知らず。
あけましておめでとうございます。