麻雀天使堕天計画 作:クラリス
共にインターハイで戦った六女仙最後の一人、石戸霞の姿を見て小蒔はぎりりと奥歯を噛み締めた。霞にまで毒牙をかけようとしている彼らにではなく、自分に対する怒りを覚える。
「んっ、ふぅっ」
下着に仕込まれたバイブが振動する度漏れ出そうになる声を抑え付け、小蒔は卓と向かい合う。今度こそ負けられなかった。本当は涙を流したい。しかしその資格が自分にないこともよく分かっていた。
男達の命令には逆らえず、二度目の半荘を迎える。理牌している間も、バイブは断続的に動いていた。
「うっ、あっ、ふっ」
強弱をつけたバイブの振動は、的確に小蒔の弱いところを突いていた。少しでも気を抜けば思考が止まり、視界は白く染まる。じんじんと下腹部から広がる熱に、小蒔は未知の恐怖を覚えていた。このような痴態を晒す相手は、本来一人の男性だけ――それも、彼だけ――でなければならないはず。それも他の六女仙のことを思えばまだ耐えられるが、物理的な衝撃により目の前の対局に集中できないのは問題だった。
「……お願い、します、あぅっ、これ、止めて、くださ、んぅっ、くださいぃ……!」
何度目か分からない小蒔の懇願に、男達はやれやれと肩を竦める。
「君が望んだルールを変えられても困るんだよね。そんな勝手がまかり通ると思ってるのかい」
「…………それ、は……んぅっ」
「まぁ、私達も鬼ではない。そうだね、その巫女服をはだけさせてプレイするなら考えてあげても良いよ」
「……っ!」
続く非道な指示に、小蒔は青ざめる。乙女の柔肌は、みだりに晒すものではないと常々注意されてきた。小蒔自身も、京太郎以外の男性にそのようなはしたない真似をしたくはなかった。だが、このままでは負ける。ベストを尽くせぬまま、霞達だけが弄ばれるなど許せるはずが無かった。
「……分かり、ました」
袖をまとめていたたすきを外し、掛け襟と襦袢に手を入れる。この間にも、バイブは震え続けていた。意を決し、小蒔は白衣をずり降ろした。形、大きさ共に見事な乳房を、彼女は左腕で隠そうとする。乳輪こそ覆い隠せているものの、陶磁器のような乳肌は好奇の目に晒されてしまう。
「ふぅー……っ」
ようやくバイブは動きを止め、小蒔は深呼吸する。男達の視線を振り払うように、卓上にだけ意識を傾けた。今どれだけ恥ずかしい格好をしているかなんて、気にしてはいけないと自分に言い聞かせる。そうでもなければ、とても座っていられなかった。
不気味なほど静かに、対局は始まった。この様子を撮影されている自覚もなく、小蒔は六女仙と想い人のためだけに打ち続ける。羞恥心により眠りにつける気配こそなかったが、ここぞと見せた集中力は流石にインハイ経験者。
「むぅ」
確かな信念の持ち主には、牌が応える――それを体現するように、小蒔は連荘を続けた。思わず男達が唸り声を上げる。
(今度こそ……!)
慣れない三秒ルールに対応しながら、小蒔は勝ちの目をたぐり寄せようとしていた。気付けば男の一人が箱を割りそうになっている。狙い撃ちしてこの半荘を終わらせるのも充分有り得た。
だが、やはり彼女は庇護されてきた姫君。
対局者達の真の悪辣さを、想像できていない。
波に乗った小蒔が牌をツモした瞬間、
「んんんんっ!」
お尻に、衝撃が走った。バイブの振動。予想外極まる状況に、小蒔は目を白黒させて椅子から立ち上がる。
「な、これ、どうしてっ?」
「っと。まぁた三秒ルール抵触だね。残念だ」
「そ、そんな、こ、これは止めると言ったではありませんかっ」
「約束通り、前の方は止めてやったじゃないか。後ろのほうに仕込んだバイブは対象外だ」
今の今まで、伏せられていた罠。小蒔の表情が、絶望色に染まる。男達は、にやりと笑った。
「罰符で8000点の支払いだ。――それでは、次は彼女にペナルティを受けて貰うよ」
モニターの電源が、点けられる。そこには、口を真一文字に引き結んだ霞の姿があった。
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アイマスクを剥ぎ取られ、霞は僅かな間、目を眩ませる。何とか視界が通常に戻ってきた時、そこにいたのは仮面の男――そして彼の前に跪き、そのペニスを美味しそうに頬張る春の姿だった。
「は、春ちゃん! ――あっ」
思わず駆け寄ろうとして、しかし霞は男に腕を取られてしまう。全く以て腕力で敵わず、すぐに抱き寄せられてしまった。代わりに春の口からペニスが抜き取られ、彼女は男の傍から離れる。残念そうに春の顔が歪んだのに気付いたのは、仮面の男だけだった。
「また後で可愛がってやるから、そこでじっとしていろ」
「うん……♡」
素直に頷く春を見て、霞は怒りに肩を震わせる。一瞬の隙を突いて仮面の男の抱擁から抜け出すと、ぎろりと男を睨み付けた。
「貴方、春ちゃんに何をしたのっ」
「聞こえてはいたんだろう? 優しくしてやっただけさ。巴と初美もな」
「……っ!」
怒りに任せて、霞は腕を振り上げた。仮面の上から平手打ちを加えようとして、しかし男の手に阻まれる。
「くっ」
「おいおい、この城で暴力沙汰は厳禁と最初に教えられたはずだろう。未遂でも罰則を与えるってな」
霞は答えず、男を睨み付ける。仮面のせいで男の表情は分からないが、嘲笑っているのはよく理解出来た。しばらく視線が交錯した後、男は軽く肩を竦めた。
「ま、今回は見逃してやる。代わりにちょっと罰ゲームを厳しめにいくぜ。そのくらいの覚悟はできているんだろ?」
「……お願いだから、これ以上春ちゃんや小蒔ちゃんたちに手を出さないで頂戴」
顔を俯かせ、霞は男に請願する。
長く艶やかな黒髪、出るところは大きく出ていながらもきゅっと引き絞られたプロポーション、純潔を守る巫女姿――まさしく大和撫子と呼ぶに相応しい彼女は、ここに連れて来られた時点で全てを察し、自らの何もかもを差し出す覚悟でいた。年長者として、六女仙として、皆を守らねばならない。あまりにも、悲壮な決意だった。
「それはお前の態度次第だ」
「きゃぁっ」
先ほどまで春が寝転がされていた布団の上へと、突き飛ばされる。一瞬、近くに座る春と視線が合った。彼女は気まずそうに目を逸らす。
あの、大人しい春が乱された相手。霞はごくりと唾を飲み込んだ。思い浮かべるのは――やはり、想い人の少年。彼への気持ちだけなら、小蒔にだって負けるつもりはなかった。本来なら、絶対に擲ちたくない想いであった。ましてや、好きでも無い、憎くすらある男に体を許すなど、あってはならないこと。
「今、お前が思っていることを当ててやろうか」
「あっ」
またもや腕を引き寄せられ、今度は男の膝の上に座らされる。背後からあすなろ抱きで腕を回され、男の息が耳元にかかる。嫌悪感に、霞の肌が粟立った。
「どうせ例の少年に謝っているんだろう。お前らに迷惑かけてるってのに、愛想尽かさないもんかね」
「彼は悪くないわ……それに、私の気持ちは絶対に変わりません」
「ほーぅ、春の姿を見てよく言うじゃないか」
「は、春ちゃんも混乱してるだけだわっ。いくら体を弄ぼうと、心まで自由にできると思わないで!」
仮面の男は、にやりと口の端を釣り上げる。
「じゃあ、お前から求めてきたらどうする?」
「そ、そんなことありえないわっ」
「だったら、賭けようぜ。お前が我慢できなくなって俺を求めたら、その時点でお前は俺の妾だ。代わりに今から一時間、俺の責めに耐えきったら――そうだな、愛しの彼に会わせてやる」
「え……?」
男は囁くように言った。
「美味しい話だろ。あいつへの愛は変わらないなら、耐えられるはずじゃないか」
ちらりと、春の様子を窺う。まだ彼女は、ぽーっと熱に浮かされている様子だった。昨日、巴や初美も散々な目に遭ったと聞いている。彼女達を思えば、芽生える恐怖はあった。
けれども同時に、自信もあった。愛があれば、負けるはずが無い。何よりも、彼に会いたかった。
「……良いわ。受けましょう」
「そうこなくちゃな。向こうの対局は一時中断だ。気にせずたっぷり楽しもうぜ」
誰が貴方となんか、と捨て台詞を吐くよりも早く、男の手が襟をかき分け胸に伸びた。
「んんっ」
直接肌に、しかも乳房に触れられる嫌悪感。さらには、ねっとりとした液体の感触。
「これ、は……!」
「ふん」
男が鼻で笑う。胸に擦り込まれていくのは、ローション。――春達も使われていた、媚薬だ。ぞっとしながらも、霞は瞳を閉じてじっと耐える。一方で、楽しげに男は霞の乳房を揉みしだく。充分な柔らかさを誇りながらも、これまで触れられてこなかった胸の奥には確かな硬さが残っており、ゆっくりとそれを解きほぐすように男の手は蠢く。
「あっ、ふ、うぅっ……」
「なんてでかさだ。掌から零れちまう。いやらしい体しやがって、恥ずかしくないのか」
「いやらしい、だなんて、んぅっ」
すっかり胸はローション塗れになり、しかしなおも男の胸への愛撫は続く。やや荒々しかった手つきは、いつの間にか優しいタッチに変化していた。
「俺は褒めてるんだよ。こんな見事なおっぱいは中々お目にかかれないからな。しかも、未成年で」
「うぅっ、はぅっ、ほ、褒めるだなんてっ、ぁう♡ そんなの、嬉しくなんか、や、ありま、せんっ、はぅ♡」
徐々に、霞の声に甘みが混じり始める。背後で男がにやりと笑った――気がした。きゅっと唇を引き結ぼうとするも、
「ひゃうっ?」
乳輪の縁を指が這い、霞は悲鳴を上げた。つつつ、と流れるように指の腹が滑り、こそばゆい感覚と同時、もどかしさのようなものがこみ上げてくる。しかし、霞は自らの変化を認めない。こんな男に感じさせられているなど、屈辱的であった。
「ゃ――う……♡」
だが、本人も知らない内に瞳はとろんとしていた。いつの間にか白衣ははだけさせられ、ローションで照り光る上半身を晒されていた。100センチを超える巨乳は、重力にも負けず垂れたりはしない。
「見事だ。俺の妾に相応しい」
「誰が貴方の妾になんて――やぁっ♡」
男の親指と人差し指に、両方の乳首を挟まれる。こりこりと指の間で乳首を抓まれ、鋭い刺激が霞の脳髄を貫いていく。
「や、あ、あ、あ、あ、あ♡」
顎が上がり、熱い息が彼女の口から漏れる。男は時に胸を揉みしだき、時に乳首を責め、髪をかきわけ白いうなじに舌を這わせる。
「ふ……うっ……♡」
ぞくぞくぞく、と霞は鳥肌を立たせる。甘美な旋律が、その時確かに彼女を襲っていた。
「あ、あ、あ、あ、あ♡ んう♡ 嘘、胸、胸だけで♡」
「どうやらこのばかでかい胸が弱点みたいだな。――ほら、いっちまえ」
きゅっと、これまでで一番強く乳首を抓まれ。
「んぅぅぅぅ――♡」
霞は、初めて男に絶頂を与えられた。ぴんと背筋は伸びきり、体が震える。しばらくの間男に腰を抱き締められ、彼の腕を霞は求めるように掴もうとする。
たっぷり三十秒はそうしていただろう――ようやく霞は自我を取り戻す。
「……はぁ、はぁ、はぁっ……」
「良かったか、霞」
馴れ馴れしく名前を呼ばれ、霞は顔を赤らめながらそっぽを向く。
「気持ちよく、なんか」
「嘘をつけ。派手にイったくせに、誤魔化せると思うなよ」
「こ、これはっ、媚薬のせいだわっ」
「ふぅん、媚薬のせいね」
仮面の男は、口元だけでにやにや笑う。その態度が不快で、霞は顔を俯かせた。
「さて、後五十分はあるな」
「嘘、まだそんなにも……?」
「おや、自信がなくなってきたのかな」
挑発され、霞はぎり、と歯を噛み締める。
「この程度で、私を好きにできるなんて思わない――やぁっ?」
霞の口上よりも早く男の左手が緋袴の中に侵入していた。つぷり、と音を立て既に愛液に塗れた秘所に中指が挿入される。
「うぅ♡ ダメよ、そこは……っ」
「おいおい、賭けを忘れるなよ。残り時間、たっぷり可愛がってやるから安心しろ」
「んぅ♡ あ、あ、あ、あ、あ♡」
右手は変わらず霞の胸を責め立てる。
「こんなの♡ おかしいわ♡ やめ、やめて♡」
「今更止めるわけがないだろう」
「あ、あ、あ♡ んうううううう♡」
「お、またイったか?」
「はぁーっ♡ はぁーっ♡ はぁーっ♡ はぁーっ♡ はぁーっ♡」
後ろ手に男の腕を抱き、霞は頬を紅潮させ、甘く荒い息を吐き続ける。連続で与えられた絶頂の余韻に浸りながら、彼女は雌として目覚めていく実感を覚えていた。
(これ、だめぇ……♡ 京太郎、さん……助けて……♡)
火照った肉体が蕩けていく。心が体の変化についていかない。
「気持ちよかったんだろ?」
「だから、これは媚薬のせいよ……!」
「ふふふ、そうだな」
「はぅっ♡」
曖昧に男は笑い、愛撫を再開する。その後二十分足らずで、霞は四回絶頂させられた。屈辱で身を震わせながら、しかしその体はすっかり男の厚い胸板に預けられていた。
都合六度目にアクメの後、男が立ち上がる。
「ふぁ……♡」
いきなり失われた男の体に、霞は手を伸ばした。伸ばしてから、はっと自分の行動に気付いて顔を俯かせる。男は敢えてそのことには触れず、霞の前に立った。
「さっき春とは中途半端で終わらせてたからな」
「うっ……」
霞の口元に突き出されるのは、男の巨根。顔を顰めながらも、これを咥えていた春の姿を霞は思い出す。
「舐めろ」
「…………」
「お前がやらなければ春にやらせるだけだぞ。それとも神代小蒔にやらせるか」
「……私が、やり、ます……」
肩を震わせ、瞳を閉じて、霞はちろりと舌先を亀頭へと伸ばす。目元には、涙が溜まっていた。耳年増なところがある彼女は、他の六女仙と違いフェラチオについて学んだことがあった。当然実践した経験はないが、いつか彼と肌を重ねたとき、彼に傅きたいという欲望が心に潜んでいた。
それが今は、望まぬ相手に行わなければならない。ファーストキスもまだだと言うのに、霞はペニスの先端に口付けた。唾液を口内に貯めてから、ゆっくりとペニスを飲み込んでいく。生臭さが、逆に今の彼女には心地よかった。
(うそ……)
その心地よさを自覚した時、またもや霞の心にひびが入る。気付かぬ間に、男を受け入れる体勢が整っていた。ぐちゅぐちゅと音を立てながら、霞は男のペニスを吸う。また、裏筋から舐め上げる。時には男から指示が下り、竿を手で握ったり球袋まで口に含まされたりした。
「良いぜ、霞。愛を感じる奉仕だ」
「むちゅ、や、愛、だなんて、んちゅ、じゅるうっ♡」
嫌悪しか沸いてこない奉仕に、男の言葉通り霞は真剣に取り組んでいた。小蒔達を守るという名目はあれど――彼女の中に眠る、支配されたいという感情は既に揺れ動いていた。
「とりあえず、一発行くぜ」
「うぅっ」
ペニスを咥えたまま頭をがっしり掴まれる。男はそのまま腰を動かし、霞の口内を陵辱する。ぶるぶるとペニスが震えたかと思うと、男は遠慮無くそのまま果てた。
「ごほっ、ごほっ」
「最初から飲むのは無理か」
「あ――♡」
咽せて咳き込む霞の背中を、労るように男が撫でる。一瞬の間、幸せそうに霞は仮面を見上げた。見上げてしまった。
「次はそのばかでかいおっぱいを使え」
「……はい」
こっくりと頷き、霞は両手でその巨大な胸を持ち上げる。一度射精しても衰えの見せないペニスをうっとりと見つめながら、それを胸の間に沈めていく。自分の手で胸を押さえ、乳圧をもって男に奉仕する。胸の間にあるペニスの熱を感じ、自ら胸を刺激することで、さらに霞は昂ぶっていく。
「初めにしては上手いぞ、霞っ……! お前も中々見所があるなっ」
「あ、貴方に褒められても、嬉しくとも、なんともっ、ありませんっ……はぅ……♡」
これまで鋭かった声にも、力が籠もっていない。それよりも大切だと言わんばかりに、胸での奉仕を続ける。
「いくぞ霞っ」
「あ、や、やぁ♡」
二度目とは思えない量の精液が、男のペニスから飛び出る。ぼたぼたと、霞の巨乳にこぼれ落ちた。
「舐め取れ」
「……」
言われるがままに、霞は自らの巨乳を持ち上げ、その上に落ちた精液へと舌を伸ばす。
「じゅる、苦、じゅぅっ、なんで、こんなこと、じゅるるっ♡」
文句を口にしながらも、霞は唇を胸に這わせていく。男は満足気に彼女を見下ろしながら、その髪を撫でた。
「あっ……♡」
優しげな手つきに、霞は幸せそうに体を震わせた。二度の射精――春の時からも含めると三度以上――を経てなお、全く萎える気配を見せない男のペニスを、霞は信じられないと言った様子で見つめていた。普通は一度射精すれば満足するものと、耳にしていた。だが男の場合、むしろ射精する度に大きくなっているようにすら見えるのだ。
そんな霞の視線を敏感に感じ取ったのか、男は含み笑いを見せる。
「いくらでも相手をしてやれるぞ。そろそろする気になったか?」
「……っ! だ、誰がっ!」
顔を背ける霞を笑いながら、男は彼女の前に座り込む。
「後り時間は十分だ、精々頑張れよ」
「じゅ、十分だけ……」
このペースなら充分乗り切れる――霞は内心ほっとする。そうすれば、京太郎に会える。彼に会えるのだ。胸が高鳴った。
「じゃあ、ちょっと本気で行くぜ」
「えっ?」
男の言葉の意味が分からず、霞は一瞬呆ける。次の瞬間には、男に押し倒されていた。そこまでは、はっきりと記憶にあった。
――あっという間に、霞の頭は真っ白に染まっていた。
「あーっ♡ あーっ♡ あーっ♡ それ♡ それ良いの♡ だめだめだめぇ♡ いけないわ♡」
「いけないってこたぁないだろ、これだけ悦んでおいてよ。なぁ、気持ち良いだろ?」
「はい♡ はいぃ♡ すご、凄すぎるの♡ おっぱい、やめ、舐めないで♡ あそこも♡ どうして♡ どうしてこんなの♡ あーっ♡ あーっ♡ あーっ♡」
弱点各所を責め立てられ、霞は情けないくらいの喘ぎ声を上げる。イキすぎて、もう訳が分からない。
「だめなのに♡ 京太郎さんじゃないのに♡ どうして♡ 良いの♡」
「そりゃあお前が淫乱巫女だからだよっ」
「ちが♡ 違うわ♡ 私は淫乱なんかじゃ♡ ないわ♡ だめそこだめぇ♡ だめだめだめっ♡ こ、これはぁ♡ 媚薬のせいよ♡」
「はいはい、そうですかー」
男の指が、胸に沈んでいく。ちゅうちゅうと乳首を吸われる。その刺激一つ一つで、絶頂まで導かれそうだった。
「まだ♡ まだ十分経たないの♡」
「まだ三分も経ってないぞ」
「嘘♡ そ、そんなぁ♡」
永遠にも感じる快楽地獄に、霞は絶望する。実際のところ、もう最初の一時間は経とうとしていた。だが、部屋の中の時計は細工がなされ、誤魔化されていたのだ。普段の冷静さがあればすぐに見抜けただろう簡単なトラップに、彼女は結局最後まで気付けなかった。それほどまでに、男の愛撫は強烈だった。
「俺を求めたら、もっともっと気持ちよくしてやるぞ?」
「う、うぅぅ……♡ だ、だめよ……♡」
「だめじゃないさ。別に今回須賀京太郎に会えないって、それだけの話だろ。妾になったからって、あいつへの未練を断ち切れなんて俺は言わないさ。また頑張ってクレジット貯めて、あいつを助ければ良いだろう」
「そ、そうなの? や♡ あ、あ、あぅ♡ ほ、本当にそうなの?」
「当たり前だ。お前の想いまで縛り付けられるわけがない」
どこか間違えているはずの論理に、だが快楽に狂わされる霞は縋ってしまいそうになる。顎をがくがくさせながら、誘惑と戦う。
「で、でもぉ、やっぱり、だめよ……♡」
「お前がこうなってるのは、どうしてだ?」
「えっ……? そ、それはぁ♡ そ、そうよ、貴方が塗った、媚薬のせいよぉ……♡」
「だったら仕方ないんじゃないか。お前が乱れてるのは媚薬のせいなんだろ。むしろよくここまでお前は耐えたんじゃないのか? 春だって、ほらあの様を見ろ。薬には耐えられなかったんだ」
「ぁ……う……♡」
用意された逃げ道に、霞はごくりと生唾を飲み込む。視界の端で、春の姿を捉える。――彼女の指は自らの秘所に伸びていた。霞の痴態をオカズに、自慰行為に耽っているのだ。
仮面の男を、見上げる。
「良い、の? これ以上頑張らなくても、良いの?」
「ああ。俺がいくらでも気持ちよくしてやるぜ」
霞の目から、雫が流れ落ちる。
(ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、京太郎さん……!)
心の中で、何度も彼へと謝り。
一度下唇を噛み締めてから、蚊の鳴くような声で彼女は言った。
「お願い、します……して……」
「違うだろ。春と同じように――って言うんだ」
男の囁き声に、霞は呻いた。躊躇を見せた。だが、最後には、宣言していた。
「私、石戸霞は……旦那様の妾になることを、ここに誓います……♡ 京太郎さん、じゃなくて……貴方を、選びます……♡ 気持ちよくしてくれる貴方を、選びますからぁ……♡ だから、どうか、御慈悲をぉ……♡」
最後には、媚びるように霞は声を出していた。
男は鷹揚に頷くと、ここ一番に屹立した怒張を霞の秘所へと近づける。その熱量を性器ごしに感じ、霞はだらしない微笑みを浮かべた。
「あっ、あっ、あっ、あっ――♡」
ゆっくりと、確実にペニスは霞の恥部を貫いていく。走る痛みよりには、快楽が伴っていた。一度、ぴたりと男の腰の動きが止まった。
「分かるか? 今、処女膜の手前まで来たぞ」
「は、はいぃ、旦那様ぁ♡」
「ところでな、霞」
男は、黒い笑みを浮かべる。
「お前に塗ったローションは、媚薬でもなんでもない。ただのローションだ」
「…………え……?」
「巴や初美、春達に使ったものとは全く別物だ。雌を昂ぶらせる効果なんて欠片もない。何なら後でいくらでも試させてやる」
男が何を言っているのか、霞は一向に理解出来なかった。疑問符ばかりが頭に浮かび、可愛らしく小首を傾げる始末。これには男も苦笑し、彼女の耳元で囁いた。
「つまりお前は――媚薬なんかなくても滅茶苦茶に感じる淫乱巫女なんだよ。好きでも無い男に感じさせられて、好きな男を捨てて、快感を選んで屈服しちまう淫らな女なんだ」
「……嘘」
「真実さ。――さぁ、開通式だ」
「や……いや、やめてやめてやめてぇ!」
男の体を押し退けようとする霞だったが、通じるはずもなく。
「うくっ♡」
一瞬で、大切に守ってきたものを奪われてしまう。彼に捧げるはずであった処女は、永遠に失われた。
「いた、痛いっ、うご、動かないでぇ♡」
「淫乱巫女にはこのくらいが丁度良いだろ……っ!」
霞の拒絶を無視し、男は腰を動かし始める。ゆったりとした大きなグラインドをしばらく続け、霞の膣内がこなれてきたことを確認すると、ストロークを速めていく。
「あっ♡ あ、あ、あ、あ、あ、あ、あっ♡ やだ♡ だめだめだめだめっ♡」
その頃にはもう、霞の嬌声は止まらなくなっていた。
「全く、絞り取ってくれるっ……!」
「待って、待って♡ 膣内は♡ 膣内はだめ♡」
「お前は俺の妾だ、いつどこに出そうが俺の自由なんだよっ」
「や、やぁっ♡」
「いくぞ、霞!」
「いやぁ――♡」
子宮に打ち付けられる、熱い白濁。その感触に悶えつつ、霞は絶頂していた。反りきった背中は、まるで弓弦のよう。
「処女喪失の種付けセックスでイケるなんて、相当な好き者だな。しかも媚薬もなしと来た」
「はっ♡ はっ♡ はっ♡ はっ♡ はっ♡ はぁー♡ はぁー♡ ほ、本当に、媚薬じゃ、なかったの……♡」
「当たり前だ」
男の言葉は、真実だった。だが、もう霞には正誤を確認する力はない。膣内から引き抜かれてなお、収まらぬ勃起をうっとりと見つめてしまう。男はその場に寝転ぶと、
「好きにしろ」
と短く命令した。
僅かな間、霞は躊躇っていた。その間に、近寄ってくる影が一つ。
――春だった。
「んちゅ、旦那、様ぁ……♡」
彼女は精液に塗れた男のペニスを舐め上げ、綺麗にしていく。その様を見て、霞もまた動き出していた。
「はむっ」
春を押し退けるように、男のペニスを咥え込む。これは自分のものだと主張するように。春も負けじと、球袋へと舌を這わせた。
「失礼、します……」
緋袴をたくし上げ、霞は男にまたがる。自らの秘所を、天に向かって屹立するペニスへとあてがった。この体位も、本で読んだ知識。春がやり方の知らない内に、霞は先行する。
「あぅっ♡」
騎乗位で、霞の性器は男のものを飲み込んでいく。巨根の根元は春がなおも舌を這わせていた。中空に彷徨う霞の両手に、男の手が重ねられる。まるで本物の恋人のように、指と指を絡めて握り合った。
「ほら、動けよ霞」
「はい、はいぃ♡ あ、あ、あ、あぅ♡ 旦那様♡」
男の上で、霞は浅ましく腰を振る。その度に、西瓜のような巨乳は震えた。その光景を、楽しげに仮面の男は見つめていた。
「あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ♡ ほんと♡ 本当に♡ だめだめだめ♡ 良い♡ 旦那様の♡ 熱くて♡ 硬くて♡ 良い♡」
「はっきりとち○ぽって言えよ」
「はい♡ 旦那様のち○ぽ♡ 良いの♡ すごく♡ 良いです♡」
髪を振り乱し、淫語を強制され、涙を零しながらも悦ぶ霞。
寝転がったままの男の口へと、舌を伸ばす春。
二匹の雌は、乱れに乱れた。翌日、彼女達がどうしようもない罪悪感と後悔に苛まれたのは言うまでもない。
△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽
対局を終え、小蒔は逃げるように部屋を出た。
走って走って、走り続けた。
自室の前まで辿り着き、扉を開く前にその場で崩れ落ちる。漏れ出る嗚咽を止められない。無力感しか、なかった。
いつまでそうしていただろう。
彼女の背後に、忍び寄る影があった。
「――あ」
後ろから、抱きすくめられる。鼻を突くのは、煙草の臭い。
「ケンジ、さん……」
小蒔の口から零れた声には、縋るような感情が込められていた。