麻雀天使堕天計画 作:クラリス
ホットコーヒーの入ったカップを受け取り、小蒔は「ありがとうございます」と小さな声でお礼を言った。用意された椅子の上に座り、冷えた体を暖めるようにカップを抱きかかえる。口をつけると、強い苦みが彼女の舌を襲った。
「砂糖、必要かい?」
「い、いえ。平気です」
コーヒーを淹れてくれた男――ケンジに向かって、小蒔は頭を振った。彼に対しては、情けないところばかりを見せている。大人っぽい彼に対して、見栄を張りたいという背伸びする少女らしい意地だった。
今、小蒔は城内のケンジの室内にいる。本来なら入ってはいけない規則ではあるが、大敗を喫し意気消沈していた小蒔はケンジに慰められ、秘密裏にこの部屋まで案内されたのだ。これまでも彼からは優しく接せられており、ケンジを信頼していた小蒔は、彼に手を引かれても拒否しなかった。
「こういう時はね、一人でいちゃだめだよ」
「……ケンジさん」
「負けて、大切なものを失って、自分のせいだって責めてたら、気分が滅入っちゃうんだ。そしたら次の対局も、まともに打てやしない」
まるで、経験があるかのような物言いに小蒔は眉を潜める。ずっと気になっていたこと、しかし躊躇って訊けなかったことがあった。
「あの……」
「なんだい、神代さん」
「ケンジさんは、どうしてこの城にいらっしゃったんでしょうか。ケンジさんみたいな人が……」
ケンジは苦笑いを浮かべる。整った顔立ちはどんな表情でも似合い、小蒔をどきどきさせた。
「僕は神代さんが思ってるより良い人間じゃないよ。……でも、そうだね。本当は、最初は僕も神代さんと同じ立場だったんだ」
「あ……」
同じ事を、今朝も言っていた。察したように口元を手で覆う小蒔に、ケンジは頷いた。
「恋人を人質に取られてね、ここで賭け麻雀をやらされたんだ。でも、恋人を取り戻すことは出来なかった。奴らの好きなようにされてしまった……。そして僕は麻雀にも負け、プロを引退させられ、ここで作った借金を返済するため働かされている。麻雀をやる以上、プロ雀士がいたほうが奴らも都合が良いみたいでね。まだ待遇は良い方さ。ま、口封じも兼ねて飼い殺しにされてるわけさ。格好悪いったらありゃしないな」
ひとしきり語った後、ケンジは自虐的に笑った。一方で小蒔は肩を震わせ、カップを机に置き、目元を拭う。
「神代さん?」
「ケンジさんは、格好悪くなんかないです」
小蒔は、縋るようにケンジへと語りかける。
「こんな苦しい想いをしたのに、私のことを気遣ってくれています。とても、優しい人です」
「僕は奴らと同じ側の人間だよ」
「ケンジさんは、彼らと違いますっ」
身を乗り出して、小蒔はケンジの手を取る。暖かく、大きな手だった。衝動的な行動だったが、彼に自虐的な言葉を言わせたくなかった。
「私なんかのために、ずっと気遣ってくれて――嬉しかったんですよ。とても立派な人です」
「神代さん……ありがとう」
「あ……」
今度はケンジの手が、小蒔の両手を包み込む。ざらざらとした肌触りが、むしろ心地よかった。とくん、と小蒔の胸が高鳴る。京太郎以外の男性に、こんな気持ちを抱くのは初めてだった。それも無理なきこと――この二日間で、小蒔の心は追い詰めに追い詰められていた。本来なら、既に壊れていてもおかしくなかった。しかし折れそうになる度に、人肌で暖めてくれたのがケンジだった。優しい言葉をかけてくれて、それでいて決して小蒔の嫌がることはしなかった。
京太郎の登場で忘れていたとは言え、元々憧れてもいたプロ雀士。大人の男としての魅力は、免疫の無い小蒔にとっては麻薬のようでもあった。同性の霞とはまた違う種類の包容力、かつ母性本能をくすぐられる彼の脆さ。無意識の内、徐々に傾きつつあった小蒔の心は、ここに来てさらにケンジの方向へと向いていく。
彼の言葉が真実だという証拠は、何一つないままに。
弱り切った自らが誑かされているという意識も、覚えないままに。
「辛かったね、神代さん」
「私は、辛くなんて……みんなの方が」
「いや、辛かったはずだよ。僕には分かる。――今は、誰も見ていない。僕に甘えてくれていいんだ」
「ケンジさん……っ」
ケンジに手を引っ張られるようにして立ち上がると、小蒔は彼の胸に顔を埋めた。自分から彼の背中へと腕を回し、体を押し付けるようにして抱き締める。ケンジの方からも腕を回され、二人の体は前回よりもしっかりと、そしてぴったりと密着する。自らの胸が潰れる感覚を覚えながら、小蒔は離れようとしなかった。お互いの熱を分け合うように、しばらく二人は抱き合った。
そろり、とケンジから僅かに抱擁が解かれる。
20センチ以上の大きな身長差を前に、小蒔は顎を上げて彼を見上げる。じっと見詰め合い――小蒔は逡巡する。
(京太郎君……)
当然思い浮かべるのは彼の顔。小蒔にとっては、許嫁とも言うべき相手。今自分がしていることは浮気に当たると、小蒔は理解していた。――分かっていた。助けるべき相手から目を背けて、自分だけ心の安寧を図ろうとしている。裏切りとも言える行為。なのに、ケンジの熱い視線から顔を背けられない。もう、逃げられなかった。
目を閉じて、ゆっくりとつま先立ちになる。控え目に唇を突き出した。暗転した視界の先で、ケンジがどんな悪辣な顔を浮かべているかも知らず、小蒔はそうしていた。
「う、んっ――」
唇と唇の表面が、触れるだけのキス。小蒔の、大切なファーストキスだった。想い人と遂げるとばかり思っていた行為がこんな場所、出会って間もない相手に捧げるとは想像もしなかった。しかし、彼女の体を包み込むのは確かな多幸感だった。
「小蒔ちゃん」
「ぁ」
一旦キスが中断し、鼻息がかかりそうなくらいの距離で名前を呼ばれ、虚ろ気に小蒔は頷く。
「嬉しいよ。君に、受け入れて貰えて。……苦しんでる君を、ずっと慰めてあげたかったんだ」
「わた、しも」
小蒔はおずおずと、切り出した。
「辛い想いをしたケンジさんを、慰めてあげたいんです……」
「似たもの同士だね、僕達」
「はい……」
「きっと僕達は、相性が良いよ」
再び、唇を重ねられる。小蒔は瞳を閉じ、彼からの接吻を受け入れる。一滴だけ、涙がこぼれ落ちていった。
離れてはまたすぐにキスを繰り返しながら、触れ合う時間が延びていく。途中から、ケンジの舌が小蒔の唇をなぞるようになった。
「ぅ、む、にゅ……っ」
鼻を突く煙草の臭いに大人らしさを感じながら、小蒔は舌の蹂躙を受け入れる。ディープキスは昨日今日と、散々映像で見せつけられて学んでいた。自然と顎を下げ、彼の舌を口内へと招き入れる。
「んちゅ、じゅるる、はむぅっ、やむっ、ひゃうっ」
巧みに舌は小蒔の口内を這いずり回る。歯茎、歯の裏、小蒔の舌の上、全てを自分の唾液で塗り替えるような動きだった。いつの間にか両手の指を絡み合い、恋人繋ぎでしっかり握られていた。
「――ぷはぁっ」
息が詰まるほどの長い時間のディープキスを終え、ようやくケンジの舌が引き抜かれる。二人の口の間に唾液の橋がかかった。
「僕を受け入れてくれて嬉しいよ、小蒔ちゃん。僕のこと、好きになってくれたみたいだね」
「え……?」
「あんな風に求めてくれたってことはそういうことだろう? もしかして、自覚がなかったかな?」
「私、ケンジさんのこと、好きなんでしょうか……」
「そうだよ」
あること無いことまくしたて、ケンジは鈍くなった小蒔の思考を誘導していく。
「そうでなきゃ、こんなキスはできないよ」
ほとんど一方的に小蒔の唇を蹂躙していたケンジだが、まるでお互いの責任のように語る。信頼する彼にそう言われれば、小蒔もそんな気がしてきた。
「で、でも私は京太郎君が……」
「二人一緒に好きになったっておかしくないよ」
「ほ、本当に?」
「ああ。そんな恋もあるよ。大人の恋さ。小蒔ちゃんも大人になりつつあるんだ」
どきどきと心臓が早鐘を打つ。ケンジに対する気持ちが恋心であったなど、驚きでしかない。だが、胸にすとんと落ちた。あまりに異常な状況が続き、そうであってもおかしくないと小蒔に事実誤認させていく。ケンジの甘い言葉に翻弄されているというのも、あった。
「け、ケンジさんは」
「うん? どうしたんだい?」
「恋人さんのことを、まだ……?」
小蒔の質問に、ケンジは表情に翳りを見せる。とても演技で作れるものではない――少なくとも今の小蒔に疑わせる余地はなかった。しかしながら、彼も元プロ雀士。表情を作り替えることなど、造作もなかった。
「ごめんね、小蒔ちゃん。僕は――」
「ううん、良いんです」
ふるふると、首を振る小蒔。そう、この献身性こそ彼女の本質。
「私は二番目でも、良いですから」
「小蒔ちゃん――」
短いやり取りの後、今度は小蒔から接吻を迫った。お互いの唾液を交換するほどの、ねっとりとしたディープキスを二人は交わす。
「じゅるるっ、にゅちゅうっ、はぅ♡ あむぅ、ちゅるる、やぁ♡ ケン、ケンジさん♡」
「小蒔ちゃんのお口、とっても美味しいよ」
「ふ、ぅ♡ あ、ありがとうございますっ……」
彼に褒められたことが、とても嬉しかった。熱にうなされるように彼女の頬は紅潮し、うっとりとした表情でケンジを見上げる小蒔。微笑みかけられ、胸の奥がきゅんと締め付けられる。
(この、気持ち……)
想い人に抱いていた感情と同じ――そう小蒔は錯覚させられる。昂ぶらされた肉体が、一役買っていた。
「触っても、良いかい」
「あ――」
ケンジの指が、小蒔の掛け襟と伸びる。小蒔は視線を中空に彷徨わせてから、二歩、彼から離れた。見せつけられた映像の中で、仮面の男は皆の白衣をはだけさせていた。対局者達も、小蒔にそれを強要した。男性はそういうのが好きなのだろう――小蒔には理解出来なかったが、ケンジのためになら羞恥心と戦えた。
袖から腕を引き抜き、白衣と襦袢をはだけさせる。ぱさりと衣が落ちる音だけが、静かな部屋に響いた。小蒔は両手をクロスさせ、その豊満な胸を隠そうとする。寒さとは違う理由で、腕が震えていた。
「――綺麗だよ」
「あぅ……」
真正面から褒められて、小蒔は恥ずかしげに顔を逸らす。その隙に、ケンジの手が小蒔の腕を掴んでいた。決して急かず、ゆっくりと手ブラを剥ぎ取っていく。
「……ぁ♡」
汚れ一つ見えないピンク色の乳首が露わになり、小蒔はこそばゆそうな声を上げた。ついに、見られてしまった。京太郎以外の男性に晒すなど、思いも寄らなかった。
ケンジの顔が胸元に近づいたかと思うと、
「はぅぅっ?」
乳首に、吸い付かれていた。これに驚いた小蒔は身を捩ろうとするが、腕を押さえつけられてまともに動けない。
「あぅ、やめ、おっぱい、出ませんからぁ♡」
「……ぷは、いや、とても美味しいよ。本当に立派な胸だ。僕のためにずっととっていてくれてありがとう」
「そ、そんな」
元々は京太郎のために貞操を守ってきていたはずである。だが、気付かぬ間に何もかもが「ケンジのため」とすり替えられていく。何かが間違っていると思いながらも、はっきりと自覚するよりも早く、ケンジの手が小蒔の乳房へと触れていた。
「ぅ、んっ♡」
人差し指と親指の間で、下から挟み込むようにケンジは小蒔の胸を持ち上げる。ケンジの手は充分に大きかったが、それでなお零れてしまいそうになるくらいの巨乳。大きさこそ霞に負けるが、張りや形は決して引けを取らない。それどころか、随一のバランスを誇っていた。霧島神境の姫の柔肌に触れられる男など、限られてくる。しかしケンジは、出会って数日でここまでこぎ着けていた。
「あふっ、や、はぅうっ♡ 良い、です……♡ 気持ち良いです、ケンジさん……♡ すご、い……♡」
「気に入って貰えて良かったよ」
事実として、ケンジの愛撫は巧みだった。胸を揉まれた経験などあろうはずもない小蒔が、あっさりと快楽を認めてしまうほど。ただでさえ柔らかかった胸が、芯まで解されて蕩けきっていく。
「ひぅううっ♡」
指先が乳首の先に触れ、小蒔は嬌声を上げる。これまでとは一線を画す刺激。映像の中で霞がされていたように、人差し指と親指で抓まれてしまう。霞があれだけ乱れた理由が分かってしまい、小蒔は眦に涙さえ溜めてよがり狂う。
「あうっ♡ や♡ これ♡ これ♡ 凄い♡ 凄いです♡ ケンジ、ケンジさん♡ ――あむぅ♡」
胸を責められながら、またもやキスを受ける。たやすく舌を受け入れて、小蒔は自分の舌も突き出し、絡ませ合う。
「んっ♡ んっ♡ んっ♡ ちゅるう、じゅるるっ、はぅぅ♡」
「どうだい、小蒔ちゃん。どっちが気持ち良いかな」
「胸も、キスもぉ♡ 良いです♡」
小蒔が悦んでいる内に、ケンジの手が腰へと回される。ぐい、と引き寄せられ、狭い部屋の中を二人の体は移動する。
ケンジに促されるまま、小蒔はベッドに腰掛けた。胸と口への愛撫は絶えず続いている。くちゅくちゅとした水音だけが、部屋を支配していた。さらにケンジはキスしたまま、小蒔の体をベッドに押し倒す。形ばかりの抵抗を小蒔は行ったが、無意味であった。燃え上がる要素にしかなり得ない。
「~~~っ、あぅうっ♡」
ケンジの手が緋袴に突っ込まれたかと思うと、下着の上から秘所の筋をなぞられる。今日一日バイブによる刺激を受け続けたそこは、小蒔のどの部分よりも早く雌の機能が目覚めていた。
「だめ、ですっ♡ そこは、大切な場所、ですからっ♡」
「ごめん、小蒔ちゃん。でも、触らせてくれないかい?」
「うぅう……っ♡」
「僕じゃ、やっぱりダメかい?」
「…………ダメじゃ、ありません……ケンジさん、なら」
構いません、という最後の言葉は声にならなかった。
「ぁううううっ♡ や、やぁっ♡」
下着の上から秘所に指を突っ込まれ、視界が白く染まる。脳髄に直接電流を流し込まれたかのような感覚が、小蒔を灼いた。
「はぁ♡ はぁ♡ はぁ♡ ……や――ぅっ」
パンツが下ろされていく。両手で顔を覆う小蒔はその様子を見ようとしないが、太股に下着が擦れる感触と流れ込む冷たい空気が悟らせる。ケンジの手を止めようと一瞬小蒔は身動ぎするが、結局されるがままだった。
「小蒔ちゃんのパンツ、ぐしょぐしょになってるよ」
「――ぁ♡ 言わ、言わないでください♡」
麻雀の間から責められ、今も散々ケンジに昂ぶらされたのだ。そうなっても仕方ない。
「どうやらバイブに虐められたみたいだね……」
「そう、そうなんですぅ♡ 怖かったんです♡ 皆、いやらしい目で私を見てきて、ずっと怖かったんです♡」
甘えるように、小蒔はケンジの体へ寄りかかる。にっこりとケンジは笑った。
「大丈夫だよ、僕が小蒔ちゃんを守ってあげるから。――でも、バイブに苦手意識持つのも良くないね」
「え……?」
「僕が思い出を上書きしてあげるよ」
ケンジの意図が分からず、小蒔は目を白黒させる。そんな中、彼が取り出してきたのは紫色の太い棒だった。その形状には、見覚えがあった。映像の中で見た、男性器そっくりであった。
「け、ケンジさん……? なんですか、それ……?」
「力を抜いて。安心して、優しくするから」
「ぁ……♡」
不安げな眼差しを送るも、ケンジに微笑みかけられるだけで小蒔は彼に全てを委ねてしまう。プラスチックの玩具がぴたりと秘所に触れ、その冷たさに彼女はぶるりと体を震わせた。
「――いくよ」
「は、はいっ♡ ――~~~~あぁぁっ♡」
スイッチが入れられ、ペニス型のバイブが激しく振動を始める。対局中に味わわされた振動よりもなお強く、しかもケンジが巧みにバイブを動かすため、与えられる快楽は桁違いだった。
「ぁう♡ や♡ や♡ ああああ♡ ……ふぅぅ♡ ――や、そこぉ♡ そこぉ♡」
「ここかな?」
「あぅぅ♡ だめ♡ だめです♡ だめですぅ♡」
小蒔の弱点を見つけたケンジは、そこを重点的に責め始める。ぎしぎしとベッドを揺らして小蒔は身を捩ろうとするも、がっしりと抱き込まれて自由が利かない。
「あっ♡ あっ♡ あっ♡ あっ♡ あっ♡ 気持ち良いです♡ ケンジさん♡ 気持ち良いです♡ だめ、だめなの♡ なに、なにか来ちゃう♡ 来ちゃいます♡」
「良いんだ、そのままで……僕に身を任せるんだ」
「はい、はいぃ♡ ケンジさん♡ ケンジさんん♡ あっ♡ あっ♡ あっ♡ あっ♡ あっ♡ ああああっ――♡」
その瞬間、小蒔は全てを忘れていた。六女仙のことも、囚われの彼のことも。感じ取れるのは、傍にいる雄の体温だけ。
「――は、ぅぅぅ……♡ はぁっ♡ はぁっ♡ はぁっ♡」
長い、長い絶頂から舞い戻ってきて、小蒔は荒い息を吐く。何となく、彼女は悟った。六女仙達があれだけ乱されてしまったものの正体。この、どこまでも甘美な味。脳の一部が蕩けてしまいそうな感覚。
(これ、だめ……♡)
堕ちてしまっても仕方ない。誰も、彼女達を責められないだろう。小蒔は確信する。
「よくイケたね。ご褒美だよ」
「ぁむぅ♡」
敏感になった全身が、ケンジのキスをこれまで以上に際立たせる。ちゅるちゅるとお互いの口を吸い合う姿は、恋人同士のそれであった。
「可愛いよ、小蒔」
「ケンジさんも、素敵です……♡」
とうとう呼び捨てにされて、しかし小蒔はそれをあっさりと受け入れる。むしろ彼との距離が縮まった気がして、幸せですらあった。
「次からはね、イクときはちゃんとイクって言うんだよ」
「はい、承知しました……♡ だから、け、ケンジさん、お願い、もっと、キスぅ♡」
今度は小蒔から、唇を求める。一人の寂しさに枕を濡らしていた彼女は、人との接触に飢えていた。特にケンジとのキスは全ての隙間を埋めてくれるようで、ずっとしてもらいたいくらいだった。
「あむぅ♡ あぅ♡ や、胸もぉ♡ あぅぅ、またそれ、動いてますぅ♡」
「これが良いんだろう?」
「はい♡ とっても良いです♡ あぅ♡ あっ♡ あっ♡ あっ♡ あっ♡ あっ♡ あああああっ~~~♡」
胸を弄られ、振動するバイブを擦りつけられ、小蒔は二度目の絶頂へと導かれる。小さな肩は震え続け、瞳にはもうケンジの姿しか映っていない。
「小蒔」
「ケンジ、さぁん……♡」
「良いかい?」
その問いかけの意味が、分からないほど小蒔は愚かでは無かった。しばらくの間、逡巡するように小蒔はケンジを見つめ――最後には、頷いていた。
一度、小蒔は抱き起こされる。ケンジはズボンを脱ぎ降ろし、その天に向かっていきり立つペニスを小蒔に見せつけた。ケンジの手が小蒔の肩にかかり、再び押し倒そうとするが、その前に彼女は動いていた。
「小蒔……」
「大きい……それに、熱いです……」
ケンジから指示されるよりも早く、小蒔は彼のペニスを握りしめる。六女仙達の映像で、予習は済んでいた。
「してくれるのかい?」
「……ケンジさんが、望むなら」
「お願いするよ」
頭を撫でられ、小蒔はふにゃりと相好を崩す。それから、亀頭へと口付けた。
「はむっ」
「おおっ」
柔らかな口で包まれ、これにはケンジも悶えてしまう。彼女の小さな口では、しかも初めてでは到底根元までは飲み込めない。舌使いも拙く、男を悦ばせるには至らない。だが、懸命に奉仕する姿は――しかも、霧島神境の姫君がだ――どんな男でさえも優越感に浸らせる。
「じゅるる、はみゅ、んぅうっ、じゅうっ♡ ――ぷは、ど、どうですか……?」
「良いよ、小蒔。とても良い」
「良かった……♡ はむぅっ」
うっとりと安心するように笑ってから、小蒔は口奉仕を再開する。行為に耽る小蒔を見下ろすケンジの目には、暗い光が宿っていた。
「じゅるぅっ、くちゅ、あむっ」
「そろそろ良いよ、小蒔」
「あふっ――♡」
ケンジに促され、小蒔はペニスから口を離す。そして今度こそ、小蒔はベッドの上に押し倒された。
「あっ」
「小蒔」
「ケンジさん」
名前を呼び合い、もう何度目かも分からないキスを交わす。
「本当に、良いんだね」
最後の確認をされ、小蒔の脳裏に浮かんだのは、やはり想い人の存在。いくらケンジに恋い焦がれようとも、元々好きだった彼を忘れられるはずもない。
「僕は別に良いんだよ、小蒔に他に好きな相手がいても」
「ケンジさん……」
巧みに、ケンジは小蒔の意識をすり替えていく。第一に好きだったのはケンジであり、京太郎は二番目の扱いという風に。
「それに僕も、まだ彼女のことが好きなんだし……」
「い、良いんです。気にしないで下さい」
慌てて小蒔は首を振る。
「私も……その、気にしませんから」
「ふふ。小蒔は可愛いな」
「やんっ♡」
頬を撫でられ、小蒔はそれだけで嬌声を上げる。
「お互い、浮気だね」
「……う、浮気だなんて。私は、ケンジさんのこと」
「分かってる。分かってるよ、小蒔」
「ケンジ、さぁん……」
彼の名前を口にする度、小蒔は幸せな気持ちになれた。これが愛なのだと、心の何処かで彼女は確信する。
「行くよ」
「……はい♡」
昨日、松実宥の映像を見て、「彼以外に体を許すなど有り得ない」と小蒔は思っていた。だが、その決意はたやすく崩れていた。否、これは真の愛ある行為だと信じていた。松実宥も、類似した立場だとは想像もせずに。
正常位で、ずぶずぶと小蒔の秘所はケンジの巨根を飲み込んでいく。初めてだとは思えない滑りであった。
「小蒔の処女……もらうよ」
「はい、はいぃ♡ もらって、下さいぃ♡」
ぷつりとペニスで大切なものを貫かれる感触。流れる血液。痛みと悲しみ。思い浮かぶ京太郎の存在。
「あっ……ふ、ぅうっ――」
「凄いよ小蒔、全部飲み込んでる。偉いね」
「え、偉い、ですか?」
「そうだよ、君はとっても立派な女の子だ。いや、もう女だね」
だが、全ての想いは流れて消えていく。六女仙を守れず自身に失望していた小蒔は、自分を認めてくれるケンジへと縋り付くしかない。彼の背中を抱き締めて、彼の存在を強く感じる。頼り甲斐のある、筋肉質の体。圧倒的な雄に支配され、小蒔は幸せだった。
「動くよ」
「は、はい……♡」
処女を失ったばかりの小蒔を気遣い、ケンジはしばらくそのままでいた。だが、膣が解れてきた感触を覚え、ついに腰を動かし始めた。
「あぅ♡ あっ♡ あっ♡ あっ♡ これ♡ 今までと、違います♡ 違いすぎます♡」
「良いだろう、小蒔っ、小蒔の中も、凄く良いぞっ」
「あっ♡ あっ♡ あっ♡ ほ、本当、ですかぁっ♡」
「ああ、最高の名器だ……! 小蒔も、気持ち良いかっ?」
「良いですっ♡ ケンジさんの♡ ケンジさんのが、強くて♡ 硬くて♡ すごく、良い♡」
ぱん、ぱん、ぱん、とリズムよく腰が打ち付けられる。その度に、小蒔はあられもない声を発した。
「良いだろ、浮気セックスはっ! どうだ、小蒔っ」
「はい♡ はい♡ はいっ♡ 良い♡ 浮気セックス♡ これ、浮気セックス♡ 良いです♡」
「僕達は同意の上でセックスしてる――そうだよな?」
「はい♡ あぅ♡ はいぃ♡ そうです♡ あっ♡ あっ♡ あっ♡ 私は♡ 望んでケンジさんに♡ 処女を捧げたんです♡」
巴や霞達の宣言を思い出しながら、それに類する言葉を発していく小蒔。何となく、そう言うことをケンジが望んでいることは察せられた。
「僕のこと、好きかい?」
その質問に、ほんの僅かの間、小蒔は躊躇いを覚え――
「好き♡」
しかし間もなく、応えていた。
「好きです♡ 私は、ケンジさんが♡ ケンジさんが好きなの♡ 好きなんです♡ あっ♡ あっ♡ あっ♡ これ♡ いっぱい突いて♡ 突いてください♡ あっ♡ あっ♡ あっ♡」
「そんなに僕が好きなのかい、浮気セックスが良いのかい?」
「はい♡ そうです♡ ケンジさんが♡ 浮気セックスが♡ 好きなんです♡ あっ♡ あっ♡ あっ♡ あっ♡ あっ♡ 好きなんです♡」
口からだらだらと唾がこぼれ落ち、それを舌で掬い上げられ、小蒔はもう彼と交わることしか考えられない。ケンジのことしか考えられない。
「ケンジ、さんはぁ♡ 私のこと、好きですかっ♡」
「それは……」
堪らず出てしまった質問に、ケンジは答えづらそうに顔を背け、腰を止める。あぅ、と残念そうに小蒔は声を漏らすも、
「ご、ごめんなさい、困らせてごめんなさいっ、良いんです、良いんですケンジさん♡ さっきも言った通り、私は二番目でも、良いんです♡」
「……ありがとう、小蒔。代わりに、たっぷり愛して上げるからね」
「ケンジさん♡ ありがとう♡ ありがとうございます♡ 嬉しい♡ あっ♡ あっ♡ あっ♡ あっ♡ もっと♡ もっとぉ♡」
再開されたストロークに、小蒔はこれまで以上の嬌声を上げ始める。姫君としての矜持も羞恥も全て投げ捨て、上り詰めることしか頭に残らない。
「好き♡ ケンジさん♡ ケンジさんが好きです♡ 大好きです♡」
「ありがとう、小蒔っ……!」
「あっ♡ あっ♡ あっ♡ だから♡ あっ♡ あっ♡ あっ♡ お願いします♡ もっと、もっとぉ♡ 愛して下さいぃ♡」
「ああ、いくらでも付き合ってあげるよ……っ、だから小蒔もっ」
「はい♡ 大好き♡ 大好きなケンジさんに♡ 全部♡ 小蒔の全部を♡ 捧げます♡ あっ♡ あっ♡ あっ♡ あっ♡ あっ♡ あっ♡」
ケンジの腰の動きは、最高潮に達し。
「ああああああっ~~~♡」
「イクぞ、小蒔!」
「私も、イキます♡ ケンジさん♡ ケンジさん♡ 大好きですぅううっ♡」
愛し合う二人は、同時に絶頂を迎えた。
妊娠の可能性がある膣内射精も、小蒔は構わず受け止めて。気を失う程までに、深いエクスタシーに浸り続けた。
△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽
その後三時間に渡って小蒔は犯された。終わった頃には完全に体力を失い、ベッドの上ですやすやと寝息を立てていた。
恐るべきは、ケンジという男。小蒔が倒れてしまったが故に一時中断したが、まだまだ衰えを見せていない。それどころか、さらに性欲は高まっていた。
「あいつらを使うか」
小蒔を相手にしていた時とは別人のように、荒々しい言葉遣い。小蒔が眠るベッドの上で煙草を一本吸い終えると、立ち上がって部屋の奥に移動する。
一見ただの壁――しかしそこには隠し扉が仕込まれていた。ケンジが押し開いた先は、元の部屋よりもずっと面積の大きな部屋が広がっていた。中央には、天蓋付きの巨大ベッドが設えられている。
そこには、四人の少女達が並んで横たわっていた。
「起きろ、お前ら」
「……ぅ、あ」
全員が着込むのは、同じ白のセーラー服――永水女子の制服。
狩宿巴。
薄墨初美。
滝見春。
石戸霞。
全員、この男――ケンジが、犯し抜いた少女達。ベッドの隅に転がったのは、その時つけていた仮面。
「ひっ――や、やだ」
巴が恐怖するように後退る。他の三人も同様だった。
「あれだけよがっていたくせに嫌がる必要はないだろ」
「よ、よがってなんかいません……!」
「相変わらず強情な娘達だ。一回や二回犯されても諦めないってか。――まぁ、そういう奴を堕とすのも楽しいんだがな」
「あぅぅ♡」
巴の上に馬乗りになるケンジ。霞が止めようと腕を伸ばすも、逆に抱きかかえられ、顔をペニスの前に伏せられてしまう。
「やぁっ♡」
「さぁ、頑張って奉仕してもらうぜ。まだまだ夜は長いんだ」
巫女少女達を従え、ケンジは笑う。
騙されたとも知らず、眠りこける姫君に対して、いつ、どのように真実を教えてやるか。ケンジは楽しみでしょうがなかった。自分の代わりに犯された六女仙、彼女達を弄んだ男に自ら体を捧げた――こんなに面白い状況もない。まして、好いた男がいながらだ。
次なる計画を練りながら、しばしケンジは少女達の酒池肉林を楽しむことにした。
一旦永水編は終わり。永水ハーレムとかその後の小蒔とかまた書きたいと思います。
アンケートですがこれからは主に女の子に羞恥を与えられるエロエロ麻雀のルールを募集したいと思います。脱衣麻雀や特定のルールを破ったら罰ゲームなどなど(負けたときのペナルティはなしの方向で)。よろしくお願いします→Twitterへ@krarisss
あんまり同じルールやりたくないんですけど、脱衣麻雀とかはやっぱり人気なんですかね……?
次回はたぶん清水谷竜華セカンドシーズン、その後は原村和SOA催眠編です