麻雀天使堕天計画 作:クラリス
対局が終了し、三着で終えた玄は霞や美穂子と別れ、一人別室を案内されていた。穢され尽くした体を熱いシャワーで清め、新調された阿知賀女子学院の制服に袖を通す。制服自体は通常のものだったが、下着は別物を用意されていた。シースルーの、透明ランジェリーだった。玄は溜息を吐いて、それを着用した。この城のやり口には、もう慣れていた。馴れた自分が、嫌だった。
それにどのみち、ここでいくら文句をつけても届かない。何故なら自分は敗者なのだから。ラスを引いた美穂子よりは救いがある、とアキトは説明していたが、どこまで信じて良いのか分かったものではない。
「準備はできましたか」
「あ、は、はいっ」
案内人の男に呼ばれ、玄は椅子から立ち上がる。ミニスカートの内にある透明下着が見えないか、不安だった。
「あの、これから私、どうすれば……?」
「松実様は今対局で100万クレジットの負債を負いました。それを稼いできて頂きます」
「……か、稼ぐって」
「場所は用意します。そこでどうするかは松実様次第でございます」
玄は首を傾げて、質問を重ねる。
「場所って、どこでですか?」
「いわゆるセクキャバでございます」
「せ、せく……?」
玄にとってあまり聞き慣れぬ単語だったが、案内人はそれ以上言葉で説明しなかった。話は強引に切り上げられ、古城の地下へと玄は導かれる。
観音扉の前に立ち、玄は眉を潜めた。一体この奥に何が待ち受けているのか。
「入って一番右奥の席まで行って下さい」
案内人から指示が飛び、玄が了承する前に扉は開かれた。
そこに広がっていたのは、玄にとって未知の世界だった。照明の少ない、薄暗い空間。小さな丸テーブルがいくつも並び、その周りをソファが囲っている。テーブルの上にはお酒らしきボトルとグラスが置かれていた。
そしてソファに背中を埋めて機嫌良さそうに酒を呷っているのはいずれも妙齢の男性達だった。その男性一人一人に対して、最低一人の少女――そう、制服姿の少女だ――が、ぴたりと体を密着させて媚びるような笑顔を向けている。そこで、玄はぴんと来た。
(せくきゃば……きゃば……きゃばくらっ?)
知識としては、玄もキャバクラという存在を知っていた。玄の実家は旅館であり、家の手伝いのため風営法を勉強したことがある。その時少しだけ興味を抱き、ネットで記事を読んだのだ。ホステスあるいはキャバ嬢と呼ばれる女性従業員が、ゲストを接待し、種々のサービスで料金を受け取るというもの。玄の実家もサービス業ではあるが、それとはまた一線を画す。女性としての魅力が、売り上げに直結するのだ。
接頭語の「セク」の意味も、すぐに思い出した。少女達の体に触れているのだ。通常のキャバクラでは肉体的接触を禁じているが、そうでない店もある。セクハラキャバクラ、略してセクキャバ。自分はこの店の、セクキャバ嬢になったのだ。
淫靡な香りと、愛を囁き合うホールを横切って、玄は指定された席を探す。親子ほど年の離れた男女が肩を寄せ合う光景は、ぞっとしなかった。
「こっちこっち、こっちだよ、玄ちゃん」
「えっ」
手招きしてきたのは、それこそ玄の父親と同じ年頃の男性だった。ただ容姿は全く違って、禿げ上がった頭に、アキトほどではないがだらしない腹回り。スーツ姿はいまいちしまりがなく、くたびれたサラリーマンと言った出で立ちだった。
「いやぁ、クジ運に恵まれたよ。まさか玄ちゃんを指名できるなんて」
「あっ、あのっ」
「ほら、ここ座って座って」
ぽんぽん、と男はソファを掌で叩く。そこは、彼のすぐ隣の席だった。玄は下唇を噛んで、そこに腰を降ろす。
「し、失礼、します……」
「来て来てー!」
既にお酒が入っているのだろうか、年齢にそぐわないはしゃぎぶりだ。玄ソファに座った瞬間首に腕を回されて、体全体を引き寄せられる。
「わっ」
「インハイ見てたよー、玄ちゃん。おじさんねー、すっかりファンになっちゃったんだぁ」
「そ、そう、ですか……」
固い笑顔と共に、玄は相槌を打つ。客商売の経験を総動員して、ゲストの機嫌を損ねないように努めた。もちろんキャバクラで働いた経歴などなく、手探り状態だ。ひとまず空いたグラスに、お酒を注ぐ。それが、男はいたく気に入ったようだった。
「ありがとう玄ちゃん、やっぱり君は良い子だね。私には分かってたよー」
「あ、ありがとう、ございますっ……? ふぇっ」
男は玄の亜麻色の髪を太い指でかき上げ、くんくんと嗅ぐ。玄は狼狽え体を震わせるが、寸でのところで我慢した。
「良い匂いだぁ。良い匂いだよ玄ちゃん。大好きだよ玄ちゃん」
「あ、や、きゃっ」
首に回されていた男の右腕がさらに伸び、ブレザーの上から胸を触られる。さらに左手は太股を撫で上げ、黒いニーソックスと肌の間に指を滑り込ませる。
「柔らかいよ、すべすべだね。うわあ、夢みたいだ。玄ちゃんがこんな近くにいるなんて」
「うっ、ん、んっ」
目をぎゅっと閉じて、玄は堪え忍ぶ。だが、このままされるがままではいかない。自分はもっと稼がなくてはならないのだ。
「あ、あの、もっとお酒、飲みませんか……?」
「良いね良いね、じゃあ玄ちゃんも飲もう飲もう」
「ええっ」
未成年である玄は、当然ほとんどお酒を飲んだことはない。ちょっとした悪戯程度に嗜んだことはあるが、それにしても一口二口だけ。
琥珀色の液体が、目の前のグラスに注がれる。銘など分からないが、漂ってくる香りは普段飲む液体とは全く違う。
「さぁさぁ」
「は、はい……」
ここでお客に付き合わなければ、機嫌を損ねるかも知れない。打算を働かせながら、グラスを傾けた。
途端に、喉が焼けて強烈な痛みが走った。視界がぐらりと揺れ、急激に息が乱れる。
「は――うぅ……」
「おっと、玄ちゃんお酒は苦手だったかなあ? ちゃんと支えてあげないとね」
「んっ」
酩酊する玄につけ込み、男ははっきりと乳房を揉み上げ始める。ブレザーの上から、ぐにゅぐにゅ胸が歪む。さらには太股を撫でていた手も、徐々に恥丘に向けて登っていく。
「やっ、そ、そこっ♡ んっ♡ 胸、もっ♡」
「はぁ、はぁ、玄ちゃん玄ちゃん」
「んんんうっ♡」
熱くなった首筋を、男が舌で舐め上げる。そのお流れで唇を押し付け、ちゅうちゅうと吸い上げる。
「あっ♡ あっ♡ あっ♡ 吸わないでっ♡ あっ♡ あっ♡」
「美味しいよ、とっても美味しいよ」
顔を真っ赤にして、玄は身悶える。アルコールで頭は混沌とし、体は男の愛撫で強制的に昂ぶらされていく。決して上手とは言えないが、今日一日アキトに散々嬲られて玄の肉体はすっかり出来上がっていた。
男は太股を弄んでいた左手で、ちらりと玄のミニスカートを捲り上げる。その中身を認めた瞬間、彼は鼻息を荒くした。
「なんってえっちな下着を着けてるんだい。そっかー、おじさんのために用意してくれたんだね。ありがとうね」
「う、うぅ……」
「そうなんだよね?」
「そ、そうですぅ……あっ♡」
さらにブレザーも脱がされ、シャツのボタンを外される。まろびでた玄の美乳に、男は透けブラの上からむしゃぶりついた。
「あっ♡ あっ♡ あっ♡ やっ♡ やっ♡ やあっ♡ おもち♡ もう♡ やっ♡」
「美味しいよ玄ちゃん……ほら、こっちも」
「んうっ♡ ううっ♡ だめっ♡ そこはっ♡ だめっ♡」
淫猥なランジェリーの上から、玄の秘所が中指で突かれる。応じるように、愛液が零れ始めた。
「玄ちゃん、玄ちゃん、玄ちゃんっ」
「あっ♡ あっ♡ あっ♡ やああっ♡ もうやめてぇっ♡」
玄の接待は、まだ始まったばかりだった。
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500万ものクレジットを得た霞は、しかし苦虫をかみつぶしたような表情を浮かべていた。目の前の二つのモニターに映し出されているのは、それぞれ美穂子と玄の痴態であった。美穂子はオークションでその身を売られ、玄はキャバクラでその身を売ることを強要されていた。
この結果をもたらしたのは、他ならぬ霞だった。対局に自分が勝利し、彼女達を悪夢のような仕事場へと追いやったのだ。
「良かったねぇ、霞ちゃん」
背後から、アキトが声をかけてくる。びくりと霞は肩を震わせた。
「一位を取れなかったら、霞ちゃんがあんな目に遭ってたんだよぉ。本当におめでとう」
違う。美穂子は最後の最後で、勝ちを自分に譲ったのだ。確かに途中まで彼女は、勝利のために霞達を蹴落とそうとしていた。けれども、最終的には美穂子は自ら身を引いた。どうしてそうしたのか、霞にははっきりと分からなかった。ただ、良心の呵責に耐えられなかったのだろうとは、想像できた。
別れ際、美穂子は言った。「彼を、助けて下さい」と。霞は、頷く事しかできなかった。対局中はあれだけ敵愾心を抱いた相手に、霞は同情と悔恨を覚えざるを得なかった。そして、中間意識が芽生えた玄に対してもそうだった。
「あ……アキト、様」
アキトに背中を向けたまま、スカートの上で握り拳を作り、霞は切り出す。
「どうしたんだい?」
「アキト様は……この城の中でも、権力をお持ち……なんでしょう?」
「そうだよぉ。だぁいたいは、僕の我が儘は通るからね」
「なら……」
霞は椅子から立ち上がると、アキトに向かって振り返る。
「あの二人を、助けられないのかしら?」
「ふふふっ」
その質問を予期していたかのように、アキトは笑った。
「考えてあげないこともないよ? 美穂子ちゃんは買われちゃったから、すぐにというのは難しそうだけどねぇ」
「それなら――」
「勿論、霞ちゃんの態度次第だけどねぇ。本気なの? 君のライバル達なのに?」
霞もまた、そう言われるのは分かっていた。だが、決意の固い彼女は、こっくりと頷いた。その瞬間、アキトは醜悪な顔を更に歪めた。彼は強引に霞の手を取って、別室に移動する。
連れて来られたのは、校舎の中の保健室だった。まるで本当の保健室のように、薬品の匂いが漂っている。既に日はどっぷりと落ち、窓の外は真っ暗でどこか空恐ろしい雰囲気が漂っていた。
「さっきの対局、霞ちゃんだけ僕に告白していないよね」
「……」
「ずーっと片想いしていた同級生に恋してた霞ちゃんは、保健室で二人きりになったこの機会に思い切って告白するんだよ。学校で唯一ベッドがあるこの保健室でね」
永水女子のセーラー服姿のまま、霞は頬を赤らめて俯く。玄達も「これ」と同じ事を強要されたのだろう。あまりにも酷な仕打ちだった。しかし、同情ばかりしていられない。自分の選んだ道を、進まなくてはならない。
「アキト――君」
同級生らしい呼称でアキトを呼びつつ、霞は彼に向かって歩み寄る。どういう風な行動をとれば男達が喜ぶか、それは散々「旦那様」に教えられていた。霞はアキトの胸に飛び込むと、両手を目一杯伸ばして彼を抱きかかえた。
「初めて会った時から、貴方の事が好きだったわ。私と……付き合って」
「霞ちゃん」
「だめ、かしら」
豊満な乳房を、ぎゅうっと押し付ける。アキトを見上げ、熱っぽい視線を送る。アキトはにんまり笑うと、
「嬉しいよぉ、すっごくぅ。でもは、本当に僕が好きなのかい? 僕で良いの?」
「……、え、ええ。アキト君が、良いの。アキト君を、愛してるの。だから――んっ♡」
爪先立ちになり、霞はアキトの頬に口づける。いつまでも馴れない油と汗の味が、唇を通して伝わってきた。
「一杯、愛して頂戴……っ♡」
「霞ちゃあんっ!」
「きゃぁ!」
我慢しきれなくなったアキトが、パイプベッドの上に霞を押し倒す。しゃっと、カーテンだけは閉められた。
折角着直した強引にセーラー服は引き剥がされ、純白のブラが露わになる。美巨乳に顔を埋め、霞の股を膝で強引に割り開く。
「あったかいよぉ、柔らかいよぉ、霞ちゃん。この体全部僕のものだんだねぇ」
「えっ、えっ、あうっ♡」
「だって僕達は恋人同士だもんね。だよね、だよねぇ」
一方的な宣言を、しかし霞は突っぱねることはできない。ここで彼の機嫌を損ねれば、二人を救うことは叶わなくなる。
「い、良いのかしら……?」
「ん、なにが?」
「私が、貴方の恋人で……?」
媚びるように、霞はアキトの頭を撫で上げる。まるで弟をあやす姉のようだった。元々永水女子の中でも姉としての役割を果たしてきた彼女らしい仕草である。だが、相手が醜い巨漢である事、そして恋人という単語が状況の異様さを醸しだしていた。
「良いよ、許してあげるよぉ。今から霞ちゃんは僕の恋人だぁ。玄ちゃんいなくなっちゃったしね」
「う、あ、ありがとうござ――んむっ♡」
アキトから唇を重ねられ、霞は目を白黒させる。何度味わっても酷い匂いだ。さらにブラを丁寧に外すことなどせず、無理矢理押し退けて生乳に触れる。たわわに実った二つの果実を両手で思うように揉みしだき、アキトは大層ご満悦だった。
「んちゅっ♡ ちゅっ♡ んむっ♡ ちゅるるっ♡ じゅるうっ♡ ぷはっ♡ んっ♡ や、そこっ♡ 胸♡ 弱いのっ♡」
「知ってるよぉ。こういうのはどうだい?」
「んんんっ♡」
既に勃起していた乳首を、こりこりいじられる。脳髄が焼け付くような刺激に、ベッドの上で背中を反らして霞は悶える。アキトの加重によって既に軋んでいた安っぽいパイプベッドは、さらに悲鳴を上げる。
「んうっ♡ それ♡ それぇっ♡ だめなのよっ♡ だめだめだめっ♡」
「はぁー、可愛い、可愛いよ霞ちゃん。僕の恋人にふさわしいよぉ」
「んううーっ♡ ううーっ♡ ほんとにっ♡ くりくりってするの♡ やめ♡ あっ♡ あっ♡ あっ♡ んうーっ♡」
「とりあえず、胸だけでイっとこうか」
「やっ♡ あんうっ♡ あっ♡ あっ♡ あっ♡ あーっ♡ あーっ♡ 嘘♡ 嘘っ♡」
かぷりと左の乳頭に齧り付かれ、口の中で勃起乳首を転がされ、さらに右の乳首は指で弄られ、霞の頭が真っ白になる。
「あっ♡ あっ♡ あっ♡ あっ♡ あっ♡ あっ♡ だめだめだめ♡ あーっ♡ あーっ♡ あーっ♡ だめ♡ もうだめぇっ♡」
「イクんだね、霞ちゃんイクんだねっ」
「はいっ♡ イキます♡ あっ♡ あっ♡ あっ♡ 霞イっちゃいます♡ んんうっ♡ んんんうううっ♡ イク♡ イクぅ――っ♡」
一際甲高い声を上げ、霞は果てた。口の端から涎がこぼれ落ち、はしたないほどに乱れ狂う。長い長い絶頂の余韻の果て、我に返った時には視界全てがアキトの顔に覆われ、唇に吸い付かれていた。
「ちゅっ♡ んちゅうっ♡ じゅるっ♡ んちゅううっ♡」
舌を絡め取られ、唾液を吸われ、あるいは送られ、その動き全てに霞は無心で答えていた。そうしなくてはならないと、強迫観念めいたものが働いていた。
「とりあえず、挿入れとこっかぁ。良いよね? 良いよね? だって僕達恋人同士なんだから」
「えっ♡ あっ♡ あっ♡ あ~~~っ♡」
流れるように、正常位で挿入されてしまう。ずっぷりと、霞の膣はアキトの巨根を飲み込んでいった。
「はーっ♡ はーっ♡ はーっ♡ すごっ♡ これっ♡ すごっ♡ あっ♡ あっ♡ あっ♡ うごっ♡ 動かないでっ♡ まだっ♡ 準備がっ♡」
「もう充分でしょ、これだけ濡れてるんだから」
「あっ♡ あっ♡ あっ♡ やっ♡ あっ♡ あっ♡ あっ♡」
ぱんぱんと、腰を打ち付ける音が夜の保健室に木霊する。その度に、霞の口から悲鳴とも嬌声とも取れる声が漏れた。
「霞ちゃん、僕の事好きっ?」
「好きっ♡ 好きよっ♡ あっ♡ あっ♡ あっ♡」
「だよねっ、そうでなきゃセックスしないもんねっ。僕とセックスしたかったんだよねっ」
「ええっ♡ アキト君と♡ セックスしたいからっ♡ あっ♡ あっ♡ あっ♡ 恋人になったのっ♡ あっ♡ あっ♡」
何を言わされているのか、霞自身もよく理解できなかった。ただそう答えなければならないという義務感と、答えたいという欲求が確かにあった。きっとそうすれば――もっと、突いて貰えるから。
「あっ♡ あっ♡ あっ♡ あーっ♡ あーっ♡ あーっ♡」
「どう霞ちゃん? 二回目だけど、すごくいいでしょっ」
「はいっ♡ 良いわっ♡ アキト君のおちんぽ♡ やっぱりすごく良いっ♡」
「嬉しいよぉ、霞ちゃんにそう言って貰えて」
ストロークが激しくなる最中、一瞬だけ霞の脳裏に疑問が過ぎる。
(あれ、ゴム……)
アキトはスキンを着けていない。その事実に狼狽しかけるが、
「んむうっ♡」
キス一つで、思考の彼方に追いやられてしまう。乳房を愛撫され、膣を突かれ、口を嬲られ霞は再び高みへと連れて行かれる。
「んっ♡ んっ♡ んっ♡ んっ♡ だめ♡ だめだめだめっ♡」
「またイクの? イっちゃうの?」
「はい♡ イキます♡ 霞♡ イっちゃうのっ♡ あっ♡ あっ♡ あっ♡ ああああ~~~っ♡」
「僕もっ、絞り取られる……っ!」
同時に二人は果て、痙攣する霞の体に精液が注ぎ込まれる。その熱に、霞はうっとりと恍惚の表情を浮かべた。
「はーっ♡ はーっ♡ はーっ♡ ん、これぇ……♡ はーっ♡ はーっ♡ もう、だめぇ……♡ はーっ♡ はーっ♡」
「何を言ってるの、まだまだここから」
「えっ♡ あうっ♡」
全く体力の衰えを見せないアキトは、霞の腕を取り今度は四つん這いの格好をさせる。見事な桃尻を自分の方に向けさせると、白濁がこぼれ落ちる膣へ、容赦なくペニスを入れ直した。
「んんん~~~っ♡」
獣の体勢で犯されて、霞は背中を反らし顎を上げる。整った顔立ちは、今や喜悦でだらしないものに変貌しようとしていた。
「うしろから、なんてぇ……♡ あっ♡ あっ♡ あっ♡ これ、だめ♡ あっ♡ あっ♡ あっ♡」
「だめじゃないでしょ? ほら」
「あっ♡ 乳首っ♡ 責めないでっ♡ あっ♡ あっ♡ それ♡ だめ♡」
後背位のまま再び乳首を弄られて、霞は悶え苦しむ。かと思ったら乳房全体を揉みしだかれ、代わる代わる伝わってくる快感に翻弄される。
「胸♡ 胸は♡ もう♡ もうっ♡」
「良いんでしょ? ね? 良いんでしょっ?」
「はいっ♡ 良い♡ 良いの♡ あっ♡ あっ♡ あっ♡ 良いのぉっ♡」
「んふふふふ」
黒髪を振り乱しながら肯定する霞に満足し、アキトは後ろからペニスを突き込む。何度も何度も突き込む。
「あっ♡ あっ♡ あっ♡ あっ♡ あっ♡ あっ♡ やあっ♡ それ♡ それぇっ♡」
「霞ちゃんも、自分で動かすんだよ。恋人同士なんだから、お互いを気持ち良くしないと」
「……っ♡ は、はいっ♡ 分かりましたっ♡」
四つん這いで不自由な体勢ながら、言われたとおりに霞は大きなお尻を振った。アキトの打ち付けるペースに合わせて。それがまた、新たな悦楽を産み出す。
「あーっ♡ あーっ♡ すごぉっ♡ すごすぎるわっ♡ アキト君♡ アキト君アキト君♡」
「こっちも、良いよぉっ。凄い、愛を感じるよぉっ」
「愛♡ 愛だなんてっ♡ あっ♡ あっ♡ あっ♡ あーっ♡」
「好きなんでしょ? でしょ? 僕の事、好きなんでしょ?」
「はいっ♡ 好き♡ 好き好き好き♡ 最初からずっと♡ 好きだったの♡」
快感に翻弄された末の台詞だったが、同時に真に迫っていた。性交中の愛の囁き合いが、さらに霞の体をきゅんきゅん喜ばせる。まるで、本当にアキトを愛しているかと体が錯覚していく。
「良いよぉ、霞ちゃん。さいっこうだよぉ」
「私も♡ 良いわっ♡ アキト君とするの♡ すごく良い♡」
「そりゃだって、僕達は恋人同士だもんねぇ」
「ええっ♡ 私はっ♡ アキト君の彼女なの♡ あっ♡ あっ♡ あっ♡」
腰を振り、突き込まれながら、自分の尻を掴むアキトへと媚びへつらう。牝としての本能に流されるままだった。
しかし、ここでアキトは思わぬ方向に舵を切った。
「ところで、霞ちゃん」
「あっ♡ あっ♡ あっ♡ は、はいっ♡ あっ♡ あっ♡ あっ♡ な、なにかしらっ♡」
「今日の対局の、もう一つの賞品覚えてるかな?」
「も、もう一つ……? あっ♡ あっ♡ あっ♡」
何だったのか。快楽に塗れた頭は、すぐに思い出せなかった。確か――そう、彼に。
――彼に、会える。
「今から、会わせてあげるね」
「あっ♡ あっ♡ あっ♡ え、えっ? あっ♡ あっ♡ あっ♡ え……?」
霞の頭は、アキトの言葉に追いつかない。だが、関係無しに状況は変化する。
ベッドの周りを覆っていた白いカーテンが、開かれる。いつの間にやらそこにいたのは、二つの人影。一人は、この城で雑務に従事する黒服の男。
もう一人は、少年だった。後ろ手に縛られ、猿ぐつわを噛まされた状態で床に膝を着いている。愕然とした様子で、肩を落としていた。霞のよく知る、そして霞の恋い焦がれていた相手。
「きょ……きょうたろう、さん……」
目を見開き、霞は呆然自失となる。まさか――まさか、まさかまさか。
「ずっとさっきから、この部屋に入る前から。すぐ近くに、彼はいたよ」
「え……? あっ♡」
胸を、持ち上げられる。
「僕達が愛し合う姿、ちゃんと見て貰ってたんだ。――ねぇ?」
アキトが促し、黒服の男が京太郎の猿ぐつわを取り外す。彼は喚かなかった。ただ一言だけ、とても辛そうに、
「霞、さん……」
霞の名を、呼んだ。霞には、彼が誰を愛していたかなんて分からない。だが少なくとも、その声だけで、少なからず自分も想われていた事を知った。それは本来ならとても喜ぶべき事なのだろうが、しかし今は――
「あっ♡ あっ♡ あっ♡ や、やめっ♡ やめてぇっ♡ 突かないでぇっ♡」
霞は、アキトと繋がっていた。その全てを、告白する様子も、見られていた。膣内射精されて、喜ぶ所も。愛撫されて、絶頂を迎える所も。何もかも。
「違う♡ 違うの京太郎さん♡ これはっ♡ 違うのっ♡」
さながら、浮気現場を抑えられた女のようだった。しかし、霞の腰は動いている。アキトが動かなくても、動いていた。どう取り繕うと、言い訳のしようもなかった。さらにアキトは、霞にささやきかける。
「何が違うの? 僕達は恋人同士。霞ちゃんから告白してきたんでしょ? 一目惚れだったんでしょ?」
「そ、それはぁっ♡ ちが♡ あっ♡ あっ♡ あっ♡ だめ♡ だめだめ♡ もうそれ、だめ♡」
「違わない、でしょ? でないと、もう突いてあげないよ?」
「~~~っ♡」
あらゆる理由で霞は追い詰められ。
「ご、ごめんなさい京太郎さん……っ♡」
「え……?」
その直前までは、京太郎も霞を信じようとしていたのだろう。彼女は自分の味方だと。これは何かの間違いだと。だが、霞自身がそれを全て打ち砕く。
「私♡ アキト君が好きなのっ♡ アキト君を好きになっちゃったの♡ あっ♡ あっ♡ あっ♡ アキト君とセックスしてっ♡ すごく気持ち良いのっ♡ ごめんなさい♡ もう♡ あっ♡ あっ♡ あっ♡ もう私♡ アキト君の恋人なのっ♡ アキト君と♡ もっとセックスしたいの♡ 京太郎さんとは♡ あっ♡ あっ♡ あっ♡ もうお別れなの♡」
「おやおや、彼には片想いとか言っておきながら、恋人気取りだったんだねぇ。中々ふてぶてしいね、霞ちゃん」
耳元で囁かれ、違うそうじゃない、と言い訳しようにも声にならなかった。歪んだ視界の端で、想い人が絶望に顔を歪め、しかし自分達から目を離せない様子が見て取れた。しかし、それ以上彼に構っていられる余裕は霞になかった。
「あっ♡ あっ♡ あっ♡ あーっ♡ あーっ♡ あーっ♡ だめ♡ また♡ また♡ イっちゃう♡ アキト君に♡ イカされるわっ♡」
「うんうん、良いよ良いよ霞ちゃん。一緒にイこうね」
「はいっ♡ イきたいの♡ アキト君と一緒に♡ あっ♡ あっ♡ イク♡ あっ♡ あっ♡ あっ♡ やーっ♡ んうううっ♡ ううううっ♡」
これまでで、一番大きな絶頂の波が押し寄せ。
「あーっ♡ イク♡ イクイクイク♡ 京太郎さんに見られながら♡ 霞イっちゃう♡ 霞イっちゃうの♡ あっ♡ あっ♡ あっ♡」
「こっちもイクよぉ、霞ちゃあんっ」
「はい♡ 来て♡ 来て、アキト君♡ あっ♡ あっ♡ あっ♡ イク♡ ああああああ~~~っ♡」
びくびくと、アキトの精液を受け止めながら霞は肉体を震わせる。気持ち良い。気持ちよさしかなかった。いつも乱れた後に来る、想い人への後悔の念はなかった。
世界が暗転していく中、霞は自分の恋が終わってしまった事を察した。
△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽
気が付けば、霞はいつものベッド――そう、いつもケンジに夜伽する天蓋付きのベッドで目覚めた。起き上がり、巫女服姿のまましばらくぼうっとしていると、部屋の扉が開かれた。
「旦那様……お帰りなさいませ」
「ああ」
半ば反射的に立ち上がり、霞はケンジを迎え入れる。妾として当然の役割と、教え込まされていた。
霞はケンジの目の前に立ち、ほっと息を漏らす。散々アキトに犯し抜かれ、乱れに乱れたが、ついぞ彼に対する嫌悪感は拭えなかった。
だが、ケンジは見た目だけで言えば他の追随を許さない美男子だ。漂う香水も、いやらしくない程度。がっしりとした肉体は、本能的に牝を安心させる。
「お前も疲れてるだろう」
「あっ」
肩を抱かれ、霞は短く息を漏らす。手を引かれ、ベッドに腰掛けさせられた。ケンジはその隣に座り、しかし手を出してこようとはしなかった。霞が頭を彼の肩に預けても、黙ってそうしていた。
ずたずたにされたプライドと恋心は、最早修復できない。ただただ、目の前にいる男に甘えるしか、霞には選べる選択肢がなかった。そしていつもは悪辣なケンジも、今日に限ってはどこまでも優しかった。これも、誘導されているのか。一瞬霞の脳裏にそんな疑問が過ぎるが、ケンジの香りと肉体を感じると、すぐに消え果てた。
「旦那様――」
「霞……」
罰ゲームでもなく、取引でもなく、誰かに強制されたわけでもなく、間違いなく自身の意思で、初めて霞は男に近づき、そして、
「んっ」
自分から、唇を重ねた。お互い目を伏せ、ただ触れ合うだけの、初々しい恋人のようなキスを交わす。優しくケンジは、霞の体を抱き寄せた。
そっと、二人の顔が離れる。
「本当はね、霞。俺にとっての一番は、お前なんだよ」
「え……」
「でも俺も中々素直になれなくて、面倒なやり方を取ってしまった。すまなかった」
嘘だと、霞は分かっていた。気付いていた。あれだけ自分を弄んでおきながら、どの口が言うのか。だが、霞は気付かない振りをした。彼女が縋れるのは、もう彼しか残されていないから。
うっとりとした表情を浮かべ、霞は微笑む。
「嬉しいです、旦那様……♡」
そしてケンジの手を引き寄せると、自らの胸へと導いた。
「妾で、構いませんから。……たっぷり、愛して下さいね」
「ああ。お前がそう、望むなら」
ベッドの上へと、引きずり込まれる。
「――あっ♡ あーっ♡ あーっ♡ 旦那様♡ 旦那様っ♡」
「霞、霞ぃっ」
「愛しています♡ 旦那様♡ 私が一番愛しているのは♡ 旦那様です♡ あっ♡ あっ♡ あっ♡ 凄い♡ やっぱり旦那様♡ 旦那様が一番凄い♡」
「よやく分かったか、霞。そう……お前は俺の妾でいればいいんだ」
ずんずんと突き込まれ、霞は乱れ喘ぐ。もう、他の事など考えられなかった。妹分の事も、想い人の事も。全ては目の前にいる男が、優先された。
「はいっ♡ 私は♡ 旦那様のもの♡ ずっと♡ 旦那様のものです♡」
もう、二度と戻ってこられないかも知れない。
そう思いながらも、霞はケンジが求めるままにその身を差し出した。
三人編はこれで終わりです
次回は竜華(怜含む)を予定