麻雀天使堕天計画 作:クラリス
他の少女雀士と同じように、風越女子の部長・福路美穂子も霧島神境を訪れていた。名目は練習試合だが、彼女の真の目的も、当然須賀京太郎と再会することである。
しかし今、彼女は疑念を抱いていた。他の雀士とは別の部屋に、一人だけ通されたのだ。大人数のため振り分けるとのことだったが、自分一人という状況は違和感を覚える。しかも通された部屋は、卓も牌もない、四畳半の部屋だ。
「須賀君……」
想い人の名前を呟き、その豊かな胸に掌を乗せる。他校を訪れるということで、きっちりとピンクと白のセーラー服を着込んだ彼女は、まさに優等生というべき立ち姿だった。この殺風景で小さな部屋には、明らかに不釣り合いである。しかし、障子戸を引いて部屋に入ってきた人物を目にした瞬間、美穂子の中から不安は消え去っていた。
「福路さん、お久しぶりです」
「……!」
感極まって、目尻に涙が浮かぶ。そこに立っていたのは、間違いない、須賀京太郎その人だった。
「どうして、ここに――あっ」
疑問を口にする前に、抱き締められる。もう、それだけで頭が真っ白だった。その力強さに赤面し、本能で抱き締め返す。その顔も、肉付きも、匂いも、何から何まで須賀京太郎だ。大好きな人だった。
「霧島神境に来ても、俺、ずっと福路さんに会いたかったんです。だから、ちょっと無理して二人きりにしてもらいました」
「ほ、ほんとう……? 須賀くんが、私と――」
「好きです、福路さん」
「ふへっ?」
年下の少年に抱き締められたまま、美穂子は体を震わせ、素っ頓狂な声を上げる。彼女らしくなかった。頬は紅潮し、頭は混乱する。だが、搾り出すように彼女は応えた。
「私も、好きよ……須賀君」
想いを伝え、通じ合い、歓喜に打ち震える美穂子。痛いくらいに強く抱き締められ、しかし嫌がることなど何一つない。
「福路さん」
「須賀君――んぅっ」
唇を重ねられる。強く、強く吸い付かれ、美穂子は一瞬困惑する。けれども、愛する人からの口づけだ。すぐに両の瞳を閉じて、受け入れる。
「んちゅ、んむっ、んむぅっ、ふ、ぅ――」
熱烈に押し付けられていた唇が、一旦離れる。我に返った美穂子は、顔を真っ赤にし、恥ずかしげに俯く。しかし京太郎は、責めの手を緩めない。
「大人のキス、知ってますか?」
「お、大人……?」
「教えて上げます」
「ぁう」
再び唇を重ねられる。しかし今度は、京太郎の舌先が美穂子の口に割って入ってくる。初めての経験に、再び美穂子は慌てふためく。だが、京太郎の舌は遠慮無く容赦無く、美穂子の口内を蹂躙する。歯をなぞり、舌を巻き取り、ぐちゅぐちゅと音を立てて唾液を混じり合わせる。
「じゅるっ、んじゅるっ、んっ、ちゅうっ」
脳内に、甘い電流が走る。好きな男とのディープキスで、美穂子は幸福感に包まれる。気が付けば、京太郎に倣って自分も舌を動かしていた。まるで、元々知っていたかのように。
「ちゅうっ♡ ん、んちゅ♡ じゅるるっ♡ れろ♡ んっ♡」
愛の籠もったキスは、さらに熱を帯びていく。口端から二人の唾液が零れ、美穂子の胸にぽたぽたと落ちていく。唾液は淫靡に美穂子のセーラー服を濡らし、うっすらと白のブラが透けさせる。
「ぷは……っ♡」
ようやく二人の唇が離れ、唾液の橋がかかる。ぷつん、と切れた瞬間、美穂子は切なげに目を細めた。夢見心地と言った様子で、美穂子はぼうっとしている。その間に、京太郎は押し入れから布団を取り出し、狭い畳の上に広げた。初心な美穂子でも、その上で行われる行為は察せられる。しかし、京太郎に腕を引かれて布団に誘われても、抵抗はしなかった。むしろ、それを望んでいた。こんな展開になるなんて、想像もしていなかった。ここが霧島神境、他人の家という事も頭の中から飛んでいた。
布団の上で横に並んで座り、美穂子は大きな腕で肩を抱かれる。どきどきと心臓が高鳴っていた。
「福路さん、いいよね」
「……美穂子って、呼んで」
スカートの裾をぎゅっと掴み、京太郎から視線を外しながら、美穂子は答えた。京太郎は笑顔で頷き、肩に回していた手をさらに伸ばす。
「美穂子さん」
「んっ」
ぐにゅり、と美穂子の豊満な乳房の形が歪んだ。美穂子は一瞬息を漏らし、自らの右の胸に触れる京太郎の右手に、自分の右手を重ねる。無論その程度がまともな抵抗になるわけがなく――そして美穂子に、本当に抵抗する気はなかった。制服の上から、何度も何度も揉みしだく。
「ん、ふ――っ、あ、んぅっ、ふぁ、や、そこぉ……っ♡」
悩ましげに首を傾け、吐息に甘い色が混じり始める。胸への愛撫が始まってすぐ、美穂子自身不思議なくらい感じていた。
(好きな人にされるのは、やっぱり違うのかしら)
熱っぽく瞳を潤ませ、夢想する美穂子。そうしている間に、京太郎の愛撫は激しさを増していく。
「ん……っ♡ ふぅっ♡ は、う、ぅっ♡ んむ♡ ちゅうっ♡ ちゅうっ♡ んじゅ♡ んれろっ♡」
再び唇を重ねられ、美穂子は積極的に舌を絡める。キスをしながら、京太郎は美穂子の背後に回る。脇の下から腕を通し、今度は両の胸を揉み始める。つい三十分前まで、誰にも触れられた事のない乙女の乳房が、好きに蹂躙されていく。しかし美穂子に嫌がる様子はなく、京太郎の胸に背中を預ける。
「んちゅ♡ ちゅう♡ んむっ♡ ぷはっ♡」
「美穂子さん……」
「すが、くん……♡」
目尻をとろんとさせ、京太郎を見つめる。その間も、胸への愛撫は止まらない。閉じていた股が、本能に従い開いていく。
「気持ち良いですか?」
京太郎の問いかけに、美穂子はこっくりと頷く。既に彼女は、男の腕の中で発情しきった雌犬でしかなかった。しかし京太郎は、胸責めを止めない。制服とブラの上から的確に乳輪をなぞり、じっくりしっかり美穂子を昂ぶらせていく。
「美穂子さん」
「な、なに、ん、ううっ♡」
「美穂子さんの口から、どうしたいか聞かせて貰えませんか?」
「えっ……♡ んっ♡ ぁうっ♡」
「教えて下さい」
どきどきが止まらない。この状況で、何を言わせたいかなど、美穂子といえども理解できる。しかし優等生で清楚な彼女は、羞恥心で口を噤んでしまう。
「ねぇ、美穂子さん」
だが、京太郎は耳元で囁いてくる。その美穂子の弱いところをくすぐる声は、容易に彼女の頑なな心を解きほぐしていく。
「そ、その、私……♡ んぅっ♡ ぁ♡ んっ♡」
「私? なに?」
「須賀君と、ん♡ そ、その……♡ せ……♡ んっ♡ せっく、す、したい、です……っ♡」
かあああ、とさらに赤面を濃くする美穂子。年下の男子に言って聞かせる台詞ではない。そして、普段の美穂子からは考えられない台詞でもあった。
「セックスって、どうすればいいんです?」
羞恥は限界に達しているというのに、京太郎はなおも訊ねてくる。普段であれば、決して許されることのないセクハラだ。しかし、恋人――美穂子はそう思っている――の要求を断ることなどできない。献身的な彼女は、熱い息を漏らしながら答える。
「は……っ♡ は……っ♡ す、須賀君の、性器、を……♡ は……っ♡ は……っ♡」
「性器じゃなくて、別のちゃんとした言い方で言って下さい」
「っ、ふ、ぅうっ♡ ゃあぁあっ♡」
ぐにぃ、と根元から搾るように胸を揉まれる。中途半端は許さない、という意思が込められていた。
「お、ぉ、おちんちん……♡」
「声が小さいですよ」
「お、おちんちんっ! 須賀君の、おちんちんをっ♡」
ぎゅっと目を瞑って、半ば自棄になって美穂子は声を張った。
「わ、私の、お……、ぉ、お、おまんこに、入れる、ことです……っ♡」
「それだけじゃないですよね?」
「ふぅえっ? え、で、でも……っ♡ これ以上は……っ♡」
「分からないんですか? 仕方ないですね。俺が教えて上げますよ」
なおも胸を揉みながら、京太郎は語りかけてくる。
「俺が優秀な美穂子さんに教えて上げられることなんて、嬉しいですよ」
「ゆ、優秀、だなんて……っ♡ ん、んっ♡」
「でも、教えて貰う人間の態度じゃないですよね」
自分の事は棚に上げて、京太郎は更に美穂子を責める。美穂子は「うぅ……♡」と呻いてから、京太郎に顔を向けた。
「須賀君ぅ……♡ だ、だめな私に、せ、せっくすを……っ♡ せっくすを、教えて、下さい……っ♡」
美穂子の感情もかつてなく昂ぶり、自分から唇を、京太郎の首元に押し付ける。ちゅうちゅうと吸い付き、はしたなく舌を突き出し、京太郎の舌を要求する。舌先がぶつかりあった瞬間、電流に打たれたように美穂子は体を震わせた。
「貴女の体に教えて上げますよ、美穂子さん」
「あっ♡」
ぐい、と布団の上に押し倒される。着衣が乱れ、美穂子はスカートの裾を引っ張って、秘部を隠そうとする。もっとも京太郎は、気にも留めない。
「だめですよ」
「ゃっ♡ そ、そこはっ♡」
スカートの中に手を突っ込まれ、慌てふためく。いくら好きな相手でも、「そこ」は、易々と触らせて良い場所ではない。美穂子の狼狽はもっともである。しかし、京太郎は美穂子の指を一本ずつ引き剥がしてしてしまい、些細な抵抗さえも許さない。
「ひぁああぁっ♡」
スカートの下、ショーツをずらされ、ぬぷりと指を挿入しこまれる。キスと胸への愛撫で既に濡れていた秘所は、何ら抵抗なく太い京太郎の指を飲み込んだ。途端に美穂子は目を白黒させ、びくびくと全身を震わせる。生まれてこの方味わったことのない快楽に、美穂子はもう限界だった。だが、痛みを与えない丁度良い加減で、京太郎は美穂子の膣内を嬲る。
「ふぁっ♡ あっ♡ あっ♡ あっ♡ ああっ♡ そこっ♡ そこっ♡ そこはだめっ♡ だめぇっ♡ ぁっ♡ 須賀君のっ♡ 須賀君の指っ♡ あっ♡ あっ♡ だめ♡ だめだめだめっ♡ だめぇ♡」
これまでも小刻みに、浅くイっていた美穂子だったが、今回ばかりは激しく絶頂する。あまりの快感に涙さえ目尻に浮かべながら、身悶える姿は痛ましい程。しかし一方で、口元はだらしなく緩んでいた。普段は理知的な彼女からはかけ離れた、雌の顔を惜しげも無く晒す。美穂子の恥ずかしい姿をにやにや笑いながら見下ろし、京太郎は彼女に覆い被さる。夢見心地から帰って来られない美穂子のショーツを下ろし――どろりと愛液が糸を引く――自分も下を脱ぐ。
「挿入れますよ、美穂子さん」
「あ――は、うぅ……♡」
「俺が美穂子さんの処女、奪っちゃいますね」
「ん、うぅ♡」
熱い亀頭が、濡れそぼった秘所に触れる。
「良いですよね?」
「ぇ、あ、うぅ……♡」
「良いですよね、美穂子さん。初めての相手が俺で」
ねちっこく、念入りに確認する京太郎。彼の瞳に宿るのは、妖しい光。本来の彼なら有り得ない双眸。しかし、その違和感に、美穂子は気付かない。気付けない。あるいは平常心であったなら、彼女なら二つの目で見れば分かったのかも知れない。だが、京太郎に再会した時点で、美穂子は舞い上がってしまっていた。
「ぅん……♡ 須賀君の、おちんちんで、私の処女、奪って……♡ 私を、女にして下さい……♡」
「美穂子さんが望むなら」
「んうぅうぅっ♡」
ずぷ、と極太の肉棒が挿入され始める。未経験の少女にはあまりにも大きすぎる。だが、京太郎は容赦なく、ゆっくりと腰を突き進める。
「ふぅ~っ♡ うう、ふううっ♡ んふうっ♡」
深く侵入する度に、美穂子は苦悦の表情を浮かべる。それを見るのが楽しいと言わんばかりに、じっくり京太郎はペニスを埋めていく。
「く、うううぅ~~~っ♡」
一際高い嬌声を上げ、美穂子は達する。彼女は完全に、京太郎のペニスを受け入れていた。処女の証たる血が、布団に流れ落ちていく。
「おめでとう、美穂子さん」
「く、ぅ……、あ、ありがとう、須賀君……♡」
「それじゃあ、動くよ」
「ま、待っ――」
「待てないよ、こんな良い具合の穴は久しぶりなんだから」
美穂子の制止する声を無視して、京太郎は腰を動かし始める。血と愛液が混じり合い、ぐしょぐしょと音を立てる。最初はゆっくりとした腰使いだったが、
「うっお、これすげぇ」
「ん、うっ」
堪らないといった様子で京太郎は、抽送を速めていく。未踏であった処女地を、使い潰す勢いでペニスを出し入れしていた。美穂子は痛みに顔を歪めるが、次第に犯される悦楽に目覚めていく。
「あ、う……、んっ♡ ふ、うっ♡ あっ♡ そこ、そこっ♡ あっ♡ だめっ♡ これっ♡ だめっ♡」
「これって? なにが駄目なんです?」
「あっ♡ あっ♡ おちんちん♡ おちんちんで突かれるのっ♡ だめなのっ♡ 須賀君のっ♡ 須賀君のおちんちんっ♡」
「全然駄目そうには見えないんですけど、本当はどうなんですか?」
「いいのっ♡ 気持ち♡ いいのっ♡」
返答に躊躇いはなかった。突かれる度に喘ぎ悶え、顎をがくがくと揺らす。快楽神経を直接刺激されるような感覚に、美穂子は頭がおかしくなりそうだった。大量に発汗し、セーラー服がはりついてブラと肌の色が透けて見える。また、体のラインがはっきりと浮き出ている。
「さっきまで処女だったのに、美穂子さんは変態ですねっ」
「言わっ♡ 言わないでっ♡ あっ♡ あっ♡ もうだめなのっ♡ だめなのぉっ♡ ふぁああぅ♡」
ぐい、と膣の奥底までペニスが突き進み、断続的にイき続ける美穂子。もう、限界を超えていた。
「イくぞ、美穂子……! 膣内に射精すぞ!」
「ま、待ってっ♡ あっ♡ あっ♡ 赤ちゃんっ♡ 赤ちゃんできちゃうっ♡」
「俺の子供、いらないんですか?」
「ふぇっ♡」
そんなわけが、なかった。欲しい。彼の子供を、孕みたい。正常な判断能力を奪われた彼女は、何度も頷いた。
「欲しいっ♡ 欲しいのっ♡ 須賀君のっ♡ 須賀君とのこどもっ♡ 精子っ♡ 射精してっ♡ 私の膣内にっ♡ 射精してっ♡」
「たっぷり出すぞ、美穂子……! 種付けしてやるからな……!」
「きて、きて、きてえぇえぇえっ♡」
膣内でペニスが膨れ上がるのを、美穂子は感じ取る。今更京太郎を止められることもなく、むしろきゅっと膣を締め付け、彼の射精を促す。
「うっお、絞り取られる……!」
「~~~っ♡ あぁああぁっ♡ イくっ♡ イっちゃううぅっ♡」
一滴も零さないと言わんばかりにペニスを突き込み、京太郎は射精する。とてつもない量の精液が吐き出され、その全てが美穂子の中に注ぎ込まれた。
「う、んううぅっ?」
そして美穂子を、頭を締め付ける感覚が襲う。
それも一瞬で、美穂子は深い快楽の絶頂の余韻に浸る。下腹部の熱は消える気配がない。ペニスが引き抜かれた瞬間、美穂子は物足りなさそうに顔を歪める。しかし息は荒く、体力は尽き果てすぐに意識を失った。
「眠っちゃったか」
京太郎は、にやりと笑う。少年らしくない邪悪な笑顔――否、それどころではなかった。
彼の、本来の姿が現れる。細身で、見るからに凶悪な人相の、チンピラ風の男だった。美穂子の想い人である須賀京太郎とは似ても似つかない。
美穂子が京太郎だと思い込んでいた――思い込まされていた男は、煙草に火を点け一服する。
「次はどう愉しもうかね」
極上の獲物を見下ろして、男は紫煙を燻らせる。京太郎ではない男に処女を捧げた美穂子は、布団の上ですやすやと寝息を立てていた。
「邪魔するぜ、ヒトシ」
「お、アツシじゃねーか」
障子戸を開いて入って来たのは、チャラ男のアツシ。彼らは同じ大学の仲間であった。
「首尾はどうよ」
「見ての通りだよ。霧島神境の秘術ってやつは凄いな。これでこいつ、俺の命令に逆らえないんだろ?」
「ああ。さっき俺も一匹仕留めてきたところだ。折角だし、一緒に遊ばねーか? 他の奴らも混ぜてよ」
「いいねぇ」
自分を犯した得体の知れない男が悪巧みをしているとも知らず、美穂子の寝顔は実に穏やかだった。
△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽
「ここの露天風呂、天然温泉で見晴らしも最高なんですよ」
「そうなんですね、楽しみです」
目覚めた美穂子は、まさか目の前の男が京太郎とは別人と夢にも思わず、勧められるがまま一度身を清めることにした。名目である練習は一切できておらず罪悪感はあるが、霧島神境が誇るという温泉にも興味があった。
脱衣所で汗が染みついた制服と、思わず赤面してしまう程体液に塗れた下着を脱ぐ。タオルだけ持って、露天風呂に入る。すぐに、溜息を吐くほど綺麗な空と海が美穂子を出迎えた。処女を失った痛みを忘れてしまうくらいだった。
体を洗い流し、美穂子は温泉に浸かる。湯煙が立ち上り、直近の視界が悪い。しかし、そこで思わぬ人物で出会した。
「う……久?」
「あ、あら、美穂子じゃない」
同じ長野、清澄高校部長の竹井久だった。彼女は京太郎の先輩で、美穂子にとっては親友であり、恋と麻雀のライバルだった。
久もまた、同じように霧島神境を訪れている一人。久は大切な友達だが――京太郎とセックスしてしまった今、非常に気まずい。もっともそれは騙された結果であり、美穂子は他の男に処女を捧げた自覚がなかったためのことだった。そして、久も全く同じ立場だと想像すらできなかった。
「き、奇遇ね。休憩、かしら?」
「え、ええ」
元々争い合わなければならない仲故、こうなっても不思議ではないが、久はフランクな性格で変に壁を作らない。しかし今は、目も合わさずどこかぎこちない。不審に思ったが、美穂子自身も引け目があったので深く追求できなかった。とりあえず二人は並んで湯に入る。なんだか恥ずかしくて、マナー違反と分かりながらバスタオルを巻いたまま美穂子は温泉に浸かっていた。それは、久も同様だった。
「調子はどう? 美穂子」
「ええ、それなりですね」
ぎこちないながらも、二人は会話を続ける。そこに、異変が起こるまで時間はそうかからなかった。
「ふ、ぅ……♡ ん、う……♡」
「あ……♡ ん……♡」
二人の口から艶めかしい吐息が漏れ出始める。知らずの内に、彼女達は昂ぶらされていた。それが、この温泉に仕掛けられた効能であった。だが、これは始まりに過ぎない。
「お邪魔しまーす」
「失礼しまーす」
「えっ?」
「はぁっ?」
突然、温泉に入ってきたのは二人の大学生風の男達だった。どちらも股間をタオル一枚だけ隠しており、ほぼ全裸である。その筋肉質の体と、それに刻まれた刺青が、少女達へと圧迫感を与える。それでも久はタオルで全身を隠し、顔を真っ赤にしながら抗議する。
「こ、ここ女湯よっ!」
「何言ってるの、ここは混浴だよ」
「え、う、うそっ?」
「ってわけだ、折角の縁だ、仲良くしようよ」
そんな事、できるわけがない。普段の状況ならいざ知らず、こんな温泉でなんて――美穂子は混乱と怒りを覚える。すぐにでも逃げ出そうとするが、
「出て行っちゃ駄目だからね~」
「あ……はい……」
男の一言で、浮かしかけた腰を下ろしてしまった。それからはっと我に返るが、どうして言うことを聞いてしまったのか理解できずさらに混乱する。その隙をついて、美穂子の右隣に男の一人が座った。
「俺、ヒトシって言うんだ。仲良くしようぜ、美穂子」
「ど、どうして名前を……」
ヒトシと名乗る男はにやにや笑いながら、美穂子に肩をぶつけてくる。
「こっちも仲良くしような、久。俺はアツシって言うんだ」
美穂子の左に座っていた久の、さらに左にもう一人の男が座る。少女達は、男達に挟まれる形となり、逃げ場がなくなる。しかしそれ以上に問題なのは、不思議な事に、逃げようとする意思さえ浮かばない事だ。
「