麻雀天使堕天計画 作:クラリス
麻雀の負けにより負債を背負った玄は、その支払いをまだ終えていなかった。セクキャバで男達に奉仕する毎日を送る。しかし彼女は、まだ諦めていなかった。どんなに穢れても、再起の時を待っていたのだ。
しかし、道のりは遠かった。後十日間はセクキャバで働かなくてはならない。屈辱と絶望の時間はあまりに長く、玄は疲弊していた。
そこに転機が訪れたのが、今朝だった。
「私を買う人……ですか」
「そうだ」
監視員の男は淡々と告げた。玄を気に入った客が、残りの負債を全て請け負うと言うのだ。セクキャバで働く代わりに、玄はその男に五日間傅けばすべてチャラにしてくれるという。元々玄に選択権などなく、男達の取引に従うだけだった。
案内されたのは、玄が使用している部屋よりも数ランク上の部屋だった。広さも、調度品の質も、そしてベッドの大きさも。二人で寝ても、余るだろう――そんな感想が生まれる。
「初めまして、松実玄ちゃん」
「……初めまして」
育ちの良い玄は、ここで調教を受けた甲斐もあり、初めて会った男にも丁寧に頭を下げる。自分を買った相手だった。一目見て、玄は苦手意識を覚えた。耳にピアス。地毛ではないであろう金髪。軽薄そうな見た目だった。おそらく姉も宥も苦手なタイプだろう。――宥のことを思い出し、胸が痛くなる。
「俺の名前はレイジ」
「レイジ……さん」
「そ。ま、覚えといて。何か飲む?」
レイジが冷蔵庫を開く。玄は、答えられずにいた。体が震える。何度男達に奉仕しても、慣れなかった。しかもレイジは、自分を買った男。警戒するな、という方が無理であった。
しかし彼は、ああ、と玄の躊躇いに気付き、
「玄ちゃんは勘違いしてるよね。まあ無理もないか」
「えっ?」
「俺は玄ちゃんに酷い目を遭わせるつもりはないよ。君を助けたかったんだ」
レイジの言葉を、玄はやはり信用できなかった。だが、レイジは玄の懸念をよそに先に先にと話を進めていく。
「この三日間、ゆっくり休憩すると良い。食事も出す。俺から君に手を出すことはない。できる限りの自由も保障する。そこまで遠くには行けないけどね」
「……本当なのですか」
「本当さ。ああ、俺が信じられないならそれでも構わない。そうだな、この部屋は玄ちゃんが自由に使ってくれ。俺は出て行くよ」
「あっ……」
玄が引き留める間もなく、宣言通りレイジは部屋を出て行った。どうしようもなくなった玄は、その部屋に留まることになる。
レイジの言うとおり、食事は勝手に運び込まれてきた。しかも、これまで自分が食べていたものより余程豪華だった。冷蔵庫の中も自由に使って良いと言われ、玄は戸惑いながらもそれを受け入れた。何か薬を入れられるならとっくにされているだろう。罠の可能性を考え出すと、きりがない。
さらには、部屋の外にも自由に出入りしても本当に咎められなかった。廊下のある程度奥まで進むと監視人に留められ、完全に自由ではなかったが、他のいくつかの部屋も回れた。部屋から出歩くだけで、鬱屈した気分は多少晴れた。
ただ、離れ離れになった姉に対しては罪悪感を覚えた。自分だけこんな恵まれた環境にあって良いのだろうか、と。
「具合はどうだい、玄ちゃん」
「あ……レイジさん」
軟禁状態に切り替わって、三日経った。その間玄の話し相手になったのは、レイジだけだった。彼はときたま部屋に現れると、玄の話し相手になった。その気になればいつでも押し倒せただろうに、彼は決して玄に手を出そうとしなかった。この頃になると、最初の警戒は多少なりとも薄れていた。
「もしかしたら、君のお姉さんに会わせてあげられるかもしれない」
「ほ、本当ですかっ!」
「ああ。何とか交渉がまとまりそうだ」
何気なく相談したのは、姉・宥との再会だった。未だこの男に縋って良いものか不安だったが、駄目で元々、またレイジの真意を図るための玄の作戦だった。しかし思いの外上手くいった上、さらに、
「須賀京太郎君にも会えるかも知れない」
「京太郎君に……!」
今更、どんな顔をして彼に会って良いものか分からない。けれども、会いたかった。会って、抱き締めて貰って、慰めて貰いたかった。
「ありがとうございますっ」
「良いんだよ、玄ちゃんのためなら」
そう格好つけながらも、レイジは玄に手を出さなかった。献身的な彼の態度に、玄は目尻に涙を浮かべていた。気障ったらしくレイジが指でその涙を払ったが、玄は抵抗しなかった。
翌日には、姉との再会の準備は整っていた。
レイジも監視員もいない、二人きりでの再会。ただ姉と会うというだけで、玄は胸がときめいた。それほど安寧に飢えていた。
約束の時間になり、部屋の扉が、ノックされる。
「はいっ」
玄は飛び起きて扉を開いた。
現れたのは、玄と同じ阿知賀女子学院の制服を着込み、ピンクのマフラーを巻いた姉――松実宥だった。
「おねーちゃん! 良かった!」
思わず玄は、がばりと宥に抱きついていた。顔を見るだけで安心した。
しかし、ぐい、と玄の体は引き離される。他ならぬ、姉の手によって。
「お、おねーちゃ……?」
このくらいのスキンシップは日常茶飯事だった。あったかい、と喜んでくれていた。しかし今は、様子がおかしかった。
ぱん、と頬に鋭い衝撃が走る。
平手打ちを食らった、という事実を理解するのに数秒要した。そして、姉が平手打ちしたという事実を飲み込むまで、さらに数秒の時間を要した。
「おねー……ちゃん?」
「玄ちゃんの、裏切り者」
宥はただ一言そう言い残し、去って行った。止める間などなく、玄は呆然と立ち尽くしていた。一体、自分が何をしたというのか。どうして姉を怒らせたのか。理解出来なかった。偽者との京太郎との情事を見られ、勘違いされている――という理由に、中々玄は辿り着かなかった。姉に嫌われるなんて、想像だにしなかったのだから。
ベッドに腰掛け、呆けている内に数時間経った。時刻は夜の八時。
「あ……」
もう一つの約束、京太郎と会わせて貰える手筈になっていた。姉という期待が失われた今、縋る先は彼しかなかった。
部屋を出て、指定された別の部屋へと移動する。覚束ない足取りながら、確実に目的地へと向かっていた。
ぎぃ、と扉を押し開く。部屋の中は僅かな照明のみで薄暗く、スイッチを押しても反応はなかった。
「京太郎、君……?」
仕方なく、か細い声で彼を呼びながら玄は歩みを進める。ゆっくり、ゆっくりと。入口から入ってすぐの部屋は、誰もいなかった。しかし、さらに奥の部屋から人の気配が感じられた。そちらに向かって、さらに玄は進んで行く。
僅かに開かれた扉の奥から、光が漏れていた。様子を窺うように、その隙間から玄は部屋を覗き込む。
そこで見たものは、姉に拒絶されたのと同じくらいショックな光景だった。
「んっ、んっ、んっ」
「ふ、福路さん……!」
椅子に座り、恍惚の表情で陰茎を晒す須賀京太郎と。
布面積がやたらと小さなメイド服に身を包んだ、福路美穂子――彼女にはインハイでお世話になった――が、彼の陰茎をその小さな口で咥え込む姿があった。
「んじゅっ、じゅるっ、ふぅ、ろ、ろうれすかっ?」
「福路さん、良い、だめ、俺もうだめで……っ」
「いいんれすよ、いっれ……♡ んむっ♡」
びくびくとペニスが震え、白濁を吐き出す。その全てを、美穂子は口で受け止めていた。ごくり、と飲み込む様は慣れを感じる。
「京太郎君♡」
「ふ、福路さん」
美穂子はそのまま、京太郎にしなだれかかる。まるで恋人のよう――否、恋人そのままだった。がくがくと、玄の足が震える。
そのときだった。
幸福に満ち溢れた美穂子が、ちらりとこちらを見遣った――気がした。気のせいかも知れない。だが、玄が逃げ出すには充分だった。
敗北感に、裏切られたという想い。京太郎は自分を選ばなかった。あれだけ自分は京太郎に尽くそうとしていたのに。身勝手だと分かっていながら、そんな気持ちを抑えきれなかった。
「ううっ……」
涙が零れる。拭う余裕もなく、玄は駆けた。
用意された自室に戻ってくると、そこで待っていたのは、レイジだった。
「お帰り、玄ちゃん。どうだった?」
「れ、レイジ……さん……」
「――どうかしたのかい? お姉さん達とは無事に会えたんじゃないのか?」
「それ……が……」
涙を溢れさせる玄は、しゃくりあげながらレイジに語る。誰かに話さずにはいられなかった。無論、京太郎と美穂子の情事についてはぼかしたが、その内容もレイジは察してくれただろう。
「そうか……辛かったね、玄ちゃん。まさか、こんなことになるとは思わなかったんだ……ごめんよ」
「そ、そんな……レイジさんは手を尽くしてくれたのに」
「強がらなくて良いんだよ、玄ちゃん。今は泣いても良いんだ。ここには俺しかいないから」
「レイジさん……」
玄の心は、とっくの昔に折れかかっていた。支えていたのは、姉と彼への献身的な想い。その両方とも失われた今、すぐ傍で優しい言葉をかけてくれる男に縋るのは当然の帰結であった。
以前のように、京太郎の見た目に騙されたわけではない。また、強要されて醜悪な男に告白させられたわけでもない。
確かな自分の意思で、玄は想い人とは違う男の胸板に頬を寄せていた。頭上で、レイジがにやりと嗤っているとも知らずに。玄が潤んだ瞳で彼を見上げた先は、優しげに微笑んでいた。
「レイジさん……」
「玄ちゃん」
「その、私」
「何も言わなくて良い。良いんだよ」
「あ……」
抱き締められ、玄は浅い息を漏らした。苦手なタイプと思っていた男から与えられる安心感は、意外性もあり非常に大きかった。
しばらく抱き締められ、玄は頬を紅潮させる。この城に来るまでなら、すぐに振り払ったであろう。四日前の時点でも、そうしただろう。
しかし彼女は抵抗せず、レイジの抱擁を受け入れていた。この四日間で寄せ始めていた彼への信頼は確固たるものになっていた。大切な足場を二つも失った今、玄が頼れるのはもうレイジしかいなかった。胸の何処かに疑念や違和感は残っていたが、それは玄を止めるに至らなかった。それほどまでに、彼女は追い詰められていた。
そして――玄は瞳を閉じてつま先立ちになる。
レイジは彼女の望みに、たっぷり十秒以上焦らしてから答えた。まるで迷う素振りをみせるように。
「んっ……」
「んむっ」
唇と唇が、触れ合う。おぞましい思い出が玄の脳裏を過ぎるが、それ以上に甘美な味が伝わってきた。
「んうっ」
するりとレイジの舌が、玄の口を割って入ってくる。玄は抵抗せず、それを受け入れた。歯と歯茎をなぞるように、舌が這っていく。びくびく、と玄の体は震えた。すっかりディープキスには慣れたが、今までとは何かが違った。
「んちゅうっ♡ むちゅっ♡ ちゅうっ♡ んちゅうううっ♡」
ディープキスは、一気に激しいものになる。唾液が泡立ち、二人の口から漏れ出るほどであった。はしたないと自覚しながらも、玄は受け入れていた。むしろ、積極的に彼の舌に応じていた。そのくらいは、仕込まれていた。けれども、やはり今までと何かが違う。
「んちゅ♡ んちゅうっ♡ んっ♡ んっ♡ んっ♡」
キスだけで感じる、圧倒的なまでの快楽。これまでも散々気持ち良くさせられてきた。確かにレイジのキステクニックも上々だ。しかしそれだけでは説明できないほど、玄の体はたやすく昂ぶっていく。
「んちゅっ♡ んちゅっ♡ んっ♡ んちゅううぅううぅぅっ♡」
がくがくと腰を揺らしながら、玄はキスだけで絶頂を迎えた。レイジの唇が離れるが、玄は残された涎を無意識の内に啜る。他の男から陵辱されたときでさえ行わなかった行為であった。
「ふ……わぁ……♡」
恍惚の表情のまま、玄はぐったりと体を弛緩させる。レイジはお姫様だっこで玄の体を抱きかかえると、ベッドまで運ばれる。玄は一切の抵抗せず、むしろレイジに抱きついていた。
「玄ちゃん」
「レイジさん」
ベッドに腰掛けたレイジの膝の上に座らされ、髪を撫でられる。心地よかった。レイジの手が降りていき、ストッキング越しに玄の太股に触れる。
「大丈夫かい?」
「大丈夫……なのです。レイジさん、なら」
「ありがとう」
太股をなぞり、レイジの指先が阿知賀女子のミニスカートの中へと侵入する。反射的に形ばかりの抵抗を玄はするが、それは身動ぎ程度だった。下着の上から割れ目を、レイジの指先がなぞり上げた。
「ふぅっ」
「濡れてる」
「い、言わないで欲しいのです……」
「ごめんね、嬉しいんだよ。キスで、こんなに気持ち良くなってくれたんだね」
「は、はい……」
見目麗しい正統派美少女が、軽薄な男の毒牙にかかっていく。醜悪な光景だったが、玄本人は多幸感に包まれていた。苛んでいた不安と恐怖が、癒されていく。
右手で優しく割れ目を刺激しながら、レイジは背後から左手で玄の豊かな乳房へと手を伸ばした。
「んっ♡」
顎を上げ、玄は押し殺した嬌声を上げる。胸は、痴漢やアキトから散々責められた場所であり、玄の弱点の一つであった。乳首だけでなく、制服の上からでも乳房全体を包み込まれるともう駄目だった。ささやかな力でも揉み込まれると、脳髄に電流が走る。
「ぁ♡ ぁ♡ ぁ♡ あぁあぁ♡ ゃ♡ レイジさん♡ レイジさん♡ ぁ♡ ぁ♡」
そしてやはり、レイジの手は玄の性感を強烈に刺激する。陰部への愛撫もあいまり、一度達していた玄はたやすく二度目の絶頂に誘われる。
「ぁ♡ ぁ♡ ぁ♡ ぁ~~~っ♡」
「またイっちゃったのかな?」
「はぅぅ……♡」
「どうなの?」
「はっ♡ はっ♡ イ、イったのですぅ……♡ はっ♡ はっ♡」
羞恥心を煽るようにレイジが問いかけ、玄は媚びるように答える。調教の成果もあったが、レイジには偽らざる本音を口にするようになっていた。心の扉をこじ開けられ、体を責められ、魔手は深奥にまで達していた。
再び唇を唇で塞がれながら、ベッドの上へと押し倒される。玄の膂力で敵うはずもなかったし、それ以前に抵抗する素振りも見せなかった。
「んっ♡ んちゅっ♡ んっ♡ んっ♡ ちゅうっ♡」
仰向けになった玄の上に、レイジが覆い被さる。その体勢のまま、二人は熱い口づけを交わし合う。淫靡な空気が、室内を支配する。
「んちゅ♡ んんっ♡ んちゅうっ♡ ――ふ、ふ、ふぅううぅ……♡」
「キスは、気持ち良いかい?」
「は、はい……♡」
「良かった」
「ん♡」
頬を撫でられるだけで、玄は幸せそうにはにかんでしまう。レイジがほくそ笑むのに、当然玄は気付かなかった。
「れ、レイジさん……♡」
「どうしたんだい、玄ちゃん。顔が真っ赤だよ」
「そ、その……」
焦らされていると、玄は理解していた。その上で、悩んでいた。自分から求めるのは如何なものか、と。いやらしい娘と思われたらどうしよう、とレイジに対して乙女的な思考が働いていた。
「玄ちゃん。もしも俺を求めてくれるなら――俺と恋人になってくれないかい?」
「え、えっ?」
「今だけ。今夜だけでいいんだ。君に、彼がいることは理解しているから」
「それは……そうですけど……」
玄は、悩む素振りを見せた。だが、心の底では答えは決まっていたに等しい。
「でも、やっぱり――んちゅっ♡」
驚異的な精神力でそれを乗り越えようとした玄だったが、ついばむようなキスに止めを刺されていた。
「……俺だって、優しさだけで玄ちゃんを助けたわけじゃないよ。インハイで君を見たときから、ずっと玄ちゃんに憧れていたんだから」
「レイジ……さん……♡」
きゅん、と胸が疼く。玄の中で何かが終わり、何かが始まろうとしていた。ごくり、と生唾を飲み込み、目をとろんとさせながら、彼女は告げた。
「今夜……だけですよ?」
「ああ、充分だよ」
「だったら私は……レイジさんの恋人に、なるのです……♡」
「ありがとう、玄ちゃん」
「んちゅ♡」
浴びせられる接吻。玄は自ら口を開けて、舌を絡めに行った。その間に、制服をまくり上げられる。ブラのフロントホックもぱちんと外され、乳房が外気に晒された。たわわに実った胸は男達に好まれ繰り返し愛撫を受けていたが、その実美しさを保っていた。乳首もピンク色に輝いている。これにはレイジも唾を飲み込んだ。
「ぁ♡ ぁ♡ ぁ♡ ゃ♡ そ、そこっ♡ んんっ♡」
早速、レイジは指の腹で乳首を転がし始める。じわじわと広がる性感に、玄は目を瞑り口を真一文字に引き締めようとする。だが両の乳首にまで責めが広がると、もう堪えられなかった。
「ぁ♡ ぁ♡ ぁ♡ ぁっ♡ ぁっ♡ んっふ♡ そこ♡ そこ♡ そこぉっ♡」
「そこじゃわからないよ?」
「ち、乳首♡ 乳首がっ♡」
「誰の乳首がどうしたの?」
「っ♡ 玄の♡ 玄の乳首♡ レイジさんに虐められて♡ 気持ち良い♡ 気持ち良いのっ♡」
「良かった、気に入って貰えて」
「ぁ♡ ぁ♡ ぁ♡ ぁ♡ ぁ♡ ぁ♡ ダメ♡ ダメ♡ ダメなのですっ♡」
玄が喚いたところで、レイジの愛撫は止まらない。玄も止まる事を望んでいない。恋人の手を、振り払う必要はどこにもなかった。
「ぁ♡ ぁ♡ ぁ♡ イク♡ イク♡ イっちゃう♡」
「イク時は、『玄イっちゃう』って言うんだよ」
「は、はいっ♡」
その調教は、他ならぬレイジから姉が受けたものと同じだった。そうとは露知らず、玄は素直に頷いていた。もっとも、快楽によって前後不覚の状態ではあった。
「イク♡ イクっ♡ 玄、イクの♡ 玄イっちゃうぅうっ♡」
がくがくと顎を揺らしながら、三度目の絶頂へと導かれる。これまで他の男達より味わわされたエクスタシーよりもさらに深く、甘美な味だった。
「はーっ♡ はーっ♡ はーっ♡ はーっ♡ はーっ♡」
ようやく意識を取り戻した時には、玄は荒々しい息を吐くばかりであった。耐えきれるわけがなかった。目尻には涙さえ溜めている。レイジは優しく微笑みながら、しかし、決して責めの手を緩めない。するすると玄のパンツを太股まで下ろしてしまう。半裸状態になっても、玄はしばらく自分の状況に気付かなかった。
ミニスカートの中に、レイジは顔を突っ込んでいく。
「ふぁっ? んっ♡ ん♡ そこ、はっ♡ ぁ♡ ぁ、ぁ、ぁ♡ ぁ、ぁ、ぁ、ぁ、ぁ♡」
レイジの舌が、玄の秘所を這いずり回る。おぞましいはずの感覚は、快楽となって玄に襲いかかった。
「やぁっ♡ ぁ♡ ぁ♡ ぁ♡ やめっ♡ やめ、やめ♡ ダメ、レイジさん♡ やめてっ♡ そこは、ダメぇっ♡」
「どうしてだい? とっても気持ち良いんだろう?」
「だ、だって……」
その時ばかりは、玄はレイジから視線を逸らし、恥ずかしげに言った。
「私、汚れちゃってるから……」
「玄ちゃんは綺麗だよ」
「え……」
「汚れてなんかいないよ。俺の玄ちゃんは、綺麗なままだ」
「レイジ、さん……♡」
自分の欲しい言葉を的確にくれる。それに、玄はますます縋り付き、のめり込んでいく。レイジの言葉と愛撫は、まるで麻薬のようだった。
「んっ♡ んうっ♡ んっ♡ ぁ♡ ぁ♡ ぁ♡ んっ♡ んっ♡ んううううぅっ♡ イク♡ 玄イク♡ またイっちゃうっ♡ 玄イクぅうぅ♡」
再開されたクンニリングスによって、玄はあっさりとイかされる。最早、彼女に抵抗する術は残されていなかった。
玄が絶頂の余韻に浸っている間に、レイジは自らのペニスを露わにしていた。凶悪な形に勃起したそれを、玄はどこかうっとりとした様子で見つめていた。靄がかかった視界の中でも、レイジのペニスだけはしっかりと見えていたのだ。
「れ、レイジ、さん、それ……♡」
「挿入れるよ、玄ちゃん」
「あ……♡」
秘所の入り口に、レイジの亀頭が宛がわれる。伝わってくる熱だけで、玄はイってしまいそうだった。止めるという発想もなく、心も体も彼を受け入れていた。
「来て……♡」
「ああ」
「んぅっ♡」
ついにずぶり、と突き刺される。処女を失っていた事を申し訳なく思いながら、玄は彼のペニスを味わっていた。
「あ……は……っ♡」
「奥まで飲み込めたね、偉いよ」
そして、完全に竿が挿入ってしまう。
(なに、これぇっ……♡)
玄は戸惑った。これまでの男とは違う。偽京太郎の痴漢とも、あの醜悪なアキトとも違う。彼らも確かに強烈な快楽を与えてくれたが、レイジはさらに一線を画していた。
「さっきから思ってたけど」
「え……?」
「俺と玄ちゃんは、とても相性が良いみたいだね。きっと俺達は、こうして愛し合うために生まれてきたんだよ」
「わ、私と、レイジさんが……?」
「そうだよ。俺の玄ちゃん」
「ふぁっ♡」
膣奥を突かれ、玄は軽くイってしまった。最高の相性、その言葉を一瞬で理解させられてしまった。
「ほら、どうだい?」
「ぁ♡ ぁ♡ ぁ♡ あ♡ あ♡ あ♡ あ♡ やあ♡ イく♡ イくイくイく♡ 玄イくぅっ♡」
玄が気をやっても、レイジは容赦しなかった。突くのを止めず、玄は次々と襲いかかってくる快楽と戦わなくてはならなかった。断続的に続く絶頂地獄に、玄は早々に白旗を上げていたが、それは免罪符になり得なかった。
「すご♡ すごぉっ♡ レイジさん♡ レイジさん♡」
「気持ち良くなって貰えて嬉しいよ、玄ちゃん」
「ひゃい♡ ありがとう♡ ありがとうございますぅう♡ 玄、またイっちゃいます♡ あ♡ あ♡ あ♡ あ♡ あ♡ あ♡ あ♡ あ♡ もうダメ♡ 玄イくっ♡」
「俺もそろそろ一発出すよっ」
「キて♡ レイジさんなら♡ レイジさんなら♡ 出してくれて♡ 嬉しいのですっ♡」
「出すぞ、玄ちゃん!」
「あ♡ あ♡ あ♡ あ♡ やあっ♡ あぅうううっ♡」
熱い精液が、注ぎ込まれる。これまでの男達相手なら、恐怖を覚えていた。しかし今の玄は、純粋に喜びしかなかった。恋人の精液を受け止める事ができるのだ、幸せ以外の感情があるのだろうか、とさえ思っていた。
「はーっ♡ はーっ♡ はーっ♡」
「良かったよ、玄ちゃん」
「はぅっ♡」
ペニスが引き抜かれ、玄は眉根を寄せる。息を整える暇もなかった。荒々しく扱われても、むしろ悦楽に転じていた。白濁に染まり、鈴口からなおも液を吐き出し続けるペニスを見て、玄は必死になって体を起こした。
「玄ちゃん?」
「あむっ」
そして、そのペニスを咥え込む。他の男達に教えられた通りに、お掃除フェラを開始した。陰嚢を大事に掌で支え、自らの愛液と精液で染まった竿に舌を這わせ、亀頭の先端にキスをする。美少女の口奉仕に、レイジは頬を緩ませる。
「良いよ、良い……最高だよ、玄ちゃん」
「ほう、れすかぁっ♡ んむっ♡ んちゅうっ♡」
「胸も使ってくれないかな?」
「わかり、まひたあっ♡」
パイズリも経験させられている。しかし強制されてやるのでは決してできない、愛のある乳房奉仕だった。レイジの長大なペニスを挟み込み、竿をしごきながら亀頭を丸呑みにする。インハイにも出場した美少女女子高生雀士にさせるパイズリフェラは、レイジを満足させるのに充分だった。
「またイくよ、玄ちゃん。受け止めて」
「んっふっ♡ ふぅ♡ ひゃ、ひゃいっ♡ ん、ううぅっ?」
二発目の射精も、豪快だった。たまらず玄は口で受け止めきれず、顔にかかってしまう。レイジの指示に逆らえなかった。今まで男達の言うとおりにできなかったら、散々怒られてきた玄にとって、恐怖の出来事である。しかしレイジは優しく、玄の頭をぽんと叩いた。
「ごめんね、無理言って。ありがとう、気持ち良かったよ」
「あ……」
また、胸がきゅんとなる。この人のために、もっと何かしてあげたいと、真実の恋人のように、京太郎にそう想っていたように、玄は望んでしまう。
「レイジさん、まだ、元気ですよね……?」
「まあ、そうだけど、玄ちゃんは――」
「私なら、大丈夫ですから……だから、今度は」
私が動きます、と玄はか細い声で言った。レイジはにこりと笑い、
「お言葉に甘えるよ」
と言って、ベッドの上に寝転がった。二度果てて萎れていたはずのペニスは、あっという間に勃起していた。
「ん……っ♡」
玄が、彼の腰の上にまたがる。自ら指で入口を広げると、ペニスに向かって腰を降ろした。
「ひゃんっ♡」
「大丈夫かい、玄ちゃん。一気にだなんて、辛いだろう」
「大丈夫、なのです……♡ レイジさんの、モノだから……♡」
「玄ちゃんは、可愛いね」
レイジに褒められて、玄は顔を真っ赤にする。逃げるように、騎乗位で彼女は腰を振り始めた。
「お、お、おお……良いよ、玄ちゃん」
「あ♡ あ♡ あ♡ あ♡ 良かった♡ あ♡ あ♡ あ♡ あっ♡」
巨乳が揺れ、愛液が飛び散り、お尻が弾む。見ているだけで男を満足させてしまう艶姿を、玄はただレイジのために披露する。ずっと想い続けていた彼ではなく、レイジのために。レイジこそが一番だと、言わんばかりに。
「レイジさん♡ レイジさん♡ レイジさん♡」
「良いよ、玄ちゃん。君は実に良い」
「ありがとうございますぅ♡ レイジさんも♡ レイジさんも良い♡」
「そこは良いじゃなくて――」
レイジの囁き声に、腰を振りながら玄はうん、と頷いた。レイジの厚い胸板に突いた両手に、熱がこもる。
「好き♡」
彼女は、レイジに向かってそう言った。
「好き♡ レイジさん♡ 好き♡ 好き好き♡ 玄は♡ レイジさんにめろめろなのです♡」
「ふふ、嬉しいよ玄……」
「やぁっ♡」
下から突かれ、玄は顎を反らす。もうダメだった。
「イく♡ イくイくイく♡ 玄♡ レイジさんに♡ レイジさんにイかされる♡」
「ほら、良いんだよ。イっちゃえよ」
「イきます♡ 玄、イくううううっ♡」
騎乗位で果て、その場にお尻を突き出しひれ伏す玄。ペニスは当然突き刺さったままだ。もう動けない彼女を見かねて、今度はレイジが繋がったまま玄を押し倒す。
「あふっ♡ ふぅっ♡ まだ♡ まだっ?」
「今日一晩は、玄ちゃんは俺の恋人だからね。ずっと、付き合って貰うよ」
「ふうぅううっ♡ う、ふうっ♡ や♡ あ♡ あ♡ あ♡ あ♡ ふうっ♡」
喘ぎと熱い息が、いつまでも玄の口から漏れ出ていく。
玄とレイジの愛のあるセックスは、まだまだ終わらなかった。そしてその光景を、見る者がまた別にいた。
玄の姉、松実宥であった。