麻雀天使堕天計画 作:クラリス
その日は、男子の麻雀大会が行われる日だった。清澄高校からは、京太郎だけが出場することになっていた。
「京極君も参加すれば良かったのに」
「大会には興味ないんだよ」
「貴方も強いのに、勿体ない」
部長である竹井久と、もう一人の男子部員、京極が軽口をたたき合っている。その様を、和は浮かない顔で見つめていた。京極の悪辣な正体を、自分以外誰も知らない。しかしそれを告発する勇気を、和は持ち得なかった。
「それじゃ、いっちょかましてくるぜ!」
「頑張ってね、京ちゃん」
「情けないところを見せるんじゃんないじぇ!」
咲達の声援を受けて笑う京太郎に、翳りはない。本当に彼は、あんな不良染みた行為に手を染めたのだろうか。真実を確かめようとすれば、京極との事を話さねばならない。それに、京極から脅迫も受けている。分からない。しかし、
「行ってくるぜ、和」
「……っ、は、はいっ。頑張って下さいね!」
「ああ、応援頼むな」
彼を想う気持ちに変わりはなかった。やはり、彼が好きだ。彼を信じたい。二人は見詰め合い、彼女達だけの世界を作り出す。
「相変わらず熱いわねー。そんなにうっとりしてたら須賀君がいつまでも行けないじゃない」
「も、もうっ! 止めて下さい部長!」
久にからかわれ、和は赤面しながらそっぽを向く。
「じゃ、今度こそ行ってくるぜ! 見ててくれよな!」
「はい!」
今度こそ京太郎は、拳を掲げて試合会場に向かっていった。笑顔で彼を送り出す和であったが、ぽん、と彼女の肩を叩く手があった。
「……!」
「ご機嫌な所悪いけどよ」
「きょ、京極先輩……」
「少し、相手してくれよ」
耳元で囁く声に、怖気が走る。だが、和に彼を拒絶する手段はなかった。
△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽
恋人が大会で牌を握っている間、同じ大会会場の男子トイレ。選手も観客も大会に夢中になっているこの時間帯、会場の隅にあるこのトイレにほとんど人通りはない。
しかし今、その一番奥の個室の扉だけは、固く閉ざされていた。
「ん、ちゅ……ふ、ぅ……、ちゅ……」
洋式便座に座るのは、京極。その彼の膝の上に、対面する形で桃尻を載せているのは原村和だった。無理な体勢のため、清澄高校の制服のスカートはめくれ尻と下着が見えてしまっている。しかしながら、今の彼女はそんなことを気にしている余裕はなかった。
「ちゅ……ん、れろっ……んちゅ、はぅ、こ、こんなところで……」
両腕を京極の首に回し、交わすのは熱いヴェーゼ。頬を真っ赤にしながら、目前にある端正な京極の顔立ちから目を逸らしつつ、しかし舌と舌は絡み合う。
「こんなところだから良いんだろ? どうだ、恋人が戦ってる最中、近くで他の男と浮気する気分は?」
「っ、い、言わないで、ください……っ、んん、ちゅ……っ♡」
このためだけに、京極はこの場に着いてきたのだ。あまりにも卑劣なやり方に憤りを覚える和だったが、彼に逆らうことは許されない。言われたとおり密着して巨乳を押し付けながら、狭い密室でただただ愛し合う恋人の如く振る舞うしかなかった。
「ちゅ……っ♡ れろ、ん、あむ……っ♡ ん、うぅっ♡ ……んは……っ♡」
唇が離れる度、二人の口の間に唾液の橋がかかる。ずるずると、和はそれを飲み込んでいく。初めて犯された日、教え込まれた作法だった。あれから本番はしていないが、学校でも人影のないところでのボディタッチや接吻、愛撫は続いていた。京極から淫乱と罵られる和の肉体は、事実他人より感じやすい体質であった。この日まで、和は常時発情させられていたようなものだった。
「随分素直になってきたな。俺とするのがそんなに良いのか?」
「だ、誰がっ。貴方なんかと!」
「おいおい、あんまり大声出すなよ。いくら人通りが少ないって言っても、この会場には大勢の人が押しかけてるんだ。男子トイレに女子が入ってるなんて状況、バレたらすぐに噂が広がるぜ?」
ぐっと、和は声を詰まらせる。正論だった。機械的に物事を考える和は素直に反省し、声を潜める。まるで、浮気現場を秘匿する女のようだった。
「う、うう……は、早く終わらせて下さい、私は須賀君の応援に行かなくてはならないんですから……」
「それはお前の心がけ次第だよ。俺を満足させるように努力してみろや」
相変わらず、京極の要求は厳しい。和に、自分で考えて媚びを売らせようとする。彼を愉しませる解答でなければ、いつまで経ってもこの恥獄は終わらないだろう。
キスを一旦中断し、僅かに和は体を起こす。無論、それでも真正面には京極の顔がある。あまり見詰めていると、どきどきしてしまうのは何故だろうか。考えすぎてはいけない疑問だと振り切って、今は京極の要求に応えることを優先する。
京極の首に回していた腕を解き、セーラー服の裾を抓み取る。乳房による引っかかりを覚えながらも、和はセーラー服をまくり上げた。
「へぇ、俺のプレゼント気に入ってくれたみたいだな。ちゃんと着てくるなんて偉いぞ」
「せ、先輩が着けろって言ったからです……っ」
冷たい空気に晒された白い肌と薄紫のブラジャー。しかし、そのブラは、和の美巨乳を全て隠し切ってはいなかった。ニップルの部分だけが、ハートマークに切り抜かれている。先日、京極から押し付けられたものだった。おかげで、ピンク色の乳首がはっきりと見られてしまっている。
「だからって、彼氏の応援の場に着けてくるとはな。期待してたのか?」
「ち、違います……っ」
「乳首も立派に勃起しちまってるぞ。そんなに俺とのキスが良かったのか?」
「で、ですから違います……っ!」
叫び出したくなる気持ちを抑え、小声で必死に否定する。赤面を通り越し、頭から湯気が出る勢い。だが、当然ここでこの羞恥の時間が終わるわけがない。にやにや笑いを浮かべながら黙り込む京極。彼の卑劣な要求は留まることを知らない。一度和は悲しげに目を伏せるが、観念したかのように京極へと熱い視線を送る。そして、自らの大きな乳房を下から掬い上げた。ゆさり、と重量感たっぷりに巨乳が揺れた。
「京極、先輩……っ、私の、いやらしい、む、胸を、一杯可愛がって、下さい……っ」
ごめんなさい須賀君、と何度も心の中で詫びながら、京極に媚びていく。だが、自分でも不思議なほどに言葉がするすると出てきてしまう。
「ほ、本当は……っ、須賀君の、須賀君だけしか触ってはいけない私の胸……っ、京極先輩に、触って、欲しいんです……っ♡ 先輩の、優しい手で……っ♡ 口で……っ♡ 可愛がって、下さいぃっ♡」
「どうして俺にしてもらいたいんだ? 須賀にやって貰えば良いだろう?」
「そ、それは……っ、そ、その……先輩の、ほうが……」
「うん?」
「先輩のほうが、気持ち良くしてくれる、からです……っ」
「ははっ、下手くそなんだな須賀は。まあ、可愛い後輩のために一肌脱いでやりますか」
「ゃんっ♡」
存在を主張するニップルを人差し指で突かれた瞬間、和は顎を跳ね上げた。にやりと京極は嗤い、こりこりと右の乳首を弄り始める。さらには左の乳首を、口に含んでしまう。ざらついた、煙草臭い舌で乳輪をなぞられ、乳首を吸われる。脳髄を走る甘美な刺激は、和を狂わせていく。もっともっととねだるように、無意識の内に胸を押し付けていた。
「ふ、うっ♡ ん、うっ♡ そこっ♡ ぁんっ♡ 乳首♡ だめ♡ だめなんです♡ 弱いんです♡」
「はあ……! 相変わらず美味いぞ、お前の胸は。揉み応えもばっちりだしなあ」
「あうぅっ♡ ま、またぐにゅってぇ♡」
京極の大きな手で、淫靡なブラごと乳房の形を歪められる。なおも成長を続けている彼女の巨乳が好きでもない男に弄ばれ、しかし体は昂ぶっていく。
膣から蜜が溢れ出し、ショーツを汚してしまっているのを和は自覚する。しかし京極の膝の上からは逃れられるわけもなく、勃起した彼のペニスを太股に押し当てられてしまう。
「……っ♡」
その熱だけで、和はどきどきと心臓を高鳴らせる。あれを受け入れたとき、痛みはあった。しかしその後に与えられためくるめく快感は、今も忘れられない。京極にも京太郎にも言えないが、あの経験を元に自慰までしてしまった。行為中でさえ自己嫌悪と後悔に苛まれたが、それでも指を止められなかった。
「したいか?」
「っ♡」
胸を揉みながら、まるで和の心中を読んだかのように京極が訊ねてくる。和は顔を背けて、一拍の間の後、首を横に振った。嘘を吐いているのは、誰の目にも明白だった。
「正直になれよ」
「んうっ♡ だ、だめですっ♡ そこっ♡」
太股から股の間にかけて、掌でさすられる。さらに指先が下着にかかり、膣の襞を引っ張られ、入口を開かれる。じゅわり、と膣が溢れ出す。
「こっちの口はもうやる気満々じゃないか」
「ち、ちが……っ♡」
「ほら、ちゃんと上の口も正直にならないとなあ?」
「う、うぅ……っ」
京極を満足させなければならない、だからこれは仕方ないことだ――そう自分に言い訳しながら、和はごくりと生唾を飲み込み、京極へと語りかける。
「京極先輩……♡ も、もう、我慢、できないんです……っ♡ 疼いて、疼いて仕方ないんです……っ♡ も、もう一度……っ♡ 私の、えっちなあそこに、先輩のペニスを、入れて、下さいぃ……っ♡」
いつこんなおねだりを覚えたのか、やはり和自身疑問であった。しかし言葉と愛液は止めどなく溢れていく。
「私のセカンドヴァージンも、京極先輩に差し上げます……っ♡ ですから……っ♡ ずぼずぼって……っ♡ 下から、突いて……っ♡ 私の中に、熱い精液、注いで下さい……っ♡ 一杯、一杯、浮気セックス、して下さい……っ♡」
「良いぜ、原村。ほら、好きにしていいぞ」
「は、はい……」
京極に促されて、一度和は腰を浮かせる。それから京極のズボンのジッパーを下ろす。現れるのは、トランクスの隙間からそそり立つ巨根だった。和の中に芽生えるのは、恐怖と期待感。無自覚な発情した雌顔を晒しながら、和は暫く立ち尽くした。
「ほら、入れて良いぞ」
「っ♡」
「したかったんだろ? あれだけおねだりしたんだもんなあ」
あくまで京極が許可を出す立場。観念した和は目を瞑り、ゆっくりと頷いて、ぐしょぐしょに濡れたショーツを脱ぎ捨てる。そして再び、京極の膝の上に跨がっていく。だが、今度は自分の指で膣の入り口を開き、そこへペニスを宛がって腰を降ろす。
「ん、ん、んうぅうぅっ♡」
「おお……」
このときばかりは、京極も恍惚とした表情を浮かべる。一方和は苦悶の顔を作っていた。一度受け入れているとは言え、まだまだ中は未開発。京極の巨根は容易に飲み込めない。それでも和は、全てをかなぐり捨てて腰を降ろしていった。
「ふ……うぅうっ♡」
そして、再び京極と一つになる和。恋人の京太郎を差し置いて、二度目のセックスも京極が相手となった。
苦しみと湧き出てくる快楽から逃れるように、和は京極の背中に腕を回す。完全に対面座位の形となった。
密室の公衆トイレの中、二人は本物の恋人同士のようであった。
「ん……う、ふ、ぅ……っ♡ こ、れぇ……っ♡」
「どうだ? 俺のペニスは?」
「す、凄く硬くて……♡ 熱い、です……♡」
「そりゃ良かったぜ――っとぉっ」
「んううっ♡」
腰を少し揺すられただけで、必死に引き結んでいた唇が綻んでしまう。肉棒による圧迫感だけではなく、肉体の内部を直接責める身を焦がすような刺激に、和は耐えられなかった。初めての時よりも、ずっとこなれてしまっている。京極のペニスを、肉体が受け入れる体勢を作ってしまっている。
「はーっ♡ はーっ♡ はーっ♡ はーっ♡」
しかし、そこから京極はぴくりとも動かなくなる。繋がったまま、じわじわと愛液だけが零れていく。和は京極の背中を強く掴んだまま、荒い息を吐く。目を合わせたくない、そう思いながらも和はちらりと京極の顔を窺う。彼の醜悪な笑みを見た瞬間、指示されなくても和は自分がすべきことを察する。
「先輩……っ♡ お、お願いです……っ♡ う、動いて、下さい……♡」
か細い声で、和ははしたない希望を口にする。自分から動こうにも、京極の手はがっしりと和の腰を掴んで固定してしまっている。
「私の奥をっ♡ 先輩の、おちんぽで……♡ ずん、ずんって、突いて、欲しいんです……♡ 突いて、突いて、気持ち良くして、欲しいんです……っ♡」
「気持ち良くして欲しいなら須賀に頼めば良いのによ」
「っ、せ、先輩が良いんですっ♡ 先輩とのこれがっ♡ 浮気セックスがっ♡ 気持ち良いんですっ♡」
「やっぱり淫乱だな、原村は。――そらよ」
「んううううっ♡」
ぐい、と腰を強く突き上げられ、和は思わず高い声を上げる。耐えられる衝撃ではなかった。快楽が苦痛を上書きしていく。さらに京極は、これまでの静かな状態から一転、連続で腰を動かし始めた。
「あうっ♡ んうっ♡ はうっ♡ だめっ♡ だめですっ♡ これっ♡ これっ♡」
ぐちゅぐちゅという水音と共に、和の断続的な嬌声が上がる。歓喜の涙をぽろぽろ流しながら、めくるめく快感に思考能力も奪われ和は喘ぐしかなかった。心だけは折れないようにと、和は京太郎の顔を必死に思い浮かべる。だが、ペニスで膣奥を突かれる度に彼の輪郭がぼやけていってしまう。
(だめ、須賀君、須賀君、須賀君……っ)
彼の名前を必死に心の中で呼ぶ。
「んううっ♡ 京極先輩っ♡ 先輩っ♡ 先輩……っ♡ すご、先輩ぃ……っ♡」
しかし肉体的に縋り付く相手は、卑劣な先輩、京極である。小さな声ながらも、目の前の男の名前を呼び続ける。正に、愛し合う者同士の性交のようであった。
(助けて下さい、須賀君……!)
祈るような想いが通じたのか――ぎぃ、とトイレの扉が開かれる音が聞こえてきた。はっと、和は自らの口を閉じる。京極も、ぴたりと腰の動きを止めた。
中に入ってくる足音を聞いて、和はどきりとする。聞き覚えがあった。毎日毎日聞いている、大好きな人の足音。そんなまさか、有り得ない、という気持ちが芽生えるも、
「よーし、良い調子だ」
「――!」
呟き声を、聞き間違えるはずがなかった。
和の恋人、須賀京太郎その人だった。
「このまま優勝まで一直線だ」
「おいおい、まだまだここからだぞ」
別の男の声も聞こえてくる。こちらは知らない声だった。おそらく、京太郎と同じ大会に出場している選手で彼と知り合いなのだろう。友人同士で連れたってトイレに来たというところか――しかしよりにもよって、こんなときに、この場所だなんて、と和は顔面蒼白になる。何せ、薄い板一枚挟んで、恋人を裏切り他の男とセックスしているのだから。
「だけど須賀は最近強くなったよな。やっぱり彼女の力か?」
「うっ、からかうなよ。まあ、確かに和には世話になってるけど」
「からかうくらい良いだろ。麻雀は強くて可愛くて良い体してる子中々いないのによ」
何気ない男同士の会話が、和の心を苛む。しかし真の受難は、ここからだった。
「――ゃぅっ♡」
再び、突然京極が腰を揺らしてくる。ぎりぎりのところで口を閉じたが、僅かに喘ぎが漏れ出てしまった。京極がにやり、とこれまでで一番非道な笑みを浮かべていた。ぎり、と和は奥歯を噛む。
「はっはっは。羨ましいだろ」
「当たり前だろ、こんちくしょうが」
気付かれただろうか、と和は焦るが、どうやら杞憂だったらしい。京太郎達は談笑を続けていた。ほっと安堵の息を漏らしそうになるが、ここで京極がさらに責め立ててくる。再び腰を突き上げ始めたのだ。
(こ、この人……っ!)
止めて下さい、と声を上げて憤る事もできない。言ったところで、「自分から頼んだ癖に」と詰られるのが落ちであろう。
何よりこの状態を、京太郎にバレるわけにはいかなかった。しかし突かれる度に、嬌声が溢れそうになる。京極の背中に回した手で自らの口を塞ぎたかったが、京極側からもがっしり抱き締められ、自由に腕を動かせない。塞ぎようがなかった。
顎の力が、快楽に負けるのは時間の問題だった。
「……っ、んちゅっ♡」
和に残された手段は、自ら京極にキスすることで口を塞ぐことだけだった。自分の意思で彼に口付けるなど、通常望むわけもない。だが、もうどうしようもなかった。にたりと笑う京極に憤りを覚えながらも、吸い付かれた唇は離れない。
「……ちゅ♡ ん、ちゅ……♡ れろ……♡ むふ……♡ ちゅぅ……♡」
唾液と舌が混じり合う音は避けられないが、喘ぎを聞かせるよりもマシだった。後はもう、京太郎が気付かない事を祈るしかない。
幸いにも、京太郎達は会話に夢中のようだった。
「で、原村さんとはどこまでいったんだ? もうヤったのか?」
「ばか、まだだよ」
「えー、信じられねー。あんな体目の前にして我慢できるのかよ」
「和は責任取れない事は嫌いなんだよ。それに俺も、まずは和に相応しい男にならないとな」
京太郎の言葉に、和の心はずきりと痛む。今正に、自分は他の男とキスしながらセックスまでしているのだ。
「へえ、立派な事言うじゃないか。じゃあ何だ、原村さんはまだ処女ってわけか」
「お前、彼氏の前でそういう事言うのかよ」
「良いじゃねーか、なあ? そうなんだろ。原村さんが恋人でもない男とヤるわけないだろうし」
「ま、まあ、そうだけど」
「いつか抱く時が楽しみだな。きっと初心な反応見せてくれるぞー」
「やめろっての」
ずきり、と和の心は抉られ痛む。その初めての時は、もう永遠に来ない。
「今日も応援に来てくれてるんだろ?」
「ああ。ずっと見てくれてるはずなんだぜ、良いだろ」
「かー、羨ましいっての」
応援は、出来ていない。応援もせず、ここで京極と愛し合っていた。さらに和の心は傷に塗れていく。
京太郎達は軽口を叩き合いながら、トイレを出て行った。
「んちゅっ♡ ちゅううっ♡ ちゅう……っ♡」
彼らの足音が遠ざかり、聞こえなくなるまで和は京極との接吻を続けた。気付かない内に京極の腰振りが止まっており、声を押し殺す理由もなくなっていたが、和は唇を重ねていた。まるで、痛んだ心を癒すように。
「ん――ちゅう、ふはう……っ♡」
ようやく唇が離れる。どこかうっとりとした様子で、愛らしく和は首を傾げる。
「す、須賀君、気付いていましたか……?」
「大丈夫だ、全く気付いてなかったさ、安心しろよ」
「はぅ……♡」
髪を撫でられ、和は熱い息を吐く。京極の手はそのまま、半裸状態の和の胸を撫でる。
「んうぅっ♡」
「お前が処女って思い込んでいる辺り哀れだよな、須賀も。初心な反応はもう見られないだろうに」
「そ、そんなこと、言わないで、下さい……♡ ふ、ぅ……っ♡」
「折角大会に着いてきたのに、応援もせずにこんなところで俺と火遊びしてるしなあ」
「だから、言わないで、え……っ♡」
「相応しい男になるって言ってるが、お前みたいな淫乱に相応しいってのも考え物だよなあ。あんなに熱っぽく自分からキスしてきてよお」
京極の言葉責めに、和は反論できない。しかし体は、まるで虐められて悦ぶように反応していた。ペニスを挿入された膣が、きゅんきゅん鳴いている。
「どうやら休憩時間も終わったみたいだし、再開と行くか」
「ふ――ぅえっ♡ あんっ♡」
下からの腰突きが、再始動する。堪える必要がなくなった和は、これまでよりも一際高い嬌声を上げた。
「んうっ♡ ゃんっ♡ これっ♡ これっ♡ だめなんですっ♡ 私っ♡ これだめなんですっ♡」
「良いんだろ、浮気セックスが……! 恋人の応援せずにトイレで他の男と楽しんでる淫乱が……!」
「ちがいっ♡ 違いますっ♡ 私はっ♡ 須賀君をっ♡ 須賀君をっ♡ 応――あうぅっ♡ そこっ♡ そこっ♡」
「処女も捧げちまってよ、残念だろうなあ、須賀はっ」
「それはっ♡ それは貴方がっ♡ あうっ♡ んうっ♡ ううぅっ♡ だめっ♡ これっ♡ これっ♡」
ぴちゃぴちゃと、太股を伝って愛液がこぼれ落ちていく。顎をがくがくと揺らし、軽い絶頂を繰り返している。彼女の象徴足る巨乳は、京極の手によってすくい取られるように揉まれ、淫らに形を変えていく。油断すれば唇を奪われ、感じやすい部分は全て責められていた。
対面座位で繋がったまま、和は最大限までに昂ぶっていく。感じた経験のない領域。京太郎に愛撫された時よりも、彼を想って自慰した時よりも、先日京極に犯された時よりも、感じ入っていた。
「ふあっ♡ んうっ♡ んあっ♡ だめですっ♡ 私もうっ♡ だめなんですっ♡」
「イくのか? イっちまうのか?」
「はいっ♡ はいっ♡ 先輩も♡ 先輩のペニスもっ♡ 大きくっ♡ 大きくなってますっ♡」
「ああ……俺もイくぜ。このまま射精させてもらうぞ」
「そ、それはあっ♡ だめ、だめぇっ♡」
膣内射精の恐怖に脅かされる和だったが、当然京極を引きはがせない。引き剥がしに懸かる事さえ、しなかった。
「今よりもっと気持ち良くなれるから、受け入れろ」
「やっ♡ やっ♡ いやっ♡ んうっ♡ ~~~っ♡ あっ♡ あっ♡ あっ♡ あーっ♡ あーっ♡」
「ほら、イくぞ――!」
「んうううぅ~~~っ♡ イきます♡ 私も♡ 先輩に♡ 先輩にイかされちゃいますうっ♡ イくっ♡ イくイくイく♡ イくぅぅうっ♡」
長い髪を振り乱し、ここが公衆トイレと言う事も忘れ、和は激しく気をやった。京極のペニスから注ぎ込まれる精液を膣内で受けながら、その熱にうなされる。びくびくと体は痙攣し、かつてない幸福感に包まれていた。
「は……うぅ……っ♡」
「おっと」
体から力が失われ、がっくりと和は項垂れ京極に体を預ける。なおも京極は和の体をまさぐりつつ、彼女の耳元で囁いた。
「良かったか、原村」
「う……ぅ……♡」
「先輩の質問にはちゃんと答えないとな」
「んっ♡」
乳首を抓られ、促される。当然ながら、京極の望むように。
「良かった、です……♡ 先輩との浮気セックス、須賀君に隠れてするセックス、とっても素敵でした……♡」
「くくく、これからもたっぷりしてやるからな」
「あぅう……♡」
膣内で、京極のペニスがむくむく大きくなっていく。和はそれを感じながら、無自覚に緩んだ表情を作るのだった。
△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽
京極に性行為を強要されるようになってから、一週間が経とうとしていた。どうしても感じてしまう自分を恥じ入りながら、和は現状の打開策を探していた。おそらく一人では、彼に太刀打ちできない。かといって、京太郎にも相談できない。
事情に理解があり、一番頼りになる人物と言えば、一人しかいなかった。
麻雀部部長の、竹井久である。
昼休みになって、和は彼女の教室を訪ねた。生憎彼女は不在であったが、和は諦めきれずに彼女を探して校内をさまよう。
その甲斐あってか、人気の少ない校舎裏で久を見つける事ができた。
だが、その状況は和にとって衝撃的だった。
「ちゅぱ、ん、じゅる、じゅるるっ」
「ああ、良いぞ、竹井……」
コンクリートの上で久は膝立ちになり、男子生徒の股間に顔を埋めている。そのペニスを咥え込み、淫靡に顔を歪めているのは明白だった。
そしてその男子生徒というのが、何を隠そう京極であった。京極を相手に、敬愛する部長の竹井久がフェラチオしている。しかも、こんな学校で。和は校舎の影に隠れて、二人の様子を窺う。
「ちゅるうっ♡ ん、はむうっ♡ れろ、ん、うぅ……っ♡ ――ぷはっ。もう、大きすぎよ、京極君……顎が疲れちゃうわ」
「仕方ないだろ。それに、お前も大きい方が嬉しいだろ?」
「こ、答えにくい質問は止めてよね」
「俺とお前の仲じゃないか。今更だろ」
「あんっ♡」
京極に腕を取られ立ち上がらされた久。京極は久のスカートの中に手を突っ込むと、黒タイツの上から彼女の秘所を愛撫し始めた。
「や、やだっ♡」
「お前のここは喜んでるぜ。何だ、舐めてて濡れたのか。ビッチだなあ」
「んっ♡ ふ、ぅ――♡ やあ、んっ♡ だ、だって、京極君が上手過ぎるんだもの……っ♡ そ、それに……あそこも、おっきいし」
「やっぱり大きくて嬉しいんじゃないか」
「んんうっ♡」
和と比べて小振りながらも、しっかりと育ち形の良い乳房をセーラー服の上から、京極の手が揉み込んでいく。こんな場所だというのに、あんな男相手だというのに、久は嬉しそうに嬌声を上げた。
「制服の上からっ♡ 乳首♡ 抓むの上手なんだからぁ……っ♡」
「わざとノーブラで来た癖に、何言ってんだよ」
「だ、だって、京極君が抱いてくれるって言ってくれたからっ♡」
「はは、朝から期待してたのかよ」
「私だってお昼から相手してくれるとは思ってなかったわよ? もう、我慢できないの……ねっ♡」
あの不敵な久が、その仮面をかなぐり捨てて、完全に媚びを売ってしまっている。麻雀の打ち筋は理解できなかったが、和は久を人間として尊敬していたし、同じ女として憧れてもいた。そんな頼りになる彼女は、既にこの男に手折られていた――この状況は、和の心を絶望に追いやるには充分あった。しかし、和の内心をよそに、二人の行為はさらにエスカレートしていく。
久は校舎の壁に追いやられ、両の掌を突っ張る形で背後の京極へ向けてお尻を突き出す。京極はロングスカートを捲り上げ、黒タイツを破って紫色のショーツをずらし、濡れそぼった秘所を露わにさせる。
(そんな……!)
和は悲鳴を上げそうになったが、押し殺す。彼女の憂慮をよそに、京極はそのペニスを久の中へと沈めていく。
「入っ……てきたぁ……♡」
規格外の京極のペニスによって、後背位で貫かれる久。和の経験からすれば苦悶の表情を浮かべるであろうが、久は涎を垂らしながら明確に喜んでいた。
「やっぱり、京極君、素敵……♡」
「ほら、いつまでもうっとりしてる暇はないぞ」
「んうぅ、ふっ♡ ぁうっ♡ ぁうっ♡ そこっ♡ そこっ♡ 奥までっ♡ 奥まで来るのっ♡ 良いのっ♡」
「あんまり大声出すと誰かに気付かれるかもよ?」
「だってっ♡ 我慢♡ 我慢できないものっ♡ んううっ♡ ぁうっ♡ ぁうっ♡ そこぉっ♡」
どうしようもなく、竹井久は乱れてしまっていた。絶望した顔で和はその様子を盗み見し続ける。逃げ出したい気分だったが、足が凍り付いたかのように動かない。
「随分素直になったよな、竹井も。初めてはあれだけ嫌がってたのに」
「そ、それはあっ♡ 京極君が無理矢理襲ってきたからっ♡」
「隙を見せるお前が悪いんだよ。実は好きだった後輩に彼女ができたって、可愛らしく落ち込んでてよ」
和は再びショックを受ける。まさか、久が彼の事を――全く気付かなかった。
「だけど、今はどうでも良いだろ? 嬉しいんだろ?」
「……っ♡ うんっ♡ だってっ♡ だってぇっ♡ 京極君とのエッチ♡ とっても気持ち良いんだものっ♡ あの日、襲ってくれて良かったっ♡」
「ははは、そりゃありがとよ」
「んううっ、ふぅうううぅっ♡」
一際強く背後から突き込まれ、久は下品な息を吐く。ぐちょり、と愛液が飛んで弾けた。
「ほら、いつもの言えよ」
「……っ♡ 私はっ♡ 私は京極君の性奴隷ですっ♡ 京極君が望むなら、どこでも股を開きますっ♡ だから、出してっ♡ 私の中に、京極君の熱い精液、注ぎ込んでぇっ♡」
「ああ――イクぜ」
「んっ♡ んっ♡ んっ♡ あっ♡ あっ♡ あっ♡ イく♡ イく♡ 京極君の性奴隷は♡ イっちゃいますっ♡ イっちゃうんですっ♡ ~~~っ♡ あ~~~っ♡」
顎を上げて、久は激しく気をやった。その瞬間、弾かれたように和はその場を逃げ出した。もう、見ていられなかった。
脱力する久を抱えながら、自らの背中を見送る京極の視線を、和は気付けなかった。
△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽
久は既に、京極の手に堕ちていた。彼女を頼れなくなった和は、親友で京太郎の幼馴染の宮永咲に相談を持ちかけようと考えた。しかし、気の弱い彼女に話すのも気が引ける。悩んでいる間に、京極の方から連絡があった。
呼び出されたのは、麻雀部の部室。自らの処女を奪われた場所。しかし無視するわけにもいかず、人気の少ない早朝、和は登校して部室を訪れた。
「おはようさん」
「……おはようございます」
今日もまた、非道な陵辱を受けるのかと、和は体を強張らせる。しかし、今日の京極の指示は奇妙だった。
「そこに入っておけ」
「え……?」
「何があっても出てくるなよ。静かにしてるんだ」
「ちょ、ちょっとっ」
押し込まれたのは、部室のロッカー。外側から鍵をかけられて、出られない。隙間から部室の様子は観察できる状態だった。これから何が起きるのか――和は不安で胸が締め付けられる。
「おはようございます」
数分後、部室の扉を開けて入って来たのは――
(咲さん……!)
相談を持ちかけようとしていた親友、宮永咲だった。
多分次は主人公咲さんです。