※この作品はR-18です。

麻雀天使堕天計画   作:クラリス

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松実玄-02(痴漢詐欺師)

 二度目のエクスタシーで飛んだ意識がようやく戻ってきて、玄は荒い息を吐きながら周囲を見回した。幸運にも、玄の様子に気付いた人間はいないようだった。皆スマートフォンの画面に集中している。ほっと安心しながらも、

 

「んっ♡」

 

 再び胸へと伸びる手に、玄は片目を伏せる。これ以上大きな声を出せば誰かに勘付かれるのは必至。無理矢理に奥歯を噛み締め、もう一度玄はポールを握りしめる。

 彼に愛される日を、夢見なかったわけではない。年相応に性的な興味もあった。だが、初めて絶頂を与えてきた相手が、顔も見えない痴漢というのは玄の矜持をいたく傷付けた。しかしそれでも、健気に彼女は彼を想う。心に留め、折れぬように。

 痴漢の手が、玄のお尻から高度はそのままに、前へと伸びる。

 

「だ――め……っ」

 

 頬を紅潮させ、か細い声で玄は制止をかける。だが、それで止まるはずがない。半分ほどずりおろされたパンティは――染みを作りながらも――かろうじて玄の秘部を覆い隠していた。男の指先が、つつつ、とパンティの上から玄のスジをなぞり上げる。

 

「~~~っ♡」

 

 胸や尻とも違う、体の全てに電流が走る感覚。さらに指の腹で、秘所をつつかれる。

 

「ん♡ ん♡ ん♡ ん♡ ん♡」

 

 その度に、口の端から息が漏れた。ここが電車の中で無ければ、声を我慢しきれなかっただろう。それでなくとも、一杯一杯だった。

 股下に意識を持って行かれている内に、男の左手が制服の裾にかかった。上着とシャツが一緒に、ゆっくりじっくりと持ち上げられていく。

 

「あ――」

 

 下腹部が晒され、冷たい空気が入り込んでくる。だが、なおも制服は持ち上げられた。結果、紅いブラに包まれた立派な乳房が晒されてしまう。

 こんなところを誰かに見られたら。玄はそう危惧するものの、声に出して文句を言えなかった。騒ぎを起こせない立場も加えて、巧みな性技を操る痴漢に対する恐怖もあった。一方で、彼女心とは裏腹に体は疼き、明らかに次の感触に期待していた。

 制服をまくり上げた手が、その流れでブラに包まれた胸に伸びた。

 

「ぁぅっ」

 

 既に玄の弱点を知り尽くした手は、しかしそれを無視してまずは乱暴に胸を揉みしだく。男の欲望を満足させるためだけの愛撫に、痛みさえ覚えてこれまでと同じようには昂ぶらない。だが、牡に無理矢理蹂躙される感覚が、眠っていた玄の被虐趣味に火を点けた。

 

(なに、これっ……?)

 

 急速にではなく、じわじわと炎が燃え広がっていく感覚。いつの間にか両手が胸の愛撫に参加し、もみくちゃにされていた。

 

「うぅっ」

 

 くぐもった悲鳴を押し殺す。人の壁に囲まれて、逃げ場所などどこにもない状況。その人の壁が、他者からの視線を遮っているのは皮肉と言えた。

 さらに男は、ブラも捲り上げてしまう。白い肌が、完全に晒される。

 

「――――っ!」

 

 絶叫を上げずに済んだのは、覚悟が出来ていたからか。だからと言って、許されるものではない。ピンク色の乳首は、ぷっくりと突き出ていた。

 

「綺麗な色だね」

 

 褒められても嬉しくもなんともなかった。玄は何も答えず、ぎゅっと両目を閉じる。男の手が、乳房に触れた。また乱暴に揉まれるかと思ったが、

 

「やっ♡」

 

 バストの脇に、人差し指が沈む。玄自身知らなかった、彼女のピンポイントに弱い部分だった。さらに胸の付け根から掬い上げるように掌が擦られる。何度も何度も繰り返し、玄の乳房は上を向いてはたぷん、と落ちた。

 

「ぁう♡ ゃ♡ んん♡ それ♡ だめ♡」

 

さらに指先は乳首の周囲を刺激する。これまでと一転して繊細なタッチに切り替わり、玄は戸惑いを隠せない。しかもその全てが、的確に玄の弱点を突いていた。

 

「ぁ♡ ぁ♡ ぁ♡ ん♡ ん♡ んんっ♡」

 

 再び性感が高まる。だが、今度はさらに深い沼に脚を突っ込んでいるようだった。あっという間に腰が砕けて、気を抜けばすぐにふらふらになってしまう。

 男の柔らかな愛撫は続いた。だが、乳首だけは意図的に避けているようだった。そこは、玄の最大の弱点だった。

 

「ゃだ♡ ん♡ やめ♡ やめて♡ んっ♡ んっ♡ んっ♡」

 

 その事実にも気付かず、玄は絶頂寸前まで上り詰めていく。もうすぐそこ、というところで、

 

「ん♡ んん♡ ……ん、え、え……?」

 

 ぴたりと、男の手が止まった。思わず玄は後ろを振り向いてしまう。眼鏡をかけた、サラリーマンの男がそこにいた。彼は酷薄な笑みを浮かべて、言った。

 

「どうしたんだい、物欲しそうな顔をして。もしかして、イキたかったのかい?」

「ち、違うのです……!」

 

 細々とした声で否定し、玄はさらに顔を真っ赤にして前を向いた。その瞬間に、玄は股の間に当てられた熱に気付いた。

 

「っ?」

 

 硬い棒がパンティのすぐ下にぴったりとくっつき、股の間に挟まれている。その正体を、訊ねる必要など無かった。

 

「動くよ」

「えっ? ――ぁっ♡」

 

 男の腰が突き出され、それから引かれる。パンティ越しに玄の割れ目をペニスが擦り上げた。素股を知らない玄は面くらう。だが、与えられる刺激は思考を許さない。

 

「ぁっ♡ ぁっ♡ ぁっ♡ ぁっ♡ や♡」

 

 股にペニスが擦れる度、玄は嬌声を上げた。熱い肉棒の感触はこれまでの愛撫と一線を画しており、

 

「ぁ♡ ぁっ♡ ぁっ♡ んっ♡ んんんっ♡ んんんんんっ♡」

 

一度限界ぎりぎりまで昂ぶっていた彼女を容易に絶頂まで連れて行った。同時に男も果て、ミニスカートの内側にでっぷりとした白濁がぶちまけられる。

 

「はぅぅぅ……♡」

 

 制服を汚された玄は、恍惚の表情を浮かべ気にする素振りは無い。完全に腰は砕けて、下手をすればその場に崩れ落ちかねなかった。だが、一度射精してもなお衰える気配がない男の肉棒が玄を支えていた。

 さらに男は、器用にペニスを使って玄のパンティを完全にずりおろす。にちゃあ、とパンティは粘着性のある糸を引いた。元々の赤色はほとんど染み渡り、黒ずんで見える。

 

「あっ……♡」

 

 今度は下着の障壁なしに、割れ目にペニスが宛がわれた。さらなる高熱を秘所で感じ取り、玄は期待の声を上げた。

 

「もう一回だよ」

「ひゃうぅ♡」

 

 再び男の腰が前後する。下手をすれば挿入されかねない勢いで、玄の割れ目に鉄棒が走る。加えて、男の手は胸への愛撫を再開する。

 

「んぁ♡ ん♡ そんなっ♡ 同時♡ なんて♡」

 

 またもや技量も何も無く、胸を揉まれる。しかし明らかに先ほどより、感じてしまっている。情欲の赴くまま汚されることが、快感へと転じてしまう。さらにはシームレスに、男の愛撫は優しく玄の弱点を突くものに変化した。その事実に気付かないまま、玄は喘ぎ声を上げた。

 

「ぁ♡ ぁ♡ ぁぁ♡ ぁぁあ♡ 同時♡ ダメ♡ 同時はダメ♡」

 

 と言いつつも、腰は自らペニスに擦りつけるように動く。

 

「んんん♡ んんんんんっ♡ ぁううう♡」

「気持ち良いか?」

「ん♡ そんなこと♡ 言えない♡ 言えないの♡」

 

 ほとんど自白している物言いに男は満足したのか、さらに腰の動きを加速させる。

 

「や♡ これ♡ すご♡ やだ♡ もうやだ♡ あっ♡ あっ♡ あっ♡ ああああああっ♡

 

 あっという間に玄は果て、男も二度目の射精を迎える。さらにスカートの内側は汚され、どろりとした白濁が床に落ちた。恐るべきは男の絶倫ぶりで、二度の射精を経てもなお衰える気配はなく、むしろさらに屹立していく。

 玄は股下の熱を感じながら、呆然と両目から涙を流す。

 終わった。今の声が、聞かれなかったわけがない。周囲の人間に、この異常事態に気付かれてしまっただろう。これで全ての努力が水の泡だ。

 ――だが彼女の真の誤算は、別のところにあった。

 

「え……?」

 

 他のサラリーマン達が、玄を取り囲む。その表情は、驚きなどでは無く――皆、一様ににやにや笑いを浮かべていた。

 上手く働かない頭は、最初事態を飲み込めなかった。しかし、一人の男から手が伸ばされた時、理解した。

 この車両にいる全員が、ぐるであったことを。

 

「あぅぅぅ……♡」

 

 困り声の中に混じるのは甘い声。背後からの愛撫が、再開された。素股こそしないものの、両胸が掴まれる。

 

「ここにいる人達みーんなね。玄ちゃんのことが大好きなんだよ」

 

 耳元でそう囁かれても、嬉しくとも何ともない。

 ある男の手が、ニーソックスと肌の間に挟まれる。ある男の手が、スカートを捲り上げる。ある男の手が、太股にまとわりつく。ある男の手が、乳首を抓む。ある男の手が、肩に触れる。ある男の手が、頬を撫でる。ある男の手が、ある男の手が、ある男の手が――

 もう、玄には何がどうなっているかなんて、分からなかった。ただただ、

 

「あ♡ やだ♡ ん♡ そこ♡ やめ♡ あう♡ 胸♡ 脚も♡ ひぅ♡ ぁううう♡」

 

 翻弄されて、喘ぐだけしかできない。一度たがが外れた口は、憚ることなく嬌声を上げさせる。逃げ場の無い集団痴漢は、永遠の時間と思えるほど続いた。何度絶頂まで導かれたか、分からなかった。

 もう喉も渇いてきた頃、男達の手が一斉に止まる。

 何事かと玄が戸惑っている間に、最初からずっと玄を責めていた男に手を取られる。おそらくは彼がリーダー格なのだろう。他の手よりも、明らかにテクニックが上だった。

 ともかくとして、玄は座席に座らされる。はぁはぁと、荒い息をつくばかりの彼女には抵抗する力は無く、立ちっぱなしの状態から解放されて一息つけたくらいだった。

 見上げた男はスーツをはだけさせ、首元が見えていた。大きな黒子が一つ。それよりも上、顔をみよとしても視線が上がらなかった。

 ずい、と突き出されるのは勃起した男のペニス。玄の愛液と精液に塗れたそれを、玄はぼうっと見つめて、

 

「んっ……」

 

 何か命じられるよりも前に、髪をかきあげ、亀頭に口付けていた。昨日の経験が、生きていた。生きてしまった。まとまらない思考が、玄の正常な判断力を奪っていた。

 

「あむっ、ん、はむっ、んじゅ、じゅるるっ」

 

 汚れを全て吸い上げ、

 

「ちゅる、ぁうっ、んむっ」

 

 裏筋とカリを舐め上げる。右の指先を陰嚢に添え、左手で棒を扱く。

 

「んむっ、あむっ、じゅるっ、むぅっ」

 

 なぜ、こんなことをしているのだろう――考えてはならない。機械的に、されど情熱的に玄は口奉仕を続けた。

 

「にゅむっ、むふっ、……ぁふっ」

 

 じゅぽり、と玄の口からペニスが引き抜かれる。今度はペニスが、晒されたままの乳房に宛がわれた。

 

「あっ」

 

 どうして良いか分からなかった玄の手に、他の男達の手が添えられる。そして自らの乳房でペニスを挟み込まされた。

 

「んっ♡ ぁっ♡」

 

 初経験の乳奉仕にも、玄はすぐ順応した。

 

「咥えろ」

「……は、はむっ♡」

 

命令されるまま、胸の谷間から僅かに覗く亀頭を咥え込む。口と胸の両方で、玄は精力的に男へ奉仕した。まるで、先ほどまでの愛撫にお返しをするように。旅館の娘として、部室を守っていた部員として、いつも誰かに尽くしてきた彼女は躊躇いが薄かった。その事実に、未だ彼女は気付いていなかったが。

 

「じゅるるっ、あむっ、ん♡ や♡ じゅるっ、んん♡」

「良い、良いぞ、――うっ」

「やあっ♡」

 

 拙い責めだが、女子高生の熱の籠もった奉仕に興奮が高まったのだろう、男はあっという間に達する。三度目の射精にも、精液の量は減らず玄の顔と胸両方に降り注いだ。

 ぬっぽりと、男のペニスが引き抜かれる。

 

「お返しだ」

 

 今度は男が玄の前に跪き、

 

「んんっ――♡」

 

 彼女の秘部に、舌を這わせる。ざらざらとした感触が玄を襲い、背中を震わせる。

 

「あんっ♡ やあっ♡ これ♡ あん♡」

 

 つんつんと舌先で突かれ、

 

「ぁ♡ ぁ♡ ぁ♡ あ♡ あ♡ あ♡」

 

 じゅるじゅると、溢れ出す愛液を吸い出される。

 初めてのクンニリングスは、容易に玄を追い込んでいき、

 

「あ♡ ああっ♡ ダメ♡ ダメ♡ 私♡ これ♡ ダメ♡ んん♡ やっ♡ やぁぁ♡ んんんっ♡」

 

 彼女を、果てさせた。そのまま玄の体から力が抜け落ち、瞳から光が失われる。そんな彼女の痴態をオカズに自らの逸物を扱いていた男達が、一斉に射精する。全て、当の彼女に向けられて。

 べっとりとした液体と精液に臭みを感じながら、玄は意識を失った。

 

 

 

 

 

 

 △▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽

 

 

 

 

 

 

 次に玄が意識を取り戻した場所は、もう見慣れた天井だった。例の古城だと判断するまで、時間はあまりかからなかった。寝転がされていたベッドの上で、玄は慌てて体をまさぐる。――あれだけ脱がされ汚されたはずの制服は、乱れ一つ無くきちんと着用させられていた。上下の下着も、綺麗なものに変えられている。男達の誰かに着替えさせられたのだろうか、そう想像すると気分が悪かったが、あの格好のままはもっと嫌だった。

 悪夢の一言としか言えない経験は、しかし舌に残る苦みが現実と教えられる。嘔吐したくなるが、負けた気がしてベッドの上で耐えた。

 そんな折。

 がちゃり、と扉が開かれる。

 入って来たのは、例のスキンヘッドの男だった。

 

「起きたか」

「あ、貴方は……!」

「余計なことを話すつもりはないんだ。……ほら」

 

 スキンヘッドの男の影から、別の男が現れる。はっと、玄は目を見開いた。震える口を、両手で覆う。目尻から、涙が零れそうになった。

 

「京太郎君……!」

 

 愛しの人であった。ずっとずっと離れていた、ずっとずっと心配していた、彼だった。

 しかし、玄の呼びかけに彼は頷くだけで声を出そうとしない。怪訝に玄が眉を潜めると、

 

「そいつ喉痛めてるんだよ、察してやんな。一日やる、後は好きにしな」

 

 ぶっきらぼうに言い残すと、スキンヘッドの男は部屋を出て行った。

 しばらくの沈黙と共に、玄は京太郎と向かい合う。潤んだ瞳で彼の顔を見つめ、彼はこくりと頷いた。

 次の瞬間には、ぎゅっと抱き締められていた。姉の言葉を借りれば、あったかい。昨日までの苦労が全て、一瞬で報われる想いだった。

 掠れた声で――彼の声とは思えないほどに――彼は、「ごめん」と一言だけ言った。玄は、涙を流して答える。

 

「良いの。良いのです、京太郎君。私は、これだけで」

 

 抱擁は数分続き、僅かに腕が解かれると、至近距離で玄は京太郎と見詰め合い――玄から、彼へと唇を重ねた。一瞬姉の顔が過ぎったが、それ以前に傷付いた心が癒しを求めていた。何より、もう彼とこうしていられる時間はないのかも知れない。そんな不安が、玄の背中を押していた。

 

「あむっ♡ ん♡ ちゅる♡ んんっ♡」

 

 熱っぽいヴェーゼを二人は交わす。初めから舌を絡め合い、お互い舌先を突き合う。たっぷり五分はそうしていただろう。

 一度、二人の口が離れる。その際、物足りなげに玄の舌は京太郎の唇をなぞった。

 

「京太郎君」

 

 彼女は勢いに任せて――もう、分かっているだろうけど――自らの想いを告白する。

 

 

「好き。ずっと好きだったのです」

 

 キスを受け入れて貰った以上、拒絶されるとは思えない。だが、それでもドキドキした。声の出せない京太郎は、微笑んでこっくり頷いてくれた。

 

「んむっ♡」

 

 今度は京太郎から求められ、唇を交わし合う。今までとは違う意味で、涙が出た。

 

「んんっ♡ あむっ♡ 好き♡ んんっ♡ 京太郎君♡ ――あっ♡」

 

 肩を掴まれ、キスをしながら玄はベッドに押し倒された。くちゅくちゅと音を立て、二人の唾液が混じり合う。

 

「あっ♡」

 

 京太郎の手が、仰向きに倒れた玄の胸に触れる。

 

「やだ♡ ん♡ 触っちゃ♡ あ♡ ダメ♡」

 

 拒否の言葉には甘えが多分に混じり、誘っているのは誰の耳にも明らかだった。痴漢達に開発された玄の体は、制服の上からの愛撫でも容易に反応する。さらに、京太郎の手も巧みであった。経験があるのか、と玄の頭にそんな考えが過ぎるが、甘美な感触に吹き飛ばされる。

 

「あっ♡ んんっ♡ そこ♡ 触らないで♡ んん♡ んむっ♡」

 

 さらにディープキスを浴びせられ、乳首をこりこりと刺激される。

 

「ぁ♡ ぁ♡ ぁ♡ 京太郎君♡ 京太郎君♡ ダメ♡ 京太郎君♡」

 

 何度も何度も、玄は彼の名前を呼ぶ。その度に、玄は多幸感に包まれた。

 

「んっ♡ んっ♡ あっ♡ イク♡ イク♡ 京太郎君♡ イッちゃう♡ ――っ♡」

 

 まず一回、胸とキスだけで玄は絶頂まで導かれた。ぶるぶると体が震え、そこにまた首筋にキスされ、さらに喘がされる。

 

「あ♡」

 

 今度は、京太郎の手がミニスカの下に向かう。

 

「京太郎、君……♡」

 

 誘うように、玄はミニスカを自らたくし上げた。あの男達には辛かったことが、彼が相手ならば何も怖くない。安心して、身を委ねられる。

 

「あっ♡」

 

 下着に京太郎の指が触れ、ぐちゅりと押し潰される。派手な水音に、玄は頬を染めた。京太郎はパンティの中に指を入れ、ぐちゅぐちゅと玄の膣内をかき回す。

 

「あっ♡ あっ♡ あっ♡ ああっ♡ これ♡ だめ♡ だめ、だめ♡ 京太郎君♡ それ♡ それ好き♡ もっと♡ もっと♡」

 

 いやらしく、玄はおねだりする。期待に応えるように、京太郎の指は玄を責め立てた。胸も揉みしだき、玄の脳髄を蕩けさせる。

 

「んっ♡ あっ♡ やっ♡ 好き♡ これ♡ 好きなの♡ どっちもされるの♡ 好き♡ あっ♡ あっ♡ あっ♡ イク、またイクの♡ イクっ♡」

 

 ぴん、と玄の体は伸びきる。歓喜の涙が、ぽろぽろと落ちていく。

 

「はーっ♡ はーっ♡ はーっ♡」

 

 乱れきった息は、中々整わない。痴漢に与えられた絶頂とは違う、幸福なアクメ。愛し合うとはこのことだと、玄は実感する。

 ただ、一つ懸念があった。

 

「……えっちで、ごめんね」

 

 汚されているという想いが、玄を苛む。しかし、京太郎は微笑んで首を横に振った。ほっと安堵の息を吐いて、

 

「でも、まだ……初めてだよ」

 

 玄も微笑む。倒れていた体を一旦起こし、ベッドの上に立ち上がると、玄はもう一度スカートをたくし上げた。京太郎の手が伸び、

 

「んっ♡」

 

 パンティを下ろす。にちゃり、と愛液が糸を引いて切れた。愛らしく小首を傾げ、

 

「良い、よ?」

 

 彼を、誘った。

 もう一度、玄は押し倒された。裸の肉棒の先端が、秘所に触れる。

 

「んっ♡」

 

 コンドームの有無を、玄は確認しなかった。彼と、一つになれる。その想いが全てを支配していた。姉のことも、頭から吹っ飛んでいた。

 

「んんっ――!」

 

 一気に貫かれ、破瓜の証が玄の膣から零れる。

 

「あっ――はっ――」

 

 断続的に漏れる息は、しばらく続いた。京太郎は、挿入したまま彼女の息が元に戻るまで待ち続けた。

 

「おっ……きい……♡」

 

 膣内を支配された感覚に、玄は痛みよりも幸せを覚えていた。京太郎の大きな手が、玄の頬を撫でる。そして、鼻先に唇が触れる。玄は求めるように唇を突き出し、京太郎の口は鼻先から移動し、唇を重ねるだけのキスをした。

 全身が全て京太郎に包みこまれた気がして、玄はにっこり笑う。

 それを合図に、ようやく京太郎は動き出した。

 

「あっ♡」

 

 痛みはほとんどなく、まるで彼のペニスを受け入れるために生まれてきたような膣は、きゅんきゅん締め付ける。

 

「あっ♡ あっ♡ あっ♡」

 

 腰のグラインドがじわじわと広くなり、ピストンが速まっていく。

 

「あっ♡ あっ♡ あっ♡ あっ♡ あっ♡ あっ♡ 好き♡ 好き♡ これ♡ 好き♡ 京太郎君♡ 好き♡ 大好き♡ 京太郎君♡ 京太郎君♡」

 

 何度も彼の名を呼び、彼への愛を主張する。

 膣から与えられる性感は、これまで味わった中で最高のものだった。この世全ての快楽を凝集したような甘みに、玄は口端から涎をたらさせる。

 

「好き♡ 京太郎君♡ 大好き♡ 京太郎君♡ 大好きなの♡ ずっとずっと♡ 好きだったの♡ 京たっ……?」

 

 突かれる度に悦んでいた玄の声が、途中で途切れた。

 違和感。既視感。

 

(あれ……?)

 

 彼の首元にみえる大きな黒子。こんな特徴的なもの、彼にあっただろうか。それに、これは、あの痴漢の――

 

「ひっ」

「お、やっと気付いた?」

 

 喋れないはずの京太郎が、声を出した。だが、その声は京太郎とは似ても似つかなかった。

 電車内であれだけ玄を責め立てた、痴漢のそれだった。一旦、京太郎――否、痴漢のピストンが止まる。

 

「な、なんでっ? 京太郎君は――っ? 約束はっ?」

「電車で君、耐えきれなかったでしょ。それで彼に会えるなんて都合良すぎでしょ」

「そ、そんなあっ」

「残念だったね。ネタ晴らしするとこれは特殊メイク。そっくりでしょ」

 

 ううう、と玄は唸り声を上げる。動けない。膣内に突き刺さったペニスが玄の動きを止めていた。

 

「でも、君も良い想いできたから良いでしょ?」

「良い想いだなんて……!」

「何を言ってるんだよ。偽者って見破れなかったわけだし、凄い気持ち良かったんだろ? 所詮、君の彼への想いなんてその程度。姿形だけで満足できるってことでしょ」

「ち、違っ――あっ♡」

 

 一突きされた瞬間、反論は途切れ玄は嬌声を上げた。

 

「あっ♡ あっ♡ あっ♡ これ♡ ダメ♡ ダメなの♡ ダメなのに♡」

「ほらほら、イケよっ……! 膣内射精キメてやるからなっ……!」

「ダメ♡ ダメ♡ 抜いて♡ 抜いて♡」

 

 今更ながら、自分の迂闊さを玄は呪う。だが、もう遅かった。

 

「おいおい、自分から誘っておいてそれかよ!」

「お願いします♡ 抜いて♡ 抜いて下さい♡」

 

 快楽を歓びながら、涙を流しながら、怒りを覚えながら、しかし今は必死で懇願する。こんな最低な痴漢に請い願わなくてはいけないというのが、玄は屈辱だった。

 

「じゃあ、今日一日俺の言うことを聞けっ……! そしたら膣内射精は勘弁してやるっ……!」

 

 なおも往復運動を続けながら、男は提案する。

 

「ほ、ほんとうですかっ♡ で、でもぉっ♡」

「ああっ……! 早く決めろ、イッちまうぞっ」

「わ、分かりました♡ 聞きます♡ 貴方の言うこと聞きます♡ だから抜いて下さい♡」

「オーケー、取引成立だっ」

「あっ――♡」

 

 ずぼりとペニスが引き抜かれ、瞬間男は射精する。本当にぎりぎりだった。精液が、玄の下腹部に降り注いだ。

 

「は――あぁ♡」

 

 悦楽に満足気な息を吐きながら、玄は体を震わせる。そんな彼女に容赦なく、男は告げた。

 

「一つ、撮影協力して貰うよ」

 

 

 

 

 

 

「あん♡ あっ♡ あん♡ 京太郎君♡ 良い、良いよ♡ 気持ち良いのです♡ 好き♡ 好き♡ 大好きなのです♡ 京太郎君♡」

 

 再び正常位で痴漢男に突かれながら、玄は叫ぶ。指示された台詞だが、喘ぎは自然と出ていた。セカンドヴァージンを失った悲しみを味わう暇も無く、玄は鳴く。こんな台詞を言わせて何になるのか分からなかったが、今は指示に従うしか無かった。そうしなければ、今度こそ膣内で出されてしまう。

 

「好き♡ 大好き♡ 京太郎君♡ もっと突いて♡」

「良いぞ、その調子だよ」

 

 耳元で男に囁かれる。褒められても嬉しくなかった。

 

「次の台詞だ、言うんだ」

「……おねーちゃんなんか、どうでも良いのです♡ 京太郎君がいてくれたら♡ あっ♡ 良いのです♡ おねーちゃんがいたら♡ ん♡ こんな風にはなれなかったから♡」

 

 台詞の意味も理解出来ないまま、とにかく覚え込まされた文章だけ読み上げる。

 

「京太郎君のためなら♡ 京太郎君に会うためなら♡ なんだってするの♡ あん♡ おねーちゃんを裏切っても♡ や♡ そこ♡ あ♡ 裏切っても♡ 良いの♡」

 

 違う。自分は裏切ってなどいない。そう叫びたかったが、京太郎――偽者であったが――を前にして、自分は抜け駆けした。それはある意味裏切りと同じで、台詞を否定できなかった。

 

「今日も♡ 私を守ってくれたみたいだけど♡ どうでも、良いの♡ ねぇ♡ 京太郎君は♡ おねーちゃんと私、どっちが好きなのっ♡」

「良くできました」

「んっ――♡」

 

 ご褒美と言わんばかりにキスをされ、玄の目はとろん、と落ちる。何度も何度も接吻を求められ、また玄からも彼を求めた。いつの間にか、求めてしまっていた。

 この映像がどう使われるのか、まだ彼女は知らない。

 

 

 

 

 

 

 制服姿のままシーツにくるまり、秘所がひりひりするのを感じながら玄は呆然としていた。何度も何度も犯され、記憶も飛び飛びだった。今はただ、姉と京太郎に会いたい。

 ぎぃ、と扉が開かれる音がした。

 入って来てのは――痴漢男だった。特殊メイクを落としたのか、今は京太郎の顔をしていない。あの電車で見た、冷たい目付きの男。格好も学生服から、スーツ姿に戻っていた。

 

「ひぃっ」

 

 思わずベッドの上で、玄は後退る。恐怖を覚えないわけが無かった。彼の手は、玄にとってまさしく悪魔の手だった。

 

「そんなに怯えられると傷付くな」

「や、やだっ」

 

 ぐい、と腕を引っ張られる。いくら拒否しようとも、男の力には叶わず玄は抱き寄せられていた。

 

「まだ今日は終わっていないぜ。今日一日、俺の言うことを聞いて貰う約束だったよな」

「……そんな」

 

 電車内で嬲られ。ベッドの上で騙され。撮影までされて。

 なおも、満足されないのか。何度射精しても萎える気配の見せない男が、同じ人間と思えなかった。

 

「俺を、愛しの須賀君と思って抱かれるんだ。もちろん膣内射精は勘弁してやるから安心してくれ」

「うう……」

 嫌だと言っても、この状況、玄に拒否できるわけがなかった。男との距離が、ゼロになる。

「んむぅ♡」

 

 キスをされると、一瞬で腰砕けになった。今日一日だけで、玄の体はすっかり変貌していた。特に、この男には逆らえない。体の奥の奥まで、しっかりと刻まれていた。

 玄の右手と、男の左手の指が絡み合いお互いしっかり握られる。もう片方の手で、男は玄の桃尻を容赦なく掴んだ。

 

「んん♡ あん♡ くちゅ、んむ♡ やめ♡ やめて♡ んちゅ♡」

「こんなに悦んでおいてやめろはないでしょ」

「はーっ♡ はーっ♡ はーっ♡」

 

 たったこれだけで、玄の息は荒れ果てる。すぐにでも反駁したかったが、上手く音にならなかった。

 

「いちいち命令しなくても、この調子だったらさっきまでと同じようによがってくれるね」

「そん、なこと」

「京太郎君、京太郎君って呼んでくれていいんだよ」

「あっ♡」

 

 胸を掴まれ、玄は眉をハの字に曲げる。相変わらず巧みなタッチで、制服の上からでも感じさせられた。

 

「……あ、貴方のことを、京太郎君なんて呼べないのです」

「さっきはあれだけ嬉しそうに呼んでおいて、今更だな」

「っ、あれは! 騙されていただけ、です」

「なるほどなるほど。じゃあ、俺の名前をちゃんと呼んでくれよ。俺はユウキって言うんだ」

「ユウキ……さん」

「そう。ちゃんと京太郎君と同じように、恋人みたく呼んでくれよ」

「ひゃんっ♡」

 

 頬を舌で舐め上げられ、玄は短い悲鳴を上げる。それからユウキは、

 

「上、脱いで」

 

 と指示する。玄は逡巡を見せてから、こくりと頷き彼のためだけのストリップを始めた。クリーム色の制服を脱ぎ捨て、シャツのボタンを外し、紫色のブラが露わになる。ホックに指をかけようとする前に、

 

「ぁうっ♡」

 

 前から、責められていた。既に玄の弱点を知り尽くしたユウキは、手加減を止める。胸のどの部位が弱いのか、mm単位で把握していた。

 

「あ♡ ダメ♡ ダメ♡ そこ♡ ダメ♡」

「ダメじゃないでしょ、気持ち良いんでしょ」

「うん♡ 気持ち良い♡ 気持ち良いです♡ ユウキさんの手♡ 気持ち良い♡」

「これでも結構女を泣かせてきたんだよ。その中でも君はやっぱり極上品だ」

「そんな♡ やだぁ♡」

 

 本来なら嬉しくとも何ともない褒め言葉に、玄は喜びの声を上げる。命令通り恋人のように振る舞うが、既に演技か本人にも分からなくなっていた。

 むにゅむにゅと胸は揉まれ、ブラは形を崩し肩紐が外れる。同時にスカートの中にも手が伸びて、くちゅりと音を響かせていく。

 

「あ♡ あ♡ あ♡ あ♡ すごい♡ ユウキさん♡ すごい♡」

 

 徐々に腰が砕けていき、玄はその場にへたり込む。ぐい、とユウキは彼女の体を前倒しにした。ベッドの上で四つん這いになった玄のお尻に、ユウキは両手を置く。

 

「はぅ♡ お、お尻♡ お尻、弱いの♡ やめ、やめて♡」

「ここまで来て止めるわけにはいかないでしょ」

 

 軽く言って、ユウキは勃起したペニスを玄の膣口に当てる。そのまま突っ込もうとし、一旦止まった。

 

「……っと。そう言えば昨日玄ちゃん、面白い台詞を言わされてたね。もう一回言ってくれる?」

 

 どの台詞かと、思い返す必要は無かった。あんな屈辱を、忘れられるわけがない。そしてまた、それ以上の屈辱を味わうのだ。

 

「玄はぁ♡ えっちなことが、大好きな女の子なんですぅ♡ ユウキさんの♡ ユウキさんのおち○ぽをぉ♡ 玄のいけないあそこにずぽずぽ突っ込んで下さいぃいっ♡」

 

 だが、思っていた以上にするりと台詞は飛び出た。むしろ言って、胸のつかえが取れたみたいだった。

 

「ぁ――は♡」

 

 あっさりと、ユウキのものを玄は受け入れる。三度目ということもあり、もう抵抗はほとんどなかった。待ち時間はなく、ユウキは腰を動かし始めた。バックで突かれるのは初めてで、しかし牡の慾を一方的にぶつけられるのを玄は心地よく感じていた。電車の中で開花したマゾヒズムの才覚が、一役買っていた。

 

「あ♡ あ♡ は♡ ん♡ ユウキさん♡ 熱い♡ 熱いです♡」

「それだけ、かっ?」

「良い♡ 良いです♡ 気持ち、良いです♡」

「やっぱり君はっ、淫乱だなっ。好きな男でもないのに興奮してるんだろっ」

「ちが♡ 違います♡ 私♡ 淫乱なんかじゃ♡ ないのです♡ これは♡ 演技なのです♡」

 

 白々しい否定の声は、蕩けていき。

 

「嘘をつけっ、これが好きなんだろっ」

「あっ♡ あっ♡ はい♡ 良い♡ 良いのです♡ ユウキさん♡ ユウキさん♡ 好き♡ これ、好き♡」

「ふっ、ふっ――いつか、俺のことを好きって言わせてやるからな……!」

「やだ♡ そんなの♡ 嫌♡ 私が好きなのは♡ 京太郎君♡ 京太郎君だけ♡」

「と言いながら他の男に犯されてよがってるのはなんだっ」

「だめ♡ 言わないで♡ 誰にも♡ 言わないで♡ お願い♡ ユウキさん♡」

 

 媚びるように、玄は喘ぎ続け。

 

「あ♡ あ♡ あ♡ 好き♡ たす、助けて♡ 京太郎君♡ もう私♡ 抜け出せなくなっちゃう♡」

「俺以外の名前、出すなよっ」

「はいぃい♡ ごめんなさい♡ ごめんなさいユウキさん♡ ユウキさんだけ♡ ユウキさんだけ呼びます♡ ユウキさんだけ♡ 見てます♡」

「良い答え、だっ」

「うん♡ ユウキさん♡」

 

 自分でも何を言っているのかわからなくなり。

 その日、彼女は数え切れないほどイカされた。

 




次回は永水か清澄か竜華第二回のどれかです(選択肢多
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