pixivに投稿しました同名タイトルの同一作品です。
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非常に難度の高いスニーキングミッションだった。
幸いにも身を隠すところは多かったが、現地は広大かつ人の出入りが激しい。
しかも目標に近づくにつれ、付近の話し声と足音は市場の喧騒のようになり、ベアトリクスは『果たしてこのミッションを完遂できるのか』と、冷や汗をかきながら自問した。
「ししょ~、もうちょっとだけ~」
「うるさいっ、いつまであいつに頭撫でられてんだお前はっ」
2人の美少女錬金術師を物陰に隠れてやり過ごし、ベアトリクスはゴールが近いことを悟った。
(いたっ)
待ち合わせの部屋に着く前に、ベアトリクスの目には本命が映った。
彼はグランサイファーの小さな図面を眺めながらとある一室の扉を開け、まるで初めての場所に来たかのように内部を見回していた。実際、グランはいまだにグランサイファーの全ての部屋を把握しているわけではなかった。
「ぐ、グランっ」
ベアトリクスは弾んでしまった声を慌てて抑えつつ、振り返ったグランの顔を瞳に焼き付けた。
(いつかのカタリナも、こんな気持ちだったのかな……)
グランに部屋内部へ導かれ、ベアトリクスは少し迷ってから扉の鍵を閉めた。
人目を避けてグランとここで落ち合ったことを思えば、迷う必要などどこにもないはずだった。
(今日は、こ、ここ、この部屋で、するんだな……!)
ベアトリクスの頭は沸騰したように興奮し、体はノース・ヴァストの極寒に放り込まれたように凍り付いている。
対してグランは机と椅子を整え、持参してきた水筒の蓋を開けた。隣のダブルベッドには目もくれず、2つの木製のコップへ注いでいく。
ベアトリクスはコップから漏れ出す湯気をぼんやりと眺め、香る紅茶の匂いを嗅いでから、自身の右手に握った菓子袋を思い出した。
「あっ」
ベアトリクスは頭を振り、桃色の妄想を振り払う。
「へへんっ、今回は何作ってきたと思う? 当ててみてくれよっ!」
笑顔で2人座り、グランが様々な菓子の名を言いながら袋を開けていく。
「マカロンだっ! どうだどうだ? 嬉しいだろうっ!?」
ベアトリクスのはしゃいだ声に、グランもつられて笑っていた。
甘く美味しく、楽しい二人だけの時間を過ごす。本来ならばビィの寝息が聞こえてくる時間だったが、2人はこの誰のものでもない部屋で夜を明かすと決めていた。
「そしたらユーステスがさー」
その”大人の夜明かし”の事実から、ベアトリクスは目をそらしていた。嫌なわけじゃない。
会話は任務で離れていた間の彼女自身の事、そしてグランの事と流れ、たまに、
「ほ、ほらグラン、あーん! えへへ……!」
菓子を互いの口へ運ぶこの時間もまた、いつまでも続いてほしいと思えるほどに心地いい。
ときおり、ベアトリクスは横のベッドをちらりと見ては、
(……ううっ)
どこかで切りあげてグランと抱き合いベッドへ……と思いはするものの、気恥ずかしさで現状維持をしてしまう。
それでも1時間も経たぬうちにコップの中の紅茶はつき、彼女が伸ばした指の先にマカロンはなかった。
時が来たのかもしれない。ベアトリクスは緊張で息をのむ。
(だっ大丈夫だよなっ。しっかり体洗ったし歯も磨いて、あっマカロン食べちゃった!?)
「なっなあ……あっ」
ベアトリクスの気を悟ったグランは少し強引だった。立ち上がると即座に座っているベアトリクスを横から抱きしめ、甘く愛の言葉を囁く。
ベアトリクスの色欲に関しては、男からリードして包み込むようにする。グランの考えは当たっていた。
「はぅう……」
ベアトリクス自身、張り詰めたゴムのようだった感情がほぐれていくのを自覚する。
(ああ……このまま、今日もグランに、いっぱい……い、いや! このままじゃだめだ!)
「まっ待ってくれ! そのっ」
ベアトリクスはグランを優しく押しのけ、決意に満ちた瞳をグランへ向けた。
グランは一瞬たじろいだが、ベアトリクスの並々ならぬ意思を感じて彼女の言葉を待つ。
(私だって、いつもグランにされてばっかりじゃない!)
ベアトリクスが想起するのは努力の日々。ポートブリーズ街の裏道、何の気なしに入った本屋で見つけた、夜の作法本。
本来なら一瞥して気にも留めないであろうベアトリクスが購入したのは、グランのことが頭に浮かんだからに他ならなかった。
グランと夜を過ごす度ベアトリクスは天国にも似た心地を味わっていたが、はたしてグランはどうだろうか。
(私ってもしかして、いつもされるがままで、なにも……!?)
何故か頭に浮かぶ、まな板の上のカツウォヌスとアルバコア。
「あっ……あのっ! これっこれくだしっあっ」
震える手で本を手にしたベアトリクス。
移動中は組織の面々の目を盗み、
「最近よく本を読んでいるようだな」
「でも何読んでるか教えてくれないのよねえ。バザラガなんか知ってる?」
サンダルフォンのカフェでは、店主から視線を向けられながら隅っこの席で読み進みた。
(かなり読書に集中しているようだ。ぶしつけにおかわりを尋ねるのはナンセンスか……さて、どうする?)
(うわぁ!? すごっそんなところまで舐め……! うわぁっうわ!)
その知識は間違いなく彼女に蓄積されている。
今、それを披露する機会が来ている。
「きょうは、わわた、わた、わたしに、任せてくれっ!」
ベアトリクスはがっしりとグランの両腕をつかむ。
真っ赤な顔で震えているベアトリクスがグランは少し心配だったが、期待も膨らんだ。普段積極的とはいえないベアトリクスがここまで言うならば、きっと彼女なりの思惑があるに違いない。
ベッド上、服を着たままベアトリクスとグランは向かい合って座る。
「よ、よし。それじゃあ……いくぞ」
ベアトリクスは頬を紅潮させたまま、囁くとともにグランの頬を手のひらで包んだ。
彼女のうるんだ瞳、強張った体、緊張で少し震えている声。
グランはベアトリクスの姿に、妙な親近感を覚えてしまった。自分が女性との行為に慣れなかった頃は、きっと彼女のようだったろう。
「ん~……あっ!? め、目つぶってくれよっ」
近づいてくるベアトリクスのキス顔をグランはつい見つめてしまっていた。彼女の要望通りにすると、「はあ」とした声と共に、彼女の暖かい吐息が唇に降りかかる。
「ちゅう……」
ベアトリクスの口元は固く引き結ばれたまま、グランの唇を吸った。硬さはあったが、彼女に吸われた肉の部分が、潤いと圧力を伴って心地いい。
グランは彼女を抱きしめて深くキスしたかったが、もぞもぞと次の行動を起こそうとするベアトリクスを感じてやめた。今日は彼女の予定を崩さない。
(あぁ……グランとキス……! 好き……! あっ!? よ、よし、このまま次は……!)
唇だけで結ばれている状態から、ベアトリクスは手をグランのシャツ下から潜り込ませ、彼の鍛えられて割れた腹筋を撫でた。
(硬いっ! やっぱり、すごいなあグラン!)
ベアトリクスはグランのシャツを腹からたくし上げながら、男の体を満遍なく味わい尽くすかのように撫でていく。
不思議な感覚だった。何度も一糸まとわぬまま重なり合ったはずなのに、新しい発見が次々と見つかっていく。グランの肌触り、腹筋から胸筋、脇下の構造から、少しだけ柔らかい場所も。
(固いだけじゃない……しなやか、ていうのかな……?)
くすぐったいグランもまた、ベアトリクスの行為を援護するように両手を上に伸ばしてシャツを脱いでいく。
ベアトリクスとグランのキスをシャツが跨いだ時、離れたベアトリクスは薄目を開けたまま唇を尖らせていた。2人の混じった唾液が、口先の表面を照らしている。
グランは上を脱いだ。ベアトリクスがその事実を認識した時、自身の衣服に手をかける。
私に任せてくれと言った手前、グランの目の前で自ら脱がなくてはならない。
無用な義務を自身に課したベアトリクスは、少し目線を伏せ、唇は一文字、震える手で上の外衣を外していく。
「あ、あんまり、じろじろと見るなよ……!」
上半身を晒したベアトリクスは恥ずかし気に胸元を抑えていたが、腕で隠された乳頭と、抑え付けられてさらに丸みを帯びた豊満な乳房が、グランの情欲を煽った。
でかい。騎空団は美女揃いでつい麻痺しがちになるが、ベアトリクスの引き締まったスタイルと美人顔、そしてドラフと十分対抗できるであろう巨乳は、ヒューマンの同性異性問わず視線を集めるものだろう。
(はっ!?)
ベアトリクスはつい行動を止めてしまったことに気が付いた。いつもなら脱いだところでグランに身を任せれば後は無我夢中で幸せになれるが、今日はそうではない。
(レッスン1だ! 誘惑、誘惑? え、えーとたしか、こう!)
「ふっ……ふっふーんっ。私がいい、って言うまで、グランから触っちゃだめだからなっ!」
ベアトリクスはそのままグランの膝上に跨り、対面座位の体勢でグランに体を預けた。グランの首に手を回しながら胸元を密着させていく。
(あっあってるよな……!?)
恐る恐るゆっくりと行動するベアトリクスだったが、それが功を奏していた。
グランからすれば、じんわりと味合わされるベアトリクスの乳房の柔らかさ、硬くなった乳首の感触。もし自由が許されているなら、欲望の赴くままにベアトリクスと絡み合っている。
だが今日は彼女に任せると誓った。そして、彼女のリードにどうしようもなく興奮している自分がいる。
(ゆうわくっゆうわくだ! えーとそのー……あっ!)
「ふふ……そんなに固くなるなよ。夜は長いんだからさっ」
いつもとは違う、ベアトリクスの余裕を持った笑みと言葉に、グランはごくりと息をのんだ。ちなみにベアトリクスが後で教本を読み直したら男が言うセリフだったがこれは余談。
グランもまた、これぐらいはいいよな、と確認するかのように、ゆっくりと彼女の腰に手を回す。
ベアトリクスには、グランの行動を気にしている余裕はない。
(……えーと次は……困ったらキス!)
「ちゅううっ!」
不意打ちで強烈なキスだった。ベアトリクスから押し付けて、間を空けた口元から吸い上げる。全身で密着して、女体を擦り付けるように揺らす。
グランもまた、強く抱きしめ返す。ぐりぐりと体を押し付けてくるベアトリクスの素直な求愛が、興奮と共にどこか安心する。
ベアトリクスからは誘惑の色が薄れてしまっている。だが逆に、グランの暖かさを全身に感じることで、思考がさえてきていた。
(そうだ……! もっと素直に、私がしたいことを、グランがしてほしそうなことを。……あの本の中で、確か)
相手の事を理解してこそセックス。ベアトリクスの股下で、硬くなった感触がある。
(私も、ぬ、濡れてきちゃったけど……! 今日はグランをヒイヒイ言わせてやるんだ!)
「グランのここ、随分固くなってるな」
言葉が交わせる程度にキスの圧力を弱め、ベアトリクスは腰をフリフリと動かし、布越しの股で男根をさすった。
グランから震えた吐息が漏れて、ベアトリクスは微笑みを濃くする。
「ぜーんぶ私がしてやるよ。ほら、苦しそうなの全部、吐き出していいからな……ちゅる」
ベアトリクスはグランの下唇を唇で咥えながら、抱擁を中断してグランの体の右にポジションを取る。
グランの前面が空き、グランの右腕はベアトリクスの乳房の谷間の中へ。
2人口づけを継続したまま、ベアトリクスの右手はグランの股間をさする。
「ちゅ……硬い……いっぱい気持ちよくしてやるからな……」
ベアトリクスはグランの唇をペロペロと舐めつつ、グランのズボンの淵を掴んでずり下げていく。グランもベアトリクスの動きに合わせて腰を浮かせた。
露出したパンツは反りあがった物で膨らみ、頂点では期待で漏れた汁が染みを作っていた。ベアトリクスは横目でペニスの位置を確認しながら、そろりと指先で裏筋を撫でていく。
(あっグラン、ピクッて)
布越しでもわかるグランの弱点に、ベアトリクスは高揚していた。グランの唇が空き、ベアトリクスはにゅるりと舌を侵入させる。
「れるちゅる……。ふふんっ、だんだんわかってきたぞ……ちゅるっ」
ベアトリクスの指が優しくピアノを弾くように裏筋を触っていく。グランの反応を推し量っていると、今度はグランからチュルルと舌先を吸われた。
ベアトリクスが薄目でグランの顔を見ると、グランもまた、薄目でベアトリクスを見ていた。グランの潤いを持った瞳が、何かを求めている。
「あむっちゅる、ふふわかったよ。パンツ汚しちゃうもんな……!」
男を完全に手玉にとった感覚に、ベアトリクスは酔いしれた。グランのズボンに手をかけると、口の中のグランの舌が、ベアトリクスの舌の上で安心したように休まる。
(グランが、私の思うがままだ……!)
ズボンをずり下ろすと、ぶるんと震えながらペニスが露出して、ベアトリクスの手の甲を叩く。
(すごい量……我慢汁、だよな、これ……!)
そそり立つ凶器を見て、ベアトリクスの下腹の奥がキュンとうずいた。すぐにでも挿入すれば相応の快楽が待っているだろうが、
(もっと、もっとグランを私で転がしてやる……!)
グランの舌をしゃぶりながら、ベアトリクスの右手は竿を包んでいく。
「ちゅる……グランのここ熱くて……硬ぁい……! もうぬるぬるだな……!」
潤滑油は我慢汁だけで十分だった。ゆるく上下にしごき出し、時折親指で鈴口をくりゅくりゅと押し撫でる。
ベアトリクスの口の中でグランは面白いように唇と舌を跳ねさせ、もっともっとと、せがむようにベアトリクスを舐めて吸っていく。
「ちゅるっグランっ……ちゅるっ」
ベアトリクスは痴女を演じて誘惑を囁くような器用なことはできない。
ならば、
「ふふっ全部、私に任せてくれっちゅる。グランの……」
ベアトリクスは、素直に言えばいいだけだと気づいた。
「大好きな、グランのためならなんだってしてやるっ。グランの気持ちいいこと、私が全部っちゅうううっちゅるるっ」
ベアトリクスが感じていること、グランにしたいことを、グランと舌を絡め合いながら全て言葉に出していく。
「あっまたピクピク震えてるっ。ちゅるっ、先端が弱点なんだなっ、ならもっとクリクリしてやるよっ♪」
親指はカリ首をなぞり、鈴口からあふれでる我慢汁を塗りたくるよう先端をさする。同時に竿はぐちゅぐちゅと泡立てるようにしごく。
グランの体と視界が痙攣し始めている。もうグランが認識できるのは、ベアトリクスがもたらしてくれる愛撫しかない。
「ちゅるるっ、えへへっ、出したいかぁ? どうしよっかなあ。ちゅるっふふっ」
グランを情けなく懇願させた女性がどれほどいるのか、ベアトリクスの性欲と自尊心が混じった喜びが、最高潮に達しようとしている。
(焦らしてもいいけど……でも)
ベアトリクスは、いつもグランがどんな抱き方をしてくれるかを思い出す。
(グランは激しいけど、私が望んでることを全部してくれる。だから)
「ちゅうぅ、冗談だよっ。我慢せずにっ出していいからな。ちゅるっ、私が全部っ手で受け止めるからっ」
ゴシゴシと速度を上げるベアトリクスの右手。2人はだらしなく口を開けてペロペロと舌で舐め合い、唾液と喘ぎ声をまき散らしていく。
「れるちゅるっ、好きだっぐらんっ、いっぱい、らしてっ、私でいっぱいっ気持ちよくっ!」
グランがガクンと震え、ベアトリクスの右手が振動する。
「好きっちゅるっグランっすきぃっ! ちゅるるっちゅうううっ!」
ブビュルルルルルル!! ドビュルルッビュウウウウ!!
(あっ……!右手に感じるこれが、グランのイクって感覚……! グランの舌も、唇も、ピクピク震えて……!)
ベアトリクスは初めて、男の絶頂の全てをコントロールした。噴き出す精液を右手で受け止めながら、ゆるゆるとしごいて射精を促進させる。
その度にグランはベアトリクスに体重をかけ、ベアトリクスは左手でグランを強く抱きしめる。
「ちゅるれろっ、いっぱい、すごいっこんなに……! えへへっ私のおかげだなっ……! ちゅう」
2人は多幸感に包まれながら口を吸い合う。ベアトリクスは右手をゆるやかに動かしながらグランを包むように、グランは脱力してベアトリクスに全てをゆだねるように、互いの体の温度に浸った。
ビュルル……ビュルル……ビュウウ……。
射精の勢いが衰えるにつれ、ベアトリクスはマッサージをするように竿と亀頭を揉みながらしごていく。
本では教えてくれないグランの性感帯、精液の奔流、絶頂後の愛撫の最適解が、ベアトリクスの意識に刻まれていく。
「ちゅうううぅ……気持ちよかっただろう? 私もけっこうやるもんだろうっ」
ベアトリクスの満足気な顔に、グランは魅了されていた。もう心配は微塵もない、今日のグランは、ベアトリクスのものだ。
「あっちょっと、柔らかくなったな……」
ベアトリクスの声のトーンが、残念そうに少し下がる。さもありなん、ベアトリクスは先ほどからモジモジと太ももを揺り動かし、濃い雌の匂いを放っていた。
小康状態のグランだったが、そんなベアトリクスの様子を見るだけで活力を取り戻すのには十分だった。
ベアトリクスのキスと手コキも最高だったが、やはり彼女と一つにならずにはいられない。
そろそろ男の自分から動くべきだろうか、そうグランが思った矢先にベアトリクスは行動していた。
「ふふんっ、でもすぐに、元気にしてやるからなっ」
ペニスを離した右手を布巾で拭きながら、蓄積された知識から次手を探し出す。
(よしっ……次は、あれだ!)
ベアトリクスは本の挿絵を思い出しながら、立ち上がって下半身の外衣を脱いでいく。
羞恥の欠片もないあっさりとした脱ぎようだったが、逆にそれがベアトリクスのはやる気持ちをグランに伝えた。彼女がまた、自分のために何かをしようとしてくれている。
ベアトリクスはグランに跨り対面座位になる。ただグランのものはいまだ硬度を取り戻しておらず、半勃ちの状態だった。
「えーとこうして……こうだなっ……!」
そのまま挿入するのかと思いきや、ベアトリクスはペニスに文字通り跨り、素股で上からのしかかった。
「また元気になるまで、くちゅくちゅしてやるよっ……!」
亀頭から竿の上部を、ベアトリクスの女陰の入り口がぬちょぬちょと挟むようにして撫でていく。ペニスは特異な肉の感触に包まれ、粘度を帯びた新しい液体でまぶされた。
「ちゅっ、ちゅっ、だんだん、かたく、なってきたぞっ、ちゅっ」
ベアトリクスは腰を前後に動かしながら、唇へ唇だけのキスをしてくる。胸もむにゅむにゅと前後運動に合わせてグランの胸板に押し付けて、全身でグランを愛撫していく。
「あっわたしもっけっこうっちゅっ、きもちっいいかもっ、ちゅうう」
ベアトリクスの連続キスと巨乳の押し付けだけでも天上の心地なのに、素股はペニスが固くなればなるほど気持ちよくなっていく。すでにビュルルっと我慢汁が射精のようにはじけ、ベッドに染みを作っている。
出したい、入れたい、出したい。グランの倒錯した情欲が精神を支配し始めたころ、ベアトリクスもまた、我慢の限界に来ていた。
「なあっグランっ。私も、もう、さっき手でしたときから、濡れっぱなしで……! もう、いいよな? グランと一つになって、いいよなっ?」
グランは短く肯定を伝えると自分から口づけする。ベアトリクスは「えへへ~……」とふやけたように微笑んだ後、
「グラン……大好きだ。いっぱい一緒に、気持ちよくなろう……?」
グランが腰を数センチ引き、ベアトリクスはグリグリと女陰の入り口を亀頭で撫でる。
ベアトリクスの行為全てがグランの期待と想像を超えていた。そして今、彼女と共に快楽の最高潮に至ろうとしている。
「ちゅっちゅうううぅうう」
2人唇をぴったりとつけて吸い合い、互いに腰を押し進めていく。亀頭が入り口を広げ、肉壁が迎えるように吸い付き、そして、
ズプンっ!!
「んんんんんぅうっ!!」
(き、きたぁっつ)
ベアトリクスは歓喜で涙交じりに目を見開いた。高まりすぎた期待がベアトリクスの快楽神経を襲い、許容できなくなった幸せが尿道を脱力させる。
「ちゅぷはぁっ!? えっあうそっ!? だめっ!? もれちゃ……あああぁあ……!!」
ビクビク!! プシュッ! プシャアアアアッ……チョロロロ……。
最初に抱き合ってキスした時から、ずっとペニスを迎えたかったにもかかわらず、ベアトリクスはグランをリードして愛撫し続けた。同時にそれは、涎を垂らしていた下の口が、ずっとおあずけをくらっていたことでもあった。
(こ、ここまでうまくいってたのにぃ……くそぉ……! でも、止まらなぁっ……!)
「いっいぃいああああっ……!!」
決壊してじんわりと広がるような絶頂に、ベアトリクスは情けなさを伴いながら屈服してしまった。
だが絶頂で震える膣内は、ベアトリクスが自覚せぬままグチュグチュと波打ってペニスに吸い付き、子宮口が亀頭を包みながら鈴口を吸い上げ、グランを屈服させた。
ブビュルルルルルル!!! ビュルルルル!!!
「あぁああんあっ……グラ……ンも……? んんんちゅううう……!」
挿入時の即絶頂に、2人は痛いほどに抱き合って浸った。舌を差し込み合いながら音を立てて吸い付き、互いの体へ液体をぶちまけていく。
(なんて……あったかくて……気持ちいいんだろう……)
かすむ思考の中、ベアトリクスはもう何もかも忘れてしまっていた。あるのはただ目の前の雄を求める欲望と、ずっとこのままでいたいと思う倦怠と脱力感、グランの肌と温度。
グランとベアトリクスがただの雄と雌になってから、数秒、数分と経っていく。徐々に抱擁はゆるみ、腰の動きがたまに上下左右に揺れ動いた。しかし、キスだけは唇と舌が乱舞するかの如く勢いを増している。
「あむっちゅるれる、れるちゅうううっ。ちゅぶぶ、ぷはっ……れる」
陶酔しきった瞳で見つめ合い、舌先だけで絡み合う。
次いで、ベアトリクスは「むちゅう♪」とグランの唇を唇で上から覆うと、キスの密着にしゃべれるだけの余裕を残す。
「その、ごめんな……すぐ、私だけ、気持ちよくなっちゃって……途中までは、いい感じだったんだけどっ……」
グランからすれば何を謝る必要があるのか。それにピストンするまもなく根を上げてしまったのはこちらも同じ、そうベアトリクスの唇を唇で撫でながら伝えると、
「ちゅうぅ……えへへ……じゃあお互い様だなっ! なっなあグラン……ここからは、グランも自由に、動いていいぞっ。私も、その……」
モジモジと体ごと揺り動くベアトリクス。乙女のように可愛らしかった。
「グランに、いっぱい愛してほしいんだ。だめ、かな……? あっんちゅう!?」
グランは愛おしすぎて深くキスをする。口を離せば愛を言い、口をつけてはベアトリクスを貪る。
「んっちゅうっわらひもっすきっんん好きぃんちゅうっ! ぐらぁんっ」
バチュバチュと酷い音を立て始める陰部の接合部は、何度絶頂しようと決して満足できそうになかった。ベアトリクスの腰が前後に、グランの腰が前後に、互い弓引くように最高のタイミングでぶつかり合い、最大の性感帯が引っつき擦られ、喜びの液体を漏らし続ける。
「ちゅるるっちゅるるんっあっまたっイっ!? んぁあああああぁあっ!!」
ビクビクビクビク!! プシャアアアア!!
ドビュルルルル!! ビュウウウウウウウウ!!
(……ずっと……このまま……グラン……グラァン……!!)
混濁した意識のまま、ただただベアトリクスは愛されて愛撫され、精をしぼりとりながら、性欲にまみれた幸福に溺れ続けた。
グランサイファーを朝日が迎えている。
ベアトリクスは甲板上でヘリに腕をついて口元を隠していた。その頬は日に照らされたこととは無関係に紅い。
隣に立つグランは何度かベアトリクスへ話しかけたが、「うん」とか「すん」とかしか彼女は言わなかった。
「うぅうう……!」
(もっと、うまくやれるはずだったのにぃ……!)
ベアトリクスにとって昨夜は幸せな一時に違いなかったが、数少ない二人きりの時間の中で、日々の努力の成果を出しつくしたとは言いにくかった。
あれだけ乱れた行為をした後の羞恥心もある。されどグランとはまだ離れたくなく、甲板で朝日を迎える中で肩が触れ合っている。
グランは言う。すごく、可愛かった。
「なっ!? やっやめろよっ……!」
グランは真剣な声色だった。今のグランの感情にからかいがない。
体を重ねたときに感じたベアトリクスの計画性、きっとこの日のために色々と情報を集めてシミュレーションをしてくれたのだろう。自分のために。
グランはそう思うと、ベアトリクスが愛おしくてたまらなかった。
昨夜のことだけじゃない。ベアトリクスはいつも努力家で、あきらめずに必ず成果を出す。そんな姿にグランはいつも励まされ、助けられていると、正直な感情のままベアトリクスへ伝えた。
「え……!? ほっ本当かっ!? そっか……そうなんだっ……!」
太陽のように明るい笑顔のベアトリクス。グランが彼女と初めて出会った時に感じた、折れてしまいそうな危うさはもうなかった。
「まっ、まあ私ならそれくらい当然だなっ! これからもっともっと、私は凄いんだってとこ見せてやるからなっ!」
褒められて調子に乗るタイプ。この素直さがあるから、ゼタをはじめとした組織の面々は、つい綻んだ顔で彼女を放っておかないのだろう。
少し肌寒い。グランは手をベアトリクスと重ねる。
「えっ? あ、えへへ……!」
ベアトリクスは歯を見せる笑顔のまま、素直に握り返す。
(私、成長してるよな)
ベアトリクスは朝日を眺めるグランの横顔を見ながら思う。ベアトリクスの人生の目標はまだ途上だ。
だがこの騎空団に入ってから、今までよりも、もっと確実に近づいている気がする。握る男の手の温もりから、ベアトリクスは不思議な確信を得ていた。
(私の目標を……叶えたら、叶えたら、その後は……!)
「なあ、グラン」
顔をベアトリクスの方へ向けたグランへ、
「チュッ」
その口へ、不意打ちの一撃。目を見開いて固まってしまうグラン。
ベアトリクスも真っ赤な顔をしてたが、どもらず、正面から輝くような笑顔で言い放った。
「へへーん! これからもずっーとっ! お前についていてやるからなっ!」