pixivに投稿しました同名タイトルの同一作品です。
既読の方はご注意ください。
星が瞬いている。波のさえずりが聞こえる。
海の家で行われたグランサイファー一行の乱痴気騒ぎ、今では酒に溺れて疲れ果てた団員たちが宿でいびきをかいており、カタリナのように1人カウンターでグラス片手に晩酌しているのは珍しい。
カタリナは未だ白の水着を着、淡い光を放つ海の家でワインに舌鼓をうつその姿は、静寂さと濃紺の海とのコントラストが相まってローテンポのジャズミュージックが聞こえてきそうだ。
既に厨房での後片付けも終わっており、1階にいるのは完全にカタリナ1人。
波の音に混じって階段から木の軋む音が聞こえてくる。1階に降りてきたのはこれまた水着姿のヴィーラだった。
「お姉さま、まだ起きていらっしゃったのですか」
相も変わらない笑みと声のトーンでカタリナへ話しかける。
「ああ、ヴィーラはどうしたんだ」
「先ほど降りていくお姉さまが見えましたので」
「そうか。……グラスを出そうか?」
「いえ、大丈夫です。誰かと待ち合わせをされているのですか?」
ヴィーラがカタリナに近づいていき、カウンターには座らずカタリナの隣で止まる。
「いや、そういうわけではないよ。特にこれといって理由もない」
カタリナが笑顔で応える。ヴィーラはカウンター越しに手を伸ばしてグラスを取ると、カタリナの隣に座った。
カタリナは慣れた手つきでボトルをヴィーラのグラスへ注ぐ。
「ありがとうございます。少しお話したいことがあるのですけれど、よろしいでしょうか?」
「ああ、なんだい?」
ヴィーラが「いただきます」と小声、グラスを桜色の唇につけて傾けて、赤色の液体を喉へ流し込む。こくりと喉が鳴る。
「お姉さまは……団長さんとお付き合いをされているのですか?」
カタリナは目を見開いてヴィーラを見つめた。ヴィーラはカタリナを見ておらず、正面のカウンター越しに見えるボトル郡を見ている。表情から感情は伺えない。
カタリナはすぐには答えられない。整理が必要だった。なぜヴィーラからそんな質問が向けられたのか、どんな意図で向けられたのか。
……正直に答えるべきか? いや答えるべきだろう。ヴィーラは大切な後輩であり、寝食を共にするかけがえのない仲間だ。
沈黙は肯定と捉えていいだろう。だがヴィーラはカタリナの返答を待っている。
カタリナはグラスを置き、目を閉じて一息ついた。テーブルに両肘をつけながら腕を組む。
「……ああ、そうだ」
平坦だが、しっかりとした声だった。ヴィーラがカタリナを見て、口元だけで微笑む。
「そうですか……おめでとうございます、お姉さま」
「あ、ありがとう、でいいのかな……。しかし、どうして気づいたんだ? 彼と私は、表立ってそういう関係に見せることはしていなかったんだが……」
カタリナが不思議そうにヴィーラを見る。実際カタリナとグランが2人きりになれるタイミングは少なく、オフの時もルリアと交えて3人でいることが多かった。
「ふふ。そういうものは、日常のちょっとした仕草に現れるものですから。お姉さまが団長さんを見る目が変わったのは、すぐにわかりました」
「そうか……。鋭いなヴィーラは」
カタリナは苦笑してグラスを口へ運ぶ。別にいけないことをしたわけではないが、彼との関係が糾弾されるのではないかという不安が多少あった。
ヴィーラにそういう雰囲気はなさそうだ。
「ただ1つ、気になる事がありまして」
ヴィーラは顔を傾げてカタリナの瞳を見る。
「団長さんとルリアさん、先ほど2人で部屋に入っていくのを見かけたのですけど、その事はご存知ですか?」
「!?」
カタリナの表情が固まり、頬に一筋の汗が流れる。
(いや、待て)
「そうか。だが珍しいことでもないんじゃないか? あの2人なら、寝る前になにか話でもあったのだろう」
カタリナは震えずに言い切る。ヴィーラは変わらぬ笑みだが、少し頬を紅潮させて、
「ええ、最初は私もそう思いました。だけど、その、ドアの隙間が開いてまして。そこから、2人が……。ごめんなさい。ここから先はちょっと言葉に出せません」
プイと視線をカタリナから外す。カタリナの思考が今度こそ止まった。
数秒呆然とした後、再起動する。
(あの2人……人には見られないようにとあれほど……!)
カタリナは2人の失策に頭が痛くなる。
どうする。どう言い訳をする。下手に嘘をつけば2人の名誉に関わるし、特にグランは致命的だ。今カタリナが彼との関係を認めたのに、夜別の女を部屋に連れ込んでいたのだから。
かといって正直に話すのは、どうなのだろうか。グラン、ルリア、カタリナ3人のあの薬から始まった関係。まず世間的には理解し難いだろうし、2人の了解も得ずに自己の判断だけで3人で関係を持っているなどと、他人に話していいものだろうか。
しかしカタリナにはこの場をうまく収められる嘘が思いつかないし、下手な演技をしてもすぐに気づかれるだろう。また、沈黙でいたらヴィーラが彼を制裁しかねない。
結局カタリナは汗の雫を多分に発しながら、諦めと共に大きく息をついて真実を紡ぐ。
「ルリアと彼の関係は、私も知っている。ルリアも、私が彼と関係を持っていることも知っている」
カタリナは視線を外しているヴィーラを正面から見据えて、できうる限り真摯に言葉を発する。
「あまり理解を得難い関係であることは重々承知しているが、3人で納得している関係なんだ。それについての糾弾、または団の風紀を問うならば、年長者である私が責任を取ろう。言い訳はしない」
ヴィーラは一度長く息を吐き、揺らいだ標的にやっと照準を合わせたようにカタリナへ視線を合わせる。変わらず笑顔。
「お姉さまは、本当にお姉さまですのね。そんな事を堂々とはっきりと言われたら、何も言えなくなってしまいます」
ヴィーラはグラスを手に取り、一口ワインを口内へ注ぐ。またカタリナを見る。
「ごめんなさいお姉さま。少しカマをかけさせていただきました。団長さんとルリアさんは、今夜2人で部屋に入っておりません」
「え!?」
「こちらです」
そう言うとヴィーラは、左太ももに巻いているリボンから、括りつけてた細いガラス容器を取り出した。ボトルというには細すぎて、試験管のように見える。
その中には綺麗な色をしている液体が入っていた。
「以前、盗賊の倉庫にお姉さま達が閉じ込められた時と、同じ薬品です」
「!?」
ヴィーラは直接的には言わなかったが、カタリナの頭のなかで全てが符合した。
「……あの時から気づいてたのか?」
カタリナは手で目元を覆った。砕けた自尊心、羞恥、得も知れぬ敗北感が入り混じってどん底に叩きつけられたような、空虚で浮き上がったような不幸感。身も蓋もない事を言えばやっちまった感。
「さすがにあれだけの匂いがあれば、何があったかはすぐにわかりました。ですが、お姉さま達は何も言わなかったので。あっちなみにこれは唯のジュースです。薬のことはシェロカルテさんから聞いて、似た色のものを。またカマをかけさせていただきました」
ごめんなさいとヴィーラは頭を下げる。
「いやこちらこそ、よく他の人に言わないでくれたというか、まあ言えることでもないだろうが……」
しかしここまで来て、カタリナはヴィーラの意図が少々わかりかねてきた。シェロカルテ殿から確証を得られていたなら、この場でなにを聞きたいのか?
「……お姉さま」
空気が変わった。プレッシャーとまではいかないが、先程とは違うヴィーラの張りのある声色。笑みのない顔。
「なんだ?」
「お姉さまは、団長さんを愛していますか?」
カタリナは驚いた。しかし迷いは微塵もわかなかった。
「ああ、愛している」
ヴィーラの表情は、変わらなかった。ヴィーラはボトルをカウンターに置く。
「そうですか。お姉さま、私は、お姉さまのことを」
ヴィーラは座ったまま体ごとカタリナに正面を向いた。手は合わせた膝の上、一度唇を一文字に引き結び、カタリナの吸い込まれそうな瞳を見つめて、初めて実剣を振った時よりも勝る勇気を振り絞って、言葉を紡いだ。
「愛しています」
さざ波が響く。
カタリナはその言葉に内包された意味を、しっかりと細部にいたるまで理解した。
ルリアに愛していると伝えるのとは違う、自分もその感情を1人の男に向けているから。
「……ヴィーラ」
だからヴィーラがどれだけの感情と勇気を持って伝えたかも、カタリナは理解できた。
だから真摯にカタリナの心の真実を伝えた。
「私にとって君は、本当にかけがえのない存在だ。特別な……存在だよ。だが」
カタリナも真っ直ぐにヴィーラの瞳を見た。
「その気持ちに、答えることはできない」
ヴィーラの唇が一瞬震えた気がした。
「薬から始まった関係、ではありませんか」
言ってからヴィーラは後悔した。そんなことカタリナが一番よくわかっているはずじゃないか。
「そうだな……。ごく一般的な付き合いから見れば、私達はきっかけも結果も異常だし、色々と順番も飛ばしているだろう」
カタリナは表情を崩す。柔らかだった。
「けれどいざ彼とそういう関係になると、今まで見てきたはずの彼の仕草や表情が、とても愛しく見えてきてな……。たまに二人になると彼もこちらのことを……っ!」
そこまで言って、これが今ヴィーラに対しとんでもなく残酷なことを言っていると気づいた。
カタリナの表情が一瞬で悲痛なものに変わり、ヴィーラに違う言葉をかけようとする。
しかしカタリナの視線に入ったのは、穏やかな笑顔をしているヴィーラだった。
「ふふっ。お姉さまったら、本当に団長さんに夢中ですのね。少しぐらいは逆転の糸口が見つかるかと思いましたが、無駄だったようです」
ヴィーラが立ち上がり、グラスとボトルを持ってキッチン裏へと消えていく。水音がしたあとに戻ってきたヴィーラの手にグラスはない。
「おやすみなさい。お姉さま」
ヴィーラは貴婦人のように腰を少し落としながら水着についたフリルをつかんで広げる。
「あっああ。おやすみ……」
ヴィーラが階段奥へと消えていく。
残されたカタリナは苦虫を潰した表情をしながら、自身の額に手を当てた。
(失敗したな……。好いた相手が他者とののろけを語ることほど、傷つくものはないだろうに……)
酔いが覚めてしまった。
カタリナは手早くグラス諸々を片付け、顔を引き締めて席を立つ。
(……今からでも、もう一度ヴィーラと話をしよう。慰めるわけじゃないが、このままでは少し不安だな……)
カタリナは2階に上がり、ヴィーラに割り当てられた部屋の扉をノックした。
「ヴィーラ、私だ。少しいいか?」
返答はない。もう就寝したのだろうか。
(……まさか)
カタリナは一瞬顔面蒼白になった。脳裏に浮かんだ最悪の想像、ヴィーラはその剣をもってグランを……。
(いやいやいや。さすがにそれはあるまい。ヴィーラ自身、彼とはうまくやっている。騎士学校時代のヴィーラと比べれば、本当に穏やかな顔をするようになった。こんな想像自体、ヴィーラに失礼というものだ)
そこまで考えてカタリナは深呼吸し、落ち着きを取り戻す。
しかし次いで頭に浮かんだのは、昼間抜き身の剣でローアインら3人を追い回すヴィーラの姿だった。
(……確認だけしておこう)
「グラン?」
こんこんと2度、グランの扉をノックする。
(寝てしまったのか……? 鍵は……)
ドアノブを回す。かかっていなかった。
「グラン……?」
扉をゆっくりと開ける。部屋には明かりがついており、奥に上半身裸で短パンだけを身につけたグランが椅子をこちらに向けて座っているのが見えた。頭が垂れて顔は見えず、腕は不自然に背中へ回っている。こちらに反応した様子はない。
「おいおい。そんな格好で寝るものじゃないぞ」
カタリナは安心したように息をはき、ドアを完全に開けたままグランへ近づく。
「……!?」
グランの後ろの窓、黒色の海に反射して見えるグランの背、椅子の後ろに回された両腕が縄で縛られているのが見えた。
次いでカタリナの背後の開けたドアがゆっくりと閉まっていく。その陰に、腕を組んでこちらを見つめるヴィーラがいた。
カタリナが即座に振り返り、驚きの声を上げる。
「ヴィ、ヴィーラ!?」
気配を消していたのかまったく気づかなかった。ヴィーラは無表情のまま後ろ手に扉の鍵を閉める。
「お姉さま……」
「!?」
カタリナは思わず臨戦態勢をとった。ヴィーラから感じる気は狂気のそれ。シュヴァリエの力を身につけたあの時と同じ。
「……ヴィーラこれはどういうことだ。グランになにをした?」
さすがに語気を強める。
「お姉さま……1つ、聞き忘れていたことがありました」
ヴィーラは剣を構えているわけではない。後ろ手に手を組み、憂いを持った表情でドアにもたれかかる。それだけなら待ち人に恋焦がれる少女に見えた。
「薬から始まった関係、しかもルリアさんも合わせて3人。それでもお姉さまは、団長さんを……グランさんを愛していると言いましたね」
「……ああ」
「ならば……」
ヴィーラが太もものリボンに括りつけられたボトルを取り出す。それは、先ほどヴィーラがカタリナに"あの薬"と誤認させた代物。
「私がこの薬を飲んで耐え切れなくなったら、お姉さまは私を受け入れてくれますか? 愛してくれますか」
カタリナは即答しようとした言葉を飲み込んで、少し声の勢いを殺して答えた。
「……それを受け入れることはできない。3人の時はあくまで事故だったが、明確な意思によって関係をもとうとしているならば、私は絶対に受け入れない。だが、ヴィーラ」
カタリナは意思と優しさを込めた声色と表情で続ける。
「もし君がその薬を飲んだなら、私はどんな方法を使ってでも絶対に君を助ける。見捨てはしない。君だって、私にとって特別なのだから」
虚空を見ていたヴィーラの瞳が、一瞬揺れた。何かを悟ったのか、それとも心にまた別の嵐が起こったのか、カタリナには伺い知ることができない。
「ヴィーラが持っている薬は、本物なんだな」
「……ええ。先ほどグランさんに飲ませました」
「ええ゛!?」
「知りたかったんです。グランさんのお姉さまへの愛が、こんな薬程度に負けるものなのかどうか。負けて私に発情するようなことがあれば……」
ヴィーラが視線をカタリナへ戻し、少し微笑む。
「ですけど、仕込んだ飲み物を飲んだらすぐにぐっすりと寝てしまって。一応縛って効果を待っていたら、お姉さまがきたというわけです」
「ヴィーラ……」
カタリナの声は震えていた。ヴィーラはカタリナが怒っていると思ったようだ。
「ええ、わかっています。今回は度が過ぎました。もしグランさんが目覚めて薬の効果があったら、どうかお願いします。これももう、二度と使いません」
そう言ってヴィーラは手に持ったボトルをカタリナに見せる。先ほど1階で見せたときに比べれば、もうほんの少ししか残っていない。
カタリナの声の震えが止まらない。
「お、おいヴィーラ。君は、それを、直接そのまま飲ませたのか……!?」
「え、ええ。飲み薬ですから……」
「あ、あの倉庫の時は、床に散らばった薬が気化しただけでとんでもないことになったんだ! それを……!?」
恐怖すら滲んでいるカタリナの震え声に、ヴィーラも狼狽した。強大な敵を前にしても凛として立ち向かうあのお姉さまが……?
ヴィーラが抱いた疑問は、縄を引きちぎり椅子を粉々に砕いたグランの様相で一瞬で氷解した。
「ひっ!?」
グランの姿を見て、そんな声をあげたのはカタリナだ。
グランが纏う気はまさにオーガ。顔は激烈なまでに女を求める凶相に変わり、股間の男根はへそをゆうに超えて天にそりかえり、短パンから見事に半ば以上はみ出している。
カタリナは一瞬引いたが、次いでそれを見てごくりと喉を鳴らしてしまった。すでにここまで香るひどい性臭、鈴口からは止めどなく我慢汁があふれている。
グランの野獣の眼光は、完全にカタリナをとらえていた。
(あ……あんなもので貫かれたら……どっ……どれだけ……はぅ……)
カタリナの心の奥の奥で、あれを期待してしまっている。倉庫の時の激烈な快楽を思い出して、体が急速に受け入れ体制を整え始める。
カタリナの頬が朱に染まり、薄く開いた唇からは吐息がもれて湿り気を帯び始める。
しかし一応なんとか最後のところで一握りの理性を取り戻した。
「……はっ!? ヴィーラ早くこの部屋から出っいぎぃいいいっっ!?」
一瞬だった。グランが一気に距離を詰めてカタリナを正面から抱きしめて固定すると同時に、一気に短パンを下ろしカタリナの水着をずらし、膣壁を特大のカリで抉りながら子宮口をカタリナの体ごと一気に押し上げる。
「かっ……はぁ……っ!」
カタリナの肺から一気に空気が押し出され、目尻に雫が浮かび手足が震える。本来なら痛みを伴ってもおかしくない衝撃なのに、カタリナの体には電流が走ったように快楽の波が押し寄せ、膣からぷしゅぷしゅと液をまき散らす。
カタリナは後で知ったことだが、グランの体から許容できなかった薬の成分が催淫効果を保ったまま、グランの体液と一緒に分泌されていた。
その気化したものを間近で嗅いだカタリナですらこうなのだから、既にグランの理性は無に近い。
それでもせめてグランはカタリナを欲望のみで犯すことを拒んだのか、一突きで打ち震えるカタリナの耳元へ愛をささやく。
「ふぁあ……グランぅう……」
しかしそれはカタリナをさらなる高みへ追いやるエッセンスにしかならない。グランはカタリナの唇を乱暴に奪うと、カタリナも水音を立てながらグランの口内と舌を吸引した。
「あむっちゅううじゅるるるっんんむう!?」
それがグランの蹂躙開始の合図だった。腰を深く沈み込ませて膣壁を最大まで引っ掛けながらペニスを引き出し、また一気に腰を突き出して子宮口を抉る。
「ふむんんぅぅうううう!?」
何度も何度も繰り返され、カタリナが身体中を痙攣させながら脊髄反射でグランの口内へ舌を突き出す。既に瞳から理性は失われ、快感からくる嬉し涙とよだれがあふれてグランとカタリナの胸元を湿らせていく。
「おねえ……さま……」
ヴィーラは愕然として唇を震えさせ、その光景から目が離せない。
「はひっ……うあっ……」
グランの物が引きぬかれ、カタリナは極部から色んな液体をまき散らしながら、足腰に力が入らず床に座り込んでしまう。
グランが乱暴にカタリナの背中を押し倒す。カタリナの顔がヴィーラの足元へと行くと同時に、グランはカタリナの腰をがっちりと掴んで、後ろから貫いた。
「あふっ!? ひぎいッ!? みっっみるなヴィーラぁっあひいぃん!」
絶えず行われるピストン運動。カタリナの快楽に染まった表情。言葉はそう言いながら、カタリナの喜びの感情が見て取れてしまう。
「あっ……」
ヴィーラにとって、本来ならショッキングなはず。だが、
(お姉さま……、なんてお顔を……。あんなに気持ちよさそうで、快楽に溺れて……)
淫臭は既に部屋に充満している。ヴィーラが持っていたボトルが足元に落ちて割れ、残った薬が床に広がって気化し始める。
ヴィーラの下腹部に宿る熱。分泌し始める雌の液体。荒くなる呼吸。カタリナの極部が広がってグランの怒張が絶えず抉り、パンパンと音を立てながら入り混じった液をまき散らす。
「ひぃ!? いくっグランっまたっわたっしのっ! 中にい!! ふあぁあああん!!」
ビュルルル!! ビュルルルル!!!
グランの怒張がカタリナの最奥を貫きながら、ぷっくりと膨らんだもの全てを子宮に送り込んだ。
「あああああっぅ……あっ……ああっ……」
ぷしゃあああああ……。
許容できない絶頂に震えるカタリナのかすれた声。間近でヴィーラに見られていることを忘れて失禁し、虚ろな瞳に溺れた笑みをしながら涎を床に落とす。
グランがペニスを引き抜くとカタリナは糸の切れた人形のように床に倒れ伏し、ぴくりぴくりと震えながら膣から精液をあふれさせる。
ヴィーラも同時にその場にへたり込み、自分の指が秘部に伸びていたこと、既に糸をひくまでに極部が湿り気を帯びていたことに今更気づいた。
グランのペニスは未だ萎えず。グランの瞳が、ヴィーラの瞳を見つめた。
「はぁ……はぁ……団長……さん……」
(体が……熱い……!? このままでは……私も、お姉さまのように……!)
かろうじて沸き起こる危機感。想い人の行為を間近で見たという事実も、自身の疼きによって緩和されつつある。
「はぁ……はぁ……はぁ……はぁ……!」
ヴィーラの息が、荒くなっていく。
(お姉さまのように……私も……あの……男根で……!)
近づいてくるグラン。ヴィーラの視線が、反り返る股間に集中する。
(グランさんの男根で……乱暴に……犯されて……! 何度も何度もイかされて! ああっ! お姉さまが溺れた快楽に、私も……!)
ヴィーラの瞳の色が変わっていく。脳内が桃色になっていく。
どんっ! とグランが扉に手をついて、床に座ったヴィーラの眼前に亀頭を持っていく。
一度カタリナに中出ししたにもかかわらず、全く硬度を失っていない。
(ごめんなさい……お姉さま。でも……私……団長さんになら……)
ヴィーラの口端から漏れる雫。ヴィーラは酒に酔ったように、グランの竿に手と舌を伸ばしながら顔を近づける……。
ぽたり、と、ヴィーラの前を水が一滴落ちた。
「え……?」
ヴィーラが疑問の声を上げて、顔をあげる。そこには、苦悶の表情で涙をながすグランがいた。
(団長……さん?)
グランが顔を歪ませながら、何かを言っている。よく聞こえない。耳を澄ませてみると……。
……ヴィーラ。逃げ……て……。
「――!」
ヴィーラの脳髄に、重い衝撃が走った。
ヴィーラがカタリナを好いている事など、当然グランだって知っている。
だからグランは耐えている。既にグランと好き合っているルリアやカタリナならいざしらず、明確に他に好きな相手がいるヴィーラと行為をするなど、例え薬に犯されていてもできない。
最初の時ですら、グランはルリアとカタリナを守るために自身のものを切り落とそうとしたのだから。
(逃げて……ですか……)
『知りたかったんです。グランさんのお姉さまへの愛が、こんな薬程度に負けるものなのかどうか。負けて私に発情するようなことがあれば……』
先ほどの自分の言葉。あんなセリフを言っておきながら、ヴィーラだってグランの性器に舌を伸ばした。
人の感情などゆうに逸脱できる悪魔の薬だとわかっていたはずなのに。そもそも騙して薬を飲ませたのはヴィーラなのに、グランはヴィーラに、涙を流しながら逃げろと言う。
(グラン……さん……)
ヴィーラの頬に流れる一筋の涙。想起されるグランとの出会い。
アルビオンで戦った時グランは仲間たちと共に、シュヴァリエの力を借りたヴィーラを打ち破った。
その後シュヴァリエの呪縛からヴィーラを解放し、カタリナを求めるためだけに騎空団に入ろうとしたことも了承した。
それから行動を共にして見てきた、彼の気丈な戦いぶりと人を惹きつけてやまない人柄。
様々な冒険の中、最後まであきらめずに戦いぬく姿勢。一癖も二癖もある仲間たちに対して分け隔てなく接し、仲間の抱える問題を解決して笑顔になる彼。
魔物から自分を庇ってくれた時に重なった、カタリナと彼の姿。
この海の家でのお手伝いの中疲労で倒れた時、意識が戻るまで側にいた彼。戻った時に心から安心した笑みを向けるグラン――。
グランが自らの男根へと手を伸ばす。それがヴィーラを犯すための過程ではないことを、ヴィーラは悟った。
全ては自分がまいた種。グランを救わなければならない。あとこの状況で人を呼びに行ったら他人にカタリナの痴態が見られてしまう。
「どうか……、無理をなさらないでください。私も……」
ヴィーラがゆっくりと、我慢汁をとめどなくあふれさせる亀頭へと口付ける。頬を染め、ゆっくりと奥へと加え、亀頭の形に合わせて唇の形が変わる。
「んちゅ……ん……ちゅうぅ……」
(グランさん……腰が震えて……かわいい……)
歯を食いしばるグランと対照的に、ヴィーラは恍惚として浅く吸い続ける。それが、グランの最後の理性を粉々にした。
「おごおっ!?」
突如ヴィーラの喉奥へ深々と突き入れられた男根は、竿により舌を完全に口下へ押さえつけ、亀頭によって呼吸口を拡張限界ギリギリまで押し広げて完全にフタをした。
(い……息が……!?)
あまりの苦しさに抵抗をすることを忘れてしまう。ヴィーラが状況に追いつけないまま、普段は開閉する場所まで押し入った男根を一気に引き抜く。
「うぐぅうう!?」
引きぬく勢いでヴィーラが顔ごともっていかれ、引いたグランの腰に追随してしまう。
亀頭の裏筋をヴィーラの舌にこすりつけて感覚を楽しんだ後、また一気に喉奥へと突き刺す。
「おぶぅう!?」
ヴィーラの目尻に涙がにじむ。ヴィーラが空気を求めれば求めるほど、亀頭を包む喉奥が連続的に収縮して心地よい圧力を加えてしまう。
また一気に引き抜き、今度は間髪おかず突き刺す。また引き抜き突き刺す。
ヴィーラの口内が絶え間なく唾を分泌し、ざらざらとした舌が裏筋を一直線で撫で回す。ごりゅごりゅと喉奥の壁に亀頭が押し付けられる。
(あっ……あっ……)
本来なら呼吸困難で苦しいはずなのに、ヴィーラの指は湿り気を帯びた自身の陰部に伸びる。上から水着の隙間に手を入れて、濡れそぼったクレパスを浅く押し込み指を上下させる。
薬のせいなのか。この世で唯一心を許せる男性への献身、償いか。そんな疑問は霞がかった脳裏から消え失せる。
既に口腔を往復する男根は人間が持ちうる速さの限界に達し、ヴィーラの唇と男根の隙間から泡だった液体があふれ飛ぶ。
ごりゅごりゅとヴィーラの喉奥を抉る音とヴィーラの唇からあふれるぐちゅぐちゅとした水音。
ヴィーラはよだれを垂らしながら快楽の絶頂へとひた走る彼に呼応するように、秘部の奥をえぐる指の入出を深く速くして水着を愛液で満たす。
グランは吠えるような声を出し、ヴィーラの喉奥を超えて食道付近まで侵略するが如く。凶器とも言えた男根が全てヴィーラの体内に収まる。
ヴィーラの口内が震えるように縮んで吸い込むと同時に、暴れ馬と化しながら滝のような白濁液をヴィーラの体の内側に叩きつけた。
ビュルルルル!! ビュルルルル!!
ヴィーラの顔が射精の暴走によって小刻みに揺れ、陰嚢がヴィーラの顎にペチペチと当たる。
すぐさま精液はヴィーラの口腔の許容量を超えた。
「ぶはぶぅうおっ!?」
泡だった唾液があったヴィーラの唇と男根の接合部から、逆流した白濁液が勢い良く噴出される。それでもグランはヴィーラの後頭部を押さえつけ、長い長い射精を続ける。
ヴィーラの下半身が小刻みに痙攣し、吸収の許容量を超えた水着から様々な液体が床に水たまりを作る。
「はひっ……あっ……」
放出が終わった。腰を引くと半勃ちのペニスがヴィーラの口から引きぬかれ、どろりとした精液の糸をヴィーラの舌と亀頭で作る。
ヴィーラは荒い息を吐きながら、床についた臀部を中心に染みを広げ続ける。
半開きの唇からは注がれた白濁液がとめどなくあふれ、顎を伝って胸元に落ちる。
ヴィーラは呆然とした表情をしながらも、視線は未だいきりたつグランのペニスに釘付けにしたまま、自身の秘部を慰める指の運動を早くした。
「あっんあっはぁっはぁ!」
(お姉さまを貫いた、これがっ、今度は私のっ、ここにっ)
グランの両腕がヴィーラの両脇に差し込まえれ、ヴィーラはなすがまま持ち上げられる。
そのままグランのペニスの先端が、ヴィーラが慰めている秘部にあてがわれる。
「んっ……」
ヴィーラが少々恥ずかしい顔をしながら、水着をずらし秘部を指で広げて亀頭を浅く包む。
グランがヴィーラを抱き寄せ、ヴィーラがグランの背中に手を回すと同時に、一気に奥深く差し込まれた。
「くはぁああっ!?……あっ……あっ……!」
ビクビクビク! プシュッ、プシャアア…… 。
ヴィーラが狂気が混じった嬌声を上げる。接合部はぴったりと合わさってペニスの全てが埋没し、ヴィーラは笑みを浮かべて乾いた呼吸をしながらグランの腹部を濡らした。
(こっ……こんなに……!?)
今まで指以外受け入れたことがなかった秘部が、経験したことのない奥深い衝撃に歓喜に震えている。知識こそあったものの、こんな入れただけの衝撃で絶頂に達するなど、常軌を逸している。
ヴィーラは力なく倒れそうになり、なんとかグランにしがみついく。グランの肩に顎をのせ荒く息を吐いていると、グランの即座の引き抜きと再挿入に目を見開いて悲鳴を上げる。
「ひぎっ!? まっ待ってください、今はあぅん!?」
グランはその声を無視し、ヴィーラの臀部をしっかりと掴んで上下運動を開始する。凄まじく早く、そこに気遣いというものは存在しない。
ズチュズチュズチュズチュズチュ!
「んあっいきっイキましたっ! イきましたからっ! あっまたあっ! ひいぁああっ!」
ヴィーラの涙の混じった懇願は、常時ではまず味わえない快楽に打ち崩される。
(いやあっ! 壊される! グランさんにいっ! 壊されるう!?)
ヴィーラの思考とは裏腹に、その体はさらなる高みをもとめんとペニスをきゅうきゅうと締め付け、はやくその男根にためこまれた精液を求めるように痙攣する。
引き抜かれると同時にイき、子宮口がえぐられると同時に膣から液を噴出する。終わらない絶頂がヴィーラの理性をずたずたに切り裂き、ヴィーラの体を目の前の男のための肉壺と化してくいく。
しかしグランも本能のまま欲望のまま我慢をせずに、せり上がってくる精液を感じると存分に吐き出さんとヴィーラの子宮口の最奥を貫いた。
「いぎっ!? いあっあぁあああああ!!」
ビュルルルルル!! ビュルルルルル!! ビュルルルルル!!
ヴィーラの意識が混濁し、ただただ下腹部の奥の衝撃に歓喜して何度目かわからない絶頂に溺れる。
かろうじてヴィーラの意識が現実にもどったころには、グランは既にヴィーラをベッドに運んで寝そべらせ、ヴィーラの唇に口づけながら舌を絡めとる。
(あっ……また……あの快楽を……)
ヴィーラは薄く開けた目を閉じて、足をグランの腰へ回す。ヴィーラの口内に入ったグランの舌を甘咬みしながら、恍惚とした表情で秘部を貫いた快感に浸る。
「あむっちゅうっれろっ団長……さんっちゅれろ」
グランの唇を唇でついばみ、舌を突き出して口内に侵入して交じり合う。そのころにはグランの腰の運動が開始し、ヴィーラも時折腰をよじってアクセントを加える。
体が馴染んできたのか、今は意思をもってこの行為に没頭できる。ヴィーラの感情の中に、違う暖かさが芽生え始めている。
「グ……グラン。ああっこうなってしまったか……」
グランとヴィーラが口づけながら行為に浸る中、意識を取り戻したカタリナが片手で頭を抱えていた。
「んちゅっお姉さま、お姉さまも、我慢できないのでしょう? あぁんっちゅう」
ヴィーラはグランとキスをしながらカタリナに流し目を送る。カタリナはそれを見て何かを言おうとするが、結局体の状態には逆らえず真っ赤な顔でこくりと頷いた。
「れろっグランさんっちゅっ私が上にっ」
ヴィーラの意思を汲み取ったグランが、ヴィーラと抱き合ったまま姿勢を逆転させる。グランが下、ヴィーラが上、ヴィーラは口づけを中断し、グランの突き上げに応えるように腰をなびかせる。
「あっこれもっんあっ!」
「グ……グラン、すまない……!」
カタリナがグランの顔にまたがって、とろとろの秘部を口にすりつける。グランは直ぐに応え、カタリナのクリトリスを舐めあげて甘咬みし、舌先でくりくりと刺激した。
「ひぃあっ! あっまたっいきっ」
「あんっお姉さまっ色に染まった顔も素敵……っちゅう」
「んむっ!?」
ヴィーラは下から突き上げられながら、絶頂間近のカタリナの頬を包んで口付ける。戸惑うカタリナもクリトリスの快感に耐え切れずヴィーラを支えにするようにしだれかかった。
(ああっ! ついにっ、ついにあのお姉さまの唇をっ! グランさんに貫かれながら、こんな、こんな……!)
「んちゅうれろちゅううちゅるるる!」
「んうむっ!? あむっつちゅうう」
ヴィーラとカタリナはキスに熱中しつつも、秘部から送られてくるグランの刺激に意識が混濁していく。
グランも限界だった。カタリナのクリトリスを一気に吸い上げると同時に、ヴィーラが絶頂に達した際に収縮した膣壁の脈動で、一気にヴィーラの中へ放出した。
「ちゅうぅあふあっあぁああああん!」
「くうぅああああぁっ!」
ビュルルルルル! ビュルルルルル! ビュルルルルル…………ゴポッ……。
ビクビクビク! ぷしゃああああぁ………。
ヴィーラとカタリナが指を絡ませながら背中を反り、絶頂に浸りながら蜜液をグランへと放出する。
カタリナとヴィーラは互い交差するように前のめりに倒れ、ヴィーラの顔のすぐそばにはカタリナの愛液に濡れたグランの顔があった。
(……あっ……お姉さまの……)
ヴィーラはほとんど無意識のまま舌を伸ばし、グランの頬、唇、口内へと舌を這わせて舐めとっていく。
ヴィーラは膣内のグランの放出が終わらると同時に、既に意識を失ったグランの唇にちゅうと吸い付いて笑顔になった後、カタリナの下半身をグランの体ごしに抱き寄せたところで力尽きた。
明くる日。朝早く起きた3人は、ベッドの上で今後について協議しようとしていた。
と言っても、カタリナは顔真っ赤のまま考えがまとまっておらず、グランの表情にもどこか罪悪感が見える。
ヴィーラは余裕の表情とつやつやとした肌をしながら、さすがに今回の事については自分が落とし前をつけなければならないと認めていた。
「団長さん、お姉さま。今回のことについてはお詫びのしようもございません。浅はかな考えで、昨夜はお二人を危険な目に合わせてしまいました」
頭を下げるヴィーラに、グランはすぐに焦ったようにヴィーラを気遣い、謝罪を受け入れた。カタリナもため息をつく。
「……はあ、まったく。当の被害者が許すというのなら、私がなにか言ってもしょうがないだろう。まあ、うん。ヴィーラも反省しているなら、それでいい」
グランとカタリナが強く言えないのは、昨夜の強烈な一時が心と体に刻み込まれているのも多分にあるのだろう。
平常時では味わえない、極上の快楽。あの刺激は麻薬だった。
さらに言えば、困ったことが一つ増えていた。あの薬の後遺症なのか、グランとカタリナの性欲が以前より異常に増加している。
それは朝起きてからも変わっていない。グランはあぐらをかきながらも居心地悪そうに腰を揺らし、カタリナの視線もちらちらとグランの股間を見ている。
ヴィーラもまた同じだった。
「さて、それでは他の皆様が起きる前に、いきりたった性欲を3人で解消いたしましょうか」
「なっ!? ヴィーラ!?」
「あら、お姉さまも団長さんも我慢できないのでしょう? ならば手早く済ませて満足いたしましょう。私もお手伝いいたします」
「ヴィーラ……。いいのか? 君は……」
「あらお姉さま。私は好きでもない相手に股を開くような女ではありませんよ。昨夜も逃げようと思えば逃げれましたから」
「……そうか。はあ、ルリアになんて説明すれば……」
そう言いながらカタリナの手はグランの股間に延び、ズボンを下ろすと共に顔を寄せる。その傍らにはヴィーラの顔もあった。
グランのあぐらの中心で水音が響く。数分後、今のグランの状態を繋がっている魂で悟ったルリアがすぐさまかけつけ、怒った顔をしながらも水音の発生元に加わるのだった。